【ウォークコース:追浜駅-深浦湾-長浦港-海上自衛隊第2術科学校-安針台公園-ヴェルニー公園-海上自衛隊横須賀地方総監部(満艦飾)-汐入駅】
先月に次いで参加したよこすか京急沿線ウォーク2012。
第3回目の今回は「観艦式記念 艦船見学ウォーク」です。
観艦式とは、自衛隊の最高指揮官が艦隊を観閲する、3年に一度の大イベントで、この日はその観艦式のために横須賀に集結した艦船を見られるとのこと。
○ 追浜駅
(の)さんと京急線追浜駅で受付をしました。
前回は受付開始直後だったため、押すな押すなの大混雑でしたが、今回は受付終了間近だったため、空いていました。
さらに受付を済ませた、私たちが腹ごしらえをしているうちに、受付時間は終わり、人もいなくなったため、「もしかしてビリじゃない?」と言いながら歩き始めます。
前回は、前の人たちについていけば迷うことはありませんでしたが、今回は道を確認しながら進まないといけません。
でも、人通りが少ない道を歩いていくのは、気持ちがいいものです。
オリエンテーリング感覚にもなれるし、間違いそうな場所には、スタッフが立って教えてくれます。
秋晴れのいい天気。ウォーキング日和ですが、むしろ暑いくらいで、もう10月半ばにもなるというのに、まだTシャツ1枚の男性や、日傘をさした女性をあちこちで見かけます。
トンネルを抜けると、そこは以前、横須賀トンネル探索日に連れて来てもらった場所でした。
深浦隧道。今年のGWに訪れた場所です。懐かしくなって、また写真を取りました。
私たちは以前、地元の(ゆ)兄に説明しながら案内してもらったけれど、今回の参加者たちは、気にせずどんどん歩いていくのかしらー、と思いましたが、今回は受付時に「横須賀トンネルマップ」という地図ももらっており、そこに一つ一つのトンネルについて、詳しく記載がされていました。
監修者は平沼義之氏。写真はまさしく、先月(の)さんと参加した「廃道サミット」にDVD登場していたヨッキれんさんでした。
ちなみに(ゆ)兄は以前『神奈川 横須賀隧道めぐり』に参加したそうですが、その時のナビゲーター、トリさんは「廃道サミット」の司会でした。
気付けば知っている名前ばかり~!なんだかんだで、ディープな道に進みつつある私…?
○ 深浦湾
少し歩くと、深浦湾に出ました。静かに停泊する漁船とボート群。
学生時代、平潟湾に馴染んでいた身にとって、ノスタルジーを感じる光景です。
水はきれいに透き通っており、底がクリアに見えました。
今回の行程は9キロ。前回ほど長くありませんが、アップダウンがあるため、きつく感じます。
じりじりとアスファルトに照りつける日光が反射して、秋なのに暑いー。
梅田隧道のそばには、石碑がありました。
近隣町村の有志たちがお金を出し合って掘った隧道だと書かれていました。
「当時は自分たちが負担したんだねー」と、(の)さんは感慨深げでした。
作られたのは明治20年。まだ政府はそこまで動いてくれなかったんでしょう。
○ 長浦港
再び海に出ました。そこは長浦港でした。
大きなガントリークレーンを見上げながら、先に進みますが、一瞬道がわからなくなり、キョロキョロしました。
そのほんの少しのタイミングを見計らったかのように、「どうしましたか?」と声をかけてくれた、ジャンパー姿の男性がいました。
消防署への道を教えてもらい、又歩き出しました。
「スタッフの人とは服が違ったけれど、きっと関係者よね?」と二人で話しましたが、どうやらその人は観光ガイドだったらしいことに、後になって気が付きました。
お話を聞けばよかったわー。暑さでちょっと余裕がなくなっていたのです。
さらに上り坂になり、ふうふう言いながら歩いていきました。
ウォーキングは好きですが、夏の間は歩くのをやめていたため、明らかに体力が落ちています。
道を歩き切ったところには、スタッフの人が数名いました。
「ここが水道トンネルですよ」と教えてもらったところは、やっぱり(ゆ)さんに案内してもらった盛福寺トンネル。
でも(の)さんは、すぐには思い出せなかったようでした。
話しても「別のところでしょう」とすぐに信じてくれません。前は「ここに住みたい!」って感激してたのにー!
