正しい食事を考える会

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米韓FTA、韓国で大迷走の理由 国会批准メド立たず、“FTA先進国”が大揺れしている

2011-11-23 | 食事教育
 米韓FTA、韓国で大迷走の理由 国会批准メド立たず、“FTA先進国”が大揺れしている
2011年11月23日(水)07:00日経ビジネスオンライン
 FTA先進国ともいえる韓国で、米韓FTAの国会批准を巡って大混乱が続いている。すでに米国では李明博(イ・ミョンパク)大統領の国賓訪米直前に議会で批准手続きを終えたにもかかわらず、韓国では野党の強い反対で、批准手続きがどんどん遅れている。韓国で今、何が起きているのか

 ついこの間まで、韓国は「FTA先進国」だった。日本でもTPP(環太平洋経済連携協定)参加を主張する経済界などからは「韓国に学べ」という声が出ていた。

 ところが、状況はまったく変わってしまった。米韓FTA批准を巡る国会の迷走は長期化して「10月中に批准」という当初の政府見通しはもちろん、先行きが全く見えなくなってしまった。


「批准できないことも真剣に考えないと…」

 米国と歩調を合わせて2012年初めにFTAを発効させるためには、定期国会が会期末を迎える12月9日までに批准する必要がある。与党内では、強行採決すべきだとの意見が強まっているが、本稿執筆時点(11月20日)では依然、メドが立っていない。

 ある元政府高官は「米韓FTAの批准ができないことも真剣に考えなければならない」とさえ語るほどだ。

 保守色の強い韓国メディアは連日のように、TPP交渉参加を表明した日本の「決断」を持ち上げて報じている。

 李明博大統領は2011年11月15日午後3時、韓国の国会を訪問した。韓国の大統領が国会を訪問することはきわめて珍しく、李明博大統領も外国賓客の演説などの行事以外で国会を訪れたのは就任以来初めてだった。前日の夜中にAPEC(アジア太平洋経済協力会議)首脳会議から帰国したばかりの李明博大統領が国会を訪れたのは、米韓FTAの国会批准に反対している野党を直接説得するためだった。

 与野党の代表との会談で李明博大統領は、野党が反対理由にあげている「投資・国家訴訟制度(ISD)条項」について、「国会がまず米韓FTAを批准したら、3カ月以内に米政府にこの条項の改定について米国と交渉する」と約束した


野党はさらにハードルを上げた

 大統領が野党代表を説得するために自ら国会に足を運ぶ。それだけでなく、既に米国では議会の批准とオバマ大統領の署名手続きまで終わっている「米韓FTA」について、「再交渉」まで約束する。大統領にとっては、最大限の譲歩とも言えるが、裏返せば、それだけ追い詰められていると言えなくもない。

 李明博大統領の「再交渉提案」に対して、米政府もすぐに「米韓FTAが発効した場合、韓国政府のどんな提案も協議する準備がある」との声明を出した

 これで一件落着かと思いきや、野党はさらにハードルを上げてみせた。

 「すぐに再交渉を開始するするという両国政府の閣僚級の署名文書を提出せよ」 。李明博大統領の説得に対して「NO」を突きつけたのだ。


大統領、メンツが丸つぶれの1カ月

 李明博大統領にとっては、メンツが丸つぶれの1カ月だった。10月11日から、李明博大統領は米国を国賓訪問した。韓国大統領の訪米にタイミングを合わせて、米議会は翌12日に、米韓FTA実施法案を可決した。

 おかげで翌日の首脳会談は和気あいあいの雰囲気で進んだ。李明博大統領はこの上なく上機嫌だった。14日にはオバマ米大統領とそろってデトロイトのGM工場を訪問し、従業員を前に「FTAは皆さんの職を奪うものではないことを約束する。もっと多くの雇用を生むものだ」と語り、喝采を浴びたのだ。

 ところが、帰国した李明博大統領を待っていたのは、野党や労働団体、農民団体の強い「米韓FTA反対運動」だった。特に、農業団体や進歩系の市民団体は連日、国会前などで反対デモを繰り広げた。
 10月26日には大衝撃に見舞われた。ソウル市長選挙で、与党候補が惨敗したのだ。当選したのは野党の支持を受けた市民運動化出身の朴元淳(パク・ウォンスン)氏。かねて「米韓FTA」を強く批判していた人物だった

