里帰る。

気づいたら世の中は「夏休み最後の日」で、外は曇り空、秋を感じるような涼しさ。きっと学校に通う年代の皆様は宿題ラストスパートに追われていることだろう。“まめかーちゃん”には全く関係ない世の動き、しかしこれが正真正銘“かーちゃん”となった暁には、子の尻を叩き叱咤激励・喜怒哀楽の一大イベントになるんだろな。ははは～。
さてさて。これから一週間、相棒は山へ出稼ぎに、私は里へ養生しに参ります。相棒が泊まりで出稼ぎに行くのはこれまでもたびたびあって、ひとりで自宅にて過ごしていたこともあったんだけど、さすがにまめ腹もここまでデカくなり身動きに痛みを伴うようになると「ひとり」は不安なので、相棒や両親の言う通り実家に身を寄せますです、はい。

季節の移ろい。

８月も終わりになって、家の中に差し込む日の光の角度が変わった。日なたは暑いけど、空気が乾いて風が涼しくなってきた。そろそろ秋だねぇ。
テレビでは郵政民営化をめぐって、政治家たちが画面を賑わせている。私がとても気になっているのは、そこで使われている比喩としての単語。「刺客」「落下傘部隊」…選挙「戦」というくらいだから、使われて当然（？）の表現なのかもしれないけど、戦後６０年の今年だから余計に気にしたくなる…というか…ねぇ。

餃子。

葛飾に住んでいたときに仲良くなったうんと年上のお友だちのお宅に遊びに行く。
ご主人のトクフミさんは学生時代にバイト鍛えた腕前で、おいしい餃子を山のように振舞ってくれるのだ。そのおいしさは、色々なお店で餃子を食べる度に「ああ、やっぱりトクフミさんの餃子が食べたいねぇ」と私と相棒に思わせるため、半年に１回くらいのペースでお邪魔しては、たんまりご馳走になっている。
奥さんのマサコさまは、私の昨年学校に勤めていた時、苦労を共にした相方で、以前までこの餃子パーティーを開くたびに私たちの口からは苦労話や愚痴しか出てこなかったが、この１年ですっかり気持ちを入れ替えて、今回は楽しい話に終始した気がする。
おふたりの３人のお子様達は大学生・高校生となり、子育てもひと段落というところで、わたしたちはこれから子育てを開始しようとしているところ。トクフミさんは目を細めて「早く会いたいねぇ」とまるまるした私のおなかを懐かしそうに眺めていた。

２４時間テレビ。

感動させてやる～！という匂いがプンプンに漂っているけど、そういうの、嫌いじゃないです。わたし。一生懸命に何かに取り組んでいる人の姿というのは、やっぱり感動的だし美しいし素晴しいと思うから。
今年のテーマは『生きる』だそうで。
私にとって「生きる」とは…幸せを感じること、かなぁ。自分も幸せでありたいし、誰かにも幸せであって欲しい。自分が愛する人を幸せな気分にしてあげられたら、それは自分の幸せ。
なんちゃってね。ちょいと真剣に考えてみました。

時差。

相棒は東向きの寝室の窓から眩しい朝日が差し込む６時前後には目覚めるようで、９時過ぎに私が目覚めると、すでに何かしら一仕事終えている。
相棒は朝早くに起きるために夜がめっぽう弱くなり、２３時前には沈没しているが、私は昼寝もしちゃってるので、激しく寝返りを打って私の領土を侵してくる相棒を尻目に、０時か１時まで何かしらして起きている。
朝型の相棒と夜型の私で、すっかり時差が生じてしまった。
妊婦生活も残り少ないが、夫婦水入らず生活も同じだけ残り少ないので、ふたりで一緒にいられる時間を大切に味わおうと思う。

動くまめ。

まめのモコモコは日毎にたくましくなっていき、時に睡眠を妨害され、時に「あ・あ・あ・あ～」とか「お・お・お・お～」とか声をあげてしまう。
この数日、相棒が一緒にいる時間がいつもより多く、いつもより長い時間お腹に手を当てたり顔をくっつけたりして「とーちゃんですよ～」とアピールをすると、まめもそれに応えてくれることが多くあった。
「もじもじ」「モコモコ」以外にもレパートリーが増えて、「ずんずん」「コポコポ」「ふつふつ」…部分的にお腹が出っ張ったり引っ込んだり形が変わることもあって、「ひゃあ、まめちゃん一体何をしているのぉ?!」と想像を膨らませる。
動きが激しくなると、かーちゃんは体力（気力かも？）を奪われるけど、残りわずかな妊婦生活、ということでこれも楽しみます。