前に訪れた時は、反対方向から車で来たので、印象が違ったんでしょうね。
ここにいた人も、ガイドさんでした。説明してくれながら、「ほかに参加者らしき人はいました?」と質問されたので、途中の信号で追い越してきた人たちがいたことを思い出して「あと数名だと思います」と答えました。
もうほとんどビリなのね~。
そこから海の方へと歩いていきます。この道は、5月にも通った道。
「気がつけば、(ゆ)さんを偲ぶ会になってるね」と、なぜかしんみりする私たち。
(ゆ)さんはすこぶる元気なんですが。今、アメリカ出張中なので、声をかけられなかっただけで。
○ 海上自衛隊第2術科学校
信号を渡ると、広い敷地の海上自衛隊第2術科学校がありました。今回はここを特別公開しているとのことで、見学してみます。
学校前の水路に水鳥がいましたが、水路はとても浅いようで、水鳥は水の中を泳げず歩いてペタペタ移動しており、その様子を二人で上からのぞいて笑っていたら、正門そばの関係者たちが不思議そうに私たちを見ていました。
不審者じゃありませーん。
制服姿の人を見てテンションがあがりましたが、敷地内に入るとびっくりするほどたくさん関係者がいたので、逆にもじもじしてしまいました。
どうも時間的にビリ辺りのため、変に目立ってしまっている感があります。この辺りで少し挽回しないと。
公開されている海軍機関術参考資料室には、勲章や制服、書画など、さまざまなものが陳列されていました。
海軍士官の肩章もあり、見慣れないものなのでしげしげと眺めます。
私は東郷元帥の「忍」の書や、山本元帥の短刀よりも、芥川龍之介の教科書に興味を引かれました。
だって、なぜここで芥川?
彼は、英語教官をしていたそうです。短編『蜜柑』にそれに関するエピソードが織り込まれているとのことなので、今度読んでみようと思いました。
熱心に見学している人たちは大勢いましたが、私たちはビリの汚名から逃れるべく、売店見学もそこそこに(萌えキャラがいました)、また歩きだしました。
田浦駅近くのこの辺りも、(ゆ)さんに案内してもらったところ。地面埋め込みの線路軌道跡を懐かしく眺めます。
以前連れて来てくれた人が一緒にいないと、どうしても感傷的になってしまうものですね。
比与宇隧道を抜けると、そこはベイスターズの練習場。私でも周辺地理を覚えています。
そこを歩き続けて、メガネトンネルを眺めながら線路を越え、心臓破りの坂に着きました。
スタッフの人が「1時になったので、ガイドはいなくなりました」と教えてくれました。
参加者全員を迎えるわけではなく、時間制だったと知り、少し安心しました。
○ 安針台公園
ゼイゼイいいながら坂を上ると、そこは安針台公園でした。
参加者らしき人が大勢、休憩しています。
眼下の港には、大きな戦艦が停まっており、見慣れぬ光景に驚きました。
一息ついて、又歩き出します。
ここまでくると、かなりの数の参加者たちと一緒になり、車道沿いを列になって歩いていきました。
そこで、桜の花びらのレリーフがついたトンネルを見かけます。
こんなトンネル、見るのは初めて。かわいらしい、女子好みのデザインですね。
そばまで行って名前を確かめました。新横須賀隧道でした。
○ 横須賀駅
ここまで来ると、もうゴールは目の前。JR横須賀駅の前を通り過ぎる時に、(の)さんが「ちょっと見ていきたい」と言いました。
ここの駅は、終点でもないのに線路がここまでになっているとのこと。
「?」とのぞいてみると、確かに線路が途切れていました。
「??」どういうことでしょう。
