ブログ うつと酒と小説な日々

躁うつ病に悩み、酒を飲みながらも、小説を読み、書く、おじさんの日記

民王(たみおう)

2017年03月23日 | 文学

 昨夜、「民王(たみおう)」という小説を読みました。

民王 (文春文庫)
池井戸 潤
文藝春秋

 知りませんでしたが、ドラマ化もされていたんですね。

民王スペシャル詰め合わせ DVD BOX
遠藤憲一,菅田将暉,高橋一生,本仮屋ユイカ,知英
東宝

 なかなか愉快な、SF仕立ての喜劇でした。

 総理大臣とその大学生の息子が入れ替わってしまうというお話。
 面白いのは、総理大臣のみならず、経済産業大臣と息子、野党第一党の党首とその娘も入れ替わってしまい、これはどうやら新手の政治的テロだと気付いて、公安や米国のCIAなどもからんでのドタバタ劇が繰り広げられるというもの。

 池井戸潤という作家の小説を読むのは初めてで、面白くはありましたが、なんだか紋切型というか、人間の造型が単純すぎるような気がしました。

 清濁あわせ持つような人間や、善人でありながらとてつもない悪や闇を抱えている人物を描き出すのが文学の役割の重要な一つであると思います。

 この作品には、その点が決定的に欠けています。

 エンターテイメントといえども、底の浅い小説では、ライトノベルと変わりありません。
 いや、ライトノベルでも、もう少し深い小説が存在しています。

 ひと時の慰みにはなりましたが、この作者の作品はもう読むことはないでしょう。

にほんブログ村 本ブログへ
にほんブログ村


本・書籍ランキング


この記事についてブログを書く
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 人事 | トップ | 平穏無事に »
最新の画像もっと見る

文学」カテゴリの最新記事