麗しの青林檎 -Marine & Silk-

AN OLD & A NEW MAC A NEW LEGEND ~だって俺、MACだもん~

Shiiraの起動を速くする方法

2007年08月25日 | Safari・Shiira
(あ、最初に断っておきますが正確に言うと「速く」ではなく「遅くなった起動速度を本来の状態に戻す」方法ですのでご了承下さい。また、ここでいうShiiraとはバージョン1.2.3のことです)

 「(うちの環境では)Shiiraの起動速度が遅い」という話はこのブログで何度も述べて参りましたが、これは多分私だけの問題なんじゃなかろうかとも常々思っていたんですね。そうでなければ「シイラは起動が遅い」ともっとあちこちで言われるはずだし、開発者のmkinoさんも捨て置くはずが無いだろうと。ということで今更ですが検証してみました。

 先日「Demeter」というシイラの姉妹的なブラウザを使ってみた結果、ブックマークの溜め込みと起動速度には因果関係が無さそうだということが判明しました。ということで次に怪しいのはファビコンキャッシュです。「SafariのファビコンキャッシュをクリアするとSafariの表示速度が上がる」と以前mutaさんのところ(muta's mac scribbling 07年3月29日)で読んだことがあり、表示速度があがるなら起動速度も上がるのではと考えたわけです。私はメンテナンスソフトとして Cashe Out X を使っており、Safariのファビコンならこのアプリで削除することが可能です。しかしシイラの場合このようなメンテナンスソフトには対応しておらず、Safariのファビコンを削除したからといってシイラのファビコンも消えるということはありません。シイラとSafariのファビコン管理はそれぞれ独立しているようでした。

 ということで「ファビコンキャッシュのクリアをすれば起動が速くなるんじゃなかろうか」とは思っていたものの、シイラのファビコン管理方法や削除方法がわからずじまいだったのでこれまでずっとそのままにしていたわけです。しかし先ほど「とりあえず(Cashe Out X を使わない)Safariのファビコンの削除方法を調べてみるか」と思い前述のmutaさんの記事を確認したところ、Safariのファビコンは "~/Library/Safari/Icons/" にあることがわかりました。Safariのファビコンを手動で削除できるのであれば同様の方法でシイラのファビコンを削除すればいいわけです。

 …ところがシイラの場合、"~/Library/Shiira/Icons/" の中身はファビコンではなくその名の通りアイコンセットなのです。ツールバーのカスタマイズの楽しさもシイラの魅力の一つということでご多分に漏れず私はアイコンセットを色々と詰め込んではおりましたが、しかしこれを削除することで起動が速くなるとも思えません。そこで「Icons」フォルダ以外に目を向けてみました。そうすると、そのものズバリ「Favicons」というフォルダがあるじゃありませんか。

 早速「Favicons」の中を見てみると…datファイルが560項目もありました(驚)。容量は1.7MB(ディスク占有サイズは3.2MB)ということであまりたいしたことはありませんが、とりあえずこれを削除してみることに。…ゴミ箱に移動する途中でファインダがフリーズしました(涙)。しかし、560項目もあるdatファイルを削除してみても一向に起動が速くなる気配はありません。というより捨てたはずのファビコンが、シイラを起動しても消えておりません(!)。うぬぬ。ひとまず捨てた560ファイルをゴミ箱から「Favicons」フォルダに戻します。

 あまり記憶がありませんが実は、おそらくここまでのことは以前にも試したことがあったんだと思います。で、「Favicons」と書いてあるフォルダの中身を削除してもダメなんだからダメなんだろう、と思ってこれまでは諦めていたんですね。しかし今日はもうちょっと突っ込んで「IconDatabase」というフォルダにも目を向けてみました。中を見てみると…おぉ、さっき見た "~/Library/Safari/Icons/" の中身によく似ているじゃないですか! ということでこれを削除してシイラを起動…

