
靖国神社の大きな屋根の上には夏の太陽がぎらついていた。
参拝の人の波は途切れることはない。もしかしたら紙一重で向こう側に祀られていたかもしれない老人が深々と頭を下げた。
♪今の青春を羨ましくなくもないが 代わろうかと言われても断るだろう
不幸な時代の若者たちはそれでも 青春を確かに見たのだ♪
蝉ははかない夏を惜しむかのように精一杯の声を張り上げていた。
お父さんを、いやおじいさんを戦争で失ったのだろうか?意外にも若い母子連れが多いのに驚いた。
茶髪に短パンのおねえちゃんも真剣な眼差しで二礼二拍手している。
♪銃弾に倒れた友の顔を 忘れることなどできない
あいつの分も あいつの分もと 生きる思いは解るまい・・・♪
靖国神社が夕方の優しい光りに包まれる頃、あの騒々しいほどのミンミン蝉の泣き声はいつしか日暮し蝉の声に変わっていた。
神社を吹き抜ける風の中にも涼しげな秋の匂いが感じられる。
こうしてまた、60回目の夏は去って行く。
参拝の人の波は途切れることはない。もしかしたら紙一重で向こう側に祀られていたかもしれない老人が深々と頭を下げた。
♪今の青春を羨ましくなくもないが 代わろうかと言われても断るだろう
不幸な時代の若者たちはそれでも 青春を確かに見たのだ♪
蝉ははかない夏を惜しむかのように精一杯の声を張り上げていた。
お父さんを、いやおじいさんを戦争で失ったのだろうか?意外にも若い母子連れが多いのに驚いた。
茶髪に短パンのおねえちゃんも真剣な眼差しで二礼二拍手している。
♪銃弾に倒れた友の顔を 忘れることなどできない
あいつの分も あいつの分もと 生きる思いは解るまい・・・♪
靖国神社が夕方の優しい光りに包まれる頃、あの騒々しいほどのミンミン蝉の泣き声はいつしか日暮し蝉の声に変わっていた。
神社を吹き抜ける風の中にも涼しげな秋の匂いが感じられる。
こうしてまた、60回目の夏は去って行く。


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