メランコリア

メランコリアの国にようこそ。
ここにあるのはわたしの心象スケッチです。

notes and movies(2000.1~ part2)

2013-12-20 11:21:53 | notes and movies
過去のノートにある映画感想メモシリーズ。
part1からのつづき。
昔のメモなので、不適切な表現、勘違い等はお詫び申し上げます/謝罪
なお、あらすじはなるべく省略しています。


『ウェルカム・トゥ・サラエボ』(1997)
監督:マイケル・ウィンターボトム 出演:スティーヴン・ディレーン ほか
ショッキングで生々しいボスニア紛争の犠牲者と砲弾に崩れる建物、
逃げ惑う人々のドキュメンタリーをまじえた構成が訴えるインパクトは強い。実話を基にした作品。

「ここで流行ってるジョークは“神はいるのか?”」

争う人間も愚かなら、戦争を作り、放置する政治家もしかり。
が、無視しているという点で私たちも同罪かもしれない。


『ポストマン』(1997)
監督・出演:ケヴィン・コスナー 出演:ウィル・パットン ほか
『マッドマックス』の郵便屋バージョンみたい。
ハリウッドのドル箱スター、コスナーの出演作選びはちょっと変わってるなあw
亡くなった父をまつって銅像を作り、メモリアルにするという完璧な蛇足付き

暗い世の中の時ほど希望を持とうぜってテーマで、2013年ていう微妙な近未来を舞台にコテコテに描いた話。
近未来ものは荒廃した世界を描き続けてきたけど、その年を徐々にクリアしながら
私たちはなんとか科学を発展させ、自然と資源をギリギリ保ってやってきている。
一種の警告として、これからもちょっと先の世界を映画は描き続けるんだ。


『始皇帝暗殺』(1998)
監督:チェン・カイコー 出演:コン・リー、チャン・フォンイー ほか
混沌の時代。人の命がなんとも軽くやりとりされる。
プライドを守るのにも、勝敗を決めるにも、人を愛するにも、平和を築くのにさえ命を簡単に捨て、
切り、死体の山が築かれる。憎しみが憎しみを生むエンドレス状態。
国を愛する気持ち、宗教、言葉の違いというだけで人は人を支配しようとし、無駄な戦争を繰り返す。
“平和のため”という大王の執念がこれだけの代償の末、成功しても、それは繰り返しの中のひとつでしかない。

人を愛する気持ちさえ霞み、歪まざるを得ない戦乱の世界。
今の世が幾多の戦の上に築き上げられているかと思うと背筋が寒くなる。
そこには人の数だけ愛憎劇と、癒されない想いが残っていることだろう。


『ラヴソング』(1996)

監督:ピーター・チャン 出演:レオン・ライ、マギー・チャン ほか
バイタリティあふれる街、香港。
その最も激動した年を舞台に、大陸から来た2人の男女のあくまで等身大の愛を描いた作品。
ここでキーとなる歌は、一度『イヤー・オブ・ザ・ドラゴン』でも聴いた、きっとヒット曲なんだろう。
何度もすれ違う2人にハラハラ、でも運命の糸を信じさせる再会にホッと和むラストがイイ。

やっと互いに自由になって巡り会えたソウルメイトって感じ。
ポケベル全盛期が時代を反映してたり、テレサ・テンを聴いてると大陸の者とバレるとか、面白い。
「夢をつかむ街」には表と裏が混在していて、弱い者は飲まれてしまう。
今作で学んだのは“好きな人が転勤になったらついていくべし”ってとこかなw
フツーっぽいマギー・チャンのいい役者ぶりと、爽やか好青年ライのカップルが
素敵な大人の恋愛を時間の流れとともに見せる。


『キャメロット・ガーデンの少女』(1997)
監督:ジョン・ダイガン 出演:ミーシャ・バートン ほか
少女の中の寓話と現実が交錯したフシギな世界。
働いても実らないイギリスの下層労働者階級の苦しみも重いテーマとなっている。

「トラックを売ればローン機が買えるが仕事に行けない。
 チェーンソーを売れば仕事がしづらい。もうどうでもいい!」

靴を投げると森になるラストシーンはいきなりファンタジー。
思うに都合のいい時だけ友人で、ちょっとしたことで裏切ったのは少女のほうで
世間知らずが招いた悲劇ととるべきか、孤独でつながれた真の友情ととるべきか、
それとも寓話ととるべきか、ちょっとハンパな印象が残る。

