■『悼む人』(2015)
著者:天童荒太
監督:堤幸彦
脚本:大森寿美男
出演:
坂築静人 - 高良健吾
奈儀倖世 - 石田ゆり子
甲水朔也 - 井浦新
坂築美汐 - 貫地谷しほり
福埜怜司 - 山本裕典
沼田響子 - 麻生祐未
沼田雄吉 - 山崎一
眞島秀和
佐戸井けん太
水口 - 甲本雅裕
弁護士 -堂珍嘉邦
大島蓉子
上條恒彦
高久保英剛 - 生島翔
比田雅恵 - 戸田恵子
尾国理々子 - 秋山菜津子
大後寿々花
坂築鷹彦 - 平田満
蒔野抗太郎 - 椎名桔平
坂築巡子 - 大竹しのぶ
坂築静人(幼少期) - 大西利空
ん? 2013年の向井理さん主演ver.もあるのか?
今作も予告を観て、いつか観ようと思っていた作品
trailer
井浦新さん、石田ゆり子さん、椎名桔平さん、秋山菜津子さんら
今観たい俳優さんがたくさん出ている
※「ドラマのマイベスト」カテゴリーの「井浦新さん出演作まとめ その2」に追加しました
とってもシリアスな人間ドラマなんだけれども、1つ気になったのは、
井浦さん演じるサクヤの部屋に、土偶らしきモノが大事に飾られているシーン
まさか・・・自前?w
▼あらすじ(ネタバレ注意
いろんな場所に行き、1人1人の生き様を唱えながら弔って歩く坂築静人
「そんなあなたが確かに生きていたということを、私は覚えておきます」
酔いながら、新人に呼び鈴を押させる記者・蒔野抗太郎
11歳の少年が親のクルマを運転して6歳の弟を轢き殺した現場の写真を撮らせる
「オレはなんとも思わないね 親がバカだったってことだ」
マキノと静人がすれ違う ここにも儀式のようなポーズをとる
マキノ:くだらねえ、宗教か
「これから殺しまーす」
ナイフを持って 妻・奈儀倖世を襲う場面を録画する夫・甲水朔也
その動画を見る裁判官ら
ファミレスで働き、店長・水口と関係を持っているナギ
身分証明のないナギを雇ったという理由でのパワハラ
ナギは常に夫の幻覚を見ている
甲水:
それで私をやりこめたつもりか?
私をやかせたいなら、そこまでお前を想う奴を見つけてみろよ
ナギは店長に頼む
「私を殺してくれませんか? 生きてても仕方ない気がするんで」
山を掘り始めるシズト 白骨が出てきて警察が来る
マキノが声をかける
雪が解けたら悼んでほしいと人から頼まれていた
「どうして亡くなったか、理由は知る必要のないことです」
マキノ:冥福を祈っているのか?
シズト:
自分なりなので、一般的な概念に当てはまるかどうか・・・
何のためにと聞かれるといつも困るのですが、僕は病気なんですよ
病院でロックを流す蒔築巡子
「ミック・ジャガーがマーク・ボランみたいじゃない?」
今後は在宅で過ごすことにしたと言うと、同じがん患者から
「諦めたってこと?」
「別の生き方を選ぶことにしたんです
ただ、がんと闘うだけの人生はイヤだから」
「死ぬために生きるべきじゃないと思います!」
(同じがん患者でもいろんな意見があるね
娘・坂築美汐は、まだ治ると希望を捨てていない
夫・鷹彦は人とのコミュニケーションが苦手
自宅では甥・福埜怜司が帰宅を祝ってくれる
婚約者と別れたというミシオ 「でも産むから」
若い暴力団員が風俗嬢を争って撃たれた現場に来るシズトとマキノ
シズト:亡くなった人は、誰を愛していたのでしょうか?
マキノ:世の中には死んだほうがためになる人間もいるんだ
シズトは現場に入って悼む その様子を撮るマキト
マキノ:どう悼むの? 君の勝手な想像じゃないか
マキノ:だから病気だと言ったじゃないですか
上司は新人の記事を褒め、裏をとらないマキノを注意する
風俗嬢は足が不自由で、中学時代の友人と結婚するのが嬉しくて
祝おうと思っていたのが、銃で誤って撃ってしまった(妙な事故だな
上司「時代がエグい現実に疲れてきてるんだよ」
尾国理々子に呼び止められ、激怒するマキノ
マキノ:おふくろは、あいつに捨てられて、たった一人で死んでいったんだ!
理々子:あなたに会いたがってるのよ! あの人ほんとに死んじゃうわよ!