 やりましたっ! Dockバウンド4回でシイラが起動しました! これまでは起動にDockバウンド40回以上(多いときは50回台)でしたので1/10以下の時間です。因みにほとんど使っていないFirefoxの起動は(今試してみたところ)13回。やはりシイラの本来の実力はかなりなものだったのです。というわけで長々と書いて参りましたがハイ、ここで結論。 "~/Library/Shiira/IconDatabase/"内のファイルを削除すればシイラの起動速度は元に戻ります。遅くなっていた方は自己責任でお試し下さい。因みに私の場合、削除したファイルの容量は16.2MBありました。過去ログを振り返るとシイラを使い始めたのは05年02月…まだバージョンは0.いくつか、アプリアイコンが不気味な(失礼)ギョロ目の緑魚だった時代からです。そりゃ溜まるわけだわなぁ。

 …っと、起動が速くなるのはいいんですがここでちょっと問題が。せっかくDemeterに移行しかけていたのに…というのもそうですがもう一つ。実は私、膨大なブックマークリストを「なんとなくファビコンの位置で把握」しながら巡回サイトさんを巡っていたんですよね…。ファビコンっていうか、ファビコンの「なんとなくの色合いの固まり」ですね。「なんかファビコンの色合いがこんな感じで固まってたところの近くに誰それさんのサイトがあった」っちゅう認識でもってブックマークを脳内整理していたわけです。これが一切無くなってしまうとなるとしばらくの間ちょっと不便かも…。でも今更ブックマークをフォルダ分けとかして整理するとそれはそれでどの辺りにどのサイトがあったかわかんなくなるんだよなぁ。ううむ。

またまた肩すかし…

2007年08月10日 | NEWS!
 新しい iMac・キーボード・iLife についての雑感。なんだか新製品が出るたびに毎回それを否定しているような当ブログですが、古いもんにばかり想いを寄せて新しいものを受け付ける柔軟性が無い狭量な人に思われるのも癪なので最近では自分の好みでない新製品が出てもいちいちそれについて言及したりせず華麗にスルーしていました(単に怠けて更新しないだけとも言う)。でもまぁ、今回は頑張ってちょっと言ってみようかな、と。あくまで自分の心に正直に、イヤなものはイヤ、と発言したいというだけですので「Apple製品が貶されるのは見るに(聞くに)耐えない」という方は以下を読まれる前にどうぞお引き取り下さい。
 もちろん否定のための否定をしているわけではなく、私の心の琴線に触れるようなものであれば当然褒めちぎりたいのです。いや、ホント、たまたまこの発表の時リアルタイムで起きてたんで、もし私好みの新製品だったなら速攻で記事書いてたんですよ。でも琴線というより逆鱗に触れる(←これはまぁちょっと大げさですが)ようなものだったので、(もとよりうちはホットなネタを取り上げることはほとんど無いブログなので)一時の感情にまかせて勢いであれこれ書き散らす前にちょっと静観することにし、他の方の意見を色々と見たりしておりました。しかしやはり初見で感じた印象はそれほど変わりませんでした。

 さて、前置きはこのくらいにしてiMacです。噂どおり薄くなり、アルミボディになりました。これだけなら私も喝采していたところです。しかし、17インチモデルが消えてしまいました。これは個人的にはかなり哀しいことです。まぁ私が新品のiMacを買う可能性はほとんど無いのですが(苦笑)、もし買うとすれば17インチが欲しいんですよね。いや、安いからってわけじゃなく(笑)。でっかいモニターを使ったことが無いので実際にはわかりませんが、店頭で20インチのiMacを見たりすると、あまり大きすぎるのは見づらい気がしてしまうんです。住宅事情のこと等も考えると17インチの需要ってのはあったんじゃないか、でかけりゃいいってもんでもないだろう、と思います。

 でもって例の「アゴ(あるいはベロ)」なんですが、一目見た瞬間「あれ? 細く(小さく)なったんじゃなくて画面の方がでかくなったんじゃないの?」と思いました。…と、そこで気づいたのがあのモニターの黒い枠。あれで錯覚させてるだけで実は画面とその下部の長さは変わってないんじゃないの? と思ったんですが実物を照らし合わせてみないことにはわかりませんでした。しかしそう思っていたところへ折よく「iPod nano なの」のしゅん爺さんが検証してくださいまして、やはり下部の長さ自体は変わっていない(らしい)ことが判明しました。当初は「こんなの詐欺じゃねぇか!」とすら思いましたが、考えてみればAppleは別に「今度のiMacではアゴの部分が短くなるよ」なんて一言もアナウンスしていないわけです。「アルミボディになる」「薄くなる」「アゴが短くなる」というのは主に海外の噂サイトからもたらされる情報というだけで、アゴが短くならなかったからといってAppleに怒るのもお門違いだなぁとちょっと反省。

