水徒然

水に関する記事・記録・感想を紹介します。水が流れるままに自然科学的な眼で
解析・コメントして交流できたら最高至福です。

内部被曝に係る記載の整理(12-31更新 ’11-06-27~'11-12-31)

2011-12-31 | 日記

'11-06-27投稿、追加・更新、強調
 放射能(放射性物質微粒子の塵)を体内に吸引することによる
人体に及ぼす後遺症について、今後注意しなければなりません。放射能について全く無知であるが故、少しでも知識を得るために調べてきました。

 内部被曝についても、断片的に調べてきましたが、
どのくらいの、どのような放射能が人体に悪影響を及ぼすか?については定かではありません。今後の問題と考えています。

 
既報に記載しましたが、空気中には無数の塵埃が存在しています。
 その中に測定されたシーベル値(現状、その
測定値のばらつきが問題となっている)に相応した放射能が含まれていると想われます。

 
空気中の塵埃の数、種類は、場所によって異なりますが、少なくとも、屋外では優に数百万個/ft3(28.3L)以上であると見積られます。

 空気中に長時間滞留して、沈積しにくい放射能の数*がどのくらいかは知りたいところでありますが、インフルエンザウィルスの大きさとほぼ同等もしくはそれ以下の粒子径の放射能が存在していると推察されます。(原子量が大きいく比重が大きいので)
*水中の微粒子ゾルについては、レーダー回折・散乱法などによって、かなりの粒子径までの解析はされているようですが・・・。

 杞憂・妄想かもしれませんが、
放射能は特に、台風突風竜巻などによって拡散しますので、
0.5 μSv/hr(自然放射線は主に電磁波ベースのガンマ線などは0.05μSv/hr)より小さくても、吸引・摂取して、いつ何時、圏内の人々がそろって健康障害を起こさないとは限りません。
 国家基盤は人と言われています。先ずは、福島原発、近隣の人々の内部被曝を実施後、全国民の無料チェックも必要であると
思います。
 本件、既報に記載しましたように、
原爆による内部被曝の後遺症などでプルトニウムによるアルファ線の影響が提案されていますが、今回の原発事故による漏洩放射能による後遺症については、 全くといって誰にも判らないと思われます。
 パニックを起こすと支障がある場合の決まり文句「直ちに影響はありません」と言っている医者がいるとしたら、一時しのぎの弁解に過ぎないと想われます。
 というのは、安全に係る実証・検証データは何一つ公開されていません。
 すなわち、放射能微粒子は世界中を駆け巡っているとの情報もあります。 国内でも原発を起点として静岡茶の汚染例から、半径300km圏ぐらいには高濃度の放射能(現状は、地面に沈積が多くなっていると想われますが、・・・)があることは間違いありません。
 パニック、風評被害を恐れるために、都合の良い公開データには注意しなければならないと思います。
 
内部被曝に係る検証データも現状殆どありません。

(個人的な見解)
 個人的には、
既報のチェルノブイリ原発由来のエアロゾルのフォールアウトの記載例から、粒子径が大きな原子量の大きな化合物は近傍(約20km?)に沈積、その周辺(~約100km?)には比較的粒子径の小さいさまざまな化合物が沈積、それ以遠(約100~300km<)には原子量の小さな化合物が沈積していると推察しています。小さいから、少ないから問題がないのではなく、放射性物質のエネルギーはE(エネルギー)=m(質量)×C(光速)の2乗ということですから、油断大敵です。
  特に、主に、ガンマ線を測定するガイガーカウンター、測定高さによっては検知できない、
空気中に舞い散る
さまざまな有害な放射能を吸引することには注意しなければならないと想われます。

参考投稿:
環境中の放射線量測定値のばらつきに係る記載('11-06-12~)
(測定位置などのばらつき、および、台風、突風などによって地表から風化して再拡散することによって誤差範囲ながら変化している全国各地の環境中の放射線量(シーベルト値)のデータの変化にも着目する必要があると想われます。)
全国放射能濃度一覧
「エアロゾル」に係る記載を調べました。(その3:黄砂の粒度、組成) 