ナギは悼んでいるシズトを見かける
シズト:
ここで亡くなられた甲水朔也さんという方を悼ませていただいていました
お知り合いなら、甲水朔也さんについて教えていただけますか?
どういった方でしたか? どんな方を愛していたか どういったことで感謝されていたか
サクヤ:こいつに殺してもらえよ こいつなら出来るよ
巡子:
私にもシズトがなぜそんなことをしているのか分からない
シズトの父は対人関係が苦手で、幼い時、空襲で弟が亡くなりショックで口がきけなくなった
広島の原爆投下の日と同じ日です
(ここで眞島秀和さんも登場
巡子:
夫の父は教師で、教え子を大勢空襲で亡くしました
シズトにとっては大好きなおじいちゃんでした
ある年の8月10日に今治の海で亡くなったんです
自殺とも事故ともつかぬ溺死だったそうです
(回想)
「大切な人たちに会うためにここに帰ってきたんだと思う
だからシズトもおじいちゃんを忘れないでいてね 覚えていようね」
「ずっと覚えておく この中(胸)に入れておく!」
大卒後、医療機器メーカーに就職
入院患者と触れ合うボランティアで悲しい死をたくさん経験した
親友を過労で亡くし、1周忌を忘れた時のショックは凄まじかった
恋人と別れて、会社を辞め、やっと自分なりの悼み方を知った
生きた姿を覚えるようにすれば辛くならないと
高久保の秘書:
叔父は県会議員で、私は秘書なので過敏にならざるを得ないのです
家風が封建的で、このまま娘さんが嫁がれてて窮屈な思いをされるだけかと
妊娠のことで親戚から叱責され、弟は「自分の子かどうか分からない」と言ったのです
弟を許さなくてけっこうです ご自身の幸せを一番に考えてください
今ならまだ安全な病院を紹介できます
ミシオ:もともとあなたの子はいないから
ミシオにヒデユキを紹介したのは怜司で自責する
巡子:おばさんはもう長くは生きられないの ミシオを助けてちょうだい
シズトとともに旅をするナギ
17歳の少年が3年前、同級生とケンカをして亡くなった学校にも来る
被害者の母親・沼田響子:
あなたの読まれた雑誌の記事は捏造なんです!(だと思った
この子には知的障害があった イジメで殺された 誰でも知っています
弾みでリーダーを倒してしまい、ブロックで殴り殺された
そのリーダーの父親は地元の警察官で
自首したが、“ケンカの末”と捏造された
近所のお菓子屋さんからお菓子を持ってきてしまったのを“万引き”
花火が好きで、近所に迷惑をかけたのも“放火未遂”と書かれた
ナオキを悼むなら、一緒に訴えて、犯人を恨んでください!
記事のタイトルは“親の過保護が子の命を奪う”
シズト:
それは出来ません 僕はナオキさんのことを覚えておきたい
恨めば、犯罪のことが残り、ナオキさんが二の次になり、悼むことにはならないと思う
これほどご両親から愛されていたこと、
お菓子や花火が大好きだったことを、生きている限り覚えておくように努めます
母親:覚えていてください この子がどれほど私たちの宝物だったか!(アルバムを見せる
改めて悼むシズト
巡子の家にマキノが来る
マキノ:
以前、勤めていた時の貯金でやりくりしているみたいですね
私のHPで意見を求めたら「悼む人」と呼ばれていましてね
(“自作自演だ”との中傷も多い
否定的に見ている人のほうが多いみたいですよ
これを読んで意見を聞かせてほしい
巡子:
肝心なのは、あなたにシズトがどう映ったかでは?
どう映りました? 何を残しました?
倒れるジュンコ
ナギもシズトと同じリュック等を買って同行する
夫に暴力を受けていた女性のアパートに行く
近所のおじさん「旦那を愛しすぎていたのでは?」
悼むシズトを止めるナギ
ナギ:この人、毎日、暴力を振るわれて、最期はお腹を思いきり蹴られて死んだんでしょ?!
シズト:でも、結婚してたのなら、一時期は愛していたのでは?
