SURGERY NOW note
がん治療と外科手術に関する新しい情報や日常診療を通じて感じたことなどを紹介します。
 



約8000人の日本人で新型コロナの抗体を調べたところ東京の陽性率はわずか0.1%だったことが分かりました。東京の大学病院などでは新型コロナのPCR検査の陽性率が3-5%とかなり高い率も報告されましたが、実際に感染した経験のある人は少ないことが明らかとなりました。



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東海大学で膵癌を切除した約500人を顕微鏡で調べたところ、約75%ではがんを残さずに完全に取れていましたが、約25%で切除した断端にがん細胞が露出するように存在しており、がんが遺残していると考えられました。

完全切除ができた患者さんの生存期間中央値は約30ヶ月に対して、がんの遺残する不完全切除となった患者さんでは約15ヶ月と非常に短い結果でした。つまり、がんが遺残すると早期に再発してしまうのです。

また、術後に5年以上生存した84人の中でも完全切除だった人が90%でした。ですから、膵癌の長期生存のためには、がんの残らない完全切除は不可欠なのです。



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腹腔内腫瘍の一つにデスモイド(desmoid)腫瘍という低悪性度腫瘍があります。この腫瘍は手足など整形外科領域に発生することが多いのですが、小腸や大腸など腹腔内にできることもあります。

診断はCTやMRIなどの画像診断だけでは困難で、内視鏡や直接穿刺による生検で組織を採取し、一般的な病理組織検査に加えて免疫組織学的検査が必要になりなす。画像上は消化管間質腫瘍や神経原性腫瘍などとの鑑別が問題となります。

この腫瘍には放射線や抗がん剤は殆ど効果がありませんので、腹痛や腸管圧迫による通過障害など症状がある場合は手術による治療が行われることが一般的です。しかし、第3相試験による明確な科学的根拠はありませんが、最近厳重経過観察(watch and  wait)も一つの選択肢になりうることがコンセンサスとなりつつあります。非常に稀な腫瘍で、大きさや存在部位も違いますし、増大速度も様々ですので治療法の選択は非常に難しいと思います。

 



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2020年6月2日から唾液による新型コロナウィルスのPCR検査が保険適応になります。東海大学病院でも手術前の患者さん全員のPCR検査を近いうちに行う予定です。唾液検査は簡便でリスクも少ないので積極的に行いたいと思います。



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数日前、2020-2021年のベストドクターに選ばれたという連絡と証書が届きました。これはある企業が独自に認定しているもので特に権威があるという訳ではありませんが、ベストドクターと言っていただけるのは嬉しいことです。時々患者さんから、先生はベストドクターですか?と聞かれることがあるので、気にしている人もいるようです。



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