微粒子測定に係る参考情報:

HORIBA
ナノ粒子解析装置
動的光散乱式粒子径分布測定装置
シングルナノ粒子の評価をより高感度・高精度に1台3役
ナノ粒子測定・ゼータ電位測定・分子量測定
詳しく見る
ゼータ電位とは

 
そのためには、念のため、費用が掛かりますが、近い将来、環境中の残留放射能を適切に除去するためにもICP分析、放射化分析によって濃度を正しく確認することが必要かと想われます。
 
 また、現状、
水溶性のセシウム(Cs)、ヨウ素(I)に象徴される放射能しか分析していません。これらは、水溶性なので尿などによって大部分排出されますが、問題は体内に滞留しやすい水に不溶性となった状態の元素の影響であります。 

 現状の不安解消に対する要望を先に述べますと、
「体内において、水に不溶性の状態になった半減期の長い元素およびその化合物の微粒子
に、注意しなければならない。」ためにも、 
 放射線、医学には全く素人ですが、呼吸、飲食によって、体内に混入した有害放射性物質、インフルエンザウィルス(伝染病)など有害物質微粒子の臓器、器官などへの吸着によって、生体細胞への至近距離から損傷、発癌作用
については、吸着機構(電荷的?親水性・疎水性(官能基)?カップリング化?)など自然科学的な要素について、机上の空論による疑心暗鬼がおこらないように本件に係る解明・公開が必要と想われます。

(今後の科学的な究明への提案)
今回、内部被曝した肉牛と人体とはその筋肉、臓器などの表面状態、組成は異なるかもしれませんが、牛を内部解剖してセシウムなどの吸着機構(表面物性との関係、吸着沈着量と発癌性など)を検証
すれば、メカニズムなど少しは分かるのではと、素人・個人的には想われますが・・・。

 今回は、巻末の内部被曝に係る投稿に引き続いて、
最近公開されました「内部被曝」に係る記載を再び調べました。

 
本件、事実を誤らないために、修正を含めて、
逐次、追加・更新する予定であります。

(検索結果)
PS:'11-08-03
薔薇、または陽だまりの猫 2011-08-02 21:22:10
内部被曝隠しと安全神話―被爆者切り捨てを再現させてはならない
・矢ケ崎克馬(琉球大学 名誉教授)
「・・・内部被曝と外部被曝の違い、なぜICRPが間違っているか、など非常に分かりやすいお話になっています。ぜひ広めていただきたいと思います。NHKの情報操作についても触れています。・・・」
本文を詳しく読む

PS:'11-07-29
明日に向けて(20110729 01:00 10:30改訂)
明日に向けて(208)放射線の健康への影響について
(児玉龍彦教授国会発言)改訂版
「東大の児玉龍彦教授が国会で名演説をされました。・・・ともあれ発言内容を先にご紹介しておくことにします。明日、これへの僕のコメントを書いて、記事を追加します。・・・」
本文を詳しく読む
(ノートテークされた内容の一部を個人的なメモとして抽出しました。)
「・・・プルトニウムを飲んでも大丈夫という東大教授がいると聞いて私はびっくりしましたが、α線は最も危険な物質であります。それはトロトラスト肝障害というところで、私ども肝臓医は、すごくよく知っております。要するに内部被曝というのは、さきほどから何ミリシーベルトという形で言われていますが、そういうのは全く意味がありません。I131(ヨウ素131)は甲状腺に集まります。トロトラストは肝臓に集まります。セシウムは尿管上皮、膀胱に集まります。これらの体内の集積点をみなければ全身をいくらホールボディスキャンしても、まったく意味がありません。・・・」

