風に吹かれて旅ごころ

はんなり旅を楽しむはずが、気づけばいつも珍道中。

2012-8北海道・青森ドライブ周遊記2-1

2012-08-22 | 北海道
[釧路~厚岸~中標津~標津~サーモンパーク~野付~羅臼~知床峠~ウトロ]

○ 釧路

ホテルは快適でしたが、夜中に何度も起きました。空調調節を設定しきれなかったせいかもしれません。
起きるたびにカーテンをめくって、外を見てみましたが、夜の間も、そして朝になっても、ずっと釧路の街は霧に覆われていました。
それでも日差しはまぶしく、今日も暑くなりそう。
8時半過ぎに出発したため、ちょうど出勤時刻と重なり、プリンスホテルの向かいの市役所に、大勢の人が入っていきました。
日傘をさしている女性もいて、少しがっかり。釧路でも日傘は必要なのね。

 

車は釧路川沿いに走り始め、釧網本線ではなく、厚岸方面の国道272号を通っていきます。
市街地を抜けると、またどこまでも続く直線の道。
思ったよりもあちこちで道路工事をしているのは、道路を新しく作っているからでしょうね。
まだまだここは開拓地なんだなあと思います。
交通量が多い橋は、建て替えをしているようです。北海道は広いので、あとからあとから直さなくてはならない箇所が出てきそう。

 

丸くまとめたわらをたくさん積んだトラックが前を走っていました。
「積みわら」といえば、モネの絵。これは「稲わらロール」と言うそうです。
上に飛び乗ってポンポン跳ねたら、気持ちよさそう!でも実際にはチクチクしそうです。
走行中、積み荷の藁ロールから稲がどんどんほどけて、私たちの車をかすめて飛んでいきました。
目的地に着いた時には、ロールは半分くらいの大きさになっているんじゃないかしら?

○ 昆布盛

途中、昆布盛という地名を見かけました。
ここは昆布が名産だと聞いて、ビックリ。
だって昆布って、海藻でしょう?なのに森?えええ?
混乱していたら、「昆布のある所だから 」だと教えてもらいました。
地面に小石を敷いて、その上で干すそうです。へえ~。いろいろ不思議。
ここではバーナムの森じゃなくて、昆布の森が動くのねーと想像しながら、先を急ぎます。

釧路を抜けると、通りを歩いている人の姿もほとんど見かけなくなります。
北海道は人口が少ないとはいっても、人影自体ほとんど見あたらず、時折道路工事や交通整理をしている人がいるだけ。
住んでいる人たちはみんなどうしているの?車社会だから、歩き回らないのかしら?

○ 牧場

 

道沿いに、牧場がたくさんあります。「~牧場」という看板を道の両側に見かけ、牛舎には「もっともっと牛乳」というコピーが大きく描かれていたりします。
乳牛がたくさんいて、大喜び。牛さーん。あ、馬さんもいるー。北海道だあ。

 

ただ牧場はあっても、「牧場しぼり」的に絞り立てミルクを提供してくれるところは見あたりません。
まだ北海道の牛乳を飲んでいないのにー。
夏の期間だし、開いているお店は多そうなのに、見あたらないどころか、窓ガラスが割れていたり、窓やドアが木の板で打ちつけられて閉店している店が目立ちます。なぜでしょう?
休憩したくても道の駅さえなく、ちょっとしたゴーストタウンのようにも感じます。

そのうちに「サーモンパーク」という表示を見つけて、そこに行くことにしました。
曲がり角に表示がないため、ナビで確認して向かいます。
初めて訪れる人には不親切だわ。そんなものかしら?

○ 標津サーモンパーク

標津と書いてしべつと読むなんて。読めませんー。
標津サーモンパークは、広い敷地に贅沢に作られた施設。ロックフェスが行われそうなくらいに広々とした芝生が広がっています。

 

斬新なデザインのビルがあり、鮭の博物館だとのこと。
ドクターフィッシュもいるとのことで、気にはなりましたが、どちらかというと今希少価値が高まっているウナギの博物館の方に入ってみたい私(いまだ謎の多い生物だから)。
11時半頃に到着したので、とりあえず食事にしました。
車を降りるたびに、日差しに焦げそうになります。
今日もまたとにかく暑くて、北海道にきたのに、と信じられない気分。

 

入口には、ロシア語の挨拶が書いてありました。
「ようこそいらっしゃいました」・・・あれ、過去形でよかったっけ?
日本語もあやふやになってきています。

 

メニューには標津の海の幸がいろいろと並んでおり、チャロは鮭天津丼、私は魚介ラーメンにしました。
魚介スープが大好きな私。海の幸がたくさーん。
鮭天津丼というのも初めて聞くメニューで、興味シンシン。
ちょっと分けてもらったら、大きな鮭があんの下に横たわっていました。

 

山形旅行の時の、アッコさんの取材用の撮り方を真似てみました!おいしそう!