かつて、米軍横須賀基地への物資輸送に利用された線の名残のようです。
またこの駅は、階段がないのも特徴だそうです。
駅舎の外には、横須賀海軍カレーの公式キャラクター「スカレーちゃん」の人形がいました。
カレーの大皿を抱えたかもめの水兵さんです。
スカレーって、酢カレーのような、スカーレットのような、聞き慣れないので変な感じー。
「これ、チキンカレーだったらやだよね」と、暑さに疲れた私たちはブラックなことを言いながら、先へ進みました。
○ ヴェルニー公園
ヴェルニー公園は、参加者でいっぱい。並んでゴールのピンバッヂをもらいました。
完歩です。それから、海上自衛隊横須賀地方総監部へと向かいました。
○ 海上自衛隊横須賀地方総監部
大勢の人が歩いていき、賑やかなパレードのようです。
入口では、荷物検査がありました。
入ってすぐのところに、パラボラアンテナを発見。
パラボラ好きの私はウキウキします。
南極の石と氷も展示されており、神妙な気持ちで撫でてきました。
艦船は何隻も停泊しています。どの艦船も、カラフルな万国旗のような旗で飾られています。
これを満艦飾というのだとか。
艦船がいっぱいで、キョロキョロします。
普段なら(横須賀港は軍港で、コンクリ色の戦艦が停泊していて怖い)と思ってしまうのですが、今回は青空に映える満艦飾が華やか。
それに、今では戦艦といわれるものは三笠くらいで、ほかは艦船なんですよね。
この辺り、からきしうといので、ぽーっとしています。
それでも黒い巨大なタイヤの浮きには心惹かれました。私が乗っても沈まなそう。
船から降りてくる人がカッコ良くて絵になっていました。
映画『愛と青春の旅立ち』みたーい。
私たちは、「護衛艦いせ」の中に入りました。
全長197m、全幅33m。とにかく巨大です。
中は想像していたよりも大きくて、ぐるりと見回します。
その広いスペースに掲げられた、大きな旗が目を引きました。
漁船なら大漁旗と言いたいところですが、これは何というのでしょうか。
「百戦錬磨」と書かれた旗に、まさに海を制する心意気を感じました。
日本茶が入っているらしいダンボールには、なぜか「整列休め」と書かれていました。
「あれ、なんだろうね」と言いながら眺め、帰宅して調べてみたら、自衛隊限定の緑茶でした。
そんなところにも限定もの?
緑に迷彩柄のペットボトルのようです。凝ってるわ~。
ブーッ、ブーッというブザー音が聞こえて、明るくなったと思ったら、天井が降りてきて、そこに人々が乗っていました。
なんだろうと集まった私たちは、その流れで乗りこむことになります。
大勢人が集まったところで、再びその床はブザー音を立てて上り始めました。
船の上へと出ました。やっぱり人に囲まれました。
船の上では、手旗信号やカンテラ信号(じゃなくて回光通信機)が披露されており、大勢の人たちがカメラを構えていました。
普段見ることのない光景ですが、暑さに弱い私たち二人は、甲板で日光を浴びて、またたくまにへたってしまい、一巡した後に、また下へ戻ることに。
人を乗せて上り下りしている船の天井は、普段は航空機用昇降機として使われているようです。
この日ばかりはフル回転でした。
青空を背景に、風に万国旗がはためくのが爽やかですが、「ちょっとまって、これって万国旗じゃないよね」と気が付きます。
「そもそも、自衛隊に万国旗って、なんか変じゃない?」「じゃあこの旗ってなんだろう?」「単なる模様かな?」
考えても分かりません。
わからないことは聞いてみよう!
