メランコリア

メランコリアの国にようこそ。
ここにあるのはわたしの心象スケッチです。

『ニンフォマニアック vol1』(2013)

2017-10-28 14:49:57 | 映画
監督:ラース・フォン・トリアー
デンマーク/ドイツ/フランス/ベルギー/イギリス

出演:
シャルロット・ゲンズブール ジョー
ステラン・スカルスガルド セリグマン

ソフィ・ケネディ・クラーク B
シャイア・ラブーフ ジェローム

ヒューゴ・スピアー H
ユマ・サーマン H夫人

ステイシー・マーティン 若いジョー
クリスチャン・スレイター ジョーの父
コニー・ニールセン ジョーの母  キャサリン

ほか

「ビデオパス」でシャルロット・ゲンズブールを検索したら衝撃的な今作が出てきた

説明とポスターを見ると、以前も、奇妙な性癖を持つ人々を描いたジェームズ・スペイダー
主演の『クラッシュ』を思い出す
そういえば、デボラ・アンガーも好きだな
ケイト・ブランシェット、ティルダ・スウィントン同様のクールビューティで妖しい魅力がある



ジェームズ・スペイダーで検索したら、すっかり違うおじさんになっててビックリ/驚
でも、演技より見た目で判断されるのが嫌いだったようだから
今のほうがより役者として楽しいのかも?
若い頃もスノッブで、ひと癖ある役が多かったけど




「ニンフォマニアック」とは、マイケル・ダグラスや、デヴィッド・デュカブニーが罹った依存症とは違うのか?

レンタル期間: 72時間
今回は何度も「字幕」を確かめてから買ったv

VOL.1と2で2本買うことになるが、想像以上の見応え
どこか分からない場所に引きずりこまれるオカルティックな作品で意外だった


あらすじ(ネタバレ注意
真っ黒な画面が2分も続いて、今度は画像の不具合かと思ったら違った
廃墟での雨音だらけの不気味な映像がつづく

血を流して倒れているジョー
買い物帰りの老人セリグマンが見つける

J:救急車は必要ないわ
S:ウチに来なさい





J:自業自得よ 私は悪い人間なの
S:話してみて
J:理解できないわ

釣りの話をするSにつられて話し出すJ
J:長い、教訓めいた話よ


第1章 釣魚大全

私は2歳で自分の性器に気づいた
友だちBはいつも抜群のアイデアを思いつく

私は父(医者)が大好きだった 父は木が好きだった
クリスチャン・スレイター! 変わってないなあ



母キャサリンはとても冷たかった
私が人と違うのは夕陽を好きすぎること 罪よ


S:
フライの話にどう結びつく?
ニンフォマニアックの話ならニンフから始めるといい



J:
処女を捨てることが重要だった Jは洗練されてるように見えた 私は15歳

“私の処女を奪ってと言ったら困る?”
“いや、別に”



J:屈辱的な数字を一生忘れない 3+5
S:フィボナッチ数
J:猛烈に痛かったし もう誰ともヤラないと誓ったけど破った


2年後 Bに新しいアイデアが浮かんだ
過激な服を着て、列車に乗る
1人でも多くヤッたほうがチョコ菓子を勝ち取る

S:魚の隠れ場所は優劣で決まる ベストポジションは大きな魚がとる



ある車両に入ると、Bはすでに1人とトイレに行く所
「トイレに連れてってやるよ」と1人が言う
J:目を見て、微笑むだけ

S:
川釣りと同じだ 食いつかない時は全然 食いつきがいい時はすごい
食いつかない時は、傷ついた虫を装うこと

「大丈夫かい?」と声をかける男
ハムスターの話をする

一等席に行き、切符拝見に来た職員と口論になり
2人のために金を払った紳士は、2人の誘いを断る
B:彼をモノにしたら5ポイントあげる

S:誘因釣法だ 挑発すればおとなしい魚も食いつく 刺激に反応するんだ



男:
妻と決めたんだ 子どもを作ろうと
排卵日だと言われた 今日がベストな日だって

男は誘惑に負け、お菓子を食べるJ



S:
悪い人間だとは思わない ユーモアストーリーだ
それに長く精子をためていると質が落ちるそうだ
おかげでS夫妻は健康な子どもを授かったかもしれない
翼があれば飛べばいい(カウンセラーみたい

私はユダヤ人だ セリグマンとは幸せだという意味だ
人には2タイプある
左から爪を切る人は陽気で気さく 人生を楽しみ、難しいことは後回し


J:私は左から 快感が先

S:何かを学ぶのに遅すぎることはない


ルゲラー(ユダヤ人のお菓子)にフォークをつけて出すと
J:フォークで食べるなんて女々しいわ そんな男を知ってた ジェローム


第2章 ジェローム

いろんな男と関係をもつJ
みんなに「あなたが初めてよ」と言うと喜ぶ

「小さな群れ」という会を発足して、Bがリーダー 彼女はカトリック

S:BとFの和音は3全音 悪魔の音程だ 中世では禁じられていた



J:
恋人は持たない 同じ男と2度はヤラない 愛に反抗してた
愛にとり憑かれた世の中と闘っていたの


Bはアレックスと3回やったと告白し、ルール違反だと責めると
B:秘密の要素は愛よ
Jは会を出る

J:
私にとって愛とは嫉妬の要素を加えた欲望
愛の名の下に100件の犯罪が起きるなら、SEXの名の下には1件よ

S:それは名言だ どんな教育を受けた?

