むらくも

四国の山歩き

白髪山~三嶺(名頃-四ッ小屋谷川-白髪避難小屋泊)…徳島県

2011-10-12 | 剣山系

白髪山・カヤハゲ(東熊山)・三嶺  しらがやま・かやはげ・みうね、もしくはさんれい



登山日               2011年10月9・10日
標高                    1769.7m、1720m、1893.4m
登山口               三好市東祖谷名頃
駐車場               あり
トイレ               あり(名頃駐車場、三嶺山頂付近)
水場                四ッ小屋谷川上流、白髪避難小屋南西斜面約200m下、三嶺池下名頃道沿
メンバー              つむじかぜさん、佐々連さん、むらくも




佐々連さんの予てからの希望である、四ッ小屋谷川から登り、白髪別れを経て三嶺の山頂へのコースが、奇しくもつむじかぜさんの一泊二日山行計画と合致した。
それじゃ-、折角なので、佐々連さんおニューのシュラフお披露目宴「焼き肉パーティー山行」ということで三人で行くことになった。
わたしは、重たいザックを背負って二人に着いていけるかどうか自信がなかったが、そのときは二人に先に小屋で待っててもらうことにして、えっちらほっちら遅ればせながらでも登っていこうという軽い気持ちで、混ぜて貰ったのです。

二人に頼んでルート図を送って貰った。
四ッ小屋谷川へ一旦降りて、そこから白髪小屋へ向けてのコースというのは聞いていたが、ルート図を見るとわたしの苦手な沢を伝って登るコース。
台風などで荒れていることも予想できた。
このときはちらりとそんなことが頭をかすめたが、当日にはそんなことすっかり忘れてしまい、ルートすらもうろ覚え状態。
ただでさえ脳みその少ない頭なのに、100%支配してしまったのはただただザックの重量だけ。
どうやって、前回の西熊山テント泊当時の重量を100gでも少なくするか、それ一点、極めて単純な脳細胞です。
しかし、脳みそ全部を苦心惨憺し使っても、結果は目に見えていたようで、前回20kgだったものが、食糧をけびり、質を落とし、水と飲料水をけびって、その他の装備もあれやこれやと省いて、それでもおおよそ18kg、涙が出てきました。
体力がないということは、そういうことなんです、こんなところで苦労するのです。
しかし、それでも2kgも減ずったのだからと、こんこんと自分自身に言い聞かせ得心させた。



テント泊も有人の山小屋泊まりも経験した。
営利の山小屋は食事も出るし、お弁当まで用意してくれる。
石鹸こそ使えないが、お風呂にも入れるところが結構ある。
今回は初めて経験する無人の山小屋泊まり。
テントが要らないだけで、食事のすべては自分で確保しないといけない。
テントと小屋泊まりの違いは、その程度は理解できるのだが、あとはどう違うのか、今日は経験を通して知ることが出来るいいチャンス。

先日の台風で439号線保命橋東のところで崩落していて、遠回りを迂回するようになっていたが、幸いなことに6日から通常どおりに開通していた。
猪ノ鼻トンネルを抜け、大歩危のとあるところで待ち合わせ、そこから三人でわたしの車で名頃へ。

8時前に名頃駐車場に到着し、さて準備をして、いざ出発という段階で、つむじかぜさん、車のキーが無いという。
えっ!
「………」
「ように探してんまい」(讃岐弁丸出し)
「………」
しばらく、あちこち探して一言。
「ない」

大歩危までの往復所要時間はおおよそ2時間、10時過ぎから登りだしても白髪小屋到着までには十分に間に合う。
つむじかぜさんはキーを取りに引き返し、佐々連さんとわたしは先に登ることにした。
(ところがこれが後ほどちょっとしたハプニングと運命の分かれ目にもなった)

う~ん、つむじかぜさんは山に行くたんびに、何かを落としたり忘れたりするが、こんどはとうとう車のキーを忘れたよ。
(車のキーシリンダーに差し込んだままだったらしい。よくぞそのまま他人に乗っていかれなかったものだとは思ったが、あの車じゃ盗る人もいないか、キヒヒヒ(済まぬ、怒るなよ、これもブログネタなのじゃ))

