メランコリア

メランコリアの国にようこそ。
ここにあるのはわたしの心象スケッチです。

『東京ノスタルジック喫茶店』塩沢 槙/著

2010-06-29 19:16:39 | 
『東京ノスタルジック喫茶店』塩沢 槙/著 河出書房新社

ウータン好きな知り合いからススメられた本書は、まさに昭和風のカフェが写真と短い文でたくさん紹介されていた。
親子代々受け継がれてきてる店、夫婦で始めて、パートナー亡き後も伝統を守って続けている店、
それぞれのお店の歴史とともにある、そこで働く人々の物語に感動
味のある店名、何気なく雑多に置かれているような小物、内装のひとつひとつにも大事な「ワケ」があるんだって分かった。

今はもう閉店または休業してしまっている「エリカ(神田)」や「越路(人形町)」なども巻末にあり。
出版されたのは去年だから、こうしている間にも昭和カフェはしだいになくなりつつある。
街そのものの変化のみならず、経営者の高齢化、建物の老朽化、改築にはお金がかかることも大きな理由。

本書に「長崎屋」のことが載ってて、小さい頃、母親に連れられて行った「長崎屋」のホットケーキセットを思い出した。
あの頃は、デパートの最上階レストランで家族揃って食事するのが、贅沢な楽しみのひとつだった。
みんなは中華とか注文するんだけど、好き嫌いが激しかったわたしは毎回時間がかかって、結局「お子様ランチ」にするw
ホットケーキには旗が立ってるし、アイスクリームは銀のカップにのっかってて可愛かったな


p.282抜粋
「人間というのはひとつの場所に居続けるより、他を知ったほうがいいと深山さんは言う。環境が変わると分かることがあると。
空から見ると地上の見え方が違うみたいに、他の場所へ移るとものの見え方が変わる」

「しかし、同じように同じ場所に長年いたからこそ分かることもある。だからきっと、どちらがいいとか悪いとか、そんな簡単な話じゃないのだ。
変えたくなくても環境が変わってしまうこともあれば、変えたい変えたいと願い続けて結局変わらない場合もあるだろう。
人間は皆、自分の意志と抗えない自然の流れと、その中でバランスを取りながら毎日を生きているのだと思った」


目次をすべてメモって、これからの昭和カフェ巡りの参考にしよう。
ステキな本をススメてくれて、どうもありがとうううう!!!




コメント    この記事についてブログを書く
« 町歩き@深川 その1 | トップ | 『蟹工船』(1953) »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。