隻手の声(佐藤節夫)The voice of one hand clapping.

世の中の片手の声をココロで聴こう。

The post American Worldアメリカ後の世界

2009-08-22 15:15:00 | Weblog
The post American Worldアメリカ後の世界   平成己丑二十一年葉月二十二日

アメリカのF君から久しぶりのメールがきた。
日本のような蒸し暑さは、humid-heat ,muggy, sweltering と表現されても、住んでもらわないと分からない。へバリ気味の毎日です。

『オバマ政権が誕生してから 早半年近く経ちましたが こちらでは 新しい保険制度の話が、賑やかです。 オバマの打ち出した新制度が今後どうなるか?議会の動きが注目されます。

ところで 今 以下の本を読んでいます。
 "The Post American World" (Fareed Zakaria 著)
 2009年のNew York Times のBestsellerになった本ですが、 一言で言うと 今後の世界は どうなって行くか という話です。
以下の目次からすると 想像出来ますが。
1.The Rise of the Rest
2.The Cup Runneth Over
3.A Non-Western World?
4.The Challenger
5.The Ally
6.American Power
7.American Purpose
いずれにしても かなり世界が変わるようですね。

一言で言うと 現時点で言う 彼の”史観”である。 アメリカの一国集中が変化の時代に入った今 次の世界の変化を論じた書である。
彼は この本で インドと中国を取上げている。 インドは 10億人の人口と ヒンディー語の文化、イギリスがもたらした自由主義経済とに注目している。
一方 中国は その14億近い人口と 年10%近い成長に大いに注目しているが、共産党1党独裁の今の経済成長が何時まで続くか やや不安を抱いている。
この本で 彼が アメリカの特色を色々取上げているが、1番特色は Immigrationにあるいっている。 今では WA SPの比重は はるかに低くなっているが Hispanicを中心とする民族の多様化は 今も進んでいる。
この意味で アメリカの繁栄は続くと見ている。
ちなみに 彼は インドで生まれ アメリカに移住し エール大 と ハーバード大学院を出ている。』

***
先読みの読後感、有難うございます。
拝読致しました。
アメリカの覇権がどこまでいくかですね。
クリントン夫妻が、アジア、アフリカと飛び回って、オバマ大統領の地ならしをうまくやってるようにみえます。
内政的には本人が頑ん張って、経済を黒字にして、マニフェストの「共通の価値観」をどうこれから打ち立てるかですね。ヒスパニックの力はすごいのでしょうね。それに、まだタリバンが健在だそうだ。
 一方、中国のすごさは凄まじい。ほとんどの衣料、雑貨は中国製だ。みやげ物の裏を見れば分かる。
ツタンカーメンのキーホルダーが何と中国製だ。しかし、悪い製品でないのだ。
貴君のいう共産党一党独裁の心配と、一人っ子政策の影響の出る20年後が世代交代の時どうなるかですね。 今日のTVでやってましたが、上海では30年続けてきた「一人っ子政策」を「二人っ子」にするという。かなり将来の弊害が見えてきたのではないですか? 
それに、中国の憲法を読んだことありますか?
『中国は、世界で最も古い歴史をもつ国家の一つである。中国の各民族人民は、輝かしい文化を共同でつくりあげており、榮えある革命的伝統をもっている。(中略)台湾は、中華人民共和国の神聖な国土の一部である。祖国統一の大業を成し遂げることは、台湾の同胞を含む全中国人民の神聖な責務である。(中略)この憲法は中国各民族の奮闘の成果を法の形式で確認し、国家の根本制度と根本任務を定めたものであり、国家の根本法であり最高の法的効力をもつ。』としている。ウイグル族の問題もあり。大変である。
南北朝鮮の統一も、民族の悲願でしょうね。
 インドも前に書きましたが、民衆の力強さとヒンズ―教の力は底知れないものがあるようですね。 
S君は世界を動かしている闇を探っているみたいです。秋にはTED会議にインドへ出席とのこと。
前回出席のホーキンス博士はどうなんだろう? 入院中と聞いたが、先日オバマ大統領から「自由勲章」を頂いてみえたから、ほっとした。

 私は、塩野七生女史お薦めの「私の中の日本軍」山本七平著を読み始めたが、女史も言って見えるように遅遅として読めなかったと言ってみえるだけに、日本軍の組織のもつ悪い酷さ(百人切り、ビンタなど)に辟易して、ちょっと中断です。
お盆、終戦記念日とが重なって、纏まりませんでした。