PS:'11-07-23
中日新聞 2011年7月23日 14時02分
福島県、内部被ばくに独自の基準 全県民健康調査で検討
東京電力福島第1原発事故による福島県民の内部被ばくについて、県が独自に評価基準の設定を検討していることが23日、関係者への取材で分かった。生涯1ミリシーベルトを超えなければ健康への問題はないと判断する。ただ、超えるとすぐさま影響が出てくるものではなく、注視する目安だとしている。専門家の意見を踏まえて近く正式決定する。 県は8月から本格化させる全県民健康調査の一環として、対象住民の内部被ばく検査を実施中。広島、長崎の原爆被爆者と異なり、長期間の低線量被ばくに関するデータがないため、健康への影響がどの程度あるか住民に示す上で基準設定が不可欠と判断した。(共同)」

PS:'11-07-22
チェルノブイリ原発周辺住民の急性放射線障害に関する記録
ウラジーミル・ルパンディン
ロシア科学アカデミー・社会学研究所(ロシア)
(一部抽出しました。)
1992年の3月と6月にわれわれは,1986年4月26日に事故を起こしたチェルノブイリ原発にほど近いベラルーシ共和国ゴメリ州ホイニキ地区の地区中央病院において,事故当時に作成された医療記録の調査を行なった.その結果,事故から数週間の間に記録された82件の放射線被曝例を発見したことは以前に報告した1.そのうち8件は急性放射線症認められるものであった.われわれの報告は,ベラルーシ,米国,日本において関心を惹き起こした2,3.・・・
まとめ
チェルノブイリ原発周辺の住民に急性放射線症がなかったという,IAEA(国際原子力機関),赤十字,WHO(世界保健機関)その他の見解を論理的に否定するためには,1件の症例(患者クリチェンコ)をあげれば十分である・・・
詳しく見る>>

⇒本文中の放射能単位がキュリー(Bq:ベクレル)相当)、レントゲンなど旧い形式の単位で記載されていて、理解しきれませんが、メモとして追記しました。
ちなみに、1キュリー(Ci)は3.7×10の10乗ベクレル
*
既報の放射能の単位(引例)で参照できます。

PS:'11-07-20

新たな内部被曝に係る見解についての紹介
ひまわりの種 2011-07-16 
セシウムは本当に甲状腺に「多く」蓄積するのか?
(一部抜粋しました。)
「・・・論文を書いた方は、ゴメリ医科大学の学長をしていたバンダジェフスキーという方で、
・・・まるでバンダジェフスキー氏は正義の味方で、この論文は政府に都合が悪かったからだという印象です。・・・
「セシウムは甲状腺に蓄積して、甲状腺癌を引き起こすのか?」
詳しく見る>>
記事の最初に結論を書いておられます。(赤字はわたしが強調)
 
結論から申し上げると、ある程度は集積するかもしれないが、
極端集積する訳ではない。
ただし、小児甲状腺癌は引き起こさない」

わたしも、この記事を読んで、同意見です。・・・ 」
本文を詳しく読む

PS:'11-07-17
新たな検証データについての紹介
ベラルーシの部屋ブログ2011-07-16 
内臓に蓄積するセシウム
(一部抜粋しました。)
「 ・・・セシウムについてですが、ICRP(国際放射線防護委員会)等は筋肉など全身に分布する、としており、日本の学者にも同意見の人がいます。
 しかし、ベラルーシの研究では「セシウムは全身の筋肉に平均して分布(蓄積)するのではなく、内臓に多く蓄積する。特に心臓、腎臓、肝臓に多く蓄積する。
・・・
 内臓にセシウムが蓄積するのかを測定するのはとても難しいものです。それを測る特別なホールボディカウンタがありますが、ベラルーシには1台もありません。ウクライナにはあるそうです。・・・
胸部には○○ベクレル」「腹部には○○ベクレル」という結果しか出せません。・・・
 
