1次予選を3勝1敗ながら勝ち抜けなかった日本代表ですが、「最強の敗者」と世界から賞賛され、昨日「凱旋」帰国しました。
ラグビー好きの私でさえ、4年前、ラグビーW杯をやっていたのかどうかすら記憶にないくらいです。当然、その時は凱旋ではなかったですし、国民が拍手で迎えることはなかったでしょうし、選手たちもそうした反応は分かっていたはずです。
それが、昨日は約500人のファンと100人の報道陣が空港に詰めかけたそうです。それを見る選手たちも、自分たちが成し遂げたことを改めて実感していたようです。本当に苦しい練習が実を結んで良かったと思いますし、練習は裏切らないということだと思います。
私自身ラグビーは大好きで、今回のW杯で増えた俄かラグビーファンの素人よりは多少は知っているつもりです。というのも、私の高校では、体育でラグビーをやる伝統があったからです(今はなくなってしまったと聞き残念でなりません)。1セン飛ばし、2セン飛ばし(1人目、2人目のセンターを飛ばしてパスすること)、菅平(カンペイ)(センターの間にフルバックが入ってくること)などのサインも駆使し、全校あげてクラス対抗のラグビー大会で盛り上がっていました。そんなことから、これまでも大学ラグビー中心に注目していましたが、日本代表はなかなか勝てないのが実態だったので、期待していなかったのが本当のところです。それが今回は、この大活躍です。
五郎丸選手が、初戦の南アフリカ戦後、外国出身選手について言及したことから、日本国内では、所謂「純血主義」のような意見が根強かったということが分かりますが、大切なのは、外国出身選手がいるかいないかだけではなく(もちろんいた方が強くなると思いますが)、どういうチームを作るかでしょう。
結果を出せなかった過去のチームにも、結果を出した今回のチームにも、外国出身選手は同じくらいいましたが、今回のチームが多くの人の心を掴み、空港で多くの出迎えを受けたのは、決して勝ったからということだけではないと思います。外国出身選手だろうが、日本人だろうが、日本代表として、同じ目標に向かって、規律をもって献身的に戦い、見る人の心を打ったからだと思います。
ただの素人よりは多少ラグビーを知っている私でも、この日本代表で知っていたのは、五郎丸、田中、大野くらいでした。しかし、W杯のたった4試合を通して、畠山、堀江、稲垣、リーチ、トンプソン、ブロードハースト、アイブスジャスティン、ツイヘンドリックス、ホラニ、マフィー、小野、日和佐、立川、マレサウ、松島、山田など多くの選手を覚えましたし、ボールに触れる機会の多いFWの献身的なプレーは本当に心打たれました。
本気でベスト8を目指して、過酷な練習に耐え、試合でも献身的なハードワークをした姿が、多くのファンの心を打ったのだと思います。それを見る側に、外国出身選手だから、日本人だからという気持ちはありませんでした。
金で選手を買ってくるようなことはどうかと思いますが、普通に日本でプレーをして、日本代表を選び、心を一つにして同じ目標に向かってチームづくりをすれば、純血主義にこだわる必要はないと思います。国民の盛り上がり方はそれを証明していますし、ラグビー関係者の中でも、純血主義だったと思われる清宮氏の発言などでも、修正が見られるようです。
この盛り上がった気運を、日本開催のW杯につなげてほしいですね。ついでに言うと、野球もこれを見習って、もっと底辺拡大にがんばってほしいですね。