トレント役の俳優はインディ時代のブラピのような野性味ある魅力がある。
ませた少女役のコにも注目。


『ヴィゴ』(1998)

監督:ジュリアン・テンプル 出演:ロマーヌ・ボーランジェ ほか
ラスト船上で踊る2人は解放された魂か?
今ではヴィゴ作品は認められて高く評価されている。いつでも時代の認識はずっと遅れているんだ。
短い半生を激しく生きたベターハーフの愛の物語が映画にならないわけがない。
これは80年の長寿にも劣らず、皆が体験できるものじゃないフェアリー・テイル。

ヴィゴ役の俳優はどちらかというとキートンの自伝映画向きでは? ボランジェの美しさが見所。
だけど皆ムリして英語で喋らなくてもいいんじゃないかい? ヴィゴはフランス人だろうに・・・
日本もそうだが、結核=死の病気だったんだね。キスとかで感染するってゆうより、
空気感染だから、側にいるだけでも感染するんじゃないかって考えは誤りだろうか?


『ディアボロス』(1997)
監督:テイラー・ハックフォード 出演:キアヌ・リーブス、アル・パチーノ ほか
戸田奈津子訳。
何度も人生をやり直すチャンスを与えられただけでも幸せなのに、また同じ過ちを繰り返す人間って本当に愚かだね。

「神はサディストだ。人間に本能と法を同時に与え、右往左往するのを見て楽しんでいる。
 俺はずっと人間界でやってきた。好きに選ばせ、裁かない、最後のヒューマニストさ。
 人間の最大のファンなんだっ」てセリフはイイ。

長い教訓じみたセリフ(途中、外国語も混ぜつつ)を吐くアル・パチーノの表情は悪魔そのもの。
何でも訴える国アメリカの嫌われる職業NO1の弁護士が、実はDEVILだったってのが笑える。
何千年も生きてる悪魔も継いでくれる息子が必要なのか~w
でも彼ならまだまだ現役バリバリでイケそうだぞ。とにかく何度でもチャンスは巡ってくるし。


『グッバイ・モロッコ』(1998)
監督:ギリーズ・マッキノン 出演:ケイト・ウィンスレット ほか

「まだ男を愛しているのですか?」「ええ、愛しています」

こんな単純な事実を人は自分で知っていながら認められず苦しむことがある。

「英国人だからってリッチとは限らない、むしろ大半が貧しいの」

こんなところにイギリスのお国事情が見え隠れする。

『タイタニック』で大メジャー女優となったケイトにとっても、その大層な仮面を脱いで癒す1作になったのでは?
活気に満ちた町、広大な自然、ラクダ、砂漠・・・異国情緒も生活する金がなければ厳しい現実があるだけ。
'70のヒットナンバーがたくさんBGMに流れるのが嬉しい

「涙は過去を思い出すもの。涙がなかったら過去を思い出すこともなく、神にも出会えない」


『ダロウェイ夫人』(1998)
監督:マルレーン・ゴリス 出演:ヴァネッサ・レッドグレイヴ ほか

「時は流れ、もっと歳をとり、“先へ行こう”とする気力がなくなる時がある。
 でも若者に共感し、同情できる自分を大切にしたい」

戸田奈津子訳。
イギリスの美しい庭園にクラシックな衣装が映える。バネッサの円熟した演技を堪能。
このヒロインのように優しく理解ある夫と娘との静かな余生なんて理想的ではないか?
昔の恋人ともラストはともに踊り、わだかまりも平穏な思い出として接することができる。
こんな風に人生を楽しみ、振り返ることができたら、この世に生を受けたことへの十分な恩返しになることだろう。


『メリーに首ったけ』(1998)
監督:ボビー・ファレリー、ピーター・ファレリー 出演:キャメロン・ディアス ほか
時々出てくる愛の歌をうたう2人組が可笑しい。
「悪人を見分ける犬パフィ」を眠らせ、死にかけて、電気ショックを与えたら燃えちゃって、
パフィはAも襲って窓から落ち、全身ギブスで車の上に乗せられているのも笑える。
こんなに性格もスタイルもカンペキな(男の趣味はちょっと疑うけど)女の子はなかなかいないっしょ。
今作でブレイクしたあっけらかんとしたアメリカンなキャメロンの魅力がやっと分かった。



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