風に吹かれて旅ごころ

はんなり旅を楽しむはずが、気づけばいつも珍道中。

京都の紅葉そして宇治 1-(1)

2014-11-21 | 近畿(京都・滋賀)
○ プロローグ ○ 朝の伏見稲荷大社 ○ 手水舎のおじさんの絵
○ 京都 大原 三千里 ○ ろれつがまわらない
○ 国宝は東京出張中 ○ 上賀茂神社 ○ 下鴨神社

○ プロローグ

今年も恒例の家族旅行シーズンがやってきました。
今回の両親のリクエストも、京都。
母はもとより京都好きですが、過去2回の京都旅行から、父もすっかり京都のファンになったようです。

家族で京都好きになり、私としても嬉しい限りながら、問題が一つ。
両親は、京都の紅葉を見るのが大好きなのですが、紅葉時期は、一番京都が混むシーズン。
宿をおさえるのも現地で観光するのも、一苦労です。
なるべく混雑に巻き込まれないようにしたいものです。

自分の休みと両親の宿の予約日がずれたため、親には一日先に京都入りしてもらいました。
天気が良く、さっそく2人で保津川下りを楽しんでいるとのメールが入り、うらやましくなります。
そのあとは嵐山から嵐電に乗りまくって、最寄りの寺社巡りをしているとのこと。
いいなあ。でもこれって私が企画した旅なんでした。

○ 朝の伏見稲荷大社

一日遅れて後を追った私は、翌日の朝に京都に到着しました。
朝の空気はもう冷たくて、吐く息が白く、震える寒さです。



伏見に宿を取った両親と会って、朝の伏見稲荷大社を参拝。
バスから降りて、稲荷までの道を人に聞いたら「伏見稲荷?そらここの辺りのことですわ」と言われました。
まあそうですよね。



参道から「外国人旅行客2014年人気第一位!」というポスターが、あちこちに貼られています。
たしかに、京都で外国人に会うと、「イナリはいい!」とみんな大絶賛。
外国にはない光景がミステリアスなんでしょう。



父は前日、足をひねって捻挫をしたらしく、片足を少しかばって歩いています。
旅行初日からやらかす父。大丈夫かしら。



そんなわけで、千本鳥居のところまでは行きましたが、あまり山に挑まずにあっさりと戻りました。
私たちの前を、大きなスーツケースを引いたアジア人旅行者のカップルが歩いています。
境内まで持ってくるだけでも大変そうなのに、さらにスーツケースと一緒に山登りをするつもりかしら?
アジアンタフネスです。



「おもかる石」を持ってみました。二つあります。
持ってみて、自分の想像よりも軽いと願いが叶うらしく、両親は「片方軽くて片方重い」と言っていますが、私はどっちもずっしり重く感じました!
いずれにしても、私の願いはかなわない~?



さすがは人気の神社、早朝でも、それなりに人がいました。
朝の勤行に向かうのか、神官が3人、きちんと並んで歩いてきました。





○ 手水舎のおじさんの絵

手水舎の前には、よく手と口の清め方がイラストで図示されています。
たいてい同じ、赤いワンピース姿の少女の絵。
「この絵、かわいいよね」とファンの人も多いものですが、ここのイラストは、男性でした。

なぜにおじさん!?
実際には確かに、少女よりもおじさんの参拝者の方が多いかもしれませんが、だからといってね~。
この動揺を広く世に伝えなくては!ということで、画像を紹介します。



大社の境内にある参集殿で朝食にしました。
食堂に入ると、ご年輩の人たち20名ほどのご一行様がおり、「足柄神社」と書かれていた。
まあ、同じ県から来た方々かしら。
伏見大社は今でも講が盛んな様子。駐車場にはチャーターバスが停まっていたし、彼らも講メンバーかもしれません。

JRで京都に行き、まずは御所へと向かいました。
桂離宮を見学したかったのですが、連休中はどの日も見学受付は終了。
つまり見ることはできません。がっかりですが、この時期はとみに倍率が高そうですから、仕方がありません。

