ちびめぐ日記

母(43)とムスメたち(11と8)の成長記録。

古き物。

2012年02月01日 | かーちゃんの日々
今住んでいる「築年数不詳」の古民家(おそらく80年近いのでは)の障子を、引っ越してきて初めて張り替えようとした昨年末。
ムスメたちによりビリビリにされたお化け屋敷のような障子紙を手っ取り早く剥がすために、相棒が外して庭に出し水をかけた。そして糊がふやけたところで紙を剥がしとった途端…バラバラと枠が外れて落ちた。えー?!と思っていたら、立てかけてあった別の障子が倒れて、組まれている外枠がずれたので相棒が叩いて戻そうとすると…ガシャン!と雪見ガラス(障子の真ん中にはめられたガラス)が落ちて割れた。えー?!と思っていると、今度は乾かそうとして高い段に載せていた障子が落ちてきて…と次々とコントのように障子が自ら崩壊していった。
長い年月、この古民家と共にあり、すっかりすり減った障子。渋い色見に変色した雪見障子。障子紙と糊でなんとか形を保っていたんだね。大家さんと交渉して、作り替えてもらうことになった。年末差し迫った時期の出来事だったので、なかなか出来上がらず、厳しい寒さの日々をカーテン等で凌いでいたけれど、本日ようやく障子が戻ってきた。ピカピカの白木になって。
トトロのメイちゃんちのような、あの「雪見障子」でなくなってしまったのが本当に残念。今、中にガラスをはめ込んだ雪見障子を作れる職人さんがもういないのだそう。そして、いぶした感じの木の色合いは、壊れてしまうと二度と新しくは作り出せないんだよね。こういった古民家が次々とここ下北沢でも取り壊されて、無機質なデザインマンションなどに建て替わってしまって、もったいないなぁと思う。

そして、壊れつつある古いものがもうひとつ…
今年、82になろうという実家の父の認知症が一気に悪化している。お正月に会った時には、行動がゆっくりだったり、ちょっと動作が危なっかしくなったかな、と思ったけど、「できない」ことはそれほどなかった。それが、この3週間くらいでガタガタと急速にできないことが増えていった様子。兄が一人で世話をしていてくれたけど、自力で立ち歩けない、自分の意思でトイレに行けない、シェーバーやレンジ、ストーブなどが使えない。「介護」の範囲が広がり、日中一人で家においておくのは不可能な状況になった。今まで介護施設の類にお世話になってなかったけれど、医者のアドバイスによりひとまず総合病院に入院することとなった。父は数日前には兄にしっかりした意識で「何もできなくなってすまんな」と言っていたらしい。入院した日の朝には、異常な行動をとり続け、取り付く島もなかったらしい。
頼りの母が亡くなってもうすぐ5年が経とうとしている。父にとっても辛い年月だっただろうな。突然入ることになった病院で、父がどうやって過ごしているのかが気にかかる。