メランコリア

メランコリアの国にようこそ。
ここにあるのはわたしの心象スケッチです。

notes and movies(1994.10~ part6)

2013-02-18 13:25:33 | notes and movies
過去のノートにある映画感想メモシリーズ。
part5からのつづき。
若かりし頃のメモなので、不適切な表現、勘違い等はお詫び申し上げます/謝罪
なお、あらすじはなるべく省略しています。


『MONTY PYTHON'S FLYING CIRCUS VOL.1』(1970)

気に入った 笑いはナンセンスでドタバタじゃなきゃ!
『ひょうきん族』や『サタデー・ナイト・ライヴ』を凌ぐこの英国の笑いの世界。
実はチラっとデイヴ・スペクターが「イギリスはモンティ・パイソンを生み出したんですからねえ」というのを聞いたのがキッカケ。
なんだか年季の入ったビデオテープできっとたくさんの人がコレ見てゲラゲラ笑ったんだなって分かる。
腹がよじれるほど笑える番組なんて日本にはもうないもの。このカルティックな世界はタダモノじゃない。

ひとつのスケッチから次のスケッチに移るキッカケがあって、全部根元がつながってるのね/驚
そこに入るアニメーション。とはいっても切り貼りの、これはまさに芸術(品はないにせよ)シュールレアリスムそのもの。
1時間番組で2本分の中には意味不明な英国民にしか分からないローカルネタや、
オカマ、宗教団体、他国民のジョークなどキワドイものも多くて、そのためか番組中何度も自発的に
謝罪のテロップが入るんだけど、当人たちは全然気にしちゃいないんだな、これが。
下ネタも勿論、裏も表もさらけ出してるこの連中は一体全体何者なんだろう

覚えているだけ爆笑ものだったスケッチを書き留めるとしたら、やっぱりSILLY WALKERSの皆さん!
政府の予算までもらっているいたって真面目な団体。

「バカな歩き方」省(シリーウォーク)


次に大ウケしたのが「建築家のコント」。間違えてと殺専門の設計者が来てしまい、「ご苦労さん」と追い払ったが最後、
突然完全にキレちゃって怒り出す男。相手を「フリーメイソンだろ!」と罵って、結局「入信するから!」と懇願するんだけど、
やっぱり追い出されちゃう。そこに信者の奇妙な握手のスローモーションが入る。

「建築家のコント」


バカバカしくて笑えるのは超貧乏な浮浪者が賞までとった詩人で、タイトルもズバリ「200ポンド貸してくれねえか」
あと、オフィスまで女子社員が案内していく先に林や川、洞窟があるってゆうのも可笑しい。
それから「手旗信号による嵐が丘」とか。そうそう「心の世界」て番組を進行する男性が
テーマにあげる「デジャヴ現象」で自らハマりこんじゃう怖いスケッチほかいろいろあった。

デジャヴ

すっごくワルい兄弟の悪党のドキュメンタリーでインタビュアーが喋る時、相手にマイクを向けて、
相手が喋ると自分に向けて、2人だけで話が進んでいくってギャグも笑った。

「ザ・ビショップ」では、高級聖職者がチンピラみたいに通りを歩いていくのも可笑しいし、
全然怖くない拷問をする3人のスペインのまさかの裁判とか。
ま、とにかくこの続きはレンタルショップにいっぱいあったし、また見ようっと。


(ノートいっぱいにスケッチのメモが書いてあるけど、それは割愛させていただきますw


『MONTY PYTHON'S FLYING CIRCUS VOL.2』(1970)
VOL.1ほどじゃないけど、笑えたのは「Idiots~バカ族」。人前ではバカばっかしやってて、
その実、アホ道を追究すべく日々訓練したり、学校まであって、「アホは人々の精神浄化である」
なんていう理論まで持っているのがスゴイ。

それから政府の役人のストリッパー。政治のことを喋りながら音楽に合わせてスーツやら脱いでいく。
品はないけど、そこまでやるかって感じで笑える。

「ブラックメール」では、ヤバい映像を流して「早くストップの電話をしないと支払う罰金が加算されますよ~
っていうルールの番組や、「問題を棚上げする協会」の会議など。

 

どれもこれもメンバ中心であらゆる役柄になりきっていて、エリック・アイドルとジョン・クリーズ、
あとおばさん役がハマっているテリー・ジョーンズ、マイケル・ペイリン、グレアム・チャップマン。
それぞれ“いかにも”ってキャラクターを的確に演じていて、それが英国流のキョーレツな風刺なのに感心する。
婚姻届を出しに来た男たちと次々結婚する役所職員のスケッチもイイw