○ 京都 大原 三千里

それから大原へ向かいました。
父のリクエストで、三千院に行ったのです。
人里さびれたわびしい雰囲気は、父の好みとは違いますが、デューク・エイセスの「女ひとり」の歌から気になっていたとのこと。
♪ 京都 大原 三千院 恋に疲れた女がひとり~ ♪
私もこの歌で知りました。
ラジオでこの歌を作詞した永六輔が「京都 大原 三千里と聞き間違える人が多いらしく、京都と大原の距離はそんなにあるのかと何度も聞かれた」と言ったのが記憶に残っていたのです。
「母を訪ねて三千里」のアニメが放映された頃なのかもしれません。

父もまた「京都大原三千里」と聴き間違いをしていたそう。
「つまり1万2千キロってことだよね?それ、本州レベルの長さじゃないか?」
お父さん、そんな歌詞、どう考えたっておかしいでしょ!

ちなみにこの歌、歌詞を見てみると、2番は「京都 栂尾(とがのお) 高山寺」2番は「京都 嵐山 大覚寺」と歌っています。
高山寺にも大覚寺にも、すでに両親を招待済み。
でも父は、この歌の出だししか知らないようです。



○ ろれつがまわらない

川沿いの細道をどんどん上がったところにある三千院。
「呂律が回らないの由来は、たしかこの辺の川からよ」と母が言います。
「えー、なぜ?大原と関係なくない?」と思いましたが、川の途中に説明版があり、それを読むと、たしかに言葉の由来となっていました。
大原は日本の声明(しょうみょう)の発祥地。
声明の音階を、呂と律で表します。呂調が短調で律調が長調。
声明の音階を上手に取れない修行者を 「呂律が回らない」といったのが、その語源だそうです。
近くを流れる川は、呂川(ろせん)と律川(りっせん)と名付けられたとのことです。
てっきり「ら行」がうまく発音できない人のことだと思っていましたよ。
ラリホーラリホーラリルレロ。

○ 国宝は東京出張中

三千院の境内は現世からかけ離れた美しい別世界で、いろいろのわずらいごとを瞬時に忘れてしまいます。
ここの苔芝は、いつ見ても見事で、苔好きの母はしばらく離れませんでした。
どの季節に訪れても楽しめそう。









ひなびた造りの往生極楽院には、母が好きな阿弥陀三尊像が安置されています。
阿弥陀像の両脇に立つ観音・勢至両菩薩像は、すぐに立ち上がりそうな大和座り。
それを間近で拝観しようと、靴を脱いでお堂に上がりましたが、阿弥陀様一体しかいませんでした。
あれれ?
お寺の人に聞くと、「脇侍は今、東京です」
「あ、国宝展!」と母。
上野の東京国立博物館に出張中でした。



東京で見られますが、「ここでの三尊像が見たかったのに」と母は残念そう。
「まあ、阿弥陀像しかないこの状態も、珍しい光景ですよ」とお寺の人が言いました。
え、ええ、そうですね。ものは考えようだわ。

父の足に負担がかからないよう、メインのところだけを見て帰りました。



境内で金箔入りの不動茶を購入。
父は梅茶が好きなんだそうです。これまで特にアピールしていなかったので、初めて知りました。
行きはバスに座って行けましたが、帰りは混んでいて座れませんでした。

○ 上賀茂神社

バスで京都中心部へと戻ってきます。
地下鉄とバスを乗り継いで、上賀茂神社へ向かいました。
神社よりお寺が好きだという親は、京都の主要神社にあまり参拝していないそう。
私は、京都に来ると、上賀茂・下鴨参拝はかかせません。
何度訪れても、いいわ。



これは、奉納された「スグキ漬」。必ずこのように重石を吊るして漬けるそうです。
「上賀茂の辺りでしか作るのが許されていないって聞いたような気がするわ」と母。



お日柄がよかったのか、祭殿前では結婚式が、神殿前では七五三の祈祷が行われていました。



ならの小川にかかる紅葉がきれいです。





父が突然地面に膝をついて激写を始め、熱血カメラマンと化していました。
社家の家並みを眺めて、次は下鴨神社へ向かいます。



○ 下鴨神社

下鴨神社前のバス停で降りて、横から境内に入りました。



本殿前に並ぶ干支ごとの拝殿を見て、檜皮葺好きの母が喜びます。






御手洗の池も参拝しました。
そういえば、みたらし団子とはここの神社前の茶屋が発祥ですが、いまだにその店を探せていません。いつか食べられるかしら~。

1-2に続きます。



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