でも、どの隊員たちも、なにかしら動いているか、人の質問を受けているかで、忙しそう。
(の)さんは、何かをチェックしているようです。
「ところどころにいる、黒い腕章をつけている人は、警備隊だから目つきも鋭いよ」と言われて見てみると、確かに猛禽類のような鋭い視線をした、強そうな人でした。
じゃあせっかくなのでと、その人に聞いてみることにします。
肝心の(の)さんは怖がってか、少し離れた所へ行ってしまいました。
単身、向かい合うと、さすがに迫力でKO負けしそう。
でも、「この旗は、国旗じゃないですし、一体なんでしょうか」と質問したら、「これは、一つ一つAとかBとか、アルファベットの意味があるものです」と教えてくれました。
「マストに平行に張られているロープにつけて、"WELCOME"とか作るようですよ。私はどれがどれかわかりませんが」
にこやかに、親切に教えてくれました。どうもありがとう!
国際信号機なんですねー。(の)さんも一緒に聞けばよかったのに。
ほかの艦艇も一般公開していましたが、すっかり満足し、歩き疲れておなかも空いた私たちは、再び秋バラの咲くヴェルニー公園を通って、汐入のショッパーズプラザで食事を取り、今回のウォーキングを終了しました。
○ 横浜港海上保安部
といっても、歩くのをやめたわけではありません。
「9キロかあ、もうちょっとだね」と、歩き足りない私たちは、横須賀から横浜に移動して、さらにみなとみらいを散策していました。
もう辺りは暗くなっていましたが、突然パッと船がライトアップしました。
気がつくと、岸には大勢の人がカメラを構えて待ち構えていました。
ここは横浜港の海上保安部。海保のイルミネーションです。
そう言えば、と思い出します。
横須賀でも、食事を終えて移動するとき、大勢の人たちがカメラ片手に艦船を見つめて、何かを待っている風でした。
(いったい何があるんだろう?)と二人で首をかしげましたが、きっと今頃、横須賀の海自でも同じようにライトアップされているのでしょう。
たくさんトンネルをくぐり、たくさん歩いて、普段見られない海自イベントをいろいろと見学できた楽しい一日でした。
先月に次いで参加したよこすか京急沿線ウォーク2012。
第3回目の今回は「観艦式記念 艦船見学ウォーク」です。
観艦式とは、自衛隊の最高指揮官が艦隊を観閲する、3年に一度の大イベントで、この日はその観艦式のために横須賀に集結した艦船を見られるとのこと。
○ 追浜駅
(の)さんと京急線追浜駅で受付をしました。
前回は受付開始直後だったため、押すな押すなの大混雑でしたが、今回は受付終了間近だったため、空いていました。
さらに受付を済ませた、私たちが腹ごしらえをしているうちに、受付時間は終わり、人もいなくなったため、「もしかしてビリじゃない?」と言いながら歩き始めます。
前回は、前の人たちについていけば迷うことはありませんでしたが、今回は道を確認しながら進まないといけません。
でも、人通りが少ない道を歩いていくのは、気持ちがいいものです。
オリエンテーリング感覚にもなれるし、間違いそうな場所には、スタッフが立って教えてくれます。
秋晴れのいい天気。ウォーキング日和ですが、むしろ暑いくらいで、もう10月半ばにもなるというのに、まだTシャツ1枚の男性や、日傘をさした女性をあちこちで見かけます。
トンネルを抜けると、そこは以前、横須賀トンネル探索日に連れて来てもらった場所でした。
深浦隧道。今年のGWに訪れた場所です。懐かしくなって、また写真を取りました。
私たちは以前、地元の(ゆ)兄に説明しながら案内してもらったけれど、今回の参加者たちは、気にせずどんどん歩いていくのかしらー、と思いましたが、今回は受付時に「横須賀トンネルマップ」という地図ももらっており、そこに一つ一つのトンネルについて、詳しく記載がされていました。
監修者は平沼義之氏。写真はまさしく、先月(の)さんと参加した「廃道サミット」にDVD登場していたヨッキれんさんでした。
ちなみに(ゆ)兄は以前『神奈川 横須賀隧道めぐり』に参加したそうですが、その時のナビゲーター、トリさんは「廃道サミット」の司会でした。
気付けば知っている名前ばかり~!なんだかんだで、ディープな道に進みつつある私…?