つむじかぜさんが、大歩危へ向けて去っていったあと、名頃の駐車場は登山者の車で満杯になった。
ま、どこかへ駐められるじゃろうて。
8時半、左の木段から登って、発電所への林道に出て、尾根への山道に取っつく。




お天気は上々、すぐに左下に発電所が見え、道前方には伐採のための索道が頭上すれすれに張られている。




索道の重たい赤錆びた滑車をくぐり抜け、送電線鉄塔真下を歩く。
すぐに林に入り、そのうちの一本だけ紅葉が始まっていた。
この尾根の山道は平尾谷川沿いにある名頃道とは違って、1142.2m三等三角点点名松尾を経由して、尾根を伝って行くと先では1517m峰のダケモミの丘分岐への道と合流する。
この道の存在を最近まで知りませんでしたが、ご親切にも坊主さんに教えて頂いて、早速、活用することになりました。
ありがとうございました。




40分ほどで三嶺林道に飛び出る。
道を跨いでさらに尾根が続くが、目の前は急な崖になっていて、どこから取りつくのか少しきょろきょろして探してみた。
見つからなくて、適当に急斜面を登ったところ(下りで分かったのですが、林道直ぐ東側に木の階段があって、そこから登るようになっている)、尾根道に再び乗ることが出来た。




踏み跡はやや薄いところもあるが、快適な尾根道だ。
10:22、ダケモミの丘分岐へ通じる登山道と合流した。
そこには鹿避けネットが張り巡らされている。
そのネットを回り込むようにして、左に折れ、再び三嶺林道の終点で休憩所のある方へと下る。




綺麗な自然林が続く。




だいぶ下ったところで、崩れた斜面に出たが、法面工事が施されており、その端っこを歩く。
ところどころ紅葉が始まった木の間から緑の屋根の休憩所が見え出す。




休憩所に近づいたところで大きな大木に出くわす。
幹回りは目測だが6m以上7m近くありそうだ。
頭上を見上げると、大きな葉が繁っており、どうやら栃の大木らしい。

やれほれどっこいせ、ベンチにどっかり重たいザックを放り投げ、少し休息することにした。
今日は少し軽いこともあってか、それともやや慣れたのか、それほど肩には食い込んでこない。
ジュースを飲み、ドライフルーツを口に放り込む。
誰もいない、静かだ。(この時には、この林道奥地の休憩所が、翌日のテレビや新聞で放映されたり記事になったりで、大騒ぎになろうとは思いもしなかった)




先ほどのトチの大木の下(祠が安置されている)を通り、薄い踏み跡を下っていくが、最近はあまり歩かれていないのか、ルートが分かりにくい。
目を懲らし、ところどころに施されたテープを追いながらゆっくりと下っていくと、古い指導標が目に着いた。
「白髪別→」の方向に足を向ける。

ところが降りるにつれ、ますます道は荒れ、そのうちほとんど分からなくなった。
適当に下っていくと、四ッ小屋谷川に出たが、荒れ放題で、降りるところがない。
仕方なく、左(東)の下へと振り、川床へと降り立つが、水かさが多く、渉れるところがあまりない。




なんとか石伝いに渉れるところを見つけ、押っ取り刀で渡渉。
ところが、渉ったものの、踏み跡はまったくなくて、キョロキョロしていたが、目の好い佐々連さん(少なくともわたしより)がテープを見つけて、そちらへと導かれるように歩きだす。




しばらく歩いたところで、先ほど見かけたのと同じような指導標。
うん?
いま歩いている方向は四ッ小屋谷川上流へと右岸を遡っている。
(のちに気がついたことだが、登山道は四ッ小屋谷川を遡るようにはなっていない。この時点ですでにとんでもない過ちを犯している。そのことに気がつかないままに…)
ところが指導標にはその方向に「三嶺林道→」と記されている。
うん?うん?
目的の白髪別れは矢印の指す方向が異なっている。
わたし「変だな?矢印の方向が違うぞ」
佐々連さん「指導標が動いてくるりと回ってしまったのじゃないかな?」

二人ともそう思い込んで、そのまま先へと進む。
一升瓶の割れたのとか茶碗とかが一面に転がっている。
ここが作業小屋の跡地だろうか?
石垣の名残らしいのもある。

しかし、行けども行けども、テープもなく、踏み跡らしきものもない。
どうみても、自然のままの風景で、ここがかつての登山道跡とは思えなくなった。
もう一度引き返し、指導標をよーく確かめた。
支柱は三角アングルで試しに回してみたが、回るような支柱ではない。

