日曜の朝、いつものビーチに行った。
ビーチの近くに来ると雨があがって、雲がどんどん晴れてゆく。
砂浜を歩きだして、ものの5歩で足の指に鋭い痛みが走った。
尖ったものを踏んだのかと思って足を見ると、それは 蜂 だった。
虫は触れないはずの私が、指に刺さったままの蜂をむしりとり、
海水で足を洗って、夫が蜂の針を搾り出す。
ズキズキと痛む足を引きずりながら、家に戻った。
呼吸はできるか、気分は悪くないかと夫が聞く。
子供の頃、昼間母が洗った布団カバーの中に蜂がいて、翌朝その蜂に指を刺されたことがある。
そのとき、どうしたか忘れたけど、今も生きているからアレルギーはないのだろう。
せっかくの日曜日が台無しだー。
車のシートを倒して、足を高く上げながら嘆く私に夫が言った。
「これでいいんだよ、よかったね。今日は海に入らないほうがいいんだ。
痛い思いをして悪かったけどさ。僕がエイに刺されたときと同じだよ」
まだ知り合ったばかりの頃に、夏の夜、友人たちと伊豆にサーフィンに出かけた夫は
夜のサーフィンをやろうとして、アカエイを踏んでしまい、エイの尾が足の裏から甲に突き抜けたことがあった。
毒がまわって痙攣する足を押さえながら、友人たちが救急病院をさがしまわってくれて
無事に手術をすることができたのだった。
翌朝、よく伊豆の海で会う、名前しか知らないサーファーが夫を家まで送ってくれることになり
夫の友人たちはそのままサーフィンを楽しむことができた。
その数日後、同じ伊豆の海で、夜サーフィンをしていた一人のサーファーが亡くなった。
「あの時、エイに刺されなかったら、僕は死んでいたのかもしれないよ。
あれはカミサマの警告だったと思う。ここはハワイの海じゃない、バカなことはやめろってね。」
都合の悪い出来事を、
災いとするか福とするか。
嫌な思いをしている最中に、そのことの意味に気づかなくたって
いつかそれが腑に落ちればそれでいい。
そして、頭でわかっていても感情にながされてしまっているときに
災いでも福でも、どちらでも好きなほうを選べることに
気づかせてくれる人がいるのはありがたいことである。
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ビーチの近くに来ると雨があがって、雲がどんどん晴れてゆく。
砂浜を歩きだして、ものの5歩で足の指に鋭い痛みが走った。
尖ったものを踏んだのかと思って足を見ると、それは 蜂 だった。
虫は触れないはずの私が、指に刺さったままの蜂をむしりとり、
海水で足を洗って、夫が蜂の針を搾り出す。
ズキズキと痛む足を引きずりながら、家に戻った。
呼吸はできるか、気分は悪くないかと夫が聞く。
子供の頃、昼間母が洗った布団カバーの中に蜂がいて、翌朝その蜂に指を刺されたことがある。
そのとき、どうしたか忘れたけど、今も生きているからアレルギーはないのだろう。
せっかくの日曜日が台無しだー。
車のシートを倒して、足を高く上げながら嘆く私に夫が言った。
「これでいいんだよ、よかったね。今日は海に入らないほうがいいんだ。
痛い思いをして悪かったけどさ。僕がエイに刺されたときと同じだよ」
まだ知り合ったばかりの頃に、夏の夜、友人たちと伊豆にサーフィンに出かけた夫は
夜のサーフィンをやろうとして、アカエイを踏んでしまい、エイの尾が足の裏から甲に突き抜けたことがあった。
毒がまわって痙攣する足を押さえながら、友人たちが救急病院をさがしまわってくれて
無事に手術をすることができたのだった。
翌朝、よく伊豆の海で会う、名前しか知らないサーファーが夫を家まで送ってくれることになり
夫の友人たちはそのままサーフィンを楽しむことができた。
その数日後、同じ伊豆の海で、夜サーフィンをしていた一人のサーファーが亡くなった。
「あの時、エイに刺されなかったら、僕は死んでいたのかもしれないよ。
あれはカミサマの警告だったと思う。ここはハワイの海じゃない、バカなことはやめろってね。」
都合の悪い出来事を、
災いとするか福とするか。
嫌な思いをしている最中に、そのことの意味に気づかなくたって
いつかそれが腑に落ちればそれでいい。
そして、頭でわかっていても感情にながされてしまっているときに
災いでも福でも、どちらでも好きなほうを選べることに
気づかせてくれる人がいるのはありがたいことである。
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