 また、あの黒縁についても初めて見たときは違和感ありまくりでしたが(余談ですが個人的に今度のiMacの愛称は「くろぶち君」で決まりです)、見慣れればいいのかもしれない、というのと「あれがいい、かっこいい」という意見もあるでしょうからそこについてはあまり目くじらを立てるのはやめようと思います。…が、個人的には「あの黒縁さえ無ければ文句無しなのになぁ」というところ。それから先の17インチの話に絡みますが、従来の白バージョンも残しておいて欲しかったです。17インチのiMacを白色にして残しておけばMacBookのように色による選択も可能で、今回の銀バージョンや黒縁が嫌いな人に需要があるわけです。新製品が出るたびに旧モデルが姿を消す(だから欲しいものは欲しいうちに買わねばならない)というのはPC業界の常ではありますが、毎回思うのは「瞬間的に変わるんじゃなくて、移行期(猶予)が欲しいよなぁ」ということ。私は勝ち組だの負け犬だのという言い方はあまり好きではありませんが、iMacがアルミボディに変わる直前のこの絶妙のタイミングで白iMacを購入した渡香奈さんはある意味勝利者だと思います。

 
 さて、次はキーボードですが…なんですかあれは。もう心底がっかりです。デジイチ最新情報さんでも以前このキーボードの流出写真について「カッコよくない」と評されていましたが、私もまさかこんなキーボードが本当に採用されるとは思いませんでした。カッコ良い悪いは主観なのでそこを評価するのは難しいところですが、まずあの薄さと高さは非常に打ちづらそうに思えます。ノートブックならともかく、デスクトップのキーボードが薄い意義が果たしてどこにあるんでしょうか。ワイヤレスなら膝の上に置いて入力…ということも考えられますがそうするとあの丸い部分が邪魔になって打ちづらそうですし、ワイヤードの方の高さは膝に載せるのに丁度いい感じもしますがいかんせんワイヤードなので膝に載せたらそもそもケーブルが邪魔です。個人的にはデスクトップキーボードはある程度の高さが無いと絶対打ちにくいと思うので、あのキーボードを使うのであれば私は何か台状のものの上に乗せるでしょう。あぁ本末転倒。大丈夫かジョブズ? 
 それでもあえてあのキーボードを擁護するとしたら、まずキータッチがMacBookと同じ感じらしいのでiMacとMacBookを両方使う人にとっては操作感が統一されるのはいいかもしれません(iMacとMacBookを両方使う人がそれほど多数だとは思えませんが…)。また、キータッチについても個人差がある上に私はあのキーボードをまだ触っていませんので、触って(使って)みた結果これまでのものより打ちやすいと感じたらそれは素直に評価したいと思います。それからこれまでのキーボードはゴミが溜まりやすく、クリアボディのためにゴミが目立つという欠点があったようで、この点についてはNEWキーボードに分がありそうです。
 次に値段ですが、これが微妙に高い…。先の「デジイチ最新情報」さんの記事でも言われていましたが、私もこれまでのキーボードの気品溢れる美しさが大好きでした。値段もお手頃なのでそのうち買おうと思っていた矢先のこのモデルチェンジ…Amazonか店頭在庫を探します…とほほ。これまでのキーボードは確か発売当初はもっと高額で、現在(というか現在はもうモデルチェンジしてしまったのだけど数日前まで)の三千円台(3800円でしたっけ?)になったのはしばらく経ってからだったと思います。なのでこのNEWキーボードも後日値が下がる可能性はありますが、これまでのキーボードは「こんなにエレガントなのにこの安さ!」みたいなところもウリだった気がしますので、ワイヤードでも6000円台というのは、よほどあのデザインや薄さが好きでキータッチが自分好みという人でないと新規購入はちょっとツライと思います。このキーボードを買うなら、個人的には従来のキーボードを二つ買って一個を予備用兼観賞用(笑)として取っておきたいくらいです。
 また、これはちょっと余談に近いんですが、「Mac日記の日々」さんでも言われていたように私も一瞬ワイヤレスキーボードの写真を見て「パワーキー復活?」と思いました。私は現在Power Mac G4 付属のキーボードを使っているので問題は無いんですが、パワーキーの無いキーボードというのはちょっと寂しいんですよね。出来れば復活して欲しい機能です。

