風に吹かれて旅ごころ

はんなり旅を楽しむはずが、気づけばいつも珍道中。

今年の花火は浦安で

2017-09-07 | 千葉
● prologue ● 初めての新浦安 ● だんらんスペース
● 海の向こうは幕張 ● 雨が気がかり ● ディナータイム 
● 万願寺唐辛子 ● マーブルド・ビーフ ● ルームシャンパン
● 花火のじかん ● トークは続く ● epilogue
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● prologue

ふだん旅に出ると、うろうろと辺りを動き回るタイプですが、たまには一カ所に滞在した時の話を。

毎年8月1日に花火が上がっていた横浜。
仲良しのルナちゃんが、海沿いのホテルの花火の見える部屋に、誕生日祝いとしてご招待してくれていました。
年に1度の贅沢なひと時でしたが、観客が増えすぎて交通面の問題が大きくなったとの理由で、とうとう今年から花火大会は中止となってしまいました。

横浜の花火がなくなってしまい、かなりしょげていたところに、ルナちゃんがお誘いをかけてくれました。
「今年は新浦安になってもいーい?」

新浦安の花火!見たことありません。ディズニーランドで毎晩上がっているものとは別なんですよね。
ぜひに!と、お願いしました。

● 初めての新浦安

7月29日当日、ホテルのロビーで落ち合います。
新浦安って、東京からだとそんなに遠くありませんが、横浜からだと近いようで遠い場所。
私鉄→メトロ→JRと乗り継いで、1時間半ほどかけて向かいました。
この日は隅田川花火大会も行われるため、町は浴衣姿の人でいっぱい。
混雑を避けようと早目に出たつもりが、昼過ぎにしてすでに電車の中は花火客で混んでいます。
荒川を超え、葛西の観覧車を眺めて江戸川を越え、ディズニーリゾートとイクスピアリが見えてくると、もう新浦安。
初めて降りる駅です。


浦安ブライトンホテル東京ベイ


ホテルは駅の向かいにありました。
なんとなく雲が厚い曇りの日ですが、ロビーは南欧風のリゾートテラスになっており、天井の大きな丸ドームから明るい光が入ってきます。



● だんらんスペース

ルナちゃんと会い、ホテルマンに部屋に案内してもらいました。
「こちらになります、どうぞお入りください」
「わあ、すてき・・・!」
思わず声が上がりました。
大きな窓で広さのあるルーム・だんらん。部屋半分は、上がりかまちのあるフローリングスペースになっています。



スリッパを脱いで床に座ると、くつろげるわ~。

● 海の向こうは幕張

窓の下には新浦安駅が見え、長い車両の電車がゆっくり通っていきます。
ちょっと窓に水滴がついています。



海はすぐそば。海上から花火が上がるのでしょうけれど、土地勘がないため、窓の外に見えている光景がどこなのか、よくわかりません。
「海の向こうに見えるビル群って、どの辺りなんだろう?」
「東京かな?千葉かな?」
地図で調べてみると、どうやら幕張のようでした。



● 雨が気がかり

フットマッサージャーもあり、とってもくつろげる部屋。
ただ、時々ぽつぽつと点滴が窓につきます。
「雨が降ってきたのかな・・・」
「でもきっと晴れるよ」

水滴はほどなくして消えますが、気が付くとまたついています。
外は、雨が降ったり止んだりしている様子。
でも小雨のようなので、お茶をして部屋でくつろぎます。

ルナちゃんと会うのは、そんなに久しぶりではありませんが、とにかく仕事で忙しい彼女と会っても、最近では思いのたけを喋りきれないことが多いです。
私もバタバタが続いている時だったので、今回はずいぶん久しぶりに、ゆっくりと会えることとなりました。

● ディナータイム



お喋りをしているうちに、夕食の時間になり、最上階のレストラン「燔(ひもろぎ)」へと向かいました。
ベイベリアが見渡せる席に通され、目の前でシェフに鉄板焼を調理してもらいます。



ルナちゃんは「ベルサイユの薔薇」のようなオリジナルカクテルをオーダー。



私はレモネードカクテルで、乾杯!



まずは、プチフルールのようにきれいなお皿が登場します。



スイーツデザートかと思いましたが、前菜でした。



● 万願寺唐辛子

大きなお肉の塊やプリプリのホタテが目の前に置かれました。
中でも気になったのが、巨大なししとう。

「あれはいったい・・・」とじーっと見ていると、視線に気づいたシェフが
「万願寺唐辛子です」といい声で教えてくれました。
「ああ、これが。」
京都でよく粉末が売られていますが、実際はこんなに大きなものなんですね。



大きさに圧倒されて、及び腰の私。
「なんだかとってもパンチが効いていそうですね」と言うと、
「これ、甘いんですよ。でもごくたまに、1%くらいの確率で、激辛のものがあります」とにこやかに教えてくれるシェフ。
「見て分かりますか?」
「いいえ、食べてみないとわかりません」
ますます笑みを深めるシェフと逆に、青ざめる私。
それってロシアンルーレットじゃない・・・。



