水徒然

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「エアロゾル」に係る記載を調べました。(その3:黄砂の粒度、組成)

2011-01-21 | 日記

 前報(その2)に引き続いて、大気中の「水」と共存して、異常気象の要因のひとつと考えられている「エアロゾル」に相当する「黄砂」の粒度分布と組成に係る記載を調べました。

 SHIMADZU 粉博士のやさしい粉講座 環境分野と粉体測定http://www.shimadzu.co.jp/powder/lecture/
beginner/b03.html

イラク(中東)からの黄砂によれば
(一部割愛しました。)
「通常の黄砂は、中国大陸で巻き上げられた砂塵が偏西風に乗って飛来します。ところが、この時期、中国大陸では大規模な砂嵐の発生がなく、イラク(中東)で大規模な砂嵐が発生しており、これによって巻き上げられた砂塵が日本まで運ばれてきたものだと考えられています。



・・・ 上図に示すように、2003年3月26日に大気中の浮遊粒子を捕集し、測定した粒度分布データでは、1μm付近に、イラク(中東)からの黄砂によるピークがあり、また、30μm付近にスギ花粉によるピークが現れています。一方、2002年4月11日の粒度分布データでは、5~10μm付近に中国からの黄砂のピークが現れています。 イラク(中東)から日本までの距離は約8,000kmもあり、このような長距離を運ばれる間に、粗大粒子は徐々に沈降・落下し、微小粒子だけが日本まで到達するため、イラク(中東)からの黄砂のほうが、比較的距離の短い中国からの黄砂に比べて、かなり小さくなっていることがわかります。  ・・・実際、イラク(中東)で発生した砂嵐が、遠く離れた日本の大気に影響を与えるという事実には驚きを感じます。発生地点の違いによって生じる粒子径の差についても、今後、充分な検討を必要とするかもしれません。・・・ 黄砂は、春の雪解けの後、ゴビ砂漠やタクラマカン砂漠などで、強い風のために多量の砂塵が空中に吹き上げられ、比較的低い高度(約3,000m)で移動して中国、韓国、日本等に降り注ぐことになります。大きな粒子は比較的近距離で落ちてしまい、小さな粒子が遠くまで運ばれていきます。・・・」

⇒粉博士のやさしい粉講座で黄砂、花粉の粒度分布がよくわかりました。
 粒度分布から、砂以外の物質と凝集もしくは反応している可能性もあるかもしれません。必ずしも単粒子化しているかどうかは、電子顕微鏡観察が必要かと想われます。湿気(水分)を含む大気中の黄砂の表面電荷と正負が異なるエアロゾル(微粒子)が付着しているかも知れなく、エアロゾルのゼータ電位などの表面電荷のデータが必要かと個人的には想われます。

 ちなみに、黄砂の組成について google画像検索にて調べました。*1
 火成岩の風化の程度によって組成は若干ことなりますが土壌の主成分は Si であり, Al, Fe, Caなどが次に続く。Siは珪酸塩からなっていることがわかりました。

 黄砂の発生が多い年はどうしてなのか?
 オストラリアなどにおける豪雨による大洪水にも砂嵐が影響しているのでは?
と思われます。
 ラニーニャ現象による加速などと一言で片付けるのはどうかなと想います。

 異状気象の要因に対する議論が分かれて非常に難しい問題ですが、今後の調査課題といたします。

*1 黄砂の組成
引用:黄砂現象
「・・・地殻の 95% は火成岩によって構成されるとみてよいとされている. Table D に火成岩の化学組成表を示す.・・・」とことです。
 また、文中に記載されていましたが、「黄砂は・・・太平洋海域へ栄養素輸送を行い,海洋の生物生産活動に対してポジティブな側面も有している.加えて,近年では中国国内の工業活動からもたらされる酸性物質の排出に関係して,黄砂飛来は自身が有する塩基成分との中和作用が指摘する声もあり,・・・」といった 黄砂の作用が印象に残っています。 
Table D


ということは、海水中の微量元素の組成およびpHの変動にも影響していることか?
関連投稿:
海水中の全元素濃度とその主な化学平衡の形態に係る記載を調べました。


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1 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
毎日 (masa)
2011-01-24 21:54:21
地理的世界時計とか日本時計さまざま季節の変化はあります。結果の評価は個人的に日本本土技術精度がいいと予測されています。類似性のあたりですと理解しやすいです。
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