1997年に死亡した大人と子どもの内臓のセシウム137の分布については元ゴメリ医大の学長だったバンダジェフスキー氏が発表した「人体に入った放射性セシウムの医学的影響」という著書(日本語に訳されています。)で、発表されています。・・・
 それによると、大人は比較的平均してセシウムが内臓に分布するのですが、子どもはとびぬけて甲状腺に高い値のセシウムが蓄積しています。1キロあたり1200ベクレルです。大人では約400ベクレルです。・・・
このほか、心臓や血管の病気で死亡した人の心筋と、消化器官の病気で死亡した人の心筋を比べると、前者のほうが多くのセシウム137の蓄積が見られました。
 伝染病で死亡した人と、血管と消化器官の病気(主に胃と十二指腸の潰瘍)で死亡した人の肝臓、胃、小腸、すい臓と比べると、前者のほうが多くのセシウム137の蓄積が見られました。
 このような病死者の死体解剖による個別の内臓のセシウム測定は、世界的にも珍しいです。・・・

本文を読む

 ゲンダイネット 2011年6月21日 掲載
「元広島陸軍病院医師 肥田舜太郎氏が警告」
「 ●3年後の「ブラブラ病」、7~8年後の「白血病、がん」に注意すべき 
 福島原発事故の収束のメドが立たない中、7月にも、福島県民を対象にした健康調査が始まる。追跡期間は30年間という世界でも例を見ない大調査だ。
 特に重要なのは「内部被曝(ひばく)」の影響。
事故当初に政府が強調した「直ちに影響はない」は本当なのか。原発周辺の県民の避難範囲30キロは正しい判断なのか――。
「内部被曝」の危険性を国内で最初に指摘し、元広島陸軍病院の軍医少尉として、被爆者の治療に当たった肥田舜太郎氏(94)に聞いた。
「原爆の直撃は受けていないのに、肉親を捜そうと、3日後や1週間後に市内に入った人たちがその後、被爆者と同じ症状で亡くなる……。初めは状況が分からなかったが、そういう患者をたくさん診て『内部被曝』を確信しました。
 しかし、米国は一切認めない。箝口(かんこう)令が敷かれ、情報は厳しく管理されました」「内部被曝」の問題が表面化したのは、54年の
米国のビキニ環礁水爆実験
で、第五福竜丸が被曝した一件からだ。「本当は第五福竜丸以外にも、周辺で被曝した漁船は700~800隻ありました。しかし、医師らが調査に駆けつけると、米国は既に船主にカネをつかませて黙らせていました。
 最悪だったのは、当時の東大の研究グループ。米国に『機密情報だから公開するな』と口止めされ、収集した研究データを米国に送っていたのです。グループの中心人物はその後、日本の被曝研究の責任者になりました。これでは、日本で『内部被曝』はもちろん、放射線障害の研究が進むはずがありません」
米国が非難範囲を半径80キロに設定した理由
「福島原発の事故で、政府が『直ちに影響はない』との説明を繰り返したのは『無知』だからです。政治家、官僚ともに戦後生まれ。『内部被曝』を否定する米国との安保条約にも配慮したため、日本では放射線障害について勉強する場がありませんでした。
 このため、米国と日本では事故の対応が異なるケースがあります。
 例えば、
米国は今回、避難範囲を原発から半径80キロに設定しました。これはかつて、米・統計学者が50年間に及ぶ膨大なデータを整理した結果、『原子炉から160キロ以内で乳がん患者が増えている』との報告書を根拠にしたからとみています。・・・

原発は大事故を起こさなくても、毎日、湯気や排水で放射性物質を出し続けています。政府はICRP(国際放射線防護委員会)などの基準内だから安全というが、基準ができたのは四半世紀も前で、当時と比べてどんどん緩くなりました。
厳し過ぎると原発が造れない、電気代が上がる、儲からない、というのが理由です。基準の厳格派は次々に買収されました。