うん?うん?うん?
頭が…???だらけに。
地図を取り出し、メガネを探した。
地図はあったが、メガネがない。
メガネがないとなんも見えん。
磁石もない。

二人で相談して、尾根を登ってみることにした。
踏み跡がないかと目を懲らしたが、それらしいものはなく、また緩やかな斜面もなく、もういい、決心して急斜面をよじ登った。
着いた尾根の上で、へたりこんで、しばらく地図に目をくっつけるようにして、なめ回す。
下手な考え何とやらではないが、とにかく考える。

やっと分かった。
正規ルートは今いる尾根の東下の谷方面だ。
どうやら、目に入ったテープを深追いし過ぎてしまったようだった。
あのテープは川床が荒れる以前の三嶺林道から降りてきて渡渉して、わたしたちが渡渉した地点への道しるべだったのだ。
従って、わたしたちが渡渉した地点は、正規の渡渉地点からかなり東の位置で、登山道はそこから真南へ谷間に直進すればよかったのだ。
気がつくのが遅かりし馬の助。

またまた佐々連さんと相談する。
もう一度引き返し、正規ルートの谷へと降りるかどうか、しかし、どうも降りる気がしない。
佐々連さんも同意見だった。
地図をなめ回すように確かめると、どうやらこの尾根を伝っていくと、白髪小屋へ出るようだ。
笹は茂って無く歩きよい尾根だし、谷へ下るよりは時間が節約できそうだ。
谷は台風の影響で荒れている可能性も否定できない。

あらためてGPSを取り出し、佐々連さんの目を借りて、再度確認したうえで、尾根を辿ることにした。




忘れ物をよくする他人のことをとやかくいえたものではない。
メガネが無ければ、地図もGPSもクソの役にもたたない。
磁石まで忘れたとあっては、ミソクソ三文だ。

ところでミソクソ三文はなんとなく意味分かるけど、クソの役にもたたんってなんのこと?

尾根はところどころにシカの食み跡や、ベッドの跡があったりで、自然が濃い。




お昼ご飯を食べるのを忘れていた。
どっかり腰を落とし、持ってきたおにぎりと、味噌汁を温めて、食べることにした。

ふ~っ!
味噌汁はやっぱり落ち着くな~。

色づき始めた木を眺めていると、後方でガサゴソ音がする。
佐々連さんが「なんじゃ~!」とビックリしたような声を出す。
わたしもつられて「え~っ!クマかい!」

振り向くと、白く悩ましい大きなお尻。
いや~ん、おシカさんやないかいな。
その声におぞけが走ったのか、毛穴を全開させて逃げていった。
メスジカだったのかな?
わたし、気色の悪い人間の子は孕ましたくない。
逃げるシカの足はピンピンと蹴るように後ろに跳ね上げていた。

たっぷり取った休憩を終え、再び登っていく。
地図で見る等高線よりも急斜面のような気がした。
だんだんと足が上がらなくなってくる。
何度も立ち止まり、息切れを整える。
ときにザックも投げだし、「しんどい、もうどないとでもしてくれ~!」
林の中はシンと静まりかえっている。
ときおり、シカの鳴き声が聞こえてくるくらいだ。




1472m峰を過ぎ、かなり高度が上がった。
もうそろそろ左からの正規のルートと合流するころ、そう思って、道がないか確かめながら登ったが、それらしいものはない。

やっとやっと、稜線に出た。
出たと思ったら、テント二張りが目に飛び込んできた。
若い方お二人が、寛いでいる。
しばらくお話して、荷物を置きに見覚えのある小屋へ足を運ぶ。

時刻は14:20、迷った分だけ、予定より随分と遅い到着だった。

ガラリ、こんちは~。
内には先客の方のザックが置かれていた。
持ち主はいない、どちらかへお出かけのようです。




とりあえず、荷物を置いて、水場へ水を汲みに出かける。
小屋から西への縦走路脇になんとも貧弱な水場の標が施されていた。
昔、映画で見た、荒野の用心棒の死者を弔ったお墓みたいな、侘びしさが隠っている。

