メランコリア

メランコリアの国にようこそ。
ここにあるのはわたしの心象スケッチです。

notes and movies(1995.1~ part6)

2013-03-23 14:48:03 | notes and movies
過去のノートにある映画感想メモシリーズ。
part5らのつづき。
若かりし頃のメモなので、不適切な表現、勘違い等はお詫び申し上げます/謝罪
なお、あらすじはなるべく省略しています。


『アーネスト キャンプに行く!』(1987)
監督:ジョン・R・チェリー 出演:ジム・ヴァーニー ほか
このシリーズって不思議。主人公は同じアーネストなのに、このキャンプの彼と町の清掃員の彼、
銀行員になりたがってる彼は同一人物なのか?それとも1作1作別なのかな?
寂しいのは今作にあのリムショットがいないこと。このアーネストの友は口数の少ないカメさんなのよね。
ボビーもいないし、太っちょのおじさんはコックで「さまよう卵」に夢中。

アーネストが最初に乗り捨てた車がいつまでも一人で走ってたり、おなじみのコスチュームの帽子が
吹き飛ばされていったん脱げたのに、次のシーンではもうかぶってたりする妙なこだわりがあって、
なんか不思議なんだよね。映画自体も、バーニーも。
今作は彼がしんみり歌うシーンもあり。でも、どうして女の子がキャンプにいないの?
女の子にも自然体験やインディオの勇気は必要だと思うけど。

♪Gee, I'm glad it's raining is always something to be thankful~
雨はステキだ 思わず感謝したくなる 雨は優しい 悲しい涙を隠してくれる
稲妻は心の傷を消してくれる 寂しい瞳も雨のせいにしてしまおう
雨は友だちだ 辛い叫びが雨音に紛れる
星はいらない 傷ついた戦士は闇に安らぐ
友だちになれると思っていたのに 英雄になれといわれたんだ
雨が好きだ 朝陽など見たくない
裂けたハートを雨に浸そう 雨はいい すべてを包んでくれる


『AMERICAN WAY』(1986)
監督:モーリス・フィリップス 出演:デニス・ホッパー ほか
サイコーにマイナーでマニアックな作品。『Aチーム』の裏版とでも言おうか。
ベトナム退役軍人の選りすぐりが飛行機からあらゆる電波妨害でTV番組を乗っ取り
退屈で曲がった体制をロックンロールでぶち壊す。“ロックンロールが世界を支配する”
宗教番組のアクの強さもスゴイけど、SMの連中のノリもファンキー。
ジミヘンにザ・フー、ヴェトナムの映像すべて破壊的だけど狂った世の中に渇を入れる結構マジな奴らなんだ。

アメリカって国は本当に計り知れない面白い国だね。
いろんな人間、いろんな価値観がありながら、愛国心ではひとつにつながっている。何でも起こり得る国。
なにもかもバカデカくて、それでいて一部の人間がそれを動かすことができる。メディアを使えば
嘘も真実になり、嘘を見破ることも出来る。金を集めるのもカンタンそのもの。
こんな連中が日本にもいたら、退屈なTVも少しはマシになるかも。
でも、男がそろって何十年も同じ飛行機で暮らすのはあまりいただけない状態だけどね。


『ゴースト・パパ』(1990)
監督:シドニー・ポワティエ 出演:ビル・コスビー、キンバリー・ラッセル、デニス・ニコラス ほか
なんだかムリヤリなストーリー展開も見られるけど、要は普段から家族を大切にして
仕事オンリーパパは止めようってハートウォーミングなメッセージが狙いみたい。
コスビーって名前は聞いたことある。アメリカじゃ有名なコメディアンらしいけど日本では初見。
なかなか味のあるおじさん。でもどんな芸風が得意なのか今作を観た限りではつかみきれない。


『トイズ』(1992)
監督:バリー・レビンソン 出演:ロビン・ウィリアムズ ほか
いまや引く手あまたのコメディアクター、ロビン主演のSFファンタジー。
テーマは「子どもに夢を」でありがちだけど、この天国のような緑の丘と広がる青い空を見せてくれたスタッフにまず感謝
絵に描いた美しさ。自然こそ最高の遊び場なんだよね。
そしておもちゃ工場のなんとも夢のような世界。こんな「おもちゃの国」があったらぜひ行ってみたい。
きっとディズニーほどの人気が出る・・・てお金の話は本作にそぐわないね。
仕事場もなんとも楽しい♪ハッピー・ワーカー の曲が流れて、こんな職場ならきっと楽しく働けるのにね。