 さて、長々と書いてきましたがまだあります(まだあるんかい)。一番がっかりしたのは、これが「薄いという以外に一般のキーボードとなんら変わったところが無い」ということです。先月少し紹介させて頂きましたが、NEWキーボードにはクリックホイール式入力ユニットが搭載されるなんていう噂があったので、マルチタッチ風の操作が可能になっているキーボードが発売されるんじゃないかと個人的に非常にわくわくしておりました。それが見事に肩すかしを喰らったカタチとなったわけで、噂に振り回される自分が悪いっちゃあ悪いんですが、私は「噂以上の凄いモノ」を常に新製品に(Apple・ジョブズに)期待しているんですよね。最近は噂サイトの信頼性が非常に高いこともあってか大抵はいつも想定の範囲内のものしか発表されないので、「こんなの想像だにしなかった!」という製品をとにかく見てみたい、と過度の期待をしてしまいます。
 キーボードに関しては以上ですが、しかしキーボードが従来のものと機能的にほとんど変わらなかったことをよくよく考えてみれば、またこのタイミングでキーボードがリニューアルされたということを考えれば、Leopardの発表と同時に新しいマウスが発売される可能性と、そのマウスは表面全体をセンサー化されたものである(上記の先月の記事参照)可能性がある、ということです。もっともこれは私がハナっから「Leopardはマルチタッチオペレーションに対応したOSになるはずだ」と決めつけているせいもありますが、二ヶ月後にまた新たなキーボードが出ることはまずありえないので、今度こそ超クールで度肝を抜く様な機能のマウスを期待したいと思います。

 iLifeについてもざっと。iLifeにも本当にがっかりです。iLifeというかiMovieですね。「Intelプロセッサまたは、Power Mac G5 (dual 2.0GHz以上)、iMac G5(1.9GHz以上)が必要」というのはいくらなんでも要求スペックが高すぎるのではないでしょうか。OSXがバージョンを重ねる度に軽くなっていくように iLife までバージョンを重ねるごとに軽くなっていってしまったら、新しいMacを購入する人は減ってしまうでしょう。だからある程度のスペックを強いるのは仕方ないと言えば仕方ないんですが、「ハードの高スペックを要求する」という方向性はMac(Apple)には出来るだけ避けてもらいたいというか、これではあまりWindows Vistaのことを笑えないなぁ、というのが残念です(苦笑)。結局iLifeは「新しいMacを買った時についてくるソフト」であって、すなわち「新しいMacでないと充分に使えないソフト」、「新規購入して古いMacにインストールして使うようなものではない」という認識が(私の中で)はっきりしました。私が今後iLifeを単体で買うことは絶対無いと思います。
 
 最後に、今回の発表で個人的によかったなと思える点。まずiWorkですが、NumbersがExcelに対するキラーソフトになりそうなので、(Windowsのシェアが下がるかもという点で)これはちょっと嬉しいニュースではあります。それからなんと言ってもMac mini!捨てられるどころかスペックがあがりました(嬉涙)。まだ見捨てられていなかったというだけで万々歳です。それに、以前唐突にiPod shuffleにカラーバリエーションが出たことを考えると、ここらでそろそろMac miniにもカラバリが来そうなタイミングではないかと(まだ言うか)。新iMacについては、「黒縁が無く、キーボードがアレじゃなかったら買い」です。あーだこーだ散々言いましたが、アルミボディと前面の黒林檎はカッコいいと思います。個人的にあの黒縁はやたら気になるというか、アゴなんて長いままでもいいからもう少し縁が細ければよかったのにと思いますが、しかしあの薄さはお見事です。「たのしい検索・ゆかいな検索」さんで以前「ノートPCを使っていた人がデスクトップマシンの本体の存在を知らなかった」という笑い話を読んだんですが、iMacがここまで洗練されてきた現在ではこれはもう笑い話ではありませんね。