そこから5~6分ほど南に下ると、ちょろちょろと水が流れていた。
傍にはシコクブシの花。

この日、白髪山までピストンする予定だったが、中止して、のんびりすることにした。
それから1時間後には、早くも小屋の東後方辺りから、のっそりとつむじかぜさんが姿を現した。
にこにこしている。

しかし、随分と速い、2時間余り早く先行したはずだが、1時間違いでの到着。
ザックの重量はわたしたちよりも4kg以上も重い22kgを担いでのことだ。
わたしも驚いて信じられんという感じだったが、佐々連さんはそれ以上に驚きと称賛の声をあげた。




帳の降りる頃にはテントの前で、ちょうど私たちの横でテントを張った若者一匹と合流し、飲めや食えやのとりとめもなく賑やかな焼き肉パーティ。
(この写真よくないね、いまいち雰囲気が伝わってこない、狼が木陰から食い物を狙っているようなアングルで、ウエスタン調さすらいの用心棒みたいやわ)
偶然にもこの時刻には四ッ小屋谷川の西辺りのどこかで、子どもさんたちを含めた13人の方たちが、木を燃やしまんじりともしない一夜を過ごしているとは露ほどにも知らず、山でのあれやこれや遭難事故を話題に。

肉だけでお腹が起きました。
ただし、牛肉は前回のような高級ロースではなく、わたしの持参牛は国内産を遠慮して外国産。
脂肪が少なくかえってさばさばとあっさりしてて美味しい。

その夜はグッスリ…とはいかない。
いびきいびきいびき、いびきの饗宴、もちろん、わたしも含めて。
自分のいびきは聞こえないものだから。それをいいことに、お前、鼾かいてたぞ。
人は自分のことを棚に上げやすい動物だ。



夜中だったろうか、小屋の外の音で目が覚める。
雨が降っているようだった。

朝方に一度トイレのため外へ出た。
星が出ていたが、西熊山でテントから首突きだして見た星空とは異なって、宝石のような綺麗さではなかった。



10日

突然のゴーッという音で目が覚めた。
隣で寝ていた同宿者が、ガスに火を点けお湯を沸かす音だ。
土間でなく板間の上での直火なので、音が大きく響く。
時刻は4時、わたしたちも起きることにした。
間もなく彼は「お先に」と言う言葉を残して出発した。

片付けして前夜作っておいたにぎりめしにふりかけをまぶして、味噌汁を流し込みながらぱくつく。
う~、ごはんの出来はほんの少しだが水を入れすぎたのか、うまくない。

外に出て歯を磨く。
日の出の時刻だが、太陽は見えなかった。
わたしたちも白髪山へ向けて出発。
昨夜の若者も同じく三嶺に向けて出発。




白髪の別れまでご一緒し、記念写真を撮った。
彼の元へ写真を送る約束をしてここでお別れした。
彼はわたしが小学生から高校卒業まで暮らした町で住んでいる。
同郷のよしみだけでなく、彼の気さくさに親しみを感じた、またどこかで会いたいものだ。