お読み下され、感謝致します。


宇宙に秘められた謎George’s Cosmic Treasure Hunt

2009-08-05 20:04:14 | Weblog
宇宙に秘められた謎George’s Cosmic Treasure Hunt平成己丑二十一年葉月五日

今年の7月は、アポロ11号の月着陸40周年記念と、皆既日食と話題が続き、
31日には、若田さんが日本人で初めて、4カ月半の宇宙長期滞在して、スペースシャトル「エンデバー」に乗って地球に帰還した。日本の実験棟「きぼう」を完成させ、子供たちのリクエストに答える「おもしろ実験」をした。宇宙での空泳(?)や縄跳びなどをしてくれたが、歯磨きをしても全部飲み込んでしまうということや、体重や筋力が運動不足で減少することなどを経験した。
会見で「我が家に勝る場所はないですね。重力を感じながら寝た」と挨拶されたという。流石、体験者ならではの、感想ですね。
 我々何気なく生活しているわけだが、重力を感じることはない。しかも、今こうして生活していること自体凄いことなのだ。地球は西から東へ、赤道上で時速1670kmものスピードで自転しているのだ。1秒間に約464m。
地球誕生以来46億年と時を刻んで、いつ現在のスピードに落ち着いたかは分かりませんが、正確無比である。日食もピタリとやってきた。
 実は、先月火星へ探検してきた。ジョージ君とアニ―さんといっしょだ。勿論コンピューター「コスモス」の活躍のお陰である。どうして宇宙にいくのかって?  ホーキング博士が、待望の「宇宙に秘められた謎」の始めに語る。「宇宙に出ていっても、この地球で私たちが抱える問題を直接解決することにはならない。広い宇宙に目を向ける必要な時代が来ている。人類の未来を考えるのなら、ロボットを送るのでなく、人間がそこにいってみなくてはいけません。月は太陽系の他の場所へ旅をするための基地になりえます。30年以内に月に基地を設け、50年後に火星に到達し、200年後には、外惑星が持つ衛星を探査できるようになるかもしれない。文明は約1万年前から始まり、発展の度合いは着実に増し、これまで誰も行ったことのない場所へ出て行く段階に来ている。」とアニ―のお父さん・エリックとして、子供たちに呼びかけている。
ジョージとアニ―は、エメットというアニ―の父の友人の子供の力で「コスモス」を立ち上げ、ドラえもんの「どこでもドア―」みたいな戸口から火星へ降り立った。平均気温零下60度で、瓦礫がごろごろ転がる赤っぽい平原だ。空には太陽が浮かんでいたが、地球を照らしているのと同じ太陽なのに、もっと遠くにあり小さいし温度も低いように思えた。それもそのはずだ。地球から直線距離で、2億7360万kmにある火星に来ているのだ。
 ジョージやアニ―は、人間や建物や音や活気に満ちている地球が恋しくてたまらなくなった。何もない惑星ではやることもないし、一緒に遊ぶ子供たちもいないのだ。実際降り立ってみると、地球の方がずっといいように思えた。
火星探査機「ホーマー」から謎のメッセージを見つけるのだが、物語はあまりに人間的な業の問題になり、エリックは「宇宙の研究は人類が知識を探り求める物語に新たな章を加えようとするためで、新しい惑星を見つけてそれを独り占めすることではない」という。そして、「科学者の誓いの言葉」(前回既述)の登場となった。
「わたしは科学の知識を人類のために使うことを誓います。私は正しい知識を得ようとする時に、だれにも危害をくわえないことを約束します・・
わたしは、まわりにある不思議なことについての知識を深めようとする時、勇気を持ち、注意をはらいます。わたしは、科学の知識を自分個人の利益のために使ったり、このすばらしい惑星を破壊しようとする者にあたえたりすることはしません。もしこの誓いを破った時は、宇宙の美と驚異がわたしから永久にかくされてしまいますように」

 今回初めて『ゴルディロックス・ゾーン』という言葉が出てきた。暑すぎもせず寒すぎもしない。ちょうどいい気温のところにある距離の区域だという。ここにある惑星は数百万年にわたって温暖で、生命体を支える液体の水を浴びていられるので、生命を生み出すための化学反応が活発に起こるのだという。
 この本は「宇宙を知るためのガイド」として、今世界中で活躍されている宇宙科学者による科学エッセイを載せて、最新の宇宙論が紹介されているから、とても読み応えがある。
 ジョージとアニ―とエリックとそしてリ―パは、火星、土星、太陽系の外まで行き、今回の若田さんのように、地球には、知的生命体が存在していて、人間にとってちょうどいい具合の重力があり、人間の呼吸にちょうどいい大氣があることを再確認したようだ。ついでに私自身も。
 この本の最後に「M理論」が紹介されていたが、これが編み出されたら凄いことになるのを予感した。宇宙の科学的な法則をひとつにまとめる理論は究極の宝探しということだと思います。
お読み下され、感謝致します。
宇宙に秘められた謎 (ホーキング博士のスペース・アドベンチャー 2)
ルーシー&スティーヴン・ホーキング
岩崎書店

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