麗しの青林檎 -Marine & Silk-

AN OLD & A NEW MAC A NEW LEGEND ~だって俺、MACだもん~

三年目の浮気…(否、破局?)

2007年01月06日 | オークション
 皆様新年明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願い致します。

 さて、正月早々イキナリですが、全国数万人(くらいはいますよね)の Yosemite ユーザーの皆様に深くお詫びを申し上げますっ! ご、ごめんなさい。我が愛機、Marine こと Power Macintosh G3(因みにPower Macの呼び名は正式には G4 からなんだそうで)との付き合いも早三年目に突入という今日この頃、こともあろうに Yosemite ファンの皆様を裏切るような大それた行為をしでかしてしまいましたっ! じ、じいふぉおよんひゃくめが、えぇじぃぴぃぐらふぃっくす(そーとぅーす)を買ってしまいました…。

 そも、事の経緯はかなり前に遡りましてですね、もうかれこれ半年~一年くらいになりますでしょうか。うちの子のパワーアップも(デカいネタとしては)残すところ CPU をSONNET社のG4/1G(もしくは G4/500M)に交換するだけになったところでふと疑問が生じたんですよ。四万円近くも出して、しかもシステムバスを 66MHz に下げなくてはならないSONNETの G4/1G(註:この機種はそうなんです)を導入する意味が果たしてどれだけあるのかと。

 システムバスクロックを下げたくない、でもCPUのパワーアップをしたい、Yosemite を長く使いたい、という人にとって、別にSONNET社のG4カードにこだわらずとも PowerLogic社の G3/1.1G 等の選択肢があることはあるのですが、そーいうのを選ぶ方というのは大抵 G4 以上の別のメインマシンを所有している場合がほとんどじゃないかと思うのですよ。G3 と G4 の差というのはアルティベック(ベロシティエンジン)だとかの差だけで、iTunesにおけるCDのエンコードだとかPhotoshop のフィルタだとかそーいう「G4に特化されたアプリケーション」を使うのでない限りあまり関係ないのだと、クロック数が同じならG3でもG4でも基本は同じだと、まぁ一般には言われているのですが、実はそう単純なものでもありません。なんというか、この二年の間に「G3だとインストールさせてもらえないアプリケーション」だとか、「何故だかよくわかんないけど多分G3だから動かねぇんじゃないかなこのアプリケーション」だとか、そーいうアプリやら事象やらに出くわす時が度々あったんですね。丁度OSにおいても「Pantherで基本的に何の不都合も無いのに、最近どうもTigerでしか使えないアプリが増えて来たなぁ」みたいな、そんな感じ。Leopard においてはG3マシンは多分切られるであろうなんてこともまことしやかに言われておりますし、今後も純正・フリー問わずG4以上のシステムを要求してくるアプリは増えて行くのではないかと思われる現状では、私のようにたった一台のMacをひたすら使うという人にとってはやはり「CPUのG4化」というのは避けて通れないわけなのです(それにしても世間が既にG5を通り越してIntelがどうこうとかもしやAMDもとか言うてるこの御時世に、我ながらなんとまぁ時代遅れな文章を書いているのだろふ…)。

 さてそうなると、結局私の場合CPUのぱわーあっぷにおける選択肢は現状SONNETのG4/1Gもしくは500MHzしかありえない、とまぁそういうことだったわけです、今までは。そして今までこの現状を特別深く憂えるわけでも無く、当然のようにこの二つのうちのどちらかを買うんだろうなと考えていたわけなのです。…が、よくよく考えるとこの二つってぇのがまた非常に悩ましい選択肢なわけなんでござんすよ(何故急に江戸調に?)。

 前述した通り、1Gの場合はシステムバスを66MHzに落とさなくてはなりません。と言ってもCPUクロックが現在のG3/450MHzに比べて二倍以上に跳ね上がるわけですし、そもそも「システムバスが66MHzに下がったせいか、ファインダのきびきび感とかが多少落ちた」とかっちゅうのはおそらく他のMacを色々と使った経験のある方の御意見だと思われるんですよ。G3/450→G4/1GにずばばばばーーーんとCPU性能がアップして、しかもこれまでG3/450しか弄ったことの無い私の場合なら、おそらくそんな些細なことは全く気にならないくらいの性能アップ感が期待できます。

