メランコリア

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『コクトー詩画集 ぼくの天使』

2010-04-13 11:07:47 | 
『コクトー詩画集 ぼくの天使』 ジャン・コクトー/著者 高橋洋一/訳

つねづね、勝手の武藤さんが描く太陽の絵を見ると、コクトーの線画を思い出す。ちょっと雰囲気が似ている。
この本を買ったのは随分前で、一度読んだのか、まだ読んでないのか、読んでも忘れてしまったのかもう覚えていない。
度重なる引越しで持っていた本もだいぶ片付けたけど、なぜか生き残ってた中の1冊をひさびさ読んでみた。

ジャン・コクトー
フランスの詩人・小説家・映画監督・画家・バレエ台本作家・振り付け家・劇作家・評論家。
その多才ぶりから「20世紀のダ・ヴィンチ」「芸術の魔術師」といった異名を持つ。

あとがきにもあるように、コクトーに「ぼくの天使」という詩集はなく、これまで天使を題材とした秀作のセレクトに、
天使のデッサンをつけてまとめたものとのこと。
まさに「詩画集」と呼ぶにふさわしく、シンプルな線画ながら、贅沢な多色刷りで、画集としても楽しめる上、
平易な言葉使いだけど、独特で難解なコクトーの詩の世界もいっしょに堪能できる。

1つ1つの詩の中にどんな背景があったのか、どんな感情を込めたかったのか、
いろいろ詮索してみたくなるような詩ばかり。
コクトーの考える「天使」の定義も、一般で考えられるものとはまったく違うようだし。
「死」という言葉もたくさん出てくることから、多才な半面、その裏には悶々とした悩みを抱えていたのかもしれない。

さすがに講談社。いい本出してるなあ。


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