J:
医師を目指したけど集中できなくて諦めた

印刷会社のアシスタントの面接を受ける
秘書リズ:上司のジェロームと話してきます 採用はムリでしょうけど



偶然にもジェロームが責任者を叔父から任されていて採用になる



ジェローム:君の初恋の相手だよ 今は責任者だ 神の導きだ
会社を案内するといってエレベーターを止めて誘惑するが断るJ

クビにもされず、誰も仕事を言いつけないから掃除をしたら怒られる
ジェローム:頭は使わなくていい やり直せ(パワハラ?


S:
男らしくない だがフォークはブルジョア的だ
かつてポルシェビキ派がロシアを崩壊させる際
プロレタリアとブルジョアを区別する方法があった





別の社員を誘いまくるJ

J:
ある時、彼の机の乱雑さの中に秩序を見つけた
ジェロームのモノになりたかったのよ

S:愛は盲目か

J:
愛は求めてもいない あんな愚かしい愛は不誠実だから
エロスはイエス 愛は低俗 でも制御不可能だった

S:全部さらけ出せばいい

J:
森を歩く慣習をまた始めた 子どもの頃みたいに
やがてヤルのをやめて、彼の家を探し当てた



長い手紙を書いて、会社に持っていくと、病気だった叔父が戻っていた
ジェロームはリズと結婚して世界を旅しているという
仕事はクビになった

J:
ジグソーパズルよ いろんな乗客からジェロームを思い出すの
でも思い出せなくなった





J:
父が木の幹を魂と呼んだのは珍しい
経験科学を信じていたから

私は反動でより攻撃的に男を求めた


部屋の中に1枚の絵を見つける




第3章 H夫人

私には安らぐノートがある 押し葉ノート
Hは面倒な奴だった



Aは7時にくるから、彼は追い出さなきゃならなかった
J:あなたの家族のため 独占できないのはイヤなの

妻と別れたと荷物を持ってくるH 息子3人と妻も一緒に来る
(後で妻役がユマ・サーマンと知ってビックリ 別人?!

淫らなベッドを息子に見せたいという
妻:このベッドを覚えておくのよ セラピーのために






そこに別の男アンディが来る

J:これは誤解よ 私はお父さんを愛してないの
妻:これほど残酷な人はいないわ 20年育んだ愛を冗談で壊せないわよ!
号泣し、大声で叫びながら去るH夫人


S:人によっては依存症を悪くいったり同情するが
J:私は欲望で欠乏じゃない それが破滅になった 無感覚と同じ

S:快感? 不快?

J:
孤独じゃなかったと言えばうそになる
話したくなかったのに あなたの罠にはまったわ
すべてつまらなくなった


7歳の時、手術した たった一人でゲートを抜ける気がした
宇宙で一人きりな感じ




S:
ポーを拾い読みしてる 彼はせん妄症で酷い死に方をした
アルコール依存症でもあり、急な禁酒でショックを起こす
恐ろしい幻覚に苦しむんだ
パニックや妄想は死の瞬間まで続く

“秋の日 物寂しい田舎道を馬で通っていた ようやくアッシャー家が見えた”





第4章 せん妄

病院に父を見舞うJ 苦しそう 母は来ない







父:
ケイは病院が怖いんだ 家で別れを告げた
怖くはない 多くの死を見た

“我々が存在する時、死はまだ訪れず
 死が訪れた時 我々は存在しない”



「ケイ!」と名を呼んで叫び泣き出す父
外に出て葉を持ち帰るJ

父:
トネリコの葉だ これこそ森で最も美しい葉だ
冬が訪れる世界樹の神話を話す
黒い芽を見てみんな笑った

発作を起こしてベッドから落ちている(何の病気?
縛り付けると「何するんだ ジョー!」

病院で縛りつけられた男ともヤルJ
父がベッドを汚し、取り替える様子を見るJ

J:
父が死んだ時、感覚を失った
とても恥ずかしかった 濡れていたから

S:危機の中での性衝動は普通だよ 文学にはもっと悪い例もある


J:音楽が好きなの? 入ってるテープを聴かせて

S:
バッハだ 元は賛美歌だがアレンジした
ポリフォニーは中世ヨーロッパで盛んだった
メロディとハーモニーを溶け込ませ、不可解な数値コードを忍ばせている


建築や、3全音にも似ている
BACHの綴りの順位数はどれもフィボナッチ数だ







低声部(オルガンの足)、中声部は左手、高声部は右手
これを定旋律という これらが1つになってポリフォニーとなる

J:
色情魔は満足できない人と思われる
正直に言えば、私は性的体験の総体としか見てない
だから、私にとっては1人の愛人と同じ


第5章 リトル・オルガン・スクール

低声部はF
1晩で7~8人とヤってたからスケジュールが大事
彼は時間をきちんと守る

私がじらされたのはGだけ
ジャガーみたい 興奮させるのが役目



繰り返す散歩はメタファー 単調で意味がない
檻に入れられた動物のよう
死ぬ許可を待ち続けている

森で破いた写真をたくさん見つけ拾っていくとジェロームと再会する



S:あり得ない偶然だ!

妻とケンカしていたため、Jと寝る



突然、何も感じなくなり泣き出すJ


***

VOL.2に続く 劇場でも分けて上映したのだろうか?
1本がこれだけ長く、内容が濃いと一度ではムリだ

VOL.1は、シャルロットの語りと、
若い頃の彼女を体当たりで演じた若い女優の演技で見せた
(ベッドシーンが多いと“体当たり演技”て言われるのはなんでだろう?

エンドロールで続編を見ると、シャルロットが主演でなにやら暴力的な感じ

単にエロティックなのが売りかと思いきや、一筋縄ではいかないのがヨーロッパ映画
フシギな実体験を告白するジョーもかなりミステリアスだけれども
静聴するSの独特な哲学、幅広い受け止め方も興味深い




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