過去のノートにある映画感想メモシリーズ。
今回はオレンジ色のノートからご紹介。
photo1:基本形
photo2:時々アートなコラージュがある
photo3:ザ・バンドを見に行った時の半券。わたしと友だちが会場内で一番若く見えた
若かりし頃のメモなので、不適切な表現、勘違い等はお詫び申し上げます/謝罪
なお、あらすじはなるべく省略しています。
■『ボワ・ノワール 魅惑の館』(1989)
監督:ジャック・ドレー 出演:ベアトリス・ダル ほか
『ベティ・ブルー』で衝撃的デビューしたダルが情熱的なヒロインとはうってかわって、
しっとりしたパリジェンヌを演じて、演技の多様さ、確かさも見せている。
南仏の自然がとにかく美しい。中世の造りで迷路のような通路、
一羽の鷹が獲物を狙って目を光らせてはばたくシーンの緊張感。
完璧に俗世間から離れた世界。
兄を演じるフィリップ・ヴォルテールは、フランスのキース・キャラダインといったところ。
ピンと張り詰めたサイコな演技、ルックスもイイ。極端な行動に走る彼の本当の姿は結局分からずじまい。
日記がキーとなっている。自分をさらけ出し、第三者の眼から隠しながらも意識せざるを得ないフシギな世界。
それを読めば、書いた人間を深く理解することができるかもしれないが、
人間同士付き合っていくことはまた別物。「日記は過去で縛り付けるもの」だろうか?
■『歌え!ロレッタ 愛のために』(1980)
監督:マイケル・アプテッド 出演:シシー・スペイセク、トミー・リー・ジョーンズ ほか
シシーが歌を披露しているという今作を前から気にかけていたけど、やっと観ることができた。
ロレッタ・リンは、カントリーの女王として一世風靡したそうだけど、年代も古いせいか本物は聴いたことがないが、
シシーのハスキーな声で数曲のヒットソングが歌われ、歌手としてもなかなかイケる。
レヴォン・ヘルムが父親役で出演しているのに驚いた!はじめは同姓同名の別人かと思っちゃったけど、
可愛い娘を遠くへ嫁に出す貧しい鉱山労働者の父親役を温かく、渋い味が出てて俳優としてもスゴイ。
シシーは今作で念願のオスカーをとり、涙を流して感激したそう
ティーンからシンガーソングライターとして成功した母親までの半生、
少女から、自立した、家族と歌を愛する女性へと成長する様を見事に演じきっている。
化粧などによって改めて女って変わるものだなって感心させられるけど、やっぱり個性があってイイ。
リンを支え、愛し続けた夫役にジョーンズほか、助演陣もそれぞれ好演。
ケンタッキーの土臭さ、カントリーミュージック世界一色の1本。
■『ニューヨークの奴隷たち』(1989)
監督:ジェイムズ・アイヴォリー 出演:バーナデット・ピータース ほか
音、ファッション、メイク、セリフ、ちょっとした動きや、セットももちろん、
ここまで現代のポップカルチャーにこだわってる映画もスゴイ
ニューヨークの前衛的で、エネルギッシュで、混乱、ドラッグ、アルコール、恋愛に満ちた
若者の群像劇で、次第に深みが加わって、ストーリーも盛り上がってふくらんでいく感動作。
単に軽いだけじゃないんだな。女の子が喧騒に巻き込まれながら自立する物語りでもあるし、
若いアーティストたちが自らの道を模索しながら切り拓いていく物語りでもある。
ニューヨークって、いつもチャンスを狙ってる奴らで賑わっている。
「孤独でいるよりツラいことはあるのよ」
突然集まった連中でそれぞれ問題を抱えたまま夢中で野球をするシーンなんか涙が出てくる。
田舎と同じ絆をニューヨーカーも求めている。成功やお金と同じくらいに。
アンディ・ウォーホルが絶賛してたっていう原作もぜひ読んでみたい。
■『わが美しき愛と哀しみ』(1987)
監督:ジョゼ・ピネイロ 出演:カトリーヌ・ヴィルグナン ほか
邦題とは違って軽石みたいにポップな仏映。
終始バックに流れる英語の歌謡曲に合わせて、なんとなくアメリカ人が撮ったちょっと勘違い仏映っぽい。
せっかく花が咲きかけた才能を理解しないどころか、そこから突き落としてまで求めるような男じゃ
断固パスされても仕方ないって感じ。なんとなし覚えたセリフを言いながら
橋の欄干の上を歩く男の姿はちょっと寂しいものがあったけど。
最初、女が男のいいなりになっていたのが、次第に男が女のオモチャと化していくあたりがポイントかな。
演劇界の舞台裏は、懐かしい角川映画の『Wの悲劇』をちょっと思い出してしまった。
■『アメリカン・グラフィティ』(1973)
監督:ジョージ・ルーカス 出演:リチャード・ドレイファス、ロン・ハワード ほか
いまやスピルバーグと並んでハリウッドトップの一人、ルーカス29歳の作品で、'60年代を思い入れたっぷりに描いている。
終始流れるオールディーズは、私の両親が大好きだったこともあって小さい頃から親しんでいるから、
耳にすれば思わず口ずさむような懐かしい曲ばかり。
出演者の顔ぶれが、これまた今や渋い大スターばかり。ハリソン・フォードまで若い、若い!
