大野威研究室ブログ

おもにアメリカの自動車産業、雇用問題、労働問題、労使関係、経済状況について、最近気になったことを不定期で書いています。

銃大手レミントン、破産法第11章の申請へ: トランプ大統領の誕生が経営破綻もたらす

2018年02月26日 | 日記

  アメリカではいま、フロリダの銃乱射事件をうけて銃規制についての議論が活発になっている。

 そんななか複数の米メディアは、銃製造大手レミントン(従業員3500人)が破産法第11章を申請の見込みと伝えている。

 レミントンは創業200年の歴史をもつアメリカ最大手の銃火器メーカー。

 アメリカの銃火器メーカーは先の大統領選挙で、ヒラリー氏が当選して銃規制を強めると予想。

 選挙前に、規制前の駆け込み需要を見込んで大量の在庫を積み増していた。

 ブルームバーグは、アメリカの十年前の銃生産は400万台以下だったが、2016年の生産台数は1100万台に急増したと伝えている。

 しかし予想に反してトランプ大統領が誕生し、駆け込み需要は夢に終わった。

 このため各社は大量在庫をかかえ、レミントン社は破産法第11章を申請する見込みとなった。

 銃規制強化に反対する銃メーカーが、実は銃規制でもうけようとしていたという話である。

 ちなみにブルームバーグによれば、アメリカでは銃の保有者が減少傾向にあり、1973年には47%の世帯が銃を保有していたのが、2014年には31%まで低下している。

 また一部少数者が銃を大量に保有する傾向が強まっており、成人人口の3%がアメリカにある銃の半数を所有し、平均17台の銃器を保有している(レミントン社のホームページをみると、安いライフルは4万円程度で、その気になればだれでも大量の銃を保有できることがわかる)。

 今回のフロリダ乱射事件の被告も少し前のラスベガス乱射事件の犯人も、大量の銃器を保有していた。

 今回、高校生の立ち上がりもあり、今までになく銃規制を求める声が強まっている。

 フロリダでは銃を購入できる年齢を18歳から21歳に引き上げることが検討されているが、銃規制がどこまで進むのかあるいは進まないのか気になるところである。

2018年4月1日(日)追記

 3月26日(月)、レミントン社は破産法第11章を申請した。