《対北朝鮮政策の評価について、姜哲煥記者が斬る!》
李明博(イ・ミョンバク)政権の対北朝鮮政策に対する評価は与野党共に否定的だ。
韓国大統領選挙の各候補も、金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党第1書記との対話によって南北関係を改善したいと口をそろえている。
しかし南北関係の評価は、北朝鮮の政権と北朝鮮住民の立場を分離して初めて成功かどうかを理解できる。
かつて北朝鮮の政権が、住民が外部の情報と接触することを完全に遮断していたころ、南北関係とは政権間の関係に限定されていた。しかし今では、韓国で起こったことが北朝鮮内部に拡散しており、住民の立場も決して無視はできなくなった。北朝鮮住民が韓国の対北朝鮮政策をじかに肌で感じる時代になったわけだ。
韓国国内では評判がよくない李明博政権の対北朝鮮政策は、北朝鮮内部の反体制派や住民の間では高い評価を受けている。
李明博政権下で、北朝鮮は韓国のどの政権のときよりも厳しい対南(対韓国)圧迫政策を試みた。一見、李明博政権が北朝鮮を圧迫したかのように見えるが、実際は金正日(キム・ジョンイル)総書記が生前打ち立てた対南政策が「問答無用の圧迫と脅迫」だった。哨戒艦・天安爆沈事件や延坪島砲撃事件などがその例だ。
この時期、北朝鮮でも大きな変化が起こっていた。市場の拡大を防ぐために断行した貨幣改革が失敗し、朴南基(パク・ナムギ)計画財政部長たち高官が処刑された。住民は、政権がごく当たり前のことを言っても、もはや信用しなくなった。全ての責任を外部に転嫁する北朝鮮当局の民心歪曲も、もはや住民には通用しなくなった。金総書記の急死も、見方によっては、李明博政権が最後まで北朝鮮の脅迫に屈しなかったために起きたといえる。
最近の市場拡大で、北朝鮮住民の暮らしは困難の中にあっても安定を保っている。しかし対外支援に依存してきた権力集団は、深刻な危機に陥った。
権力自体も、故・金総書記の独占体制から張成沢(チャン・ソンテク)朝鮮労働党行政部長、崔竜海(チェ・リョンへ)人民軍総政治局長、金敬姫(キム・ギョンヒ)朝鮮労働党書記たちに分散する兆しを見せている。軍部のトップだった李英鎬(リ・ヨンホ)人民軍総参謀長が部下ともども粛正された件は、軍内部の不満が爆発寸前だということを示している。
金正恩政権は対外支援が途絶えると、仕方なく変化の道を模索し始めた。農民の利権を認め、政府の干渉を減らし、独立採算制を強化して稼いだ分だけ労働者の月給を上げるといった措置を取り続けている。
金氏王朝の既得権から除外されている多数の北朝鮮エリートは、三代世襲が成功するかどうかは、外部の経済支援に懸かっていると信じている。韓国の次期政権が、金大中(キム・デジュン)、盧武鉉(ノ・ムヒョン)両政権時代のように大々的な対北朝鮮支援をやるようになれば、経済難に追い込まれた金第1書記はこれを100%体制安定のために活用し、起死回生の力を得ることになる。そうなれば、現在あえて進めている経済改革も直ちに止めるだろう。
北朝鮮の政権は自ら変化する政権ではないということを、この15年の歳月が証明している。北朝鮮のことをよく知る中国ですら、北朝鮮に対して無償支援をしないのは、無償支援が変化の障害になると考えているからだ。
韓国政府の対北朝鮮政策の評価は、北朝鮮の政権との対話・交流で判断してはならない。北朝鮮住民の望みがどれだけ解決したかによって、南北関係を評価すべき時が到来した。
※「親北勢力は胸に手を当てて考えて欲しい。もし、あなたの子供たちが食べ物に飢えて栄養失調になり、骨だけの痩せ細った体で勉強を諦め、市場のゴミ捨て場を漁っていたら、どんな気持ちになるだろうか。そうせざるを得ない社会に憧れを持つことなど出来るだろうか」