一夜の様々な若者たちの群像劇がこれほどリアルに描かれている作品も珍しい。
よく「青春グラフィティ」ってジャンルがあるけど、今作のタイトルからきてるのかしら?
車を転がして小さな町をブラブラ回る若者。町中が知り合いで、ダンスパーティーではポマードをつけた
オールバックでロカビリーにシェイクダンス~'60って、今から見ればなんだかフシギな時代に見えるけど、
当時の人にとっちゃ、古着に男もピアスを着ける現代のほうが異様に見えるんだろうね。
過去の思い出、古き良き時代ってなんだか切なく感じてしまうけど、
こんな一夜が存在し得なくなって、羨ましい部分もあるのかもしれない。
■『ザ・ヴェルヴェット・アンダーグラウンドライブMCMXCⅢ』
いつ見てもウォーホルがデザインしたバナナの絵ってホレボレしちゃうね。
まさにバンド名も、スタイル、コンセプトも神業的としか思えない。
最初にこれを観た時よりは少しだけ知識もついて、それを踏まえるとなかなか一味違う感じ。
でも、'60年代ピークにいた彼らのステージと比べるチャンスはないから残念でもある。
サングラスをちょっと老眼っぽいインテリなフレームに変えたリードは、
どちらかといえば繊細な文学系に見えるけど、ギターの腕もイイ。
ケイルのヴィオラとの延々とした掛け合いはミュージシャンの年季が入っている。
♪HEROIN の奇抜さ。ドラッグをこんなにストレートに賛美してる曲を除けば、
'60年代を知らない私には退廃美よりむしろ♪PALE BLUE EYES等の美しいメロディだけが印象に残る。
黒いTシャツとジーンズという格好、セットもシンプルそのもの、
終わり方も横一列に4人が並んで何度も客席からの喝采に頭を下げる。
リードが胸を叩いた仕草にもバンド自体が持つとても重い意味が感じられた。
感動的な再結成をようやく果たした後、今現在はどんな活動をしているのか知りたい。
■『A NIGHT WITH LOU REED』(1983)(輸入版を購入
んー・・・個人的には1993年の顔のほうが好きだなっていうのが結果論。
まあ、ルックスだけの問題じゃなく、声は昔も今も他の誰にもない素晴らしい声なんだけど、
まだ'83といえば40代前後。若い頃のテンションが残っていて、キャリアの中でも中間期でもあったわけだし。
それにしてもテーブルに座って、飲んだり食べたりしながらロック、
それもリードを聴く観客のほうがよっぽどスゴイと思う。
1カットだけウォーホルの姿がチラッと抜かれてたのも印象的。
酒が入ってるだけに、エアギターでノリまくってるおやじには参っちゃう
舞台裏のひとコマ入りで、ステージに上がる前の楽屋でのちょっとした緊張感、
終わった後の興奮の余韻でベラベラと喋りまくっているリード。
真っ赤な服の妖しげな女性はシルビアかしら?
