サンデル教授のハーバード白熱講義(下)を読み終わりました。印象深かった内容は、ギリシャの哲学者アリストテレスの考えです。正義を行うには、目的(テロス)として善き生き方とか善き社会を考えていくべきであることをサンデル教授は紹介しながら、擁護しています。しかし、近代社会は多様で多元的であるため、善を定義することは非常に困難であることも述べています。私の素朴な感覚としても、カント流の理性と意思を道徳原理とするより、アリストテレス流の単純に善きことを行う道徳と正義の方が馴染みます。最後に東大での講義が収録されていますが、東大生がハーバードの学生に勝るとも劣らない議論を展開していて、日本の学生の優秀さに嬉しくなりました。
2011年11月17-19日に京王プラザホテルで第73回日本臨床外科学会が開催されました。5000人以上の外科医が参加する大きな学会です。私はシンポジウム1「局所進行膵がんに対する治療方針」の一番目の演者として、膵がんに対するR0(完全)切除の意義と術後補助化学療法の成績、そしてゲムシタビンとS-1による術前補助化学療法の臨床試験について発表しました。
東海大学では2年前までの膵がんのR0切除達成率は60-70%と良くありませんでしたが、私が教授になってからは85-90%と格段に向上しています。R0(完全)切除となった膵がんの5年生存率は23%で、切除断端にがん細胞の遺残を認めたR1切除の約10%と比較してかなり良好でした。術後補助化学療法は膵がん切除例の約2/3に施行され、その生存率はゲムシタビン単独、ゲムシタビン+S-1、S-1単独とも同等でした。ゲムシタビンとS-1による術前補助化学療法の臨床試験には既に6名の患者さんが登録されています。
東海大学では2年前までの膵がんのR0切除達成率は60-70%と良くありませんでしたが、私が教授になってからは85-90%と格段に向上しています。R0(完全)切除となった膵がんの5年生存率は23%で、切除断端にがん細胞の遺残を認めたR1切除の約10%と比較してかなり良好でした。術後補助化学療法は膵がん切除例の約2/3に施行され、その生存率はゲムシタビン単独、ゲムシタビン+S-1、S-1単独とも同等でした。ゲムシタビンとS-1による術前補助化学療法の臨床試験には既に6名の患者さんが登録されています。
11月16日夕刻に相模大野で千葉大医学部卒業生による神奈川県央亥鼻同門会がありました、前東京女子医大循環器内科教授の笠貫宏先生の特別講演があり、良き医療を目指した様々な活動をご報告いただきました。北里大学整形外科の教授になった高相先生と初めて話す事も出来て良かったと思います。
私は、早稲田大学の河合研究室と共同で手術映像を3D化しています。今日も学会の後早稲田に打ち合わせに行きました。
ところで、2011年11月26日に映画「3D怪物くん」が公開されます。実は早稲田大学河合研究室と研究室で起業したベンチャー企業のメンバーで、2Dで撮影した怪物くんの映画を3D化する作業を行ったそうです。主演の大野君も早稲田に来たようです。映画の最後のクレジットに彼らの名前が出ると思いますのでチェックしたいと思います。
ところで、2011年11月26日に映画「3D怪物くん」が公開されます。実は早稲田大学河合研究室と研究室で起業したベンチャー企業のメンバーで、2Dで撮影した怪物くんの映画を3D化する作業を行ったそうです。主演の大野君も早稲田に来たようです。映画の最後のクレジットに彼らの名前が出ると思いますのでチェックしたいと思います。
今回の学会で知り合いになったサンフランシスコの外科医Fuchshuber氏によれば、米国では外科医の給料が内科医よりもかなり多いために、希望者が非常に多いそうです。そのため外科医になるにはかなり競争が厳しいとのことでした。彼の病院でも希望者が多いそうです。日本では外科医は忙しい割に給料が多くはないのであまり人気がないというと、それはヨーロッパと同じだと言っていました。