メランコリア

メランコリアの国にようこそ。
ここにあるのはわたしの心象スケッチです。

notes and movies(1991~ part2)

2012-10-24 13:05:57 | notes and movies
過去のノートにある映画感想メモシリーズ。
part1からのつづき。
若かりし頃のメモなので、不適切な表現、勘違い等はお詫び申し上げます/謝罪
なお、あらすじはなるべく省略しています。


『ロジャー・ラビット』(1988)
監督:ロバート・ゼメキス 出演:ボブ・ホスキンス、クリストファー・ロイド ほか
始まりから終わりまでポカーンと開いた口がふさがらないほど驚きっ通し
どうしてここまでアニメと現実とが共存できるのか映画の世界だといっても信じられない!
何にも増して信じ難いのは、それまで可笑しいほどハードに演じてきたホスキンスが
突然ハメを外してコメディアン(アニメ版)に変身するところ。
ここまでやるかっていうドタバタの極地まで披露してくれる。
一貫して悪役をやってるロイドも脇役に徹しててイイし、
外国のアニメは動のイメージが強いため、一瞬も息が抜けずに笑っちゃう。


『ボーイ・ミーツ・ガール』(1983)
監督:レオス・カラックス 出演:ドニ・ラヴァン ほか
どこかの雑誌で「男女が出会って、恋におち、別れるのはハリウッドの定番だが、
それを皮肉って単純に映画化しちゃった」と紹介してたけど、なかなか奥の深い凝った作品。
ラブストーリーというより若いがための倒錯、屈折、孤独なんかを描いた作品。


『シンデレラ・ボーイ』(1985)
監督:コリー・ユエン 出演:カート・マッキニー、ジャン=クロード・ヴァン・ダム ほか
出演者もなじみの薄い新人ばかりみたいだし、途中あちこちアレ変だな?と思うようなストーリーだけど、
まあ楽しい作品なので許せる。
スタッフが相当ブルース・リーやカンフー映画が好きなんだなっていうのがシーンごとに伝わってくる。
俳優もアメリカ人ながらなかなかカンフー姿が板についてて、
主人公の青年もふつーだけど、けっこう正統派っぽいハンサムなので、いろいろとそんな面でも気軽に楽しめる。
リーの亡霊役の俳優はちょっと似てなかったけど、明暗で少し誤魔化してある。


『カスパー・ハウザーの謎』(1975)
監督:ヴェルナー・ヘルツォーク 出演:ブルーノ・S ほか
これは少し評価するのが難しい。ただフシギに私は無常感がなかった。
少なくともこの主人公は、物や動物以外に対して情を持つことはなかったからだ。

「生きることは、わたしの人生の中でたいしたことじゃない」

私たちもただ生きているにすぎないのに、
いつの間にやらその無意味さを感じることを忘れて、
すっかり慣れてしまったのに違いない。
彼のはじまりしかない物語。

全体が薄い青の色調で続いているところがイイ。
カスパー役の素人俳優は元精神異常者で、その後施設を転々としていたのを監督が抜擢し、
出演させたらしい。こんなピュアな人間が他にいただろうか!?
誰かが彼に愛することを教えていたら、少しは現実社会に執着を持ってくれただろうか?
こんな一癖も、二癖もある作品が大好きだ。


『ザ・フライ2』(1989)
監督:クリス・ウェイラス 出演:エリック・ストルツ ほか
とにかくグチャグチャしてて汚い。
『メンフィス・ベル』は特別観たいとは思わないけど、ストルツ(変な名前)はちょっと可愛い顔をしている。
蛹になって、とうとう訳の分かんないモンスターに変身するが、
マーティだけ元通りになるのは話がウマすぎる。
初作のジェフはビデオの中で出てくるだけ。
初監督作品にしちゃ持ち前のメイクアップ技術はすごくリアルなものがあるけど、
2を作る必要性はあまりなかった感じ。


『ジョニー・ハンサム』(1989)
監督:ウォルター・ヒル 出演:ミッキー・ローク、エレン・バーキン ほか
題材も面白いが、この役にこの人っていう味のある役者が勢ぞろいなのが嬉しい。
決まっておいしい役につくローク、いかにも性悪女っぽいけど逆らえない魅力を持つバーキン。
ますます演技に磨きがかかって、いつも目の離せない個性のある顔立ちのエリザベス・マクガバン、
ワル役がそろそろ板についてきたランス・ヘンリクセン。


『メロ』(1986)
監督:アラン・レネ 出演:サビーヌ・アゼマ ほか
フランス映画風に云えば、人生とは人を愛することを意味しているのかもしれない。
愛する喜びと悲しみ、すべての感情と行動が、人を生かし、死に至らしめるのだろうか。

夫と妻、夫の親友。登場人物は主として3人のみ。
シンプルな構成の中にじわじわと果てしなく広がる深い背景が浮かび上がり、
感動が心に染み渡ってゆく静かな幕切れ。
いかにもと思わせる話と、フランス映画の俳優の典型のような3人の中でも
デュソリエは完璧な二枚目。女泣かせっぽいのに実は恋多き孤独な男という役柄がイイ。
真実を語ることは時として大きな不幸をもたらすのかもしれない。
それでもなお永遠に続く男女の愛と男の友情の物語り。


『マスク』(1985)
監督:ピーター・ボクダノビッチ 出演:エリック・ストルツ、シェール、ローラ・ダーン ほか
『エレファントマン』と『ジョニー・ハンサム』を思い起こさせる。
『ケニー』と同じく病気とも真正面からぶつかって、明るく生きてゆくロッキー。
母親のシェール、ローラも素晴らしい。


『陽暉楼』(1983)
監督:五社英雄 出演:緒形拳、池上季実子、浅野温子 ほか
浅野温子の今まで最高の演技が観れる作品。
赤い帽子をかぶった生意気そうな目の少女。
気が強くて、池上扮する桃若を母のように慕い、
風間杜夫との落ち着いた夫婦ぶりもイイし、帰らぬ父をずーっと待ちぼうけして
駅員に「レールのうなったんか」というセリフもイイ。
まだ若くて役に体当たりしているのがひしひしと感じられる。


『フィラデルフィア・エクスペリメント』(1984)
監督:スチュワート・ラフィル 出演:マイケル・パレ、ナンシー・アレン ほか
パレ作品を初めて観た。元コックから俳優になったということで、顔は完璧だけど演技はイマイチ。
ナンシーと車の中で泣くシーンは20時台のアイドルドラマになっている。
でも、時空に穴が開いて、町と40年前の船が閉じ込められたままになっているとか、
みんな40年経って変わってしまった場所に主人公だけ若いままのアイデアはなんとなく面白い。
『首都消失』が頭に浮かんだけれども、主人公が40年前の自分の時代より、
現代を選んだ本当の理由は一体何だったんだろう?


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