ギターがクイン、ベースは黒人、ドラムはなよなよだけどシンセドラムをパンクみたく叩いてるってゆう編成。
リードはエレキギターで終始アンプの前に膝をついて何やら音響効果の調節に忙しい。
セトリも♪NEW SENSATION あたりまでのヒットナンバー目白押しなんだけど、
激しいリズムとギターの割に深みがないというか、アレンジは面白い。
タイトル通り、軽い気分で観て、一晩のショーとして楽しむべきかも。
やっぱり不協和音のルーツに還った'93のステージにはかなわないってところかな。
■『Rolling Stone 20 years of Rock'n'roll』(1983)
参ったな・・・なんか観た覚えがあると思ってたら、やっぱり'90.12に観たって日記に書いてある。
でも、その頃はまだロックの勉強?を始めたばかりだったから、
なにも特別な思いを抱かなかったけど、4年後の今、新たな驚きがいっぱい詰まってる。
ゲストの中にロビー・ロバートソンがいて、ディランのことから、パンクシーン、
グラムロック、ニューウェーブ後のポップまで「影響を受けて面白いと思ってる」なんて話をしているシーン、
そしてリードが「ディランはすごい」(前は大嫌いだってゆってなかった? でも30周年記念コンサートにはいたね)
とか「黒人音楽はスゴイ。オーティスに勝るものはない」みたいなコメントをしているシーンがある貴重な資料。
グレイトフル・デッド、ティナ・ターナー、トーキング・ヘッズ、スティング、
ニール・ヤング、ミック・ジャガー、ジョージ、ハリスン、D.ボウイ等々、
さすがアメリカを代表する音楽雑誌の巨大なパワーと金の力はすごい
圧巻なのは、ジャニスの♪Little Girl Blues なんて美しいんだろうって感動せずにいられない。
ダークでルーズィな衣装も、声も、ブラウンの髪も、長い指もなにもかも。
デニス・ホッパーが案内役というのもうってつけ。'60~'80までの20年間、
政治、若者らの運動、モンタレー、ウッドストックに代表されるヒッピームーヴメントなどの社会現象、
ロックシンガーの死、移り変わりが分かりやすい形でビートに乗せて、まさにロックの変遷のガイドブック。
【収録ミュージシャン】
ビートルズ、バッファロー・スプリングフィールド、ジェファーソン・エアプレイン、
グレイトフル・デッド・ジミ・ヘンドリックス、オーティス・レディング、アレサ・フランクリン、
マーヴィン・ゲイ、スライ&ザ・ファミリー・ストーン、ザ・フー、ジョニ・ミッチェル、
ジョー・コッカー、ザ・ローリング・ストーンズ、ジャニス・ジョップリン ほか
今回はオレンジ色のノートからご紹介。
photo1:基本形
photo2:時々アートなコラージュがある
photo3:ザ・バンドを見に行った時の半券。わたしと友だちが会場内で一番若く見えた
若かりし頃のメモなので、不適切な表現、勘違い等はお詫び申し上げます/謝罪
なお、あらすじはなるべく省略しています。
■『ボワ・ノワール 魅惑の館』(1989)
監督:ジャック・ドレー 出演:ベアトリス・ダル ほか
『ベティ・ブルー』で衝撃的デビューしたダルが情熱的なヒロインとはうってかわって、
しっとりしたパリジェンヌを演じて、演技の多様さ、確かさも見せている。
南仏の自然がとにかく美しい。中世の造りで迷路のような通路、
一羽の鷹が獲物を狙って目を光らせてはばたくシーンの緊張感。
完璧に俗世間から離れた世界。
兄を演じるフィリップ・ヴォルテールは、フランスのキース・キャラダインといったところ。
ピンと張り詰めたサイコな演技、ルックスもイイ。極端な行動に走る彼の本当の姿は結局分からずじまい。
日記がキーとなっている。自分をさらけ出し、第三者の眼から隠しながらも意識せざるを得ないフシギな世界。
それを読めば、書いた人間を深く理解することができるかもしれないが、
人間同士付き合っていくことはまた別物。「日記は過去で縛り付けるもの」だろうか?