笑うブタやクルーゾーみたいな可愛い偵察刑事おもちゃなどなど思わず欲しくなるものばかりで、
加えてストーリーを面白ろおかしくおもちゃの魅力を際立たせているのがロビンのトーク。彼自身喋るおもちゃだもんね。
妹役のボーっとした女優もイイ味出してる。あとカンペキ訓練された軍人にJJ.クール。
カメレオンマンみたいに周りに同化しちゃって、率いる軍隊のユニフォームもキマってる。
♪ハッピー・ワーカーのメロディが一変してラップ調のセクシーなのに変わっちゃう徹底ぶり。
これは単なる映画じゃなく、現実にも戦闘機の開発がバーチャルリアリティ化してるし、
ゲーム世界の攻撃性も冗談じゃなく、どんな大人になっちゃうのか本当に先が心配。


『KENTUCKY FRIELD MOVIE』(1977)
原案・監督:ジョン・ランディス 出演:コリン・メイル、ビル・ビクスビー ほか
スタイルはMP系の笑いだけど、あんまり期待したほど笑えない。下ネタ系の下品さが目立つ。
ニキビから脂をとるなんてリサイクル、環境によくてもいただけない
ニュースのパロディに長いブルース・リー風カンフー映画、『オズの魔法使い』につなぐのはいいけど、
そこまでいくのに長い長い眠りに2度、3度おちてしまった
よって、その後の成り行きも印象も薄いんだけど、裁判所のコントはまあまあ。
J.ランディスといえば『アニマルハウス』、『ブルース・ブラザース』『サボテン・ブラザース』などなど
数々の笑いの傑作を作り出した人。今作はそれらの前触れってとこかな。


『TUNNEL VISION』(1976)
監督:ブラッド・スワーノフ、ニール・イズレイエル 出演:チェビー・チェイス、フィル・プロクター ほか
上と同じノリだからスタッフも同じかと思ったら違うのね。
1時間ちょっとの間に何十個ものコントやパロディが詰まっているんだけど意味不明のが多くてあまり笑えない。
HSBの彼女がほとんど裸で「恥ずかしいプライベートをさらけ出すショウ」てやつに出ているのにはビックリ。
「ラスト・ヒッピー」は笑える。時代遅れのジョークを飛ばして、時代を生き延びたのがたったの2人ってやつ。
SNLにも影響を与えたシリーズらしいけど、全然ピンとこない。印象が薄くてあまり記憶に残らない作品。


『泥棒株式会社』(1959)

監督:ロバート・デイ 出演:ピーター・セラーズ、デヴィッド・ロッジ、ベルナルド・クリビンス ほか
時代を感じさせるセラーズの初期作品。日本で知られるようになったのは今作からとか。
当時34歳とあって若くて魅力的。なんだ、ちゃんと英語のアクセントで喋ってるってことは、
後々の妙なアクセントは芸風だったわけね。声やルックスがジョン・レノンの若い頃みたい。
まだセラーズの独特でアナーキーな芸風は見られない。泥棒役をノーマル?に演じているのがまた興味深くて面白い。
ずっと後になってこの続編が撮られたパート2があるんだけどレンタル屋にないのが残念。

ここで図書館で見つけたセラーズのプロフィールをメモ。
両親は劇場の芸人で、ピーターは一時弁護士を目指していた(!)みたいだけど、
空軍に入って、慰問班として人気を集め、コメディアンに転向。
他国語をとりまぜ、一人何役もこなす芸風がウケ、「マウス」ではアメリカにも進出。
本人によると彼の演じる人間には「人格がない」そうだ。言われてみれば非人間的だよね。
クルーゾー警部役で世界的に知られるようになる。女優と結婚して2児もうけたが、'64離婚。
次も女優だったかな。これも離婚。次も4年周期くらいで1人子どもがいて離婚。
で、リン・フレデリックと結婚。もともと心臓が弱いのに、半ば強制的に仕事を続けて(やっぱりね)'80に心臓発作で亡くなっている。
20歳になる娘さんが女優になって'80代後半の映画に出ているらしい。観てみたい気もする。
記憶の間違いもあるかも知れないけど、ここまで覚えた自分がすごい
『ロリータ』『Dr.Strangelove』の2作はすでに観たけど、もう一度チェックし直したい。