ナギ:
そんな一時のことで、すべての人生を悼むなんておかしいわよやっぱり
この人には愛なんてなかった 殺した人にもなかった それは断言できる
私も夫を殺したから 今もここにずっといるのよ
母の男は必ず暴力をふるった
母はそういう男ばかりを求め続け
今の私の歳で亡くなった
私が結婚しても、やはり嫉妬で夫から暴力を受けた
私に愛情がないと分かると、相手は暴力をふるう
私も結局、母と同じだ 骨になっても私に付きまとってくる
骨を葬るために菩提寺に向かった そこで人生は一変した
墓の管理人・甲水朔也は、無縁仏の母の墓もちゃんと管理していた
ジュンコの傷を見て「もう大丈夫ですよ」
そこは夫の暴力から逃れる女性のシェルターだった
あの人は東大を出た後、東京で働いていたけど、寺が傾きかけていて戻ってきた
「仏さま」と呼ばれて、誰からも愛されていました
サクヤ:あの女たち、私の虜だったからなw
(新さん、悪役っぽい時の七三がピッチリ
あの人は私を選んだ 離婚を成立させ、私を妻としたんです
私はそれまで何十人も男を相手にしても、喜びを感じたり、好きになることはなかった
サクヤは初めてだった
でも、それは全部、サクヤが仕組んだことだった
サクヤ:
ユキヨにして欲しいことがある 私を殺してほしい
殺してくれたらユキヨを愛せるかもしれない
生きている人間に愛なんてない 人やモノへの執着にすぎない
私を殺して、君だけのものにしてくれないか?
ヒトの世の中は愚劣や欺瞞に満ちている
私もその一部だ 知りながら普通に生き、死ぬことも出来ない
そのために君を選んだんだ 君なら私を殺すことが出来るはずなんだ
ナギ:それからあの人は私に苦しみを与えはじめた
サクヤ:
お前には触らせない
ここまで尽くしてもダメなら、別の女に求めるしかない 今後は別の女に尽くす
お前に執着したことを後悔させないでくれ
事件当日「こうすれば、4、5年で刑務所を出られるからね」とカメラを回す
ナギ:
雨の中で、あの人を他の女にとられたくなくて刺した
私の愛も執着に過ぎなかったと証明されたに過ぎなかった
サクヤさんと同じになりたいの!
虐待事件を悼む記事を書いて、上司に褒められるマキノ
新人にも「感動した」と言われる
マキノ:試したんだよ 人に安い感動を売れるのかって
理々子から留守電
「骨と皮だけの姿見たら恨みもなくなる 今夜が峠だから会いに来て」
少女売春をする青年
「ゴム付きのエッチのみで 10万円」
「2万円の約束だろ? 元に電話すればお前が絞められんだよ」
少女が部屋に来て「先にお金」
マキノ:渡したら帰るよう、あのヤク中に言われてんだろ?
少女:中学生とヤリたいくせにいばってんじゃねーよ ばーか
リリコから電話
「今亡くなったわ ご満足? これでも来ないなら、会社に遺体を送りつけるから」
ショックで混乱し、少女の首を絞める
マキノ:
殺されるよ、お前は あいつにシャブ漬けにされてな
胸がふくらむ前に脅されて終わるんだ
ホテルで殺されたお前のことなんて、誰が思い出す?
あいつはすぐに代わりを見つけるさ
親も世間体を考えて忘れたがる
お前は生きていなかったことになるんだよ!
お前の死を悼む人間なんて、どこにもいないんだ!
シズトに追いつけないナギ
シズト:ここのバスは最終が早いので
ナギ:
私がいると迷惑? 女連れだと不審者に見られず、警察に通報されなくなったってゆってたじゃない
最終バスは行ってしまう
シズト:私にはあなたを殺すことはできません 人を悼むことができなくなります
父の忌中の店を訪ねるマキノ
遺言でお経の代わりに自分の朗読で中原中也の詩のテープを流す
「汚れちまった悲しみに・・・」
スケッチブックを渡すリリコ
口がきけなくて「あつい」「喉が渇いた」と書いてある
最後のほうは「抗太郎に謝りたい」などの繰り返し
スケッチブックを持って帰る途中、不良集団に殴られ連れていかれる
雷雨になり、寂れたトラックに入るシズトとナギ
シズト:
甲水さんとお話できませんか?
僕の悼みがどう受け取られているのか
悼まれてる人から直接話を聞けるなんて滅多にありませんから
サクヤ:
君の悼は滑稽だ 正直誰も望んでいないと思うよ
その行為に疑いはないかい?
シズト:
常にあります こんなことをしてどうなるのか 人を傷つけやしないか
サクヤ:
じゃどうして止めない?
君は感情を表に出さない 理不尽な死にも憤りも感じない それで心が晴れるわけでもない
時々思った 死んでいるのは君のほうじゃないかって
シズト:自殺よりいいのでは?
サクヤ:君は自分が死ぬ代わりに他人の死を拾い集めているというわけか
シズト:
甲水さんは、その為にナギさんを巻き込んだのではないですか?
