カナダ, ブリティッシュ・コロンビア滞在記The story of my stay in British Columbia, Canada(完) 平成丁亥年長月二十四日
思い出すこと(Ⅲ)
バンクバーに着いて初めて、ダウンタウンからスタンレーパークまで歩いた。
7月1日のことだ。カナダデーである。ダウンタウンでは人人でごったがえしていた。道路では、何箇所でバンドが気分を盛り上げるよう、太鼓、ラッパを鳴らしていた。
カナダプレイス(トレード・コンベンションセンター)から地図を見て、行けるだろうと思い、歩き出したが失敗だ。森は見えども、なかなか着けない。店に入ると日本人が店員だ。まだ先だとのこと。ここは日本と違うのだ。 ガイドがこういう時に必要なのだ。 徒然草の第52段、石清水八幡宮の先達を思い出した。 初めてカナダの広さを知った。
やっと事務所らしきところに着いて、パンフをもらうと、何とただの公園ではない。バスも中を通り、サイクリングをしている。公園の中に入るといろいろな画家たちが、所狭しとキャンバスを並べ、販売している。 足が痛くなって、ベンチで休むことにした。
もうこれまでとして、事務所まで戻りトイレに入った。 びっくりしたのはロール状のトイレットペーパーのデカサである。 直径40センチ位のデカイロールである。日本の何個分に当るか分からないデカサだ。一ヶ月分であろうか。しかも2個並んでいる。
スタンレーパークではなく、どこか分からなかったが、手を水で洗った後、手を向けると自動にペーパーが出てくる。 何とここまで便利にするのかと言いたいくらいであった。
ある日、手紙を出そうと、同じホームスティのEさんに聞くと、「分かりにくいよ」といってSさんを紹介してくれた。連れてってもらうと、彼の言った通り、ある店の奥に郵便局が陣取っていた。これでは分かりっこない。 郵便局も国が違うとこうも違うのかと思わずつぶやいた。 赤いポスト(四角い)だけは同じだ。
誰でも日本人なら、すし屋に目が行く。ダウンタウンでは2階が多く、価格もぼったくりとかreasonableとか聞いた。それぞれの懐具合と舌の好みでかなり違ってくる。紹介された店はかなり良心的に感じた。 江戸前の煮きりで戴くイメージだとダメであろう。今岐阜でも「創作寿司」が流行っているものと同じであった。郊外でDさんと戴いたのはてんぷら(鳥もあった)と創作寿司と味噌汁という定食で安かった。しかも店前に赤ちょうちんがずらりとならんでいる。何とコメントしたらいいか。異国で食べられるという幸せを考えたら、贅沢なイメージはいらない。しかも大事な友人と食べれるなんて最高の味だと思った。
ある日、ホストファザーが家族とともに、同じホームスティの学生Eさんと私を食事に誘ってくれた。
ホワイトスポット である。 バンクーバーでは有名なハンバーガーレストランで、賑わっていた。ブラジリアンのEさんはイスラム教のため、豚はダメといって、それぞれのメニューになった。マクドナルドに代ってホワイトスポットは店舗数も多いと聞いた。
ある日、夕方といっても明るいが、バスに乗っていると、向かいに赤ら顔した50歳前後の男二人がペチャクチャしゃべっていた。すると突然一方が袋から缶ビールを開け飲み始めた。まずいと思って見ていたら、バスの運転手がマイクで「Get off」「Get off」と叫んだ。何と運転手は女性である。仕方なく「OK」「OK」といって、乗車口へ行って、缶のビールをひっくり返して流した。男は素直に席に戻っていった。私はホッとしたと同時に、この女性運転手の凄さには感心した。
バスの運転手は何もインド人だけてない、先の女性もいる。当然若いバスの運転手もいた。 陽気な運転手で誰構わず話して運転していた。すると停留所付近で派手な「パッパカパー」というクラクションを鳴らした。何事かと見ていたら、ある店の奥から彼女が走って出てきた。彼女は「Hi !」 と叫んで手を振るのだった。 周りは何ごとも無いようだった。