○ 深浦湾
少し歩くと、深浦湾に出ました。静かに停泊する漁船とボート群。
学生時代、平潟湾に馴染んでいた身にとって、ノスタルジーを感じる光景です。
水はきれいに透き通っており、底がクリアに見えました。
今回の行程は9キロ。前回ほど長くありませんが、アップダウンがあるため、きつく感じます。
じりじりとアスファルトに照りつける日光が反射して、秋なのに暑いー。
梅田隧道のそばには、石碑がありました。
近隣町村の有志たちがお金を出し合って掘った隧道だと書かれていました。
「当時は自分たちが負担したんだねー」と、(の)さんは感慨深げでした。
作られたのは明治20年。まだ政府はそこまで動いてくれなかったんでしょう。
○ 長浦港
再び海に出ました。そこは長浦港でした。
大きなガントリークレーンを見上げながら、先に進みますが、一瞬道がわからなくなり、キョロキョロしました。
そのほんの少しのタイミングを見計らったかのように、「どうしましたか?」と声をかけてくれた、ジャンパー姿の男性がいました。
消防署への道を教えてもらい、又歩き出しました。
「スタッフの人とは服が違ったけれど、きっと関係者よね?」と二人で話しましたが、どうやらその人は観光ガイドだったらしいことに、後になって気が付きました。
お話を聞けばよかったわー。暑さでちょっと余裕がなくなっていたのです。
さらに上り坂になり、ふうふう言いながら歩いていきました。
ウォーキングは好きですが、夏の間は歩くのをやめていたため、明らかに体力が落ちています。
道を歩き切ったところには、スタッフの人が数名いました。
「ここが水道トンネルですよ」と教えてもらったところは、やっぱり(ゆ)さんに案内してもらった盛福寺トンネル。
でも(の)さんは、すぐには思い出せなかったようでした。
話しても「別のところでしょう」とすぐに信じてくれません。前は「ここに住みたい!」って感激してたのにー!
前に訪れた時は、反対方向から車で来たので、印象が違ったんでしょうね。
ここにいた人も、ガイドさんでした。説明してくれながら、「ほかに参加者らしき人はいました?」と質問されたので、途中の信号で追い越してきた人たちがいたことを思い出して「あと数名だと思います」と答えました。
もうほとんどビリなのね~。
そこから海の方へと歩いていきます。この道は、5月にも通った道。
「気がつけば、(ゆ)さんを偲ぶ会になってるね」と、なぜかしんみりする私たち。
(ゆ)さんはすこぶる元気なんですが。今、アメリカ出張中なので、声をかけられなかっただけで。
○ 海上自衛隊第2術科学校
信号を渡ると、広い敷地の海上自衛隊第2術科学校がありました。今回はここを特別公開しているとのことで、見学してみます。
学校前の水路に水鳥がいましたが、水路はとても浅いようで、水鳥は水の中を泳げず歩いてペタペタ移動しており、その様子を二人で上からのぞいて笑っていたら、正門そばの関係者たちが不思議そうに私たちを見ていました。
不審者じゃありませーん。
制服姿の人を見てテンションがあがりましたが、敷地内に入るとびっくりするほどたくさん関係者がいたので、逆にもじもじしてしまいました。
どうも時間的にビリ辺りのため、変に目立ってしまっている感があります。この辺りで少し挽回しないと。
公開されている海軍機関術参考資料室には、勲章や制服、書画など、さまざまなものが陳列されていました。
海軍士官の肩章もあり、見慣れないものなのでしげしげと眺めます。
私は東郷元帥の「忍」の書や、山本元帥の短刀よりも、芥川龍之介の教科書に興味を引かれました。
だって、なぜここで芥川?