火を通して切り分けてもらった万願寺唐辛子を、ドキドキしながら口に運びました。
わあ、ほんのり甘~い。
手を止めて、反応を見ているシェフに「甘いです」と報告しました。



次に、大きな真っ白な青森産のにんにくを刻んで丁寧に火を通します。
カリカリの食感で味わい深く、これまで食べたガーリックのうちで一番おいしく感じました。



● マーブルド・ビーフ

メインは、霜降り牛のお肉。
ミディアムレアでお願いしました。



もうこの段階でおなかがいっぱいですが、さらにお魚も登場します。
お椀物も出ました。



調理をしているシェフの背後の窓に、時折水滴がびっしりとつきます。
「わあ、また雨が」
浦安の花火は、前々回は雨で見られなかったそうですが、「今年は大丈夫ですよ」とホテルの人たちは口々に言います。
まるでおまじないのように。



食事を済ませ、おなかがいっぱいになり、シェフとサーブしてくれた人にお礼を言ってレストランを出ました。
出口で待っていた黒服さんが、エレベーターまでリードしてくれました。
「お食事はいかがでしたか?花火鑑賞プランの方特別のメニューをご用意しました」
ぜいたくな花火鑑賞プランなので、特別扱いしてもらっています。

● ルームシャンパン

部屋に着くと、今度はホテルの女性がやってきて、シャンパンとデザートを準備してくれました。
もう至れり尽くせり~!
ロマンチックな夜に、ドキドキしながらグラスを合わせます。



デザートを終えた頃が、花火の上がる時間。
シャンパングラス片手に、素足で一段上のフローリングスペースに上がり、大きな窓の前に座ります。
雨粒は窓についたままですが、中止とは聞いていないので、きっと催行されるのでしょう。

● 花火のじかん

「あ、上がった!」
真ん丸の花火が、目の前に上がります。
あわてて部屋の電気を消して、暗がりの中、二人でうずくまりました。
防音が効いている部屋なので、打ち上げの音はかすかに聞こえてくる程度。
これはすごいわ。





最近見られていなかったホテル花火。やっぱりいいなあと思いながら、しばし見とれます。
ルナちゃんとのお喋りを続けながら。

花火って真ん丸ですよね。
打ち上げられてた火薬が、それぞれ計算されたようにはじけるのって、すごいことですよね。





大勢で花火を見る時には、静かに打ち上げに見いっていました。
時折尺玉が上がると、みんなで「たまや~」と声を上げました。
でも、今回は花火の間もずーっとお喋りを続けています。
いつも友だちを誘ってワイワイと見ているので、2人で花火を見るのって、もしかすると初めてかもしれません。
二人占めなのでのびのびと見られます。ますます贅沢感も感じます。





花火撮影は難しいです。画質が荒くて済みません。
それでも定点撮影ができて、ブレないだけでもよかったです。
動画も撮れそうでしたが、オープンできないプライベート話に花を咲かせていたので、記録するのはやめておきました(笑)!





横浜の花火は、最後にドーンと一尺玉が打ちあがってファイナルとなりますが、浦安の花火はふっと静かに終了したようなので、終わったのかどうかわからずにキョロキョロします。
でも、下をのぞいても、駅周辺で見ている人はいなさそう。
花火大会だからと新浦安で降りた人は結構いましたが、みんな、どこで見ているんでしょうね。
バスで海の方まで行ったのかな。

● トークは続く

きれいな花火を快適な場所から見られて、すっかり満ち足りた私たち。
部屋の電気をつけて、コーヒーのルームサービスをお願いしました。
持ってきてくれたホテルの男性は「この部屋からは良く見えたでしょうね。
去年は花火は上がったものの、煙がこちら側に来ちゃって、あまりきれいに見えなくて」と教えてくれました。
今年は3年ぶりにラッキーだったようです。

のんびりしながらもおしゃべりは途切れることなく続き、夜も深くなってから、フカフカのベッドに寝につきました。



ちなみにこの日、屋内にいた私たちは「また窓に雨粒がつき始めてきたね」なんて言っていましたが、実際の外はかなりの大雨だったそう。
隅田川も浦安も、なんとか花火大会は催行されたものの、強い雨に耐え切れず、場所取りをあきらめて帰った友人も何人もいたと、後で知りました。
そんなに悪天候の時に外にいたら、ずぶぬれになって、私もあきらめてしまったことでしょう。
最後まできれいな花火を見られてよかったです。



翌朝はのんびり起きて、ビュッフェを食べてお昼にチェックアウト。
心地よい時間を過ごし、心身ともにスッキリしました。

● epilogue

お互い、仕事帰りに会って話をするには時間が足りな過ぎましたが、その不足分をこの1日で解消できた感じ。
暑い夏の期間で夏バテになりかけていましたが、リフレッシュして元気を取り戻すことができました。



ホテル泊は贅沢ですが、たまになら自分に必要な時間だなあと思います。
メリハリがついて、やる気が出るのです。
「よし、これからもお仕事がんばろう」とルナちゃん。

夏らしい、すてきな時間をプレゼントしてくれる彼女には、いつもとても感謝しています。
私も、なにかいいプランを考えようっと。




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