『MONTY PYTHON'S FLYING CIRCUS VOL.3』(1970)
んーちょっとテンションが落ちているけど、小さな昆虫を体を張って追い詰めるハンターのドキュメンタリーはイイ。
テレビの上のペンギンについてムダ話をするおばさん2人組や、騒音だらけのベートーベン家の様子w
デカ鼻を手術しに来て整形外科医とデキちゃったりするゲイバッシングはキツイ。やっぱりそうとうなタブー扱いなのね。
カミカゼ、サムライ、真珠湾攻撃等の日本関連もチラホラ。
体の部分の名称がベースになってて、時々挟む「Naughty Bits(イタズラもの)」が可笑しい。
「おかみさん劇団」の紹介を海岸でやってて満ち潮になり、海水の中でもまだやってるスケッチもイイ。

(キラーカーから逃れた人が襲われる巨大にゃんこ大好き!
MONSTAR CAT



『MONTY PYTHON'S FLYING CIRCUS VOL.4』(1970)
全身包帯だらけの重傷患者らを酷使する方針の病院が笑える。
「普通ならベッドに休ませてもらえる」のが、ここでは重傷なほど重労働やスポーツを楽しまされる。

「あ、違う」を連発してトチり続ける司会者が紹介する、監督が象牙のような歯の持ち主で、本人はそれにまったく気づいていないスケッチ、
女王が御覧になるため、「普段どおりに行儀よくコントを進めていく」てシチュエーションで「食人種」のコントをやったり。
時間にやたらうるさい一家の殺人ミステリー、宗教のむりやり勧誘に、ムリヤリ商品をほめるCMなど。

でも大抵、言葉のギャグが多くて、字幕スーパーの量と速さにちょっとついていけない上、
笑いどころがつかめなくて分からないのも多かった。
学のある炭鉱夫とか、こじつけの批評家とか、それなりアイロニーのあるひねりが加えてあるんだけどね。
おばちゃんによる潜水艦でのウェールズ作戦なんてのもイイ味出してる。
一番のオススメは、言葉の最初、中間、最後しか喋れない3人のインタビュー。


『THE MEANING OF LIFE~人生狂騒曲』(1883)
 
監督:テリー・ジョーンズ 出演:モンティ・パイソン ほか
MPのメンバが英国テレビから抜け出してハリウッドの映画界へ殴りこみ、「人生とは何ぞや」という哲学的テーマをひっさげて
人生の始まりから終わりまでパートごとに分けて、それぞれの段階をMP流に要約している。
これでどんなメンバで演っているのか名前が揃ったけど、誰がどれかはまだ不明。
話を一緒に見ているメンバの顔がある魚のキャラはサイコー!「おはよう」て挨拶から不気味で笑える。

あのテリー・ギリアム監督がアニメーションを担当していたとはビックリ
ちょっと考えれば納得する関係。どこに出演しているかはやっぱり分からない。
あれから10年。メンバも歳をとって、それなりのおやじの味が出ているのはいいけど、この突然の時間の流れに少々戸惑ってしまう。
それにスペシャル版とあって、テレビより数倍ドギつくって、とてもついていけないキョーレツなコントもある。
まるでピストルズレヴェル。日本のお笑い界もかなり下品なのが多いけど、英国で果たしてどう受け止められたか不明。
さすがに映像技術も、コメディセンスも時代とともに変化して、裸シーンもあり、CGあり、幅が広がって、
本当にのびのびやりたい放題ってゆうのはたしか。アカデミー審査員特別賞をとったんだって!分からないもんだね。

(上記でグロいと評しているのは、美食家の男が食べすぎてパンクするシーンのこと
 アイドルが「ちょっとウチまでおいでよ」って相当歩いていくスケッチが一番好き♪

THE MEANING OF LIFE


『MONTY PYTHON'S THE SECRET POLICEMAN'S PRIVATE PARTY』(1976~1985)
出演:モンティ・パイソン、ピーター・クック ほか
ライヴ版。これで名前と顔が一致した。なんといっても芸達者であちこちに顔を出して笑かしてくれるのはクリーズ。
「The Pet Shop」は、死んだオウムを買わされて怒ってやって来た客と、
あくまでも「寝ているんだ」とシラをきりとおす店員のコント。

「The Pet Shop」

殺人犯に犯行をこれでもかと自白させてしまう弁護士、最後の晩餐に29人も描いた画家に激怒する法王etc...
彼の真面目に笑かす様子にメンバまで笑っちゃってる。

テリー・ジョーンズは子どものクイズ対抗戦で問題と答えのカードがメチャメチャになり、トンチンカンなクイズを披露。
基本的なボケの講座では、転び方、木材での打ち方、パイの投げ方を教えてくれる。
一発芸もあり。マジックじゃないマジックで、綱抜け出来ずにフォークが刺さる名人。
チーズ屋にチーズマニアの男が来て、次から次へと名前を言うけど、結局店内には何一つ置いてなくて、
耳障りな楽団連中に怒るコント(これ大好き