彼は、英語教官をしていたそうです。短編『蜜柑』にそれに関するエピソードが織り込まれているとのことなので、今度読んでみようと思いました。
熱心に見学している人たちは大勢いましたが、私たちはビリの汚名から逃れるべく、売店見学もそこそこに(萌えキャラがいました)、また歩きだしました。
田浦駅近くのこの辺りも、(ゆ)さんに案内してもらったところ。地面埋め込みの線路軌道跡を懐かしく眺めます。
以前連れて来てくれた人が一緒にいないと、どうしても感傷的になってしまうものですね。
比与宇隧道を抜けると、そこはベイスターズの練習場。私でも周辺地理を覚えています。
そこを歩き続けて、メガネトンネルを眺めながら線路を越え、心臓破りの坂に着きました。
スタッフの人が「1時になったので、ガイドはいなくなりました」と教えてくれました。
参加者全員を迎えるわけではなく、時間制だったと知り、少し安心しました。
○ 安針台公園
ゼイゼイいいながら坂を上ると、そこは安針台公園でした。
参加者らしき人が大勢、休憩しています。
眼下の港には、大きな戦艦が停まっており、見慣れぬ光景に驚きました。
一息ついて、又歩き出します。
ここまでくると、かなりの数の参加者たちと一緒になり、車道沿いを列になって歩いていきました。
そこで、桜の花びらのレリーフがついたトンネルを見かけます。
こんなトンネル、見るのは初めて。かわいらしい、女子好みのデザインですね。
そばまで行って名前を確かめました。新横須賀隧道でした。
○ 横須賀駅
ここまで来ると、もうゴールは目の前。JR横須賀駅の前を通り過ぎる時に、(の)さんが「ちょっと見ていきたい」と言いました。
ここの駅は、終点でもないのに線路がここまでになっているとのこと。
「?」とのぞいてみると、確かに線路が途切れていました。
「??」どういうことでしょう。
かつて、米軍横須賀基地への物資輸送に利用された線の名残のようです。
またこの駅は、階段がないのも特徴だそうです。
駅舎の外には、横須賀海軍カレーの公式キャラクター「スカレーちゃん」の人形がいました。
カレーの大皿を抱えたかもめの水兵さんです。
スカレーって、酢カレーのような、スカーレットのような、聞き慣れないので変な感じー。
「これ、チキンカレーだったらやだよね」と、暑さに疲れた私たちはブラックなことを言いながら、先へ進みました。
○ ヴェルニー公園
ヴェルニー公園は、参加者でいっぱい。並んでゴールのピンバッヂをもらいました。
完歩です。それから、海上自衛隊横須賀地方総監部へと向かいました。
○ 海上自衛隊横須賀地方総監部
大勢の人が歩いていき、賑やかなパレードのようです。
入口では、荷物検査がありました。
入ってすぐのところに、パラボラアンテナを発見。
パラボラ好きの私はウキウキします。
南極の石と氷も展示されており、神妙な気持ちで撫でてきました。
艦船は何隻も停泊しています。どの艦船も、カラフルな万国旗のような旗で飾られています。
これを満艦飾というのだとか。
艦船がいっぱいで、キョロキョロします。
普段なら(横須賀港は軍港で、コンクリ色の戦艦が停泊していて怖い)と思ってしまうのですが、今回は青空に映える満艦飾が華やか。
それに、今では戦艦といわれるものは三笠くらいで、ほかは艦船なんですよね。
この辺り、からきしうといので、ぽーっとしています。
それでも黒い巨大なタイヤの浮きには心惹かれました。私が乗っても沈まなそう。
船から降りてくる人がカッコ良くて絵になっていました。
映画『愛と青春の旅立ち』みたーい。
私たちは、「護衛艦いせ」の中に入りました。
全長197m、全幅33m。とにかく巨大です。
中は想像していたよりも大きくて、ぐるりと見回します。
その広いスペースに掲げられた、大きな旗が目を引きました。
漁船なら大漁旗と言いたいところですが、これは何というのでしょうか。
「百戦錬磨」と書かれた旗に、まさに海を制する心意気を感じました。
日本茶が入っているらしいダンボールには、なぜか「整列休め」と書かれていました。
「あれ、なんだろうね」と言いながら眺め、帰宅して調べてみたら、自衛隊限定の緑茶でした。
そんなところにも限定もの?