 ちょうど、電力会社がメディアに広告費を出し、安全を強調してもらう現在の構図と同じです」

●少量の被曝でも影響がでる怖さ
「・・・将来の『内部被曝』の影響は分かりませんが、
広島の場合、およそ3年後に体が疲れやすくなる原因不明の『ブラブラ病』患者が出始めました。白血病の患者も3年ほど経ってから確認され、7~8年後にがん患者が目立ち始めました。『内部被曝』は少量の放射性物質でも影響が出る。ここが恐ろしいところです。人間だけではありません。放射性物質は動植物すべてに影響を与えるのです。福島原発の事故は、大気中だけでなく、海にも大量の放射性物質が放出されました。・・・」
本文を読む

 関連投稿:
TPPに係る記載について整理してみました。(10-14更新)
(輸入食品の放射能含有にも注意しよう)
内部被曝に係る記載(原発漏洩放射性物質の生物学的半減期
内部被曝に係る記載(「がん」以外の放射線被曝例
内部被曝に係る記載(タバコの中のポロニウムによる発癌性について)
セシウム汚染米とカドミウム汚染例との比較

環境(水)中の放射性物質の影響と浄化に係る記載(肉牛の放射能汚染)
(福島県南相馬市の畜産農家が出荷した黒毛和牛から、国の暫定規制値を超える放射性セシウムが検出された。身近な食生活からの内部被曝も充分に解明されていない現状。ますます、食べられるものがなくなります。・・・)
「エアロゾル」に係る記載(放射能などエアロゾルの形状)
(放射能、インフルエンザウィルス、花粉などの形状がわかります。・・・)
放射化現象に係る記載(プルトニウムの影響)
(「プルトニウムは放射能毒性などが高く半減期も長いため、環境で監視が必要な人工放射性核種である。 気象研究所の大気降下物及び海水中のプルトニウムの研究は、137Csや90Srと比べてやや遅れて開始された。・・・)
放射線に係る記載(生体への影響)
(放射線のエネルギーによって、人、生命体がどのように影響されるのか調べました。 放射能物質が発生する放射線(粒子線、短波長の電磁波)のエネルギーは生体に吸収されて細胞中のDNAを電離、励起して悪影響を及ぼすことがわかりました。・・・)
放射線に係る記載(後遺症)
エアロゾルとして空気中に浮遊している目に見えない放射能物質の微粒子が体内に取り込まれた場合の内部被曝について記載しました。全日本民医連「根底が崩れた原爆症「認定基準」」によれば、・・・)





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10 コメント

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精神科医 (宮地 達夫)
2011-07-26 19:25:51
被曝量は少ない方がいいに決まっています。
ただ、気になるのは何故、例えば発がん性が立証されている煙草、大気汚染、
オゾンホール、アルコールなどとの比較がされていないことです。アメリカで160km以内で、乳がん患者が増えているという報告が引用されていますが、これは医学論文では失格です。何故なら通常は、無作為・ランダム・二重盲検の基準を満たさず、何が原因で乳がん患者が増えているのか立証していないからです。
避難はなるべく安全な区域に設定した方がいいに決まってますが、むやみに外国の論文を引用しても、信用できるものとそうでないものがあります。それに避難地域が広がれば、それだけ農業、畜産、漁業を営んでいる人々の未来を奪うことになります。これまで、色々なメディアで「基準値以上の放射線が確認された」というだけで避難を強制された人々がどれだけいるのでしょうか。内部被爆のリスクについて結局私たちは、それらの定説に定説はないという事を学んだのではないでしょうか
 50ー60歳の老人を避難させる意味があるのでしょうか。被爆による発がん性よりも、高齢になれば、3人に1人が癌で死亡しています。被災地の人々の暮らしの案安全と安心がまず優先されるべきでは。
返信する
精神科医 (宮地 達夫)
2011-08-02 20:17:21
医学論文には、大きく2種類の手法に基づいています。ひとつは
臨床的経験から、もうひとつは統計学的手法です。
日本では前者が優先されていますが、ヨーロッパ、米国では
統計学的手法が主流で、これは無作為・二重盲検ー患者も医師も投与される薬がプラセボー偽薬ーか本当の薬か知らされないという事ーという手法である疾病リスクがどのような程度で、どのような原因で起こるのかを統計学的に示す手法です
放射線については二重盲検は用いられないので、間接的に統計学を用いる他ありませんが。ともあれ そろそろ、毎日報道される放射線値に振り回される態度はやめたほうがいいとおもいます。今までの報道で、放射線のリスクについては定説がないとということが定説だと分かったと思います
それよりも、3人に一人が癌で死亡する現実を直視したほうがいいと思います。例えばアルコール、煙草はよく知られた癌リスク因子です。禁酒法を施行せよとはいいませんが、
国民が節酒するだけで、放射線に起因する癌リスクなどを大幅に上回る利益が期待できると思うのですが。被爆はある意味で人間のコントロールできる範囲を超えていますが、節酒は人間の意志でできることです。
 