クラクションは愛のサインだった。 幸せな街・バンクバーのひとコマでした。
お読み下され、感謝致します。
思い出すこと(Ⅲ)
バンクバーに着いて初めて、ダウンタウンからスタンレーパークまで歩いた。
7月1日のことだ。カナダデーである。ダウンタウンでは人人でごったがえしていた。道路では、何箇所でバンドが気分を盛り上げるよう、太鼓、ラッパを鳴らしていた。
カナダプレイス(トレード・コンベンションセンター)から地図を見て、行けるだろうと思い、歩き出したが失敗だ。森は見えども、なかなか着けない。店に入ると日本人が店員だ。まだ先だとのこと。ここは日本と違うのだ。 ガイドがこういう時に必要なのだ。 徒然草の第52段、石清水八幡宮の先達を思い出した。 初めてカナダの広さを知った。
やっと事務所らしきところに着いて、パンフをもらうと、何とただの公園ではない。バスも中を通り、サイクリングをしている。公園の中に入るといろいろな画家たちが、所狭しとキャンバスを並べ、販売している。 足が痛くなって、ベンチで休むことにした。
もうこれまでとして、事務所まで戻りトイレに入った。 びっくりしたのはロール状のトイレットペーパーのデカサである。 直径40センチ位のデカイロールである。日本の何個分に当るか分からないデカサだ。一ヶ月分であろうか。しかも2個並んでいる。
スタンレーパークではなく、どこか分からなかったが、手を水で洗った後、手を向けると自動にペーパーが出てくる。 何とここまで便利にするのかと言いたいくらいであった。
ある日、手紙を出そうと、同じホームスティのEさんに聞くと、「分かりにくいよ」といってSさんを紹介してくれた。連れてってもらうと、彼の言った通り、ある店の奥に郵便局が陣取っていた。これでは分かりっこない。 郵便局も国が違うとこうも違うのかと思わずつぶやいた。 赤いポスト(四角い)だけは同じだ。
誰でも日本人なら、すし屋に目が行く。ダウンタウンでは2階が多く、価格もぼったくりとかreasonableとか聞いた。それぞれの懐具合と舌の好みでかなり違ってくる。紹介された店はかなり良心的に感じた。 江戸前の煮きりで戴くイメージだとダメであろう。今岐阜でも「創作寿司」が流行っているものと同じであった。郊外でDさんと戴いたのはてんぷら(鳥もあった)と創作寿司と味噌汁という定食で安かった。しかも店前に赤ちょうちんがずらりとならんでいる。何とコメントしたらいいか。異国で食べられるという幸せを考えたら、贅沢なイメージはいらない。しかも大事な友人と食べれるなんて最高の味だと思った。
ある日、ホストファザーが家族とともに、同じホームスティの学生Eさんと私を食事に誘ってくれた。
ホワイトスポット である。 バンクーバーでは有名なハンバーガーレストランで、賑わっていた。ブラジリアンのEさんはイスラム教のため、豚はダメといって、それぞれのメニューになった。マクドナルドに代ってホワイトスポットは店舗数も多いと聞いた。
ある日、夕方といっても明るいが、バスに乗っていると、向かいに赤ら顔した50歳前後の男二人がペチャクチャしゃべっていた。すると突然一方が袋から缶ビールを開け飲み始めた。まずいと思って見ていたら、バスの運転手がマイクで「Get off」「Get off」と叫んだ。何と運転手は女性である。仕方なく「OK」「OK」といって、乗車口へ行って、缶のビールをひっくり返して流した。男は素直に席に戻っていった。私はホッとしたと同時に、この女性運転手の凄さには感心した。
バスの運転手は何もインド人だけてない、先の女性もいる。当然若いバスの運転手もいた。 陽気な運転手で誰構わず話して運転していた。すると停留所付近で派手な「パッパカパー」というクラクションを鳴らした。何事かと見ていたら、ある店の奥から彼女が走って出てきた。彼女は「Hi !」 と叫んで手を振るのだった。 周りは何ごとも無いようだった。
クラクションは愛のサインだった。 幸せな街・バンクバーのひとコマでした。
お読み下され、感謝致します。