CHEESE SHOP

成金たちの貧乏話がどんどんエスカレートする貧乏自慢。なんだか往年のドリフターズを見ている気分になってきた。
最後は♪木こりの歌 で締めv

Lumber jack song


『ベートーベン』(1992)
監督:ブライアン・レバント 出演:チャールズ・グローディン ほか
ストーリー展開は分かりすぎるほど分かりやすくて、コメディセンスも『ターナ&フーチ』風。
勧善懲悪の家族もの。アメリカ映画の典型。中流家庭のシンボルの犬がテーマとあってはなおさらありがちなシチュエーション。
でも、まあ犬好きの家族向けとしては、可愛い犬が登場して活躍するだけで許せてしまうってこともある

それに現代、眼をそらしていられない動物実験の問題もほのかに取り上げている。
毎日必ずどこかで、犬だけでなく無数のあらゆる動物が人間の勝手な都合で信じがたい苦痛を与えられた末に殺されているというのが現実だ。
映画のように動物自ら反撃することができればいいが、そうはいかない。
今作では、動物が人間の視点で、まるで人間のように行動し考えるように描かれているけど、
実際こうまでうまく人間のためばかりに生きているワケではない、もっと自然さが欲しい。


『インド夜想曲』(1989)
監督:アラン・コルノー 出演:ジャン・ユーグ・アングラード ほか
知っている通り同名ベストセラーの映画化。フランスの人気男優アングラードがフランス訛りの英語を話しているのにちょっと驚いた。
大体原作に忠実に物語は進行していく。少々違っている部分を気づいたところだけ挙げていけば、
私の好きなセリフのひとつ「人の体はカバンのようなものだ」というのがなく、
代わりにドイツ人医師が「輪廻転生など存在しない。シバ神の像は生のサイクルであり、それにはいつしか終わりがある」と変えられている。
荷物を置き忘れる女性は登場せず、バス停で出会う奇妙な兄弟は姉に変わり(このキャストがどうなるか一番気になったのだが)
特にメイクもない実際の障害者を使っていたのが印象的。

図書館での夢(ここも面白いのだが)は、単に威圧的な仏像に逃げ出すのみ、
郵便配達のトミーは重要な人物と思われたが、学校帰りの女の子に代わっている。
主人公は映画関係の仕事になっていて、「私もこれで生活しているので・・・」という最後のオチも
何かいい足りないオングラードの「おやすみ」のひと言に代わっている。

おかげでストーリーの深みや二重性の迷路のような面白味に欠け、いつまでも正体を現さない失踪中の友人を探し歩く単調さが目立つ。
その代わり、実際のインドロケが生かされ、作者の足取りの風景が目の前で再現され、旅を追体験してゆく魅力は保っている。
監督がアクの強い人なら、もっと幻想的であって欲しい気がする。
小説には小説、映像には映像、それぞれ長所と短所があるということだ。


『クジョー』(1983)
原作:スティーブン・キング 監督:ルイス・ティーグ 出演:エド・ローター、ディー・ウォーレス ほか
原作本もヒットしたキングの映画化。これを同じセントバーナードを扱ったコメディの後に観たから、
同じ題材でもジャンル別、撮り方でこうも印象が変わるかっていう見比べができた。
本来、この犬種は人命救助に活躍する大型犬で、気が優しいんだけど、狂犬病がいかに脅威か、
自分の家の愛犬を見る目も少し慎重にならざるを得ない。
血生臭いだけでないキング調の心理的怖さが伝わってくる。

キングお得意の、場所が違った他人同士がなんらかの事情で結びついてゆく、同時進行する別々の人物の描き方。
まるで悪魔の化身か怪物のように賢く獰猛になるクジョーとともにとり残されるというサイコと、
本気で泣いている子どもの恐怖心が直接伝わってきてなお一層盛り上がる。
しかし、この惨劇によって夫婦、親子の団結、距離が近くなるという過程もあり、単なるホラーにはとどまっていない。
どれをいつ誰と見てもそれぞれの恐怖を見せて必ず満足させてくれるキングはやっぱりスゴイ!


『ムーンリットナイト』(1989)

監督:リナ・ウェルトミューラー 出演:ルドガー・ハウサー、ナスターシャ・キンスキードミニク・サンダ、ピーター・オトゥール、フェイ・ダナウェイ ほか
しわがれたトム・ウェイツの独特の詩をもつ歌に乗せて、パリ、ローマ、N.Y.、マンハッタンの
それぞれ洗練された風景の中に流れる大人のラブストーリー。
'89といえば、今ほどまだエイズが騒がれず、大した研究もされず、
人々にはただ死をもたらす疫病、悪、恥辱のごとく考えられていた。

愛するが故に一緒に暮らせない、エイズ感染は単なる病気でなく、人々の愛情、未来、生活をも蝕み、脅かしてゆく。
まだその感染ルートなどに誤解や、不必要なほどの恐怖心がつきまとい、偏見が多い。
今でこそエイズを取り扱う作品が増えているが、この時代に、この豪華キャストで、
音楽、ファッション、映像テクニック、センスもバツグン。
シリアスな中にも洗練されたエンターテイメントが溢れている。
チラっと出演するドミニク・サンダの姿もファンとしては嬉しい限り。


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