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Unknown (モカ)
2011-08-06 10:31:11
内部被曝はおっしゃるように分からないことが多いですね。
台風まで影響すると伺うと、関東に住んでいて大丈夫だろうかと感じてきます。

いろいろなデータに関するお話、勉強になります。
返信する
宮地君、それは違うと思うけれど (竹内雅文)
2011-08-10 00:54:59
宮地君、今日は。お久しぶりです。
ところで、この問題をめぐるあなたの議論は納得できません。
ウクライナやベラルーシで暮している、膨大な数の病人たちを、どう評価するお積りですか?
被曝の問題は、抽象的な統計理論から出てくるわけではありません。
それに、アルコールや煙草と被曝とを同列に扱うのは誤りです。
放射線はDNAを傷つけます。劣性遺伝子が損傷したような場合、何世代もたってから異常が出てくることもありえるわけです。
アルコールや煙草ではそういうことは起らないわけです。
返信する
Unknown (宮地 達夫)
2011-08-14 22:33:45
竹内さん、やはりあなたでしたか。たくさん投稿してみえますね
お久しぶりです
被爆の問題についてですが、勿論、低被爆の長期間の影響を過小評価しているわけでなく、ウクライナやベラルーシの被爆者の存在を無視しているわけでもありません。イラクで劣化ウラン弾で被爆した子供達の癌発生率も高いですよね、でも医学論文には二つの手法があって、一つは臨床的知見に基づくものーcilincal -もうひとつは前に上げたように統計学的手法に基づくものです。欧米の論文は殆ど後者です。もし後者が抽象的ならば臨床に使えるわけがありませんが、実際にはこの手法に基づいた結論に基づいて例えば薬物などを選択しているので「抽象的」とは言えないと思います
 それに統計学的手法ー臨床的手法を排してーを用いてはじめて有益な診断基準が作られた例としては、水俣病があります
 第二に、アルコールと被爆を同列に扱えない事は自明ですが、あらゆる癌でDNA変異、突然変異は起こっています
 ですから、長期被爆の場合、要因が複雑になって因果関係の特定が難しくなることは理解していただけますよね
 問題は、どのような環境で、どのような前提で、どのような歴史的環境で、どちらの手法を使えば、より適切で有益な判断ができるかとという点だと思います。長期で低被爆の場合、老化とか、ある人人は
肝硬変から肝癌になったりする可能性もあるわけですが、このようなケースではDNAレベルでも原因を特定するのは困難になります
 確か滋賀の原発で働いていた労働者が被爆被害を訴えて、結局
会社無罪になった事件がありましたね。彼、ほんとに無念だったと思います。あの場合は統計学的手法ではなくて、他の環境と比較すれば
明らかに被爆の被害だったなずです。
 友人と喧嘩したくはないので、これでやめときますが、最低限
あらゆる癌でDNA変異が起こるという事実だけは覚えておかれたほうがいいと思います。これからも建設的な議論ができるといいですね
返信する
バンダジェフスキ (竹内雅文)
2011-08-15 01:35:01
ベラルーシについて言うと、何一つまともなデータが揃っていない、と言って科学性を頭から否定するような議論も、不可能でないという状況が多分、続いているわけですよね。
そうしている間に、悲劇はどんどん進行していったわけですけれど。
このブログでも話題になっているバンダジェフスキという人の論文がどこまで正しいものかと問われると、私は専門的な知識なんてありませんから、もちろん、請け合えないわけですよ。