『博士の異常な愛情』(1964)
監督:スタンリー・キューブリック 出演:ピーター・セラーズ  ほか
再び観直してみたらセラーズの主演作だってことに改めて気づいた/驚
前回はS.キューブリックシリーズの視点しか持っていなかったから、
3役こなしているのはJ.C.スコットだと勘違いしてたけど、セラーズが見事な変装と演じ分けによって
将校、大統領、そして自称ドイツ人博士ストレンジラブの3役をやっていたことが判明。
教えてもらわなきゃ見分けがつかない、これには本当に感心。

名優スコットの超軍人キャラもかなりブッ飛んでいて目をひくけど、
セラーズを3役に起用したキューブリックのアイデアもすごい。
イギリス人将校は問題ないだろうけど、ハゲ頭のアメリカ大統領までねぇ。
アクセントはもちろんのこと、受ける印象も違ってよく出来てる。

一番セラーズの芸風に近いのは、やっぱりストレンジラブ博士。
右手がロボットなのかよく分からんけど、コントロールが効かないらしくて、自分の首を絞めたり、
勝手に高くあがって自制して叩いたりして1人で遊んでるシーンは彼の独壇場ってとこ。
タイトルもこの博士だし、出番は後半少しなのに、役割は大きいみたい。

それにしても、改めてキューブリックはアンチハリウッドなアートを生み出して、
独特のイメージ、メッセージ、コンセプトを持っている。
この前に『ロリータ』があって、世界的に今でも使う心理学用語にまで広めたのをはじめ、
この後にはSF映画ブームの火付け役となった『2001年宇宙の旅』、そしてカルトファンが今後も更に
増えるであろう『時計じかけのオレンジ』とアンユージュアルな大作ばかり。

今作も核爆弾という最も繊細な問題を取り上げて、コメディでもあるし、空中・陸上船のバトル・アクションもあるし、
政治への強烈なアイロニーを持つ芸術作品でもある。
クセの強い2人の男優を使って、1.5時間あまりのモノクロながら強烈な印象を残す作品。
ちなみにセラーズは『ロリータ』『ピンク・パンサー』の後で乗りまくってる最中の出演。
同年には『暗闇でドッキリ』にも出てる。39歳、心身ともに充実している感じが画面からも伝わってくる。


『ホスピタル』(1971)
監督:アーサー・ヒラー 出演:ジョージ・C・スコット ほか
さて、こちらはスコットがオスカーにノミネートされたという作品。
どのみちアンチハリウッド主義者で、賞を初めて蹴ったっていう記録保持者なんだけど、
反体制派の彼らしい作品選択で、役は神経衰弱ギリギリの医師。

「中年の男にはセックスよりももっと欲望をかきたてるものがある。それは責任だ」

それは今じゃ女性も同じ状況になろうとしているんじゃないかしら?
それにしても、こんなシリアスな問題にインチキ預言者みたいなオヤジが絡んじゃって、
そのマッドマンぶりは、コメディ映画になりかけるところをスコットが渋く抑えている。
さすが舞台俳優としてのキャリアも十分にある彼らしいダイナミックな迫力と
疲れきった過労死寸前の医師の絶望感、人間性を取り戻すまでの過程を演じて大きな存在感を示している。


『シティ・スリッカーズ2』(1994)
監督:ポール・ウェイランド 出演:ビリー・クリスタル ほか
待望のパート2が早くもビデオ化。2も初作に劣らぬ冒険とあったかい感動が詰まってる。
暴走馬の群れに追いかけられ、馬車の下につかまるビリーのアクションにはハラハラドキドキの猛迫力
3が出来そうな嬉しい予感がするエンディング。

インディジョーンズばりの冒険アクションだけど、このシリーズが面白いのは
現代のシティボーイズらが活躍するところにある。
日頃使っている文明機器が、どれだけ人を自然の中で無力な存在にしているか改めて思い知らされる。
無防備になって頼れるのは、自分、友人、家族だってこともあったかく描いている。

弟役のジョンとビリーはSNLの同級生。彼の喋り方を聴いているとコントを思い出しちゃう。
今作でもビリーはノリまくっている。妙な踊りの数々に、ジョークも連発、
笑わせながら演技もできる、脂ののったパフォーマンスを見せている。
ジャック・バランは、今作では海の男役で、無口で無骨なカーリーとはまた違ったお茶目な顔ものぞかせているのがなんともイイ。
大々的なオーケストラの楽しいテーマソングに乗せて、まだまだ荒々しい原型をとどめるアメリカの自然の中で
思い切り命をかけた夢あふれる冒険アドベンチャーは、都会に住む私たちを最高に楽しませてくれる。


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