(脱北者Aさん。脱北者手記集より)
李明博(イ・ミョンバク)政権の対北朝鮮政策に対する評価は与野党共に否定的だ。
韓国大統領選挙の各候補も、金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党第1書記との対話によって南北関係を改善したいと口をそろえている。
しかし南北関係の評価は、北朝鮮の政権と北朝鮮住民の立場を分離して初めて成功かどうかを理解できる。
かつて北朝鮮の政権が、住民が外部の情報と接触することを完全に遮断していたころ、南北関係とは政権間の関係に限定されていた。しかし今では、韓国で起こったことが北朝鮮内部に拡散しており、住民の立場も決して無視はできなくなった。北朝鮮住民が韓国の対北朝鮮政策をじかに肌で感じる時代になったわけだ。
韓国国内では評判がよくない李明博政権の対北朝鮮政策は、北朝鮮内部の反体制派や住民の間では高い評価を受けている。
李明博政権下で、北朝鮮は韓国のどの政権のときよりも厳しい対南(対韓国)圧迫政策を試みた。一見、李明博政権が北朝鮮を圧迫したかのように見えるが、実際は金正日(キム・ジョンイル)総書記が生前打ち立てた対南政策が「問答無用の圧迫と脅迫」だった。哨戒艦・天安爆沈事件や延坪島砲撃事件などがその例だ。
この時期、北朝鮮でも大きな変化が起こっていた。市場の拡大を防ぐために断行した貨幣改革が失敗し、朴南基(パク・ナムギ)計画財政部長たち高官が処刑された。住民は、政権がごく当たり前のことを言っても、もはや信用しなくなった。全ての責任を外部に転嫁する北朝鮮当局の民心歪曲も、もはや住民には通用しなくなった。金総書記の急死も、見方によっては、李明博政権が最後まで北朝鮮の脅迫に屈しなかったために起きたといえる。
最近の市場拡大で、北朝鮮住民の暮らしは困難の中にあっても安定を保っている。しかし対外支援に依存してきた権力集団は、深刻な危機に陥った。
権力自体も、故・金総書記の独占体制から張成沢(チャン・ソンテク)朝鮮労働党行政部長、崔竜海(チェ・リョンへ)人民軍総政治局長、金敬姫(キム・ギョンヒ)朝鮮労働党書記たちに分散する兆しを見せている。軍部のトップだった李英鎬(リ・ヨンホ)人民軍総参謀長が部下ともども粛正された件は、軍内部の不満が爆発寸前だということを示している。
金正恩政権は対外支援が途絶えると、仕方なく変化の道を模索し始めた。農民の利権を認め、政府の干渉を減らし、独立採算制を強化して稼いだ分だけ労働者の月給を上げるといった措置を取り続けている。
金氏王朝の既得権から除外されている多数の北朝鮮エリートは、三代世襲が成功するかどうかは、外部の経済支援に懸かっていると信じている。韓国の次期政権が、金大中(キム・デジュン)、盧武鉉(ノ・ムヒョン)両政権時代のように大々的な対北朝鮮支援をやるようになれば、経済難に追い込まれた金第1書記はこれを100%体制安定のために活用し、起死回生の力を得ることになる。そうなれば、現在あえて進めている経済改革も直ちに止めるだろう。
北朝鮮の政権は自ら変化する政権ではないということを、この15年の歳月が証明している。北朝鮮のことをよく知る中国ですら、北朝鮮に対して無償支援をしないのは、無償支援が変化の障害になると考えているからだ。
韓国政府の対北朝鮮政策の評価は、北朝鮮の政権との対話・交流で判断してはならない。北朝鮮住民の望みがどれだけ解決したかによって、南北関係を評価すべき時が到来した。
※「親北勢力は胸に手を当てて考えて欲しい。もし、あなたの子供たちが食べ物に飢えて栄養失調になり、骨だけの痩せ細った体で勉強を諦め、市場のゴミ捨て場を漁っていたら、どんな気持ちになるだろうか。そうせざるを得ない社会に憧れを持つことなど出来るだろうか」
(脱北者Aさん。脱北者手記集より)