そしてまあ、バンダジェフスキの論文というのは、データがはっきりしない、いい加減なものだ、というような評価もあるわけですよね。
しかし、バンダジェフスキという人はKGBから命を狙われていたとも言われているわけで、国外に亡命せざるを得なかったわけです。彼を追い出した後で、研究資料はKGBがあらかた持ち去ってしまったのですし、バンダジェフスキは記憶に頼って本を書くしかなかった、それも、何年もたってからですよね。
チェルノブイリの事故の人体への影響は最低限にしか見積らない、ということがソ連の国益に合致すると考えられたわけだし、それが西欧の原発推進路線とも利害合致していたわけで、何人もの医学者が弾圧を受けているわけです。
また、ベラルーシの学者たちの研究には統計的な点から言えば、そういうことが起る以前から、問題があったと言うことにもなります。
例えば、小児の白血病の統計なんていうものは、事故以前には取ってなかったはずですよ。そういう要素が色々あって、つまり統計には対照群がなければだめじゃないですか。そういう部分がアバウトにしか語れない、ということがあります。
ベラルーシは経済破綻していますし、ヒットラーみたいな奴がいる國です。チェルノブイリの後始末のために、ただでさえ金がない、その金の3分の1近く消えていくんですよね。汚染された森のきのこを食べないと食っていけないような人たちがいて、常識的な器具が揃っていない病院があって、古いカルテは病院の地下みたいなところに積んで腐っているだけで、誰かが分析して数値を引き出すなんていうことは起りえないという状況があるんじゃないでしょうか。
バンダジェフスキに戻りますけれど、そういうことがあるからと言って、この人を正義の味方に祭り上げなければならないことには、もちろん、なりませんね。ただ、たいへんな人生の人のわけです。
http://www.criirad.org
に、この人についての記事が色々あると思います。
返信する
精神科医 (宮地 達夫)
2011-08-15 04:55:06
共謀罪のー実際には尖閣問題にずれていってしまいましたがーコメントに対する応援ありがとうございます。unknownさんいくら議論しても同じなので、もうコメントやめましたが、相変わらず「国家領土の問題ではない」と言ってますね、もう付き合い切れません。彼、靖国の問題でも、提案者が、共和制はどうかと提案しているのに、共和制にするなら憲法改正が必要ですね、というだけで自分の意見は言っていません 無責任な人です
ところで、ベラルーシの問題ですが、はじめて知りました、サプライズです。統計的手法の問題に戻りますが、疫学的手法と言い換えてもいいいのですが、コッホが顕微鏡的にコレラ菌を発見したのは知ってみえるでしょうが、実はその前、社会医学者がテームズ川の汚染と
コレラの激増を指摘して、汚染とコレラの激増の関係を指摘して政府に改善を進言しています、こういうわけで、統計学的手法は、割に社会的で実用的なんです、水俣病にも、臨床的な所見だけとりだしてあれこれ議論していて結論が出ませんでしたが、統計的手法ではじめて、厳密な基準が可能になりました。
統計には対照群が確かに必要です。最初に批判した、原発から130km離れた地点で癌の発生率が多いという報告も対照群がないので
医学論文としては失格と書きました。今も膨大な数の論文が日本に流れ込んでいて、庶民は何を信じていいのかわからなくて不安だけたかまっている。こういう事態を何とかしなければと思い、書き急いでしまって誤解されたようです
 すみませんでした、
 
