メランコリア

メランコリアの国にようこそ。
ここにあるのはわたしの心象スケッチです。

心の中のベストフィルム~『恋人たち』(1958)

2007-06-10 21:11:07 | 映画
『恋人たち』~LES AMANTS(1958)フランス
監督:ルイ・マル
出演:ジャンヌ・モロー、ジャン=マルク・ボリー、アラン・キュニー、ホセ・ルイス・デ・ヴィラロンガ ほか

もう思い出せないが、随分前に雑誌かなにかで「映画史上最も美しいラブシーンだ」と評価されていたのを読んで、
そこに載っていたジャンヌ・モローと相手の男優の写真にみとれてしまった。
2人の男女の目線の高さがちょうどいいのと、男性の背格好があまりに理想的だったから。
それを切り抜いてスクラップブックに貼って、いつまでも大事にしていた。



ビデオ屋で思い出した折に探してもらったりしてたけど「ない」と言われた。
それが、先日別の用でHMVに寄った際、偶然見かけて驚いた。
もしかしたら最近ソフト化されたのかもしれない。
誕生日に自分へのプレゼントとして買おうか迷っていたら、近所のビデオ屋のヨーロッパコーナーで見つけて一瞬息が止まったほど。

ルイ・マルは大好きなフランス監督。
学生のとき、わたしの部屋に同じアパートに住んでた友だちと集まって「映画会」をして観た『さよなら子供たち』は、
終わりまで黙ってみて、ラストシーンで2人で号泣したんだよね

モローのアンニュイな美しさは、気品とプライドでできているようだ。その笑い声は楽器みたい。
新聞社社長夫人として何不自由ない暮らしをしているのに、夫は忙しすぎて、奥さんを飾るだけの美術品扱いしかできない。
遊び友だちはみな薄っぺらい偽善的な人たちばかりで、退屈しきっている。
夕食会へ行く途中でクルマが故障したときに、ベルナールが通りかかる。

彼が現れたとき、まるでずっと待っていた恋人に逢えたようにドキドキした
2人の会話は詩のようで、夜の散歩シーンで切り抜きの場面がとうとう見れた。
うん、2人の目線の高さと、ベルナールのルックスはやっぱり理想的だ。
理想の恋人。つまり創造されたという意味で。



mon amour(いとしい人)」
フランス語って、言葉の響きが愛情表現にピッタリなんだな。
あまりに甘く美しいから、切なくて、涙が出た。

もうこれ以上、他のどんな映画も見ないと誓いをたてたいくらいだけれども、さすがにそれはムリ/苦笑
何度も観返したら、感動は壊れてしまうだろうか。




Jean Marc Boryのその他出演作
狂気の愛(1985)
悪霊の家<未> (1972)
戦士の休息(1962)
潜水艦浮上せず(1959)
山小舎の狼(1959)



コメント    この記事についてブログを書く
« 『ワンダーランド駅で』 | トップ |  »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。