よくネコへの避妊、去勢手術はかわいそうではないか!と怒る人がいます。
しかし、その考えは間違っていると思います。
かわいそうだからと放って、野良ネコのようにしておけば、メスネコは3年間で100匹にもなる数の子猫を産みます。
よく、テレビでも放映されますが、「ネコの多頭飼育崩壊」ということが起こります。
多頭飼育している愛猫家が、避妊、去勢手術をしなかったためにものすごい数のネコが増え、
家も滅茶苦茶、生活も出来なくなり・・・・
これは、人にとっても、ネコにとっても不幸以外何者でもありません。
ネコは家畜動物です。人間によって生かされ、人間と暮らすことで生を全うします。
ネコと人間が一緒にうまくやって行くためには、やはり手術は必要なのです。
それはネコに幸せをもたらすことにもなるわけです。
ですから、ネコへの手術で”可愛そうなこと”をしたと思うことはないと思います。
術後は2日間、玄関土間に敷いたペットシーツの上に檻毎置いて、冬は暖房してやり、水、餌を入れてやり、汚したシーツはこまめに取り換え、恐くないよう、シーツや新聞紙、又は毛布でおおってやり、微量でも出血が完全に無くなるのを確認して、放しました。
捕まえる度、猛獣のように檻に体当たりして暴れる子に、心の中で詫びながら、これから不具になる身の上に同情し、私だったら手術されたくないと思い、泣きませんでしたが、涙ぐみ、こんな辛いことはいやだと思いました。
それでも、ヒトから恨まれないよう、共存するために、猫の幸せを願っていたしました。
つくづく思いますのは、私のように泣きながらする人がこの仕事には適任であると。避妊するのに何の罪意識のない人には向いていないと。檻を貸してくれた獣医さんは学生時代、犬部というクラブを立ち上げ、犬猫のためにボランティアをしていた方です。その方や近所の猫好きに励まされて、皆で泣きながらいたしました。猫にとって本当に幸せなのか、そもそも家畜にならない方か幸せなのか、私にはわかりません。