メランコリア

メランコリアの国にようこそ。
ここにあるのはわたしの心象スケッチです。

『ワニ』 梨木香歩/著

2010-06-10 23:55:55 | 
『ワニ』 梨木香歩/著 出久根育/絵 理論社
こないだ読んだ『マジョモリ』と同じ梨木香歩さんの絵本。とにかく絵が生き生きとしててキレイ!
自分の兄弟まで食べちゃったワニくんの心の中の親友はライオン。だけど、カメレオンを食べようとした際
「僕らは同じ爬虫類だが、ライオンはネズミとかと同じ哺乳類だ。仲間を食べるのはおかしい」と言われショックを受ける。
弱肉強食の自然の厳しさと、倫理について描いている。絵本てゆうのはいつも、可愛い動物さんたちの姿を借りて
かみくだいた優しい言葉で話しかけるけれども、ゆっているのはとても大切で根本的なことなんだよね。だから好き。
クールな語り口、自然な流れのある言葉の選び方とか好きだな。ほかもどんどこ読む予定v


『蟹塚縁起』 梨木香歩/著 木内達朗/絵 理論社
重厚なタッチの絵がもはや絵本の域を越えて、鑑賞すべき絵画。そして、それに見合うとても味わい深い物語。
実在する塚だろうか?『マジョモリ』でも神社の由来みたいな話だったけど、梨木さんの好きなテーマなのか?
それにしても、「武士」て生き物は、主従関係にここまで執念を持つものか!驚×5000

「七回生まれ変わっても、わしらは殿のご恩は忘れませんぞ!」

昔は因習に縛られて不自由なことも多かったろうけど、一本通った秩序があったんだな。


『ペンキや』 梨木香歩/著 出久根育/絵 理論社
上記『ワニ』と同じ挿絵画家。1枚1枚がこのまま額縁に入れて鑑賞したいくらいの完成された絵の世界。
主人公が「しんやくん」で日本のお話と思われるが、挿絵はヨーロッパ風。
人の気持ちを考えて色を塗るペンキ屋さんの話だから、なおのことページ全体を覆う色彩が素晴らしい。
「ユトリロの白」とはどんな色だろう?調べたらこんな感じ→こちら参照

出久根育さんはボローニャ国際絵本原画展で入選されているとのこと。
こんなイベントも見つけた♪

「第17回ボローニャ・ブックフェアinいたばし」@成増アートギャラリー(板橋区成増3-13-1)
日時:平成21年8月22日(土)~30日(日)9時~19時
ただし、初日22日(土)は翻訳大賞表彰式および開会式典終了後の開場となります。(11時ごろ開場予定)


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