私のライバルという意味ではなくて、プロ野球の世界の話です。もっとも有名なライバル関係といえば、ONコンビとして知られる王選手と長嶋選手でしょう。選手時代だけではなく、監督となってからも常に二人いっしょに注目される存在でしたが、インタビューなどで王監督がたびたび語っているように、「仲良しではなく、かといって仲が悪いわけではなく、何と表現すればいいか分からないが、二人だけにしか分からないものがある関係」がライバルなのでしょう。王監督の親友は、親戚の菓子店のCMにも出演したことでも有名な国松選手ですが、長嶋選手とは一緒に行動することはほとんどなかったといいます。それでも、親友以上に特別な関係、それがライバルなのでしょう。
過去から強いチームには、チーム内にライバルがいたように思います。王と長嶋、村山と江夏、山本と衣笠、清原と秋山、江川と西本、小久保と松中などなど。ライバル関係にあげられる二人が同じ意識かどうかは分かりませんが、少なくとも、一方がもう一人を意識し、追いかけることで、競い合う関係になることが多いようです。こうした関係を一言で表すと「目標」と言えるのではないでしょうか。何をするにも目標は大切で、当然スポーツでも、目標をもって取り組むのが大切なのは言うまでもありません。自分の苦手なことは○○なので、いつまでにどうやってこれを出来るようにするか、目標をもってやらなければ、いくら練習してもうまくはなりません。そうはいってもなかなかうまく出来ないときもあるので、コーチなども必要になるわけです。そんなときに、自分の身近に「目標」になる存在がいると、非常にいい刺激になるわけです。王と長嶋レベルになると、そういうもの以上の「何かがあるのでしょうが、一般的にはライバルとはそういう存在でしょう。
これは、少年野球だって同じことです。というより、まだまだ遊びの域を出ない子どもの方が自分自身で目標の設定が難しいと言えるでしょう。だから、チーム内で目標とする選手を見つけ、その選手のように出来るようになるにはどうしたらいいかを意識するのが、上達の早道だと思います。チーム内にそういう存在がいなければ、ライバルチームの選手でも構いません。とにかく、身近にそういう存在を意識することで、上達につながると思います。ドラゴンズ諸君も、是非自分のライバルを見つけて、少しでも上のレベルを目指して頑張ってください。