あなたのしたことは、人を苦しめる自殺に過ぎません
サクヤ:ユキヨを抱きたいんだろ?
甲水は消える
マキノは大勢の少年から殴られ、穴に落ち、生き埋めにされる
マキノ:
君、こんな死に方をするんじゃないぞ!
誰かに覚えられるような生き方をするんだ!
少女ユミは青年らについていく
マキノは、スケッチブックを置いて悼むシズトが見えるが、警察に掘り出される
若い女の声で通報があったという
酷い雨の中去るシズト
ナギは河に落ち、シズトが助け、病院で診てもらう
比田雅恵(女医):こんな旅は早く止めっけ 自分探しとか気持ち悪い
HPで悼む人を知っていて「ほんとにいたんだあ!」
巡子:
最後に今治の海も見られたし、やっぱり在宅にしてよかった
鷹彦は私の後を追うつもりでしょ 絶対ダメだからね
ミシオがいるし、孫も生まれるのよ
シズトが辛い旅から戻って2人ともいなかったからショックだよ
鷹彦だけは味方でいてあげて
鷹彦:君を失ってまだ生きるなんてできない
巡子:
私、死んだら両親に会って自慢するの
どうよ、私は男を見る目があったでしょって
いい家族と、いい人生送れたでしょって
マサエ:
死刑囚の場合はどうなの? 何人も殺したけど、人が死ぬのは同じだべ 悼むか?
シズト:
僕に人を裁く権利はない
はじめは死者に感情移入しすぎて、死ぬことも考えた
その時に母に言われた「自分を失ったら、目的を果たせなくなる」
ナギ:あの人には母親がいなかった 5歳の時、男と駆け落ちしたのよ
シズト:それをあなたに求めていたと?
事件の夜、やっぱり殺せないと土下座するナギ
サクヤ:
お前が執着してるのは自分だけだ
あと一歩でオレたちは永遠に結ばれるんだ
お前じゃなかったのか? じゃあ、別の女を探す
ナギは夢中でナイフを刺す
ナギ:私のこと愛してると言ってください
サクヤ:これでお前の中に残れる 君から産まれたい
シズト:
子どもは自分を生んでくれた人に命を委ねます
あなたならいいという意味ではないでしょうか
罪悪感を感じるなら誤解です 感謝を伝えたかったんですよ
それを理解してもらうために、今もあなたと旅を続けているのではないでしょうか?
甲水をナギの前で悼む
シズト:ナギさんが生きている限り感謝されていることを私は覚えておきます
サイトに「母親が大変なことになってる」とレイジが書き込んだのを読む
すぐ帰らず、山で爆発事故があったから悼みながら帰るという
ナギ:
あの洞窟で待つ 必ず戻ってきてくれますよね? 待ってる
マキノは巡子に会いに来る(失明した?
マキノ:
親に捨てられたと思っていたが、オレは親を2人とも見捨てた
母は死んで半月も放っておかれた
巡子:
私もシズトを褒めてあげられなかった
でも今ならよくやっているって褒めてあげたい
マキノ:
オレも一度ぐらいオヤジに褒めてもらいたかったなって思います
おふくろのそばにもついててあげるべきだったなって
洞窟にもサクヤがいる
ナギ:生きていたらあの人の心の中に残れない と、橋から飛び降りようとする
シズト:
そんなことしなくても、あなたは僕の中に深く刻まれています
あなたと一緒に歩くようになって、この旅で感じてはいけないと思っていることを感じている
愛しいと感じています あなたへの執着を
マキノ:今のシズトくんにしてほしいことは?
巡子:誰かを好きになってほしい 思いきり愛し合ってほしい
ナギは自らサクヤを悼むと消える
ナギ:
もうあなたの邪魔はしない ここでお別れします
一人で旅を続けてみる またあなたに会えるかもしれないし
そういう人間がもう1人いてもいいでしょ?