８ヶ月目のまめ。

お盆で食べ過ぎて急に体重を増やしてしまったせいか、息も上がりやすくなっていたが、ほんの１、２日食事を少なめにしただけで都合よく体重は減少し呼吸も落ち着いた。世の中の妊婦さんには水を飲むだけでも太ってダイエットに苦しむ人もいるというのに、私の身体ときたら苦労知らずでごめんなさい、お母さんイイ身体に産み育ててくれてありがとう。
さてさて、今日のまめはお腹でモジる瞬間とエコーで映像を見ている瞬間がリンクしていて、「おお、こうやってモジモジしていたのか」というのを見ることができた。まめは顔にも身体にもしっかりお肉がついてきて、ずいぶんと“赤ちゃんらしい”様子だった。そして、相変わらず両腕で頭を抱えて「顔は見ないでぇ」ポーズを決めていた。でも、隠しきれていないのでかわいい顔をばっちり見ちゃったよ～。顔の凹凸もだいぶはっきりしてきている。
恥骨が痛いことを先生に告げると「元気に動いているから当たって痛いんですかねぇ。出血はないでしょ？血が出なければ大丈夫」と言われる。胎児が動いて恥骨に当たる…?!そんなバカな。血が出ない限りはテキトーな応答をしてくれる先生だが、エコーの映像はとてもよく見せてくれるし、自分で改善策も見出せたから、ま、いいか。
まめは１４３０ｇになっていた。

自学自習。

「恥骨」が痛い。うーん、そんなことは人生で初めてだ。妊娠そのものが初めてだから当然か。寝るのも起きるのも座るのも立つのも苦痛。歩くのさえもタイヘン。あまりの痛みに動くたびにシーサーのような顔になるまめかーちゃん。
ネットで情報を収集すると、妊婦の恥骨痛というのはありがちな症状で、みなさん苦労されているみたい。出産に向けて産道近辺の筋肉が柔らかくなり、骨盤や恥骨を支えられなくなり歪んだりずれたりすることで生じる痛みで、産後に治る人もいれば、歪みが戻らずに痛みが増す人もいるとか。骨盤の位置を矯正するベルトを着用すると症状が改善される…というサイトもあったけど、基本的には“仕方ない”痛みだそうだ。シクシク。
ただ、私の場合歪みを増長させる姿勢を多くとっていたことに気づいたので（ぺたんこ座り、おねえさん座りは骨盤が歪むので妊婦は厳禁！ということを知らなかった私…そして楽だからと常に左を下にして横座りしたり寝たりしていた）、これらを全て改め、常に「あぐら」か「両足裏をつけてストレッチ姿勢」で座るようにして、寝るときも「仰向け」（お腹が重くなると仰向けは腹に漬物石を載せているようでとても苦しいから、Ｕ字クッションを敷いて工夫）で寝るようにし、立つとき座るとき左右均衡に力がかかるように心がけた。結果は、早い段階で痛みはゼロではないけどかなり改善された。ああ、よかった…本当にこのままあと２ヶ月も耐えられないかも、という辛さだったの。
自分の身体のことも、知らないことがたくさん。新しい経験をすると、また１つ知識が増えるわぁ。

認識不足。

着々と大きくなるまめ入りのお腹は、自分で「この辺までお腹」と認識しているよりもはるかに前に出っ張っている。ので、ときどきドアや壁にぶつけるし、台所に立っているときはガス台で火あぶりになりかけていたり流しで水浸しになりかけていたり、色々な目に遭っている。ごめんよ、まめ。

初期・安定期・後期。

妊娠１０ヶ月の内訳は、初期（１・２・３ヶ月）・安定期（４・５・６・７ヶ月）・後期（８・９・１０ヶ月）。「安定期」という名称は妊娠前からよく耳にしたけど、この内訳は妊娠してから初めて知った。
８月１０日をもちまして、ついにまめかーちゃんは妊娠後期に入りました。
これまで「なんで“中期”じゃなくて“安定期”って名称なんだろー」と思っていたけど、後期に入ってみて納得＆実感。
安定期にはほぼつわりも治まるし、だんだん妊婦らしい身体つきになるものの周囲の人が気を遣ってくれるほど自分は気にならないし、眠気には襲われるけど気持ちよく昼寝の世界へ入れるし、まめは動くけどモジモジしている程度なので支障はない…日常生活を無理なく送ることができていた。
ところが、後期に入ってから段々とタイヘンに。食べるとすでにぱつんぱつんになっているお腹の皮が更に突っ張って痛痒くなるし、拍車のかかった妊婦体型は「できない」ことが増えてくるし、眠っているとお腹の重みや弛んだ骨盤のゆがみなどで苦しくなったり痛みを感じたりするし、まめのモコモコは私の全身を揺らし「地震っ?!」とびびって目覚めたりするようになった…日常生活に色々な困難を伴うようになってきたのだ。
“後期”は妊娠としては、もういつ生まれても生命としては問題ない程の安定だけども、妊婦としては安定感よりも末期症状を堪能する時期と言えるかも…。
タイヘンだけども、骨盤や恥骨の痛みは産道を柔らかくするために起こっていて、夜中に必ず目が覚めるのは産後の授乳に向けて浅い眠りに身体を順応させるために起こっている、だなんて、人間の身体って本当にスゴイ！と思うので、まめ共々ガンバロウと思います。