緑に迷彩柄のペットボトルのようです。凝ってるわ~。
ブーッ、ブーッというブザー音が聞こえて、明るくなったと思ったら、天井が降りてきて、そこに人々が乗っていました。
なんだろうと集まった私たちは、その流れで乗りこむことになります。
大勢人が集まったところで、再びその床はブザー音を立てて上り始めました。
船の上へと出ました。やっぱり人に囲まれました。
船の上では、手旗信号やカンテラ信号(じゃなくて回光通信機)が披露されており、大勢の人たちがカメラを構えていました。
普段見ることのない光景ですが、暑さに弱い私たち二人は、甲板で日光を浴びて、またたくまにへたってしまい、一巡した後に、また下へ戻ることに。
人を乗せて上り下りしている船の天井は、普段は航空機用昇降機として使われているようです。
この日ばかりはフル回転でした。
青空を背景に、風に万国旗がはためくのが爽やかですが、「ちょっとまって、これって万国旗じゃないよね」と気が付きます。
「そもそも、自衛隊に万国旗って、なんか変じゃない?」「じゃあこの旗ってなんだろう?」「単なる模様かな?」
考えても分かりません。
わからないことは聞いてみよう!
でも、どの隊員たちも、なにかしら動いているか、人の質問を受けているかで、忙しそう。
(の)さんは、何かをチェックしているようです。
「ところどころにいる、黒い腕章をつけている人は、警備隊だから目つきも鋭いよ」と言われて見てみると、確かに猛禽類のような鋭い視線をした、強そうな人でした。
じゃあせっかくなのでと、その人に聞いてみることにします。
肝心の(の)さんは怖がってか、少し離れた所へ行ってしまいました。
単身、向かい合うと、さすがに迫力でKO負けしそう。
でも、「この旗は、国旗じゃないですし、一体なんでしょうか」と質問したら、「これは、一つ一つAとかBとか、アルファベットの意味があるものです」と教えてくれました。
「マストに平行に張られているロープにつけて、"WELCOME"とか作るようですよ。私はどれがどれかわかりませんが」
にこやかに、親切に教えてくれました。どうもありがとう!
国際信号機なんですねー。(の)さんも一緒に聞けばよかったのに。
ほかの艦艇も一般公開していましたが、すっかり満足し、歩き疲れておなかも空いた私たちは、再び秋バラの咲くヴェルニー公園を通って、汐入のショッパーズプラザで食事を取り、今回のウォーキングを終了しました。
○ 横浜港海上保安部
といっても、歩くのをやめたわけではありません。
「9キロかあ、もうちょっとだね」と、歩き足りない私たちは、横須賀から横浜に移動して、さらにみなとみらいを散策していました。
もう辺りは暗くなっていましたが、突然パッと船がライトアップしました。
気がつくと、岸には大勢の人がカメラを構えて待ち構えていました。
ここは横浜港の海上保安部。海保のイルミネーションです。
そう言えば、と思い出します。
横須賀でも、食事を終えて移動するとき、大勢の人たちがカメラ片手に艦船を見つめて、何かを待っている風でした。
(いったい何があるんだろう?)と二人で首をかしげましたが、きっと今頃、横須賀の海自でも同じようにライトアップされているのでしょう。
たくさんトンネルをくぐり、たくさん歩いて、普段見られない海自イベントをいろいろと見学できた楽しい一日でした。
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