たとえ倒れても、あなたの中にはもう私がいるんだから
・・・それじゃ
(こういう歳の離れた恋人がいても全然おかしくないなあ、ゆり子さん
ミシオが出産する声を聞いてから静かに息を引き取るジュンコ
(まるで魂の入れ替わりみたいだ
死んでなお好きな海や家に行き、赤ちゃんを抱き、シズトの帰宅も見る
シズトはまだ盆地のステキな場所を歩いている
*
魂は体を離れたらもうみんな等しく救われているんだ
死後の世界を誰も見たことがないから恐れているだけで
そこはすでに苦しみも憎しみもない、愛だけの世界
シズトの心は、人を悼むことで少しずつ癒されて
これからも生き続けていけるだろう
著者:天童荒太
監督:堤幸彦
脚本:大森寿美男
出演:
坂築静人 - 高良健吾
奈儀倖世 - 石田ゆり子
甲水朔也 - 井浦新
坂築美汐 - 貫地谷しほり
福埜怜司 - 山本裕典
沼田響子 - 麻生祐未
沼田雄吉 - 山崎一
眞島秀和
佐戸井けん太
水口 - 甲本雅裕
弁護士 -堂珍嘉邦
大島蓉子
上條恒彦
高久保英剛 - 生島翔
比田雅恵 - 戸田恵子
尾国理々子 - 秋山菜津子
大後寿々花
坂築鷹彦 - 平田満
蒔野抗太郎 - 椎名桔平
坂築巡子 - 大竹しのぶ
坂築静人(幼少期) - 大西利空
ん? 2013年の向井理さん主演ver.もあるのか?
今作も予告を観て、いつか観ようと思っていた作品
trailer
井浦新さん、石田ゆり子さん、椎名桔平さん、秋山菜津子さんら
今観たい俳優さんがたくさん出ている
※「ドラマのマイベスト」カテゴリーの「井浦新さん出演作まとめ その2」に追加しました
とってもシリアスな人間ドラマなんだけれども、1つ気になったのは、
井浦さん演じるサクヤの部屋に、土偶らしきモノが大事に飾られているシーン
まさか・・・自前?w
▼あらすじ(ネタバレ注意
いろんな場所に行き、1人1人の生き様を唱えながら弔って歩く坂築静人
「そんなあなたが確かに生きていたということを、私は覚えておきます」
酔いながら、新人に呼び鈴を押させる記者・蒔野抗太郎
11歳の少年が親のクルマを運転して6歳の弟を轢き殺した現場の写真を撮らせる
「オレはなんとも思わないね 親がバカだったってことだ」
マキノと静人がすれ違う ここにも儀式のようなポーズをとる
マキノ:くだらねえ、宗教か
「これから殺しまーす」
ナイフを持って 妻・奈儀倖世を襲う場面を録画する夫・甲水朔也
その動画を見る裁判官ら
ファミレスで働き、店長・水口と関係を持っているナギ
身分証明のないナギを雇ったという理由でのパワハラ
ナギは常に夫の幻覚を見ている
甲水:
それで私をやりこめたつもりか?
私をやかせたいなら、そこまでお前を想う奴を見つけてみろよ
ナギは店長に頼む
「私を殺してくれませんか? 生きてても仕方ない気がするんで」
山を掘り始めるシズト 白骨が出てきて警察が来る
マキノが声をかける
雪が解けたら悼んでほしいと人から頼まれていた
「どうして亡くなったか、理由は知る必要のないことです」
マキノ:冥福を祈っているのか?
シズト:
自分なりなので、一般的な概念に当てはまるかどうか・・・
何のためにと聞かれるといつも困るのですが、僕は病気なんですよ
病院でロックを流す蒔築巡子
「ミック・ジャガーがマーク・ボランみたいじゃない?」
今後は在宅で過ごすことにしたと言うと、同じがん患者から
「諦めたってこと?」
「別の生き方を選ぶことにしたんです
ただ、がんと闘うだけの人生はイヤだから」
「死ぬために生きるべきじゃないと思います!」
(同じがん患者でもいろんな意見があるね
娘・坂築美汐は、まだ治ると希望を捨てていない
夫・鷹彦は人とのコミュニケーションが苦手
自宅では甥・福埜怜司が帰宅を祝ってくれる
婚約者と別れたというミシオ 「でも産むから」
若い暴力団員が風俗嬢を争って撃たれた現場に来るシズトとマキノ
シズト:亡くなった人は、誰を愛していたのでしょうか?
マキノ:世の中には死んだほうがためになる人間もいるんだ
シズトは現場に入って悼む その様子を撮るマキト
マキノ:どう悼むの? 君の勝手な想像じゃないか
マキノ:だから病気だと言ったじゃないですか
上司は新人の記事を褒め、裏をとらないマキノを注意する
風俗嬢は足が不自由で、中学時代の友人と結婚するのが嬉しくて
祝おうと思っていたのが、銃で誤って撃ってしまった(妙な事故だな
上司「時代がエグい現実に疲れてきてるんだよ」
尾国理々子に呼び止められ、激怒するマキノ
マキノ:おふくろは、あいつに捨てられて、たった一人で死んでいったんだ!
理々子:あなたに会いたがってるのよ! あの人ほんとに死んじゃうわよ!