荷物をデポし、白髪山へ。
30分ほどで山頂に着いた。
先ほどから、三嶺山頂のすぐ東側から四ッ小屋谷川方面でヘリコプターの音が賑わしい。




しかし、その三嶺はガスの中。
ヘリコプターの爆音は鳴り響いている。




しばらく、ガスが退かないかと様子をみていたが、退くかなと思ったら、また三嶺全体を押し隠した。
三人で三嶺を眺めながらあっちうろこっちうろ。




ガスは低く垂れ込めている。
諦めて、白髪別れへと引き返す。
途中もヘリコプターの音が絶え間なく聞こえ、これは遭難だわ。
間違いない。

口の悪いつむじかぜさんが、わたしのことを災いの使者みたいなことを言う。
二週間前の三嶺遭難の時も、丁度この山域を歩いていた。
おれは、悪魔か。
のろいの使者か。

うん?
しかし、そう言うつむじかぜさん、二週間前にたしか牛の背から矢筈峠へと歩いてなかったっけ?
そして今日も同じくこの三嶺だぞい。
のろいの使者はお主じゃ。




白髪別れに着いた。
デポした荷物を再び背負い、三嶺へ。
ヘリの音はしなくなった。




カヤハゲへと歩く。
わたしの足が遅くなるとの懸念から、二人に先に三嶺で待っててと言って先行して貰うが、不思議と昨日のような足の重さはない。




白髪山が左に見える。
正面にはカヤハゲの特徴のある山頂がじわじわと近づいてくる。




カヤハゲで一休み。
みかんで喉を潤し、行動食のドライフルーツや干した鰺の開きを囓る。
二人からもピーナッツだの飴だのとあれやこれやと分けてくれて、結構エネルギーが補給されたような気がした。
再び出発。
しばらく消えていたヘリが再び舞い戻ってきた。
真上を旋回する。

お~い!
わしら遭難者じゃないぞい~。
空に向かってつむじかぜさん叫ぶ。
虚しく声はヘリの爆音でかき消された。
(あとから分かったことだが、この時点では、遭難者たちは下山していたようだ。とすると、このヘリはマスコミ?)




登っている最中にもヘリは谷方面とダケモミの丘辺りに掛けてブンブン飛ぶ。




三嶺がグンと近づいてきた。




今度は違うヘリが頭の真上を旋回しだし、なんだか、わたしたちを追いかけているような、まるでホバリング状態だ。
おーい、うるさくて敵わん、いいかげんにしてよ。
遭難者のような気分になった。

両手でタオルを振ってみようかしゃん。




おーっ!
紅葉だ。




大岩が見えてきた。
しばし、撮影タイム。
佐々連さんとわたしはコンデジだが、つむじかぜさんは二台のカメラと交換レンズまで持ってきている。
ザックが重たいはずだ。




岩場を抜けて、よっこらしょ、道にリンドウが…そろそろ咲き終わる頃かな。
いつもはこのあたりではトレランのあるいはWV部の若者たちに出合うのですが、今日は見かけない。
街や里では秋祭りなどのイベントがあるためでしょうか?




岩場のてっぺんでヤッホー♪




山頂に人影がチラホラ。




ホソバノヤマハハコ、ヤマラッキョウ、山草全体がそろそろ終わりかけで、花弁に疲れが感じられる。




この急斜面にきてザックの重量が腰に掛かってくるようになってきた。
足を持ち上げるのに一苦労。
先頭を行く佐々連さん、山頂はもうすぐだ。




ヒョー!到着。
大休憩、いまからご飯を炊かなくてはいけない。
30分かかって、それから食事。
ロスといえばロス、これが楽しみと言えば楽しみ。
しかし、これからは、やはり、前夜か早朝に作っておこうと思った。




紅葉するコメツツジ。
木の一つ一つを見ると、それほど綺麗ではないが、こうやって、景色とともに全体的に眺めると、この紅葉はやはり三嶺の秋の風物詩の一つです。




もっと眺めていたいし、歩いていたいが、そろそろと下山。




見慣れた風景だが、やはり綺麗なものは綺麗だ。
カメラに自然に手が行く。




名頃道へと下り、途中の水場で水を汲み、ダケモミの丘辺りで、コーヒーを入れよう。




マユミの古木の実が早くも赤くなっていた。
ダケモミの丘でどっかり腰を据えて、山水を沸かしてホッとコーヒー。
三嶺林道方面へと辿り、途中で尾根道を下って、階段を降りて三嶺林道へ。




階段からほんの少し先(30mほど)で赤テープ二重捲きのところから再び尾根道に入り、索道滑車をくぐって、もう一息。




道なりに進んでいくと、名頃駐車場の縁にある大きな案内板の直ぐ横に降り立ちました。
お疲れさんでした。
聞くところによると、午前中は道迷い遭難のために、この駐車場はレスキュー隊、警察、それに報道関係者の方たちでごったがえしていたそうな。
問題の、道迷いの発端となる現場では尾根に通行止めの表示代わりに木で通せんぼをしたり、赤と黄色のテープを木の枝に括り付けているのですが、それでも気をつけていないと、四ッ小屋谷方向へと下っていくようなところです。
現に、通行止め代わりに置かれている通せんぼの木は踏まれて折れていました。
十分に気をつけたいところです。