 ソウル市長選惨敗のあおりで、与党内からも「米韓FTAの早期批准」の声は消え、「10月中批准」はなくなってしまった。

 李明博大統領は慌てた。なにせ11月12日にはハワイでAPECの首脳会議があり、オバマ大統領と再び顔を合わせなければならないからだ。米国側は10月21日に大統領の署名まで終わらせているのに、韓国では批准のメドが立たないでは合わせる顔もない。

 李明博大統領はハワイ出発直前の11日に国会を訪問して野党代表を直接説得しようとしたが、面談そのものを拒否されてしまった。

 国際会議では積極的に存在感を示す李明博大統領だが、何とも格好のつかないAPEC出席になってしまった。おまけにAPECでは、日本の野田首相がTPP交渉参加を表明して首脳会議全体の話題がTPPになった。李明博大統領にとっては何とも体裁の悪い外遊である。


2012年の総選挙、大統領選が影響

 なぜ、こんなに米韓FTA批准がこじれてしまったのか

 韓国でも、農業団体などは当初から強硬に反対していた。野党や一部市民団体は「ISD条項」が、韓国の国益を著しく損ねるとして批判している。同条項は、企業などが不利益を被ったとき、相手国を国際投資紛争センターに提訴できるとした内容だ。同センターが世界銀行のもとで設置され、米国の影響が強いなどとして「韓国には一方的に不利な条項」と野党などは批判している。

 ただ、こうした批判は以前からあったものだ。米韓FTAの場合、合意したのは両国とも前政権だ。韓国でも、今は野党になった前政権が積極的に締結を推進していた。だから、こうした個別の内容が今になって急に争点になったわけではない。

 最大の理由は第1に、「米韓FTA」が政治問題化してしまったことだ。

 韓国では2012年春に総選挙、12月に大統領選挙が実施される。2つの選挙が同じ年に実施されるのは20年に1度のことで、韓国は早くも「政治の季節」に入って与野党間の対立が激しくなっている。

 国会議員にとっては、何よりも来年春の選挙が最大の関心事だ。

 国会で多数を占める与党だが、米韓FTA批准を強行採決すれば、国会で乱闘劇が繰り広げられるのは必至だ。そうなれば、若者を中心に与党離れがさらに加速し、「ソウルなど首都圏では与党議員が全滅する」という恐怖感が広がっている。だから野党の無理な要求にも、なかなか強く出られないのだ。


「大企業重視」の経済政策が不評
 一方の野党も複雑だ。野党や進歩派勢力の間ではこのところ「左バネ」が強まっている。強硬派労働組合を支持基盤とし、「米韓FTA絶対反対」を掲げる民主労働党は最近の選挙で、全国の主要都市で10%前後の支持率を得ている。1人区の国会議員選挙で勝つためには、こうした「左寄り」政党の支持が不可欠だ。

 左派系の市民団体の動きも活発だ。もともと組織力のあるうえ、最近は、「米韓FTAに賛成した野党議員には落選運動で対応する」などと議員を圧迫している。ネットやツイッターをフル活用した威力はすさまじく、「米韓FTA批准」に柔軟な姿勢を見せた野党議員にはネット上で批判が噴き上がり、議員の活動に大きな影響を与えている

 第2の理由は、「米韓FTA」が、李明博政権が掲げてきた「大企業重視」の経済政策の象徴とのイメージが特に雇用難に苦しむ若者間で浸透していることだ。

 李明博大統領は「CEO(最高経営責任者)出身の大統領候補」として「経済を再建し、雇用を拡大させる」ことを公約に掲げて2007年末の大統領選挙で圧勝した。

 強いリーダーシップを発揮してリーマンショック後に韓国経済は力強い回復を見せた。ところが、ひと皮めくれば強くなったのはサムスン電子や現代自動車などごくひと握りの大企業だけ。雇用は増えず、「経済格差」だけがどんどん拡大してしまったのも事実だ

ツイッターでデマが飛び交う

 ある大学教授はこう説明する。「大学によっては卒業しても正規社員として就職できるのは10%か20%だけ。政府や経済界は、FTAで輸出が増え経済が成長すると言うが、利益を得るのは一部の大企業だけだ。多くの若者層がFTAを感覚的に否定的に見るようになってしまった」。

 別の大企業役員は「FTAは輸出型の一部大企業のためだけの政策だというイメージが急速に拡大し始めている」と警戒感を強めている

 米韓FTA反対の若者をさらに刺激しているのが、ツイッターなどで飛び交う数多くの「デマ」だ。韓国のネットやツイッターでは「米韓FTAが発効すれば…」としてさまざまな「デマ」が乱舞している。「米国で人間が狂牛病に感染しても、牛肉の輸入を止められなくなる」「盲腸の手術台が900万ウォンに急騰する」――


「金正日総書記死亡説」も政治利用?