 しかし、CPUのクロック数という問題に対してあまり執着を感じない、という私もまたここに存在しているのでありました。他の環境を知らないからということがもちろん大きいのでしょうけど、別に今のままでもそれほど不都合を感じておらず気がついたら二年もG3のままで過ごしていたこのワタシにとって、「CPUの性能が上がってあんなことやこんなことが凄く快適になるよ」ということ自体が、それほど大きな魅力に感じないのです。更に値段も安くはなく、バスは66に…とデメリットも有り。基本に立ち返ってよくよく考えてみれば、私にとってG4化は「必須・不可避事項」になってきたものの、CPUのクロックアップそのものは必須でも不可避でもないのです。

 ここで「G4/500MHzでいいじゃん」という選択肢が妙に輝きを帯びて来ると共に、もう一つの新たなる選択肢が急浮上して参りました。それが「最近安くなって来てるし、いっそG4/AGPモデルを買ってしまおうか」です。実を言うとこの「G4/1Gカードを四万出して買うくらいならいっそG4マシンを買ってしまえ計画」はかなり早い段階で考えてはいたことだったのですが、それが俄然現実味を帯びて来たのには実は…そう、私にとってなんとも衝撃的な事件が起こったことがきっかけでした。それは去年の九月のこと…

 Elan さんがなんとたった三千円でG4/ぎがびっといーさを購入されたのでありますっ!!!

 「えぇ? 今G4ってそんなに安くなってるの?」という認識がそもそも大いなる勘違いでありました(笑)。それから割と頻繁にヤフオクをチェックするようになりましたが、やはりElanさんのケースが極めて稀 & 超幸運だっただけの話で、G4/AGPモデル以上の相場は安くても一万円前後でした。結局「う~ん、一万円出すんなら、まぁ今すぐ緊急に欲しいということもないし、また今度でいいかぁ」ということでしばらくするとG4への物欲は収まりました。

 そして先月のことです。更にもう一つ私の前に新たな選択肢が浮かび上がりました。それは、「G4/500程度で満足できるんだったら別にSONNETのものでなくてもG4/PCIモデルの純正CPUを(オクで)買ってパッチ当てて載せればええんでない?」ということ。この選択肢は「以前から知ってはいたのにちゃんと意識はしなかった」ものでした。このマシンを使い始めた頃の私はG4化=G4/1Gを買うこと、という最強至上主義(その場で可能な限りの最強スペックを求める姿勢)とでも言いますか、そんな思いがありましたのでたかだか450MHz程度にしかできない純正CPUなどたとえG4であってもどこ吹く風と興味を覚えなかったのです。それが先月辺りから急に魅力を感じるようになり、暮れ頃にはまたまたヤフオクを漁りつつ相場を調べだしました。そしたらまぁなんと、予想以上に純正のG4/PCIカードは高く、そもそもいつでも出品されているわけでもないので割と入手しにくいということが分かりました。長くなりましたが以下ここまでの経緯をまとめますと、

・SONNET社のG4/500MHzは通販での時価相場約18000円
・↑ヤフオクでの中古相場が大体10000円前後
・G4の純正CPU/ZIFカードの相場が大体10000円前後
・G4/AGPモデルの落札相場が大体10000円強

 つまり、一万円を元手に三すくみの激烈なG4争奪戦が…いや争奪も何も買うのは我一人、戦いもへったくれもありゃしないんですがそこはそれ、ホントにまぁ見事に揃いも揃って相場が同じというところがにくい。この三種類の獲物をひたすらチェックし、出品されていたら片っ端からブックマークし、値段の変動を終了時間まで見守る、そんな大晦日 & お正月三ヶ日を過ごし(笑)、遂にG4/AGPモデルの落札に成功したのが二日ほど前(一月三日)のことでございます。品目はジャンクでありますがどうもHDDが壊れているかOSがインストールされていないだけでロジックボードが壊れているわけでもなさそうでしたしメモリもそこそこついていてしかもまぁまぁの美品らしい。しかも念願のG4 CPUなわけで、狙っていた三種の中ではもっとも上物と言えるでしょう。それに最近パソコン講座を聴講しに行ったりしてちょびっとばかしITなるものに興味を示し始めているうちのオヤジ殿に、(OSとHDDを新たにぶち込めば)今使っているG3マシンをプレゼントしてやることもできましょう。…と、まぁここまではよかったのです。

 さてさて、話が長いのはいつものことなのですが毎度お馴染みここまでが枕、前置きなのでありまして、ここからが本題です(爆)。落札後、色々とG4マシンについて調べたりしていると、不思議なことに軽く罪悪感というか自責の念が沸いて来ました。このブログのタイトルは「麗しの青林檎」でありまして、Marine と名付けたクリスタルブルーの外観が美しいPower Macintoshをこよなく愛し崇め奉るという主旨の元に運営されているわけですが(そうだったのか?)、ではそのMarineをMarine足らしめているものは一体何なのでしょう? これには色々な要素がからみます。ポリタンク型のPower Macintosh であること、色がクリスタルブルーであること、Yosemiteという通り名のロジックボードが搭載されたマシンであること…側面にでっかく「G3」と書かれたオバカっぽさも捨て難い要素かもしれません。しかし、少なくとも「YosemiteをYosemite足らしめているもの」はそのロジックボードに他なりません。