ナギは悼んでいるシズトを見かける
シズト:
ここで亡くなられた甲水朔也さんという方を悼ませていただいていました
お知り合いなら、甲水朔也さんについて教えていただけますか?
どういった方でしたか? どんな方を愛していたか どういったことで感謝されていたか
サクヤ:こいつに殺してもらえよ こいつなら出来るよ
巡子:
私にもシズトがなぜそんなことをしているのか分からない
シズトの父は対人関係が苦手で、幼い時、空襲で弟が亡くなりショックで口がきけなくなった
広島の原爆投下の日と同じ日です
(ここで眞島秀和さんも登場
巡子:
夫の父は教師で、教え子を大勢空襲で亡くしました
シズトにとっては大好きなおじいちゃんでした
ある年の8月10日に今治の海で亡くなったんです
自殺とも事故ともつかぬ溺死だったそうです
(回想)
「大切な人たちに会うためにここに帰ってきたんだと思う
だからシズトもおじいちゃんを忘れないでいてね 覚えていようね」
「ずっと覚えておく この中(胸)に入れておく!」
大卒後、医療機器メーカーに就職
入院患者と触れ合うボランティアで悲しい死をたくさん経験した
親友を過労で亡くし、1周忌を忘れた時のショックは凄まじかった
恋人と別れて、会社を辞め、やっと自分なりの悼み方を知った
生きた姿を覚えるようにすれば辛くならないと
高久保の秘書:
叔父は県会議員で、私は秘書なので過敏にならざるを得ないのです
家風が封建的で、このまま娘さんが嫁がれてて窮屈な思いをされるだけかと
妊娠のことで親戚から叱責され、弟は「自分の子かどうか分からない」と言ったのです
弟を許さなくてけっこうです ご自身の幸せを一番に考えてください
今ならまだ安全な病院を紹介できます
ミシオ:もともとあなたの子はいないから
ミシオにヒデユキを紹介したのは怜司で自責する
巡子:おばさんはもう長くは生きられないの ミシオを助けてちょうだい
シズトとともに旅をするナギ
17歳の少年が3年前、同級生とケンカをして亡くなった学校にも来る
被害者の母親・沼田響子:
あなたの読まれた雑誌の記事は捏造なんです!(だと思った
この子には知的障害があった イジメで殺された 誰でも知っています
弾みでリーダーを倒してしまい、ブロックで殴り殺された
そのリーダーの父親は地元の警察官で
自首したが、“ケンカの末”と捏造された
近所のお菓子屋さんからお菓子を持ってきてしまったのを“万引き”
花火が好きで、近所に迷惑をかけたのも“放火未遂”と書かれた
ナオキを悼むなら、一緒に訴えて、犯人を恨んでください!
記事のタイトルは“親の過保護が子の命を奪う”
シズト:
それは出来ません 僕はナオキさんのことを覚えておきたい
恨めば、犯罪のことが残り、ナオキさんが二の次になり、悼むことにはならないと思う
これほどご両親から愛されていたこと、
お菓子や花火が大好きだったことを、生きている限り覚えておくように努めます
母親:覚えていてください この子がどれほど私たちの宝物だったか!(アルバムを見せる
改めて悼むシズト
巡子の家にマキノが来る
マキノ:
以前、勤めていた時の貯金でやりくりしているみたいですね
私のHPで意見を求めたら「悼む人」と呼ばれていましてね
(“自作自演だ”との中傷も多い
否定的に見ている人のほうが多いみたいですよ
これを読んで意見を聞かせてほしい
巡子:
肝心なのは、あなたにシズトがどう映ったかでは?
どう映りました? 何を残しました?
倒れるジュンコ
ナギもシズトと同じリュック等を買って同行する
夫に暴力を受けていた女性のアパートに行く
近所のおじさん「旦那を愛しすぎていたのでは?」
悼むシズトを止めるナギ
ナギ:この人、毎日、暴力を振るわれて、最期はお腹を思いきり蹴られて死んだんでしょ?!
シズト:でも、結婚してたのなら、一時期は愛していたのでは?
