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Tabi-taroの言葉の旅

何かいい物語があって、語る相手がいる限り、人生捨てたもんじゃない

おしゃれアラカルト

2008年02月09日 | 雑学
料理・アートフラワー研究家で知られる飯田深雪さんのエッセイです。

 私は若い女性を連れて海外へ研修旅行に出掛ける時、超一級ホテルには「この女の子達は研修が目的で年齢や地位はあなたのホテルにふさわしくないが」と断って宿泊の申し込みをしておく。もちろん相手からは快い返事が返ってくる。

 ヨーロッパへの旅行にはブランドものを持たせない。かの地にはまだ上流、中流の意識が残っており、年齢・社会的地位にふさわしくないブランドものを持つとひんしゅくをかう。 若い女性がルイ・ヴィトンの大きなバッグなど持って歩いていると上流知識人からメードと間違われる。彼等は自身で荷物を持たず、従者に持たせるから。

 さて、旅行に出発するその日の服装は行く先の国やホテルを念頭において考える。いくら旅行者でもヨーロッパの古都の超一級ホテルに泊まる時は、相手のホテルへの礼儀を考えて選ばねばならない。グアム島やハワイに行くのに、シックなスーツで行くのはハタ迷惑な雰囲気になる。到着地を想定して服装を調えておくと気楽だ。ホテルに着いたら、出入りの人が困らないように入口にたむろしない。また、ホテルは旅のくつろぎの場であり,公共の場でもあるから走ってはいけない。ところ構わず小走りする日本人の癖は最も嫌われる。

 部屋では自室だからと、乱雑にしておかない。下着などを洗った場合浴室の片隅でも一目で分かるような干し方はいけない。バスタブはメードが洗うにしても、使用後は汚れを簡単に取っておくようにスポンジを持参させる。汚れがそのままでは、いかにもデリカシーがない。

 誰かがドアをノックした場合、名前を聞いてからドアを開けるが、だれであっても靴に履きかえる。スリッパのままでは寝室から飛び出したのと同じだ。フロントでカギを受け取る時、預ける時は必ずプリーズやシルブプレ、サンキュウやメルシボクを忘れないように。夜遅くホテルに戻る時は静かに、周りに気を使う。他人に不愉快な思いをさせない心配りがおしゃれ。どこでも快い待遇で愉快な旅ができる。


特に最近の若い女性の場合、こんな気配り・心配りができるおしゃれな方にはなかなかお目にかかれないのが残念です。若い人に、旅のマナーを説き続け、そしてこの素敵なエッセイを書かれた飯田深雪先生も昨年(2007年)に103歳で大往生されました。

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1 コメント(10/1 コメント投稿終了予定)

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飯田深雪さんのエッセイ (つれづれなるままに)
2008-02-10 09:42:06
日本では旅の恥は掻き捨て
などといいますが、
飯田深雪さんのエッセイは、世界に旅行する機会が多くなった日本の旅行者への心構え集ですね。

天皇家の菊の紋章は14片ですが、
日本のパスポートは16片の菊の紋章となっております。
それは外国へ行った時に日本の慣習に加えて、
その国の言語と文化慣習が異なるので2つ加えていると聴いたことがあります。

旅行は相手の気持ちを思うことにより、自分も楽しい思い出となるし、相手もいい旅をしてもらいたいとのお持て成しが現れております。

とてもいいエッセイを有難うございました。
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