水徒然

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放射線に係る記載を調べました。(その5:後遺症)

2011-04-07 | 日記

'11-04ー03投稿、強調
 既報にて、エアロゾルとして空気中に浮遊している目に見えない放射能物質の微粒子が体内に取り込まれた場合の内部被曝について記載しました。その内部被曝による後遺症に係る記載を調べました。

いつでも元気 2004.2 No.148
全日本民医連「根底が崩れた原爆症「認定基準」」によれば、
(一部抽出しました。)
「・・・ 厚労省が被爆者の原爆症認定の基準に用いてきた基礎資料は「使いものにならない」ずさんなものだった――そんな衝撃的な研究が注目されています。被爆者の原爆症認定裁判にも影響を与えるその内容について、名古屋大学名誉教授の沢田昭二さんに話を聞きました。

――厚労省が認定基準の基礎にしているのは、どういうものですか。
沢田 原爆放射線被ばくによって、がんなどが一般人と比べ被爆者にどれだけ多く発症したかを調べた放射線影響研究所の疫学調査と、「一九八六年広島・長崎原爆放射線量評価体系」(DS86)です。
――被爆をどうとらえているのですか。
沢田 
被爆者に影響した放射線は三種類あります (1)一分以内に到達した初期放射線、(2)きのこ雲にふくまれて上昇し、黒い雨、黒いすす、放射性微粒子になって降った放射性降下物からの放射線、(3)爆心地に近いところでは、地上の残留放射性物質(中性子線をあびて放射性をもった土や建物など)からの誘導放射線―の三つです。
 
 一・五以内で被爆した人は、主として(1)の初期放射線を浴びました。非常に高い線量を体の外からあびる「外部被ばく」によって、多くが亡くなっています。
  一方、遠距離被爆者は(2)の放射性降下物、後から爆心地に入った「入市」被爆者は(3)の誘導放射性物質によって、低線量ですが、やはり「外部被ばく」しました。 また、どの被爆者も呼吸や飲食で体内にとりこんだ残留放射性物質から放出された放射線で、集中的に「内部被ばく」しています。
 
ところが放影研は、「内部被ばく」の影響は小さいとして無視してきました。これが厚労省の基準が被爆実態とかけはなれる原因になっているのです。・・・
――「低線量被ばく」「内部被ばく」をどう見るかは、集団訴訟の焦点ですね。
沢田 遠距離・入市被爆者も、放射線をあびて、脱毛、下痢といった急性放射線症状を経験し、いまもがんなどに苦しんでいます。・・・被ばくが〇・〇一または〇・〇〇五シーベルト以下の被爆者(広島で爆心地から二・五または二・七以遠で被爆した人)を「非被爆者群」とし、被爆者と比較しています。・・・
酸化プルトニウム微粒子によるマウスの内部被ばくの電子顕微鏡写真(「ECRR勧告」表紙から)。肺組織に吸い込まれた微粒子中のプルトニウム原子核が一つ崩壊するたびにアルファ粒子が一つ走り、そのエネルギーで遺伝子などが数十万カ所切断されて軌跡ができる。崩壊がくり返されて星型の軌跡になる。瞬間的な外部被ばくと異なった、持続的な内部被ばくの怖さが見てとれる 。・・・、私たちは遠距離・入市被爆者の「内部被ばく」をふくむ被ばく線量を推定しました。 その結果、一・三付近で放射性降下物の影響は初期放射線を上回り、放影研が「非被爆者」とした二から三で被爆した人は、平均して〇・〇一シーベルトの五〇倍~一〇〇倍に相当する被ばく影響を受けていたことが明らかになりました。・・・残留放射線の影響を無視した放影研の疫学調査は根底が崩れたことになります。・・・これは、原発事故などの調査にもとづいて、放射性微粒子による内部被ばくの重要性を強調し、放影研の疫学調査にもとづいた国際放射線防護委員会(ICRP)基準について「低線量被ばくリスクを見誤っている」といっています。・・・
――「低線量」「内部」被ばくの影響が初期放射線を上回るのは、なぜですか。
沢田 呼吸で吸い込んだ放射性降下物の微粒子が、肺から血管を通って体内のどこかに沈着すると、その微粒子に含まれる何百万個、何億個の放射性原子核が放射線を集中して放出して、周辺の細胞は深刻な影響を受けます。 一個のアルファ粒子が放出されると、細胞の遺伝子を数十万カ所切断します。修復されて違う遺伝子になると、細胞分裂のときただしいコピーをつくれず、がんになったりするわけです。 細胞への影響は細胞の種類や細胞分裂の時期によって大きく変化します。内部被ばくでは
同じ細胞が何度も放射線をあびます。瞬間的な外部被ばくでは、線量が大きくても同じ細胞が放射線を二度もあびることはほとんどありません。 放影研は高線量の初期放射線の影響の結果から、単純に直線で低線量まで伸ばし、「低線量の影響は小さい」という。これは誤りだとECRRも批判しています。・・・」
本文を読む


既報で推察した「内部被曝」による影響が大きいことを改めて認識しました。
 
空気中などから放射性エアロゾルを体内に吸引したときの後遺症、特に、一度に大量に吸引すれば、最悪、死に至ることも考えられます。
 周辺での微粒子の吸引に対してはマスクをしなければならないことを示唆しています。
参考情報:
被ばくを最小限に抑えるための知識
http://naturalcube.seesaa.net/category/
9961673-1.html

被曝治療の実際(1)
http://blog.goo.ne.jp/adoi/e/d00d0525c4227bd9b4167f977b1a22a8

<プルトニウム粒子からの放射線>
酸化プルトニウム微粒子によるマウスの内部被ばくの電子顕微鏡写真(「ECRR勧告」表紙から)。肺組織に吸い込まれた微粒子中のプルトニウム原子核が一つ崩壊するたびにアルファ粒子が一つ走り、そのエネルギーで遺伝子などが数十万カ所切断されて軌跡ができる。崩壊がくり返されて星型の軌跡になる。瞬間的な外部被ばくと異なった、持続的な内部被ばくの怖さが見てとれる

(google画像検索から引用)

 


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1 コメント

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Unknown (議長)
2011-04-21 00:00:35
私のような適当なブログに訪問していただきありがとうございました。

ざっと拝見しました。凄い情報量ですね。私の脳みそでは全部理解することは不可能なのですが、特に内部被曝に関するデータを興味深く見させていただきました。

個人的には児童への内部被曝が非常に心配しております。こちらに書かれていたように、子供への被爆は影響が大きいですし、まして内部被曝の恐ろしさは言わずもがなです。年間20mSVを想定し、児童をなるべく建物内で生活させるとニュースでやっていましたが、外部被ばくだけしか考慮していないのではと思いました。
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