 さて、Leopard発売に伴い超凄い新製品の発表は果たしてあるのか? 懲りもせず(苦笑)二ヶ月後に期待しまくりです。


<追記>
 これだけボロクソに言っていたキーボードですが、なんと買ってしまいました。しかも打ちやすくて超お気に入りです。まったくもって前言撤回でございます。素晴らしいです、えぇ。

シイラの軽量版、Demeter!

2007年08月04日 | Safari・Shiira
 「Mac日記の日々」さんにて、Shiiraの改良バージョン「Demeter」なるものがあることを知りました。早速試してみましたが、いやぁこれは素晴らしい!!!

 このブログを以前からご覧頂いている方はご存知だと思いますが、私は「Shiira(1.2.3)」というWebブラウザを愛用しております。途中でSafariをメインにしようかなと思ったりもしたんですが、あまりにも「体が馴染んで」しまったので最近ではもう他のブラウザに乗り換えることは考えられなくなりました(因みに、今だにOSがPantherなのでShiira2は試すことが出来ないんですが、使えたとしてもShiira1.x系を愛用する可能性大です)。そんなShiiraなんですがほとんど唯一にして、しかし最大の不満点と言えるのが起動の遅さ。

 Panther + G4/400 + ATA133カード + 7200回転8MバッファHDD + Radeon9200/PCI + メモリ704M、といううちの環境下における、ブラウザの起動時間は…

・Safari…Dockで2~3バウンド

・Shiira…Dockで50バウンド以上

 ということで、Safariがぶっちぎり一位、Shiiraがぶっちぎりで最下位なんです。因みにOperaもかなり起動が遅いんですが、一度起動してしまえば(当環境下では)Webページ表示速度が体感的に一番早いのがOperaです。なお、これはあくまで当環境下における起動速度であり、Shiiraをメインに毎日使い続けていることによる弊害が何かしらあるためにこんなに遅くなっている可能性があるので(後述)、この文章を読んで短絡的に「Shiira=起動が遅いブラウザ」という評価を下すことは早計であろうと、その点は申し添えておきます。

<追記>
 やはり起動の遅さは長年使っていることによるファビコンキャッシュの溜め込みのせいでした。キャッシュを捨てた現在ではドックで4回程度のバウンドで起動します


 さて、じゃあ「Demeter」はどうかといいますと…なんとSafariと同じく2~3バウンドで起動します。早い! まるでCPUの速度が二倍になったかのようなこの早さ。Webページ表示速度もメニューバーの挙動もShiiraより若干軽めな気がします。とにかくShiiraと比べると圧倒的に軽さに重点が置かれているようです。

 先ほど述べましたが、Shiiraは当環境下では使っているうちにどんどん重くなってきました。ちょっと前までは起動速度はDockで35バウンド程度でした。更にその前はもっと短時間で起動しました。キャッシュは毎回捨てる設定にしており、履歴は一週間で消えますので、重くなる原因としては「ブックマークの溜め過ぎ」か「それに伴うファビコンの溜め過ぎ」が考えられるのではないかと思っていました。しかしこの「Demeter」は起動時にSafariとShiiraのブックマークを読み込む設定にしていてもやはり3バウンドで立ち上がりますので、ブックマークを溜め込むことで起動が遅くなるという可能性は(私の中で)やや薄まってきました。となると残るはファビコンキャッシュですが、ファビコンについてはShiiraのものを読み込むようにはなっておらず、「Demeter」的にはまっさらな状態ですので、もう少し使い込んでみてサイドバー内のファビコンが増えるに従って起動が遅くなって行くかどうか検証してみたいと思います。