 世論調査によると、こうした「デマ」を多くの若者が「事実」と信じているという。

 11月8日午後。韓国の証券市場に「金正日総書記死亡説」という「デマ」が流れ、一時株価が急落した。ツイッターではこれさえ「韓国政府が、米韓FTA問題から国民の関心をそらすために意図的に流した」という解説となってあっという間に広がってしまった。

 2011年は韓国経済にとって、歴史的な1年になる。初めて貿易額が1兆ドルを超えることが確実になったのだ。貿易額で世界9位の国になる。韓国の貿易額は、リーマンショックの影響で2008年に6875億ドルと前年比20%落ち込んだが、その後回復した。韓国は2010年にGDPが1兆ドルを超えており、貿易額も1兆ドルを超えることは、ここ数年の韓国経済の力強さを象徴していると言える。

 貿易拡大のけん引役となっているのが、FTAだ。韓国政府や大企業は、EU(欧州連合)、ASEAN(東南アジア諸国連合)に次いで米国ともFTAを締結することで、自動車やIT製品の輸出をさらに拡大させる狙いだ。ところが、「経済の両極化」に対する若者層などの強い不満と、「選挙の年」を前に動揺する政治家が、FTA先進国・韓国を迷走させている。


1.韓国FTAは強行採決で可決されましたが、この経過は日本では参考にすべきです。
2.韓国ではFTAは「政府や経済界は、FTAで輸出が増え経済が成長すると言うが、利益を得るのは一部の大企業だけだ。多くの若者層がFTAを感覚的に否定的に見るようになってしまった」と言うことです。日本のTPPにしても同じ事が言えるようになるのではないでしょうか。
3.アメリカも儲かって、韓国も儲かるということはあり得ない。どこか弱いところが更に弱くなり、強い所に集中し、アメリカにISD条項で脅されて、言うことを聞かされ、国民の安全を考えた法律はアメリカ企業の利益を損なったと訴えられことになりかねない。
4.アメリカは「すぐに「米韓FTAが発効した場合、韓国政府のどんな提案も協議する準備がある」との声明を出した」という。ISD条項も見直される可能性があると言うことです。このことはTPPでは事前に削除するように交渉すべきです。

韓国が米韓FTA批准…国会衝突、催涙ガス噴霧
2011年11月23日(水)01:41讀賣新聞
 【ソウル=宇恵一郎】韓国国会は22日、与党ハンナラ党主導で緊急の本会議を開き、米韓自由貿易協定(FTA)の批准法案を野党が反対する中で強行採決、与党などの賛成多数で可決した。

 米議会は先月12日に批准法案を可決、オバマ大統領の署名も終えており、米韓FTAが来年1月初めにも発効する見通しとなった。

 発効すれば、95%の物品で関税が撤廃され、自動車や主要関連部品のベアリングの関税も5~10年で全廃される。日本の輸出産業への影響は必至だ。韓国政府は、米韓FTAによって対米輸出が年平均で12億9000万ドル(約1000億円)増加、国内総生産(GDP)を5・7%押し上げ、35万人の雇用創出効果が見込めると試算している。

 米韓FTAでは、コメは関税自由化の対象外だが、韓国の畜産農家は米国産食肉の段階的輸入自由化で打撃を受けるため、強く抵抗していた。最大野党の民主党は、投資先の政府の規制で被害を受けた投資家が国家を相手取り、損害賠償を求めて第三者機関に提訴できるとする「投資家・国家提訴条項(ISDS)」について、「国の自主権の放棄だ」として撤廃を求め、最後まで反対していた

 本会議には議員総数295人中、170人が出席し、賛成151、反対7、棄権12だった。ハンナラ党の議員数は169人。民主党など左派系野党議員が採決をボイコットした。採決にあたり、与野党の関係者が衝突し、本会議場で催涙剤がまかれる騒ぎもあった。



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