 マシン(パーソナルコンピュータ)に愛着を持つ人にとって、その擬人化の対象は一体どの部分に向けられたものなのか。おそらく大多数の人にとってそれは外観かメインメカニズムかのどちらかにでありましょう。そして、マシンの中を弄くってパーツを増設したりだのなんだのをする人の多くはおそらく、それをロジックボードに求めるのではないでしょうか。

 私はこれまで、例えG4マシンを手にいれても、今までにG3に増設してきたパーツを移植し外観をすげ替えることでいけしゃあしゃあと「マリン二号機」だとか「新生マリン」だとかほざく気でおりました。私にとってMarineをMarine足らしめているものはYosemiteロジックではない、と思っておりました。それはかなりの主要素ではあるものの、決して「Marine=Yosemite」ではないと。しかし、G4/AGPを落札した後のこのなんともいえない寂寥感や罪悪感は一体なんなのでしょう。かなりの安値で入手できたおニューのマシンにもっとわくわくしてもいいはずなのに、罪悪感とわくわく感の割合は7:3くらいです。そして、私はこのPower Macintosh G3 というマシン、その主要素であるYosemite ボードにつくづく惚れ込んでいたのだなぁと今更ながら思い知りました。否、惚れていたというのとはちょっと違う気もしますが、なんせこのマシンを手に入れてからというもの、今は亡きYUGをはじめElanさんやはまちさんのサイト等とにかくG3/B&Wに関する情報が載っているサイトやブログや掲示板をチェックしまくり、このマシン、このロジックに関する知識「だけ」をひたすら吸収していたために、その過程においていつの間にやらその知識自体に対する愛着が生まれていたのでありましょうか、その知識を必要としないものをこれから扱うということからこの奇妙な淋しさが生まれるのでありましょうか、なんだか非常に不可思議な気分です。結局、システムバスを66MHzにしなきゃいかんだのメモリスロットをいっぱいにすると不具合が起きやすいだのKag1チップはHDD増設時にトラブルを招くだのといったこのマシンの特徴・欠点の全てひっくるめて「好き」になってたということなんでしょうね。今はもう、「G4/1Gだとバスを66にしなきゃいかんのがイヤだなぁ」等ということにこだわっていた自分がなんだか馬鹿みたいな気すらします。そのなんとも悩ましい欠点がYosemiteの特徴であり、つまりはMarineのお茶目っぷりであると言え、今だに旧マシンを弄る人スペック至上主義ではない人にとってそれはある意味「魅力」の一つとも言えるのです。元よりG5だのMacProだのというハイスペックマシンに興味の無い身の上であればいっそのこと、欠点も不具合も全て飲み込んだ上でこのマシン「だけ」をどれだけ長く使い続けられるかに挑戦してみればよかったかな…と、そんな後悔の念がちょびっと沸いて来たのでありました(あぁ長かった)。

 G4を買ったからといって別にG3を売り飛ばそうということでもないのならそんなに寂しがらなくてもいいじゃんかと言う声が聞こえて来そうですが、イヤほんとマジで、オヤジにやるのは思いとどまろうかなぁ(笑)。なんだか手塩にかけて育てた娘が親戚のおじさんに嫁ぐくらいの心境です(爆)。

 落札したG4/AGPモデルは明日、届きます。

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2 コメント

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G3でしたか (あくあ)
2007-01-06 11:35:24
自分はiMacG5からのユーザーなので
インテルに移行している時期にG3にこだわっていた事
とても尊敬します。
Macユーザーってそういうところありますよね。
自分もG5を大切にしていこうと思います。
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あけましておめでとうございます (SeireiK)
2007-01-08 00:36:49
あくあさんこんばんは。新年初コメントありがとうございます。

あ、いやいや、こだわっているというか、単にお金が無いだけかも、あ、あはは…(汗)。
ただ、やっぱりロジック「も」含めてこのマシンには愛着があるんですよねー。人生初Macですし。
外装だけ生かして古Macを金魚鉢やビールサーバーにしたりする人も(外国に多く)いますからねぇ。やはり皆さんデザインが好きだったり愛着があったりなんでしょうね。
うちは外装を移植してただ今ドレスアップ中です^^。
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