 以上、「軽い」「サクランボのアイコンがカワイイ」がウリの「Demeter」ですが、不満点もないわけじゃありません。まず、日本語リソースが無いという点ですね。これはShiiraを右クリックし「パッケージの内容を表示」して中の「Japanese.lproj」フォルダを移せばいいのではないかと考えて試してみたところ、一応日本語化はできました。問題は、アプリケーション名(Dockにマウスポインタを置いた時に出る表示や、メニューバーの林檎マーク横の表示)がDemeterでなく「シイラ」になってしまうこと(苦笑)、それに伴って「Demeterについて」が「シイラについて」となってしまったりすることです。

 第二の不満は、サイドバー内の背景色が青色になっていてこれを環境設定等から変えられないことだったんですが、上記の「Japanese.lproj」を移植することでこれも直り(Shiiraと同じ見た目になり)ます。

 その他些細な問題としては、ブックマークの表示順序が「Safariのブックマーク」の下に「Shiiraのブックマーク」となっているためこれまでShiiraを使っていた人は若干戸惑う(Shiiraでは「Safariのブックマーク」は下にある)ということ、ツールバーアイコンの種類が少ない、等がありますが、前者は慣れの問題ですし後者は多分Shiiraのものを移植可能なはずです。また、先ほど述べた「Japanese.lproj」フォルダを移すことによる不具合に関してですが、「Japanese.lproj」を全て移すのではなく中のファイルを適宜取捨選択することで回避できるかもしれません(これはまた折りをみて試してみたいと思います)。とにかく、シイラに慣れた私にとっては「ほとんどシイラと同じ感覚で使える」というのは非常に有り難いことであります。

 書き忘れましたが、Demeterを使うメリットとしては「偽装できるUA(ユーザー・エージェント)がShiiraよりはるかに多い」ということもあります(Vista/IE7も選ぶことも可能)。また、これは私の環境下だけかもしれませんが、ShiiraでUAをWindowsにするとかなりの頻度でブラウザが落ちるためUAは実質シイラかSafariにしかできませんでした。DemeterのUA偽装機能を使ってもブラウザが落ちないようであれば、これもShiiraに対するアドバンテージと言えます。

 さて、ここまでかなり「Demeter」を褒めちぎって参りましたが、まだちょっと試しただけで使い倒したというには程遠いため、もうしばらくShiiraと併用しつつ様子を見ることになりそうです。また、Demeterがかなりな好感触とは言え、今までShiiraに散々お世話になってきた身としてはブラウザの乗り換えというのは正直かなり後ろ髪を引かれます。シイラは起動に時間がかかることくらいしか大きな不満は無く、一度起動してしまえば問題は無かったわけです。また、開発者のmkinoさんについては(インタビューや日記等で)その顔や声や人となりというものを(一方的にですが)存じ上げており、義理人情的に他のブラウザを使うのが心苦しかったりもします。しかし、「Demeter」の場合はそもそも開発ベースがShiira1.x系のため、あまり「裏切って他のブラウザに乗り換えた」感がありません(苦笑)。また、mkinoさんはShiira2.x系をはじめとするアプリ開発に加えて更に本の執筆、Cocoaプログラミングのセミナー等々とにかく御多忙なお方であり、しかもmkinoさんにとってのWebアプリケーション開発というのは「最新の技術をバンバン使う」という方向性があるようなのです。そんなmkinoさんに対し「もっと軽いShiiraを作って!」と期待すること、ブラウザ開発のベクトルを「最新の技術を使う」から「徹底的に軽さを追求すること」へと向けさせるのは心情的に酷な気がしてしまうわけです。おそらくmkinoさんだって体が二つあれば「とにかく軽いシイラ」という方向性での開発もやりたいに違いありません。

 …と、まぁこんな小理屈をつらつらと並べることでShiiraからDemeterへとスイッチする罪悪感というのが多少なりとも薄まります(苦笑)。DemeterはあくまでShiiraプロジェクトから派生したブラウザなのですから、「別にシイラを見捨てたわけじゃないぞっ!」と言い聞かせつつDemeterをしばらく使って行こうと思います。

#「Demeter」の使用、及び「Japanese.lproj」フォルダの移植等を試される場合はくれぐれも自己責任でお願い致します。