メランコリア

メランコリアの国にようこそ。
ここにあるのはわたしの心象スケッチです。

notes and movies(1991 part9)

2012-09-26 13:47:00 | notes and movies
過去のノートにある映画感想メモシリーズ。
part8からのつづき。


『大人は判ってくれない』(1959)



監督:フランンソワ・トリュフォー 出演:ジャン・ピエール・レオー ほか
少年のくせに煙草はふかすは、家出して、自分の親の勤めるところの商品を盗むは、
刑務所から脱走するはで、とにかく貧乏くさい映画。
みな貧乏で家庭の愛情もすさむくらい。

(フランス映画の巨匠に対してえらい酷評っぷり/滝汗


『あこがれ』(1957)
監督・脚本:フランソワ・トリュフォー 出演:ベルナット・ラフォン ほか
ビデオ製作クラブかなんかで作ったみたいな手作り感覚が出ててイイ。
男の子たちのマドンナが体育の先生である恋人といちゃつくのが妬けて
いろいろ子どもくさいいたずらをする。
マドンナの輝きは失われたが、子どもの冷たさですぐに忘れてしまう。


『女の都』



監督:フェデリコ・フェリーニ 出演:マルチェロ・マストロヤンニ ほか
電車にゆられながら50男が見た現実か幻想か分からぬ夢。
フェミニストの集会を見たかと思えば、女たちの裁判にかけられたり、
ジャンキーの女たちに車で追われたり、博士の奇妙なパーティに誘われたり・・・

フェリーニの奇抜なアイデアと映像美にはいつも新しいものが見れる
という期待が持て、飽きさせないコロコロと変わる無数の場面が楽しい。
特別美しいのが、ラスト近くのマルチェロが乗った女性を型どった気球。
あんな大がかりなセットもカンタンにやってのけちゃうのはさすが。
風に吹かれて女の髪が舞い上がり、その間から妖しい笑顔がのぞく。
同性とてうっとりしてしまう
イタリアのいかにもアクの強い女たちが総勢2000人弱、
次から次へと現れるのだから本当にスゴイ


『恐喝(ゆすり)』
監督:アルフレッド・ヒッチコック
殺す動機は月並みだし、犯人ははじめから分かっていて、ゆするほうは間抜けな男。
警察ものんきで、よく調べもしないで、思い切り怪しい2人を疑いもしない。
最初のトーキー映画で、最初は無声。
女優の声も訛りを隠すため、吹き替えの英国女性が横で喋ったというからスゴイ。
全体的にコミカルで明るい作品。


『殺人!』
監督:アルフレッド・ヒッチコック
途中でダイアナのいる拘置所の壁が絞首台の影を映す演出が意表をつくいいアイデアだと思った。
『恐喝』ほかと違って、なんとなく犯人が薄気味悪い湿っぽい暗さを持っている。


『ブラック・ウィドー』(1987)



監督:ボブ・ラフェルソン 出演:デボラ・ウィンガー、テレサ・ラッセル ほか
2人の女性の知恵比べであるとともに、デブラとテレサのまさに競演でもある。
女性同士分かり合える部分と、ライバル意識とがうまく表れている。
美貌と知性で勝負するキャサリン(テレサ)と、
シンプルで素顔、根性で勝負するアレックス(デボラ)。

「何年か経って昔を思い出すとしたら、あなたのことが一番に思い出されるでしょうね」

というあたりのシーンはあとをひく。


『フィフィ大空を行く』(1965)
監督:アルベール・ラモリス 出演:フィリップ・アブロン ほか
安っぽい泥棒がサーカスにもぐりこみ鳥人間になってから天使に間違えられて騒動を起こすという話。
飛ぶ姿がわざとらしくないから、ほかの貧乏臭いセットが霞むくらい。
特別に意味のないストーリーだがほのぼのしている(言い放題/謝


『幸福(しあわせ)』(1965)
監督:アニエス・ヴァルダ 出演:ジャン・クロード・ドルオー ほか
上記と同年のフランス映画ながらこれほど違っているのも珍しいよね。
思い切り幸せな家族像に始まって終わるが、妻が違っている。
2人の女性をまともに愛してしまう男を許したのか、許さなかったのか、
妻は自殺したのか、事故で川に落ちたのか?難しいテーマ。
ジャンは、どこかスティングに似ていて、プレーボーイかと思いきや、
嘘のつけない純粋な男なのがポイント。


『推定無罪』(1990)
出演:ハリソン・フォード ほか
全篇通じてシリアスで重い感じ。裁判ものだからだけど。
ラストで偶然明かされる真犯人の巧妙な手口が恐ろしく、夫婦愛についても問われている。
人を一人信じきることの勇気も描かれている。
グレタ・スカッキは、ファンにとってはちょっと物足りない感じ。


『バルカン超特急』
監督:アルフレッド・ヒッチコック
突然おばあさんが誘拐され、みなそれぞれ自分勝手な理由でシラをきるシーンは怖い。
さて、ヒッチコックは、ラスト近くでみなが電車から降りて
女性が婚約者を見るなり、走りこんだタクシーの運ちゃんではないだろうかと考える?


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