今回の山行でいくつかのあらたな知識なり教訓を自分なりに発見しましたし、また同行者にも教えられました。
つむじかぜさんと、佐々連さんに感謝です。

この日は帰宅して、あったかいお風呂に肩まで浸かって、また妻の作った手料理に舌鼓を打ちながら、冷たいビールを飲んだことでした。
途中で買って帰った祖谷のお豆腐も抜群に美味しい。
幸せとは身近な小さなことで十分だとあらためて実感しました。




<9日>
名頃登山口8:29-三嶺林道9:07-ダケモミの丘10:22-10:45三嶺林道終点休憩所11:06-11:33四ッ小屋谷川11:50-<尾根上で40分ほど休憩>-14:19白髪避難小屋
<10日>
白髪避難小屋7:06-白髪別れ7:12-7:49白髪山8:13-白髪別れ8:42-9:47カヤハゲ(東熊山)10:00-11:10三嶺12:23-13:24ダケモミの丘分岐13:43-三嶺林道14:23-14:46名頃登山口


※地図上左クリック→グーグルマップへ移動
(注)三嶺林道休憩所より四ッ小屋谷川へ降りる登山道は踏み跡薄く、台風等の影響で荒れており、川床近辺および渡渉地点には注意を要する、また川床から白髪避難小屋への本来の登山道も踏み跡薄く、途中消えているところもあるようです。
なお、この日に歩いた川床から1472m峰を経由しての白髪避難小屋への尾根上には踏み跡はまったくありません。

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34 コメント

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ね、良い道だったでしょ (坊主)
2011-10-12 20:24:16
むらくもさん こんばんは。
レポお疲れ様でした。

駐車場からの取り付き後、ちょっと怪しげなところを通ったり、林道から上は薄暗くてまったく展望のない、いかにも一般受けしない道だったでしょ。でも、メインルートがオーバーユースで荒れているのに比べて歩きやすく、しかも静かで私はこっちの方が気にいりました。三嶺は人が多いから、こんどいつ行くかわかりませんが。

人間同様に老朽化した機械のうちの1つ(乾燥機)が途中でおシャカに。よそにお願いして今年はなんとか終わらせましたが、来年以降どうするか、大きな宿題が残ってしまいました。
それでも早くお山に行きたいなあ。
え~っ! (むらくも)
2011-10-12 23:02:33
乾燥機がおシャカになったって~、うわ~、買い換えるとまたお金が要るし、物入りだな~、大変。かといって、昔のようにはでかけにして天日干しっていうわけにいかんし。はでかけにして自然乾燥したお米は美味しいんだけど、農協さんは取ってくれないよな。
そういう自然農法で穫れたお米をネット販売っていうのはどうかしゃん。買ってくれるかどうか不安が大きいよな。ほんと難儀な宿題になりそうですね。
あの道は断然に歩きやすかったわ。
時間的にも名頃一般道よりも早いし、なによりも静か。
往路で若いご夫婦の方が、三嶺林道から最奥の休憩所登山口まで行って、そこからダケモミの丘まで登ってるのに出合いました。なのでそのお二人に、いい道がありますよといって、尾根道を教えてあげました。
先ず、ほとんどの方が知らないようですね。
登山口は大きな看板の直ぐ右側にあって、綺麗な木段になってるのに、なんでだろう?
一般登山道として利用されてないのが不思議な気がしました。
ごち! (つ)
2011-10-13 12:52:07
お二人にはおいしいお肉を食べさしていただいてごちそうさま。たらふくありがとう。しかも焼酎まで、いたれりつくせりでおいしく戴きました。
ザックも20Kくらい担いでるとしんどいけど慣れてきますよ。おいしいお肉はやっぱポッカしてもらわないといけません。がんばれファイト!!ご飯にふりかけじゃわびしいやん。と言う訳で軽量化計画はやめましょうね。
谷筋も雰囲気のいい感じでしたよ。最後に選んだ谷が間違いだった。一つ早かったと反省です。
お肉のためなら (佐々蓮)
2011-10-13 19:39:04
山で食べるお肉は美味しいから、ボッカするよ。
しかし、下戸だから焼酎は持たないよ、自己責任で飲みたい人が担いでね。それにザックの中でこぼれると臭くなるし。
谷はほとんど歩かなかったので、雰囲気の良い谷筋歩きたいけど、リベンジする機会はあるかな。