ナギ:
そんな一時のことで、すべての人生を悼むなんておかしいわよやっぱり
この人には愛なんてなかった 殺した人にもなかった それは断言できる
私も夫を殺したから 今もここにずっといるのよ
母の男は必ず暴力をふるった
母はそういう男ばかりを求め続け
今の私の歳で亡くなった
私が結婚しても、やはり嫉妬で夫から暴力を受けた
私に愛情がないと分かると、相手は暴力をふるう
私も結局、母と同じだ 骨になっても私に付きまとってくる
骨を葬るために菩提寺に向かった そこで人生は一変した
墓の管理人・甲水朔也は、無縁仏の母の墓もちゃんと管理していた
ジュンコの傷を見て「もう大丈夫ですよ」
そこは夫の暴力から逃れる女性のシェルターだった
あの人は東大を出た後、東京で働いていたけど、寺が傾きかけていて戻ってきた
「仏さま」と呼ばれて、誰からも愛されていました
サクヤ:あの女たち、私の虜だったからなw
(新さん、悪役っぽい時の七三がピッチリ
あの人は私を選んだ 離婚を成立させ、私を妻としたんです
私はそれまで何十人も男を相手にしても、喜びを感じたり、好きになることはなかった
サクヤは初めてだった
でも、それは全部、サクヤが仕組んだことだった
サクヤ:
ユキヨにして欲しいことがある 私を殺してほしい
殺してくれたらユキヨを愛せるかもしれない
生きている人間に愛なんてない 人やモノへの執着にすぎない
私を殺して、君だけのものにしてくれないか?
ヒトの世の中は愚劣や欺瞞に満ちている
私もその一部だ 知りながら普通に生き、死ぬことも出来ない
そのために君を選んだんだ 君なら私を殺すことが出来るはずなんだ
ナギ:それからあの人は私に苦しみを与えはじめた
サクヤ:
お前には触らせない
ここまで尽くしてもダメなら、別の女に求めるしかない 今後は別の女に尽くす
お前に執着したことを後悔させないでくれ
事件当日「こうすれば、4、5年で刑務所を出られるからね」とカメラを回す
ナギ:
雨の中で、あの人を他の女にとられたくなくて刺した
私の愛も執着に過ぎなかったと証明されたに過ぎなかった
サクヤさんと同じになりたいの!
虐待事件を悼む記事を書いて、上司に褒められるマキノ
新人にも「感動した」と言われる
マキノ:試したんだよ 人に安い感動を売れるのかって
理々子から留守電
「骨と皮だけの姿見たら恨みもなくなる 今夜が峠だから会いに来て」
少女売春をする青年
「ゴム付きのエッチのみで 10万円」
「2万円の約束だろ? 元に電話すればお前が絞められんだよ」
少女が部屋に来て「先にお金」
マキノ:渡したら帰るよう、あのヤク中に言われてんだろ?
少女:中学生とヤリたいくせにいばってんじゃねーよ ばーか
リリコから電話
「今亡くなったわ ご満足? これでも来ないなら、会社に遺体を送りつけるから」
ショックで混乱し、少女の首を絞める
マキノ:
殺されるよ、お前は あいつにシャブ漬けにされてな
胸がふくらむ前に脅されて終わるんだ
ホテルで殺されたお前のことなんて、誰が思い出す?
あいつはすぐに代わりを見つけるさ
親も世間体を考えて忘れたがる
お前は生きていなかったことになるんだよ!
お前の死を悼む人間なんて、どこにもいないんだ!
シズトに追いつけないナギ
シズト:ここのバスは最終が早いので
ナギ:
私がいると迷惑? 女連れだと不審者に見られず、警察に通報されなくなったってゆってたじゃない
最終バスは行ってしまう
シズト:私にはあなたを殺すことはできません 人を悼むことができなくなります
父の忌中の店を訪ねるマキノ
遺言でお経の代わりに自分の朗読で中原中也の詩のテープを流す
「汚れちまった悲しみに・・・」
スケッチブックを渡すリリコ
口がきけなくて「あつい」「喉が渇いた」と書いてある
最後のほうは「抗太郎に謝りたい」などの繰り返し
スケッチブックを持って帰る途中、不良集団に殴られ連れていかれる
雷雨になり、寂れたトラックに入るシズトとナギ
シズト:
甲水さんとお話できませんか?
僕の悼みがどう受け取られているのか
悼まれてる人から直接話を聞けるなんて滅多にありませんから
サクヤ:
君の悼は滑稽だ 正直誰も望んでいないと思うよ
その行為に疑いはないかい?
シズト:
常にあります こんなことをしてどうなるのか 人を傷つけやしないか
サクヤ:
じゃどうして止めない?
君は感情を表に出さない 理不尽な死にも憤りも感じない それで心が晴れるわけでもない
時々思った 死んでいるのは君のほうじゃないかって
シズト:自殺よりいいのでは?
サクヤ:君は自分が死ぬ代わりに他人の死を拾い集めているというわけか
シズト:
甲水さんは、その為にナギさんを巻き込んだのではないですか?