返信する
Unknown (宮地 達夫)
2011-08-15 05:02:55
追加。そういえばリビアへのNATOの空爆で劣化ウラン弾が使われているようですね。戦車破壊に一番有効とはいえ、ハーグ条約違反です
イラクでも、もう書きましたが、アメリカ軍がイラクの戦車破壊のために用いた劣化ウラン弾のために戦車のそばで遊んでいる子供達に甲状腺癌の発生率が高いようですね。アメリカは当然、劣化ウラン弾の使用自体を認めていないので賠償もしていませんが。イスラエルのレバノン侵攻の際にも用いられたようです。
返信する
一件の症例をあげれば充分、とは? (竹内雅文)
2011-08-15 12:02:57
このページに引用されているルパンディンの論文の結論に
「IAEA(国際原子力機関),赤十字,WHO(世界保健機関)その他の見解を論理的に否定するためには,1件の症例(患者クリチェンコ)をあげれば十分である・・・」
とあります。
こういう議論のし方は、問題の置かれている特有の状況を知らないと、異様に乱暴なものに感じられてしまいます。
2005年にアメリカのアカデミーが発表した推定値によると、チェルノブイリ事故の死者は100万人程度になるだろうということですが、今のところ大概の関係者が出している死者数は10数万人です。旧ソ連の軍関係者は通常、事故処理に動員された軍関係者のうち5万人程度が死んだ、というようなことを言っていますが、他にも色々なレベルの死者がいます。
これに対し、WHOが正式に認めている死者数はたしか56人のはずです。WHOはずっと、大会などの開かれる度に、死者は31人だ、いや32人だ、という論争を延々と行ない、これがやっと数年前に56人だというようなことになったのです。
2005年頃からようやく、それまで大方の権威筋には否定されていた「内部被曝」という概念が認知されるようになり、アメリカのアカデミーのような推測値も出てきたわけです。
内部被曝による発症は、20年経たなければ統計的に立証できませんし、その立証も今なおコンテストされています。その間に人はどんどん病気になっていきます。
今、一番、必要なのは福島の子供たちを守ることであって、そのためには医学者の最終!結論など待っていてはいけないのです。
今、福島のあちこちで市民ベースの食品計測の計画が進んでいますが、私はその関係で19日に南相馬に行きます。
内部被曝(特に小児の)を可能な限り(なかなか困難ですが)防げるような情勢を作っていかなければいけません。
これは緊急です。
医学的な議論というのは、もちろん重要です。しかしそれは、後で何年でもかけてやってゆけばよいのです。
ルパンディンとWHOに戻りますが、WHOはIAEAの言うなりの組織なのです。1959年に、WHOが原子力について発言するにはすべて事前にIAEAのチェックを受けるという協定が成立し、これがすべての癌になっています。
WHOの大会では、IAEAの路線に合わないスピーカは満足に発言させてもらえない、という状態が長年続いてきたのです。
で、内部被曝という概念をWHOは排除してきました。山下俊一のような人が大手を振れるのも、WHOの存在が大きいです。
だからこそ、これを一つの症例で充分に否定できる、というような発言も出てきます。
医学的な議論を権力的に封殺する体制がずっと取られてきているのです。
この問題についてはフェルネクスという人の記事が分りやすく、各国語に翻訳されてネット上に出回っていますが、日本語版も近く出ますので、しばらくお待ちください。
返信する
Unknown (宮地 達夫)
2011-08-15 19:33:40
竹内さんの言われるとおりだと思います
エントロピー学会での報告で竹内さんが評価して見える論文僕も読みました。ついでにLancetのコメントを、英文で恐縮ですが、緊急被爆時の
薬物対応を記した記事をコピーしておきました。どうも日本の体制として、被爆緊急時の薬物使用は日本では、色々な規制にあって使用困難みたいですね、南相馬に行かれるとの事、頑張って下さい。
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