メランコリア

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心の中のベストフィルム~『鳥』~The Birds(1963)

2008-03-16 10:49:43 | 映画
『鳥』~The Birds(1963)
監督:アルフレッド・ヒッチコック 原作:ダフネ・デュモーリア
脚本:エヴァン・ハンター 撮影:ロバート・バークス
出演:ロッド・テイラー、ティッピ・ヘドレン、ジェシカ・タンディ ほか

忘れた頃にやってくる「心の中のベストフィルム」コーナー。
パニック映画シリーズが一区切りした後で、動物パニックの傑作である今作を
久々観たくなって借りてみた。
初めて観たのは、小学生の頃。アパートの2階の部屋で土日の夜は大抵家族揃って、
果物やお菓子を用意して、コーヒーを飲みながら映画を観るのが習慣だったんだけど、
今作を観た夜のことを今でもぼんやりながら覚えている。それだけインパクトがあった。
いまだにそこいらで鳥がたくさんとまっているのを見かけると「ヒッチコックの鳥みたいだね」って話になるしw

ヒッチコック映画のお楽しみのひとつは監督本人が必ずチラっと出演してるのを見つけること。
今作では冒頭、小型犬を連れてヒロインとすれ違いにビルから出てくる人w
あくまでさり気ないんだけど、あの独特のシルエットで見間違いようがないんだよね。

昔、誰かがレビューでヒッチコック映画のヒロインのプロトタイプのことを書いていて、
ヒッチコック映画のヒロインが他の作品に出演していたのを観たらまったく印象が違って平凡に見えたとのこと。
後ろで束ねた金髪、タイトなスーツの上品な女性ってゆうのが定番。
それはヒッチコックの美意識によって完璧に作られた美人像だ

こうして昔観た映画をあらためて観るのも面白い。
恐怖映画というより人間ドラマもいろいろ描かれていたことが分かった。
記憶の中では夫婦と思ってた2人は、知り合ったばかりだったし、メラニー(ヘドレン)は
母親の愛情に飢えていて、逆にミッチ(R.テイラー)は母親に溺愛されている。
彼の母親は、完全に頼っていた伴侶を早くに亡くしていまだにショック状態の中にいる。

鳥もいきなり大群で襲ってきたというより、1日の流れの中で急激に増えてる感じ。
有名なのは、メラニーが心配してミッチの妹のキャシーを連れに学校までやって来て、
外で煙草を吸いながら授業が終わるのを待つそのわずか数分間に、後ろのジャングルジムに
カラスがどんどんと増えていくシーン。
じわじわと心理的恐怖心を煽ってゆく効果はさすが。
改めて、CGのない時代によくここまでリアルに撮れたなって驚く。
説明書きを読んだら、ホンモノや合成のほかにも機会仕掛けの鳥まで使ってるんだって!/再驚
鳥に囲まれた町をあとにして去ってゆくラストがちょっと唐突で寂しいんだけど。

ヒッチコック作品もあらためていろいろ観なおしたくなってきた。
動物ものパニックはほかにもミミズの大群とかカエルとかいろいろあったなあ!w
このサイトでパニック映画の駄作要因をいろいろ酷評していてちょっと笑える。



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