■『歌え!ロレッタ 愛のために』(1980)
監督:マイケル・アプテッド 出演:シシー・スペイセク、トミー・リー・ジョーンズ ほか
シシーが歌を披露しているという今作を前から気にかけていたけど、やっと観ることができた。
ロレッタ・リンは、カントリーの女王として一世風靡したそうだけど、年代も古いせいか本物は聴いたことがないが、
シシーのハスキーな声で数曲のヒットソングが歌われ、歌手としてもなかなかイケる。
レヴォン・ヘルムが父親役で出演しているのに驚いた!はじめは同姓同名の別人かと思っちゃったけど、
可愛い娘を遠くへ嫁に出す貧しい鉱山労働者の父親役を温かく、渋い味が出てて俳優としてもスゴイ。
シシーは今作で念願のオスカーをとり、涙を流して感激したそう
ティーンからシンガーソングライターとして成功した母親までの半生、
少女から、自立した、家族と歌を愛する女性へと成長する様を見事に演じきっている。
化粧などによって改めて女って変わるものだなって感心させられるけど、やっぱり個性があってイイ。
リンを支え、愛し続けた夫役にジョーンズほか、助演陣もそれぞれ好演。
ケンタッキーの土臭さ、カントリーミュージック世界一色の1本。
■『ニューヨークの奴隷たち』(1989)
監督:ジェイムズ・アイヴォリー 出演:バーナデット・ピータース ほか
音、ファッション、メイク、セリフ、ちょっとした動きや、セットももちろん、
ここまで現代のポップカルチャーにこだわってる映画もスゴイ
ニューヨークの前衛的で、エネルギッシュで、混乱、ドラッグ、アルコール、恋愛に満ちた
若者の群像劇で、次第に深みが加わって、ストーリーも盛り上がってふくらんでいく感動作。
単に軽いだけじゃないんだな。女の子が喧騒に巻き込まれながら自立する物語りでもあるし、
若いアーティストたちが自らの道を模索しながら切り拓いていく物語りでもある。
ニューヨークって、いつもチャンスを狙ってる奴らで賑わっている。
「孤独でいるよりツラいことはあるのよ」
突然集まった連中でそれぞれ問題を抱えたまま夢中で野球をするシーンなんか涙が出てくる。
田舎と同じ絆をニューヨーカーも求めている。成功やお金と同じくらいに。
アンディ・ウォーホルが絶賛してたっていう原作もぜひ読んでみたい。
■『わが美しき愛と哀しみ』(1987)
監督:ジョゼ・ピネイロ 出演:カトリーヌ・ヴィルグナン ほか
邦題とは違って軽石みたいにポップな仏映。
終始バックに流れる英語の歌謡曲に合わせて、なんとなくアメリカ人が撮ったちょっと勘違い仏映っぽい。
せっかく花が咲きかけた才能を理解しないどころか、そこから突き落としてまで求めるような男じゃ
断固パスされても仕方ないって感じ。なんとなし覚えたセリフを言いながら
橋の欄干の上を歩く男の姿はちょっと寂しいものがあったけど。
最初、女が男のいいなりになっていたのが、次第に男が女のオモチャと化していくあたりがポイントかな。
演劇界の舞台裏は、懐かしい角川映画の『Wの悲劇』をちょっと思い出してしまった。
■『アメリカン・グラフィティ』(1973)
監督:ジョージ・ルーカス 出演:リチャード・ドレイファス、ロン・ハワード ほか
いまやスピルバーグと並んでハリウッドトップの一人、ルーカス29歳の作品で、'60年代を思い入れたっぷりに描いている。
終始流れるオールディーズは、私の両親が大好きだったこともあって小さい頃から親しんでいるから、
耳にすれば思わず口ずさむような懐かしい曲ばかり。
出演者の顔ぶれが、これまた今や渋い大スターばかり。ハリソン・フォードまで若い、若い!
一夜の様々な若者たちの群像劇がこれほどリアルに描かれている作品も珍しい。
よく「青春グラフィティ」ってジャンルがあるけど、今作のタイトルからきてるのかしら?
