メランコリア

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『鈴木清順全映画』(立風書房)

2016-08-18 15:35:52 | 
『鈴木清順全映画』(立風書房)
上野昂志/編 初版1986年 3800円

※2002.10~のノートよりメモを抜粋しました。
「読書感想メモリスト」カテゴリーに追加しました。


【内容抜粋メモ】

鈴木清順フリークが編んだ“見て、聞く本”といった感じの、
読みやすく、清順映画の大要、これまでの歩み、そして日活を追われた経緯、
丁寧な全作品紹介もすべて載っている大全。

当時の新作『カポネ大いに泣く』までなので、その後の作品について続編を期待したい

座談会:蓮實重彦、山田宏一、山根貞男、上野 昂志
理屈をこねても“きっと意味なし”と開き直りつつも熱く語るw


インタビュー:鈴木清順('82、'83)
インタビューが下段にあり、上段と結びついてる

「東大を受けようとして落ちて、新しいから面白そうだと、鎌倉アカデミア映画科に入った」

戦争経験者で、就職難の中「とりあえず松竹に入った」(w
日活に引き抜かれる

邦画の低予算事情
色にこだわる
役者はやりづらかった
カットが飛ぶ
背景を遮断する
空間と時間の欠落
実は金髪、青眼好きw
好きな監督は、ヒッチコック、ジョン・フォード
メインと2本目の2本立てのバランス


日活解雇
ワンマン社長が日活不振対策の引き金として、理解できない『殺しの烙印』(1967)を観て激怒
一方的にクビ切り、作品の封切りを禁止するのは公共財産の乱用、
監督を干されることは、生活権の侵害と告訴

社会運動が活発な時代、ファン、関係者はデモを開いて支援

3年後、和解交渉となったが、結局、その間、TVCMやTVドラマ、TV映画の脚本等をしてつなぎ
映画撮影を再開したのは『悲愁物語』、実に10年ぶり

それまでの映画会社が観客を無視した量産体制、低予算、短い期限、
当たらないと監督に責任転嫁し、ついに邦画、映画離れ、レベル低下という体制を崩すためには、必要な通過儀礼となった



CMでの活躍
レナウン、ピッコロは、1969年のACC銀賞を獲得
スポンサーの意向という映画より厳しいルールの中で、それをぶち壊せない難しさ


フィルモグラフィ
作品の基本情報、併映されたメイン作品、同時期公開された邦画・外国作品
(ヒッチコック、チャップリン、ゴダール、フェリーニ、B.ワイルダー等、錚々たる面子
当時の流行歌、興行成績、批評記事まで集めた徹底ぶり!!

監督自身のコメント、裏話も面白い
ポスターも時代を反映している


略年暦
1923 日本橋生まれ(呉服店!
1943 学徒出陣
1948 アカデミアに入る松竹へ 助監督を経て
1954 日活監督に デビューは『国定忠治』
1958 清太郎改め清順に
1968 日活解雇
1971 和解
1977 『悲愁物語』松竹で封切り

その他、TVバラエティ等にも出演


執筆年譜
映画雑誌などへの執筆、単行本もたくさんある


作品44本の総覧
映画フィルムから作品の特徴的ワンシーンカット



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