あの遭難は、2パーティーが合流したそうです。
尾根に迷い込まないように道標の設置が必要なのでは・・・。
え~んやこ~ら (むらくも)
2011-10-13 20:44:56
お肉のためならエーンヤコーラ!
焼酎のためならエーンヤコーラ!
山で食って飲んで歌ってエーンヤコーラー!
おかあちゃんのためならエーンヤコーラー!
も一つおまけにエーンヤコーラー!
なんだかんだ言っても、あの程度の荷物でヒーヒー言ってたんじゃあかんよ。
ボッカというからにゃ、50kgや60kgは担がんと商売あがったりや、な~んてね。
せめて、24~5kgは担がんと3泊から4泊の山歩きはできんかもな、おらはもう歳やから、そこまで考えてないけど、若いお二人、ガンバレよ、5~6日の食糧を積んで北アルプスを歩きもくらにゃ、な~(^O^)ファイトッ!
ほー、リベンジね~。
もう谷への入口は判ったので、次回行くには迷うことなくいけるぞいな、ガッツだガッツ!
幸せ (ギッチャン)
2011-10-15 21:42:02
むらくもさんこんばんは。
気心の知れた三人組、心躍るような楽しい山行記読ませていただきました。
長い距離、お疲れさまでした。

帰宅されてのピオーネさんの手料理、しみじみと幸せを実感するひとときですね~~。
”幸せは多分何気なくて、満たされた時は顔を隠す”っていう好きな曲のフレーズを思い出しました。
山を歩ける幸せ、一緒に歩く友のいる事の幸せ、待っていてくれる家族のいる幸せ・・・。
むらくもさんは幸せですね!!

また、未知の道を歩かれるのを、楽しみに待っています。
GLAY (むらくも)
2011-10-15 22:52:00
あなたを愛する喜びと
苦しみを包み込む様な生命のきらめき思うとき
誰も独りでは生きられぬ弱さが愛しくて
その手をつないだ

思い通りに行かない日々は
優しさを忘れた自分がいる
今はまだそう夢の途中と
言い聞かせては眠りについた

GLAY/be with you ですね。

こんばんは、ご無沙汰してます。
この歌、知りませんでした。
いま、You Tubeでこの歌を聴きながら書き込みしてます。
ギッチャンはお若い、わたしは若い歌手の歌はほとんど何一つ知りません。
耳を傾ける気持ちはあるのですが、速くてついていけないのです。

待ってくれている家族、ところが、最近、結構わたしの方が妻が山から帰ってくるのを待っている状態がじわじわっと増えていて、いまや完璧に逆転していますよ。

あなた待~つわ~、いつまでも待~つわ
たとえあなたが振り向いてくれなくても
待つわ~いつまでも待つわ~♪

どうも、男がこんな風に女性を家で待ってたら、キショクワル~ってなもんですよ。
やっとれませんわ。

未知の山、そして未知の道、引き付けられるいい言葉だ~、お互いにこれからもドシドシ行きましょー。
いちおうひと声入れときますが (つ)
2011-10-17 21:19:44
フスベヨリを下り、カンカケを上がって回ります。八丁小屋でテン泊予定ですが、土曜は天気が悪そうなんで行きませんよね?
イヨッ!待ってましたつーさん。 (むらくも)
2011-10-17 21:54:07
紅葉もだいぶ降りてきたみたいやな。
カンカケ、フスベヨリともに紅葉は進んでるものと想像されます。
今年はどんなかな~、もちろん、少々の雨も経験を積み重ねておかなくてはなりませんぞな。行きましょうわいわい。
ただ、ちょっと心配なのはフスベヨリの下りだわ。過般の台風でかなり荒れてて滑りやすく下り難いことない?
カンカケを下って、フスベヨリから登るってのはどんなかな?
取りあえず、予定ルート図送っておくんなまし。
出張が (佐々連)
2011-10-17 22:55:38
カンカケの紅葉は素晴らしいらしい。
八丁小屋でテン泊なら、テントを持って無くても泊まれる、行きたい・・・。
残念ながら、日曜から出張、留守番します。
でもおとなしくはしてません、土曜日は西赤石に行くもんね。
今回はHANAちゃん用心棒で行くのかしら、会いたいな~。

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