車を転がして小さな町をブラブラ回る若者。町中が知り合いで、ダンスパーティーではポマードをつけた
オールバックでロカビリーにシェイクダンス~'60って、今から見ればなんだかフシギな時代に見えるけど、
当時の人にとっちゃ、古着に男もピアスを着ける現代のほうが異様に見えるんだろうね。
過去の思い出、古き良き時代ってなんだか切なく感じてしまうけど、
こんな一夜が存在し得なくなって、羨ましい部分もあるのかもしれない。
■『ザ・ヴェルヴェット・アンダーグラウンドライブMCMXCⅢ』
いつ見てもウォーホルがデザインしたバナナの絵ってホレボレしちゃうね。
まさにバンド名も、スタイル、コンセプトも神業的としか思えない。
最初にこれを観た時よりは少しだけ知識もついて、それを踏まえるとなかなか一味違う感じ。
でも、'60年代ピークにいた彼らのステージと比べるチャンスはないから残念でもある。
サングラスをちょっと老眼っぽいインテリなフレームに変えたリードは、
どちらかといえば繊細な文学系に見えるけど、ギターの腕もイイ。
ケイルのヴィオラとの延々とした掛け合いはミュージシャンの年季が入っている。
♪HEROIN の奇抜さ。ドラッグをこんなにストレートに賛美してる曲を除けば、
'60年代を知らない私には退廃美よりむしろ♪PALE BLUE EYES等の美しいメロディだけが印象に残る。
黒いTシャツとジーンズという格好、セットもシンプルそのもの、
終わり方も横一列に4人が並んで何度も客席からの喝采に頭を下げる。
リードが胸を叩いた仕草にもバンド自体が持つとても重い意味が感じられた。
感動的な再結成をようやく果たした後、今現在はどんな活動をしているのか知りたい。
■『A NIGHT WITH LOU REED』(1983)(輸入版を購入
んー・・・個人的には1993年の顔のほうが好きだなっていうのが結果論。
まあ、ルックスだけの問題じゃなく、声は昔も今も他の誰にもない素晴らしい声なんだけど、
まだ'83といえば40代前後。若い頃のテンションが残っていて、キャリアの中でも中間期でもあったわけだし。
それにしてもテーブルに座って、飲んだり食べたりしながらロック、
それもリードを聴く観客のほうがよっぽどスゴイと思う。
1カットだけウォーホルの姿がチラッと抜かれてたのも印象的。
酒が入ってるだけに、エアギターでノリまくってるおやじには参っちゃう
舞台裏のひとコマ入りで、ステージに上がる前の楽屋でのちょっとした緊張感、
終わった後の興奮の余韻でベラベラと喋りまくっているリード。
真っ赤な服の妖しげな女性はシルビアかしら?
ギターがクイン、ベースは黒人、ドラムはなよなよだけどシンセドラムをパンクみたく叩いてるってゆう編成。
リードはエレキギターで終始アンプの前に膝をついて何やら音響効果の調節に忙しい。
セトリも♪NEW SENSATION あたりまでのヒットナンバー目白押しなんだけど、
激しいリズムとギターの割に深みがないというか、アレンジは面白い。
タイトル通り、軽い気分で観て、一晩のショーとして楽しむべきかも。
やっぱり不協和音のルーツに還った'93のステージにはかなわないってところかな。
■『Rolling Stone 20 years of Rock'n'roll』(1983)
参ったな・・・なんか観た覚えがあると思ってたら、やっぱり'90.12に観たって日記に書いてある。
でも、その頃はまだロックの勉強?を始めたばかりだったから、
なにも特別な思いを抱かなかったけど、4年後の今、新たな驚きがいっぱい詰まってる。
ゲストの中にロビー・ロバートソンがいて、ディランのことから、パンクシーン、
グラムロック、ニューウェーブ後のポップまで「影響を受けて面白いと思ってる」なんて話をしているシーン、
そしてリードが「ディランはすごい」(前は大嫌いだってゆってなかった? でも30周年記念コンサートにはいたね)
とか「黒人音楽はスゴイ。オーティスに勝るものはない」みたいなコメントをしているシーンがある貴重な資料。
グレイトフル・デッド、ティナ・ターナー、トーキング・ヘッズ、スティング、
ニール・ヤング、ミック・ジャガー、ジョージ、ハリスン、D.ボウイ等々、
さすがアメリカを代表する音楽雑誌の巨大なパワーと金の力はすごい
圧巻なのは、ジャニスの♪Little Girl Blues なんて美しいんだろうって感動せずにいられない。
ダークでルーズィな衣装も、声も、ブラウンの髪も、長い指もなにもかも。
デニス・ホッパーが案内役というのもうってつけ。'60~'80までの20年間、
政治、若者らの運動、モンタレー、ウッドストックに代表されるヒッピームーヴメントなどの社会現象、
ロックシンガーの死、移り変わりが分かりやすい形でビートに乗せて、まさにロックの変遷のガイドブック。
【収録ミュージシャン】
ビートルズ、バッファロー・スプリングフィールド、ジェファーソン・エアプレイン、
グレイトフル・デッド・ジミ・ヘンドリックス、オーティス・レディング、アレサ・フランクリン、
マーヴィン・ゲイ、スライ&ザ・ファミリー・ストーン、ザ・フー、ジョニ・ミッチェル、
ジョー・コッカー、ザ・ローリング・ストーンズ、ジャニス・ジョップリン ほか