あなたのしたことは、人を苦しめる自殺に過ぎません
サクヤ:ユキヨを抱きたいんだろ?
甲水は消える
マキノは大勢の少年から殴られ、穴に落ち、生き埋めにされる
マキノ:
君、こんな死に方をするんじゃないぞ!
誰かに覚えられるような生き方をするんだ!
少女ユミは青年らについていく
マキノは、スケッチブックを置いて悼むシズトが見えるが、警察に掘り出される
若い女の声で通報があったという
酷い雨の中去るシズト
ナギは河に落ち、シズトが助け、病院で診てもらう
比田雅恵(女医):こんな旅は早く止めっけ 自分探しとか気持ち悪い
HPで悼む人を知っていて「ほんとにいたんだあ!」
巡子:
最後に今治の海も見られたし、やっぱり在宅にしてよかった
鷹彦は私の後を追うつもりでしょ 絶対ダメだからね
ミシオがいるし、孫も生まれるのよ
シズトが辛い旅から戻って2人ともいなかったからショックだよ
鷹彦だけは味方でいてあげて
鷹彦:君を失ってまだ生きるなんてできない
巡子:
私、死んだら両親に会って自慢するの
どうよ、私は男を見る目があったでしょって
いい家族と、いい人生送れたでしょって
マサエ:
死刑囚の場合はどうなの? 何人も殺したけど、人が死ぬのは同じだべ 悼むか?
シズト:
僕に人を裁く権利はない
はじめは死者に感情移入しすぎて、死ぬことも考えた
その時に母に言われた「自分を失ったら、目的を果たせなくなる」
ナギ:あの人には母親がいなかった 5歳の時、男と駆け落ちしたのよ
シズト:それをあなたに求めていたと?
事件の夜、やっぱり殺せないと土下座するナギ
サクヤ:
お前が執着してるのは自分だけだ
あと一歩でオレたちは永遠に結ばれるんだ
お前じゃなかったのか? じゃあ、別の女を探す
ナギは夢中でナイフを刺す
ナギ:私のこと愛してると言ってください
サクヤ:これでお前の中に残れる 君から産まれたい
シズト:
子どもは自分を生んでくれた人に命を委ねます
あなたならいいという意味ではないでしょうか
罪悪感を感じるなら誤解です 感謝を伝えたかったんですよ
それを理解してもらうために、今もあなたと旅を続けているのではないでしょうか?
甲水をナギの前で悼む
シズト:ナギさんが生きている限り感謝されていることを私は覚えておきます
サイトに「母親が大変なことになってる」とレイジが書き込んだのを読む
すぐ帰らず、山で爆発事故があったから悼みながら帰るという
ナギ:
あの洞窟で待つ 必ず戻ってきてくれますよね? 待ってる
マキノは巡子に会いに来る(失明した?
マキノ:
親に捨てられたと思っていたが、オレは親を2人とも見捨てた
母は死んで半月も放っておかれた
巡子:
私もシズトを褒めてあげられなかった
でも今ならよくやっているって褒めてあげたい
マキノ:
オレも一度ぐらいオヤジに褒めてもらいたかったなって思います
おふくろのそばにもついててあげるべきだったなって
洞窟にもサクヤがいる
ナギ:生きていたらあの人の心の中に残れない と、橋から飛び降りようとする
シズト:
そんなことしなくても、あなたは僕の中に深く刻まれています
あなたと一緒に歩くようになって、この旅で感じてはいけないと思っていることを感じている
愛しいと感じています あなたへの執着を
マキノ:今のシズトくんにしてほしいことは?
巡子:誰かを好きになってほしい 思いきり愛し合ってほしい
ナギは自らサクヤを悼むと消える
ナギ:
もうあなたの邪魔はしない ここでお別れします
一人で旅を続けてみる またあなたに会えるかもしれないし
そういう人間がもう1人いてもいいでしょ?
たとえ倒れても、あなたの中にはもう私がいるんだから
・・・それじゃ
(こういう歳の離れた恋人がいても全然おかしくないなあ、ゆり子さん
ミシオが出産する声を聞いてから静かに息を引き取るジュンコ
(まるで魂の入れ替わりみたいだ
死んでなお好きな海や家に行き、赤ちゃんを抱き、シズトの帰宅も見る
シズトはまだ盆地のステキな場所を歩いている
*
魂は体を離れたらもうみんな等しく救われているんだ
死後の世界を誰も見たことがないから恐れているだけで
そこはすでに苦しみも憎しみもない、愛だけの世界
シズトの心は、人を悼むことで少しずつ癒されて
これからも生き続けていけるだろう