 

窓の外には鯉が泳ぐ池があり、白鳥が一羽、悠々と泳いでいました。
夏の間はシベリアに渡っていかないのかしら?

 

自転車で訪れたご一行様が、汗をふきふき食事にやってきました。
今日はすごく暑い日なのに、この炎天下を自転車でやってくるなんてすごい。お見それします。
男性も女性も、みんな日に焼けて真っ黒です。

釧路から標津までは、車で2時間の行程。根室中標津空港は、中標津町からは近いけれど、根室からだと1時間半くらいかかるそうです。
根室という名前がついているのに、そんなに遠いなんて、不便ですね。

ご飯を食べながら、次はどこへ行こうかと話します。
フリーならではの自由さが、いいですね。
野付半島に向かうことにしました。

○ はまなす

北海道に来てから、ちょくちょくはまなすデザインを見かけます。
さまざまな商品に名前が付けられていたり。北海道の花なですね。
砂丘で育つ、鳥取の花だと思っていたため、イメージが合わずに初めはめんくらいました。
私だけの間違ったイメージでしょうけれど。

○ 野付半島

それからどこをどう行ったのか、ナビとチャロ任せで、野付まで行きました。
左が海、右が湖という眺望の中の一本道を走っていきます。窓を開けると風が抜けていって、最高のドライブ道。
延長28kmの、日本最大の砂嘴(さし)だとのこと。不思議な地形に心が浮き立ちます。

 

ネイチャーセンターで休憩し、すぐ目の前の湖を眺めます。湖の向こう側にはトドワラが。
ナラワラとごっちゃになっていたら、ほかの人も係員に違いを尋ねていました。
トドワラはトド松、ナラワラはナラの立ち枯れ木だそうです。
つられてカレワラとワイナミョイネンのことを思い出しながら、確かにフィンランドっぽくもある湾を眺めました。

 

チャロははまなすソフト、私は流氷ゼリーを食べました。
チャ「はまなすシロップは甘くなかった」。私「流氷なのに冷たくなかった」。あれれ。でもおいしかったです。

 

「標津羊羹」がお勧めだと聞いて、訪れたら買おうと思っていたことを、中標津を出発してから思い出し、「キー、買い忘れた~!」と言っていたら、チャロがここで発見。
喜んで購入しました。
あとは「黒い恋人」も。「白い恋人」は見かけないのに・・・最近はこちら優勢だったりして!?

 

野付半島は全く霧がなく、すばらしい見晴らしでした。とても眺望がいい分、暑いのですが。
青く光る海が、オホーツク海というのがなんだか信じられません。もっと寒々と、黒々としたイメージが強いためです。
向こうに見える山々は、国後島だとのこと。
北方領土!こんなに近いんだー、と驚きました。
このあたりに住む人々は、ロシアのものとも日本のものともはっきりしない土地を日々眺めて暮らしているんだなあ、どっちつかずで、もやもやした気持ちだろうなあと思います。

 

野付湾は、ラムサール条約湿地に指定されているそうです。
センター内には水鳥の羽が部位ごとに飾られて、名前が記されており、鳥好きとして(こんなに詳しいのは初めて!)と興奮しました。

 

○ 道産子

建物の外には、観光用馬車が2台止まっており、馬がブルルンと息を吐きながら、勢いよく飼い葉を食べているところでした。
「うまー♪」と二人で寄ってみましたが、その大きさに圧倒されて立ちすくみます。

 

サラブレッドよりも遙かに大きく、足も太く、迫力満点。
これが道産子なのね。前足よりも後ろ足の方が太いのは、踏ん張れるからでしょうか?
動物好きの私でも、近寄って触れるにはためらわれるほどの巨大さでした。
彼らに踏まれたら、あっけなくペチャンコになってしまうでしょう。

 

毛並みがよく手入れされており、全身が日光を受けて黒々と光っていました。
道産子は、サラブレッドとは全く違う、力強さみなぎるがっしりした体躯。
腰が引けながらも、惚れ惚れと見とれました。

○ 野付埼灯台

そこからさらに10キロ少し進み、灯台の駐車場へ。
車が入れるのはここまでですが、灯台はまだずいぶん先に、銀色に小さく光って立っています。
その距離500m。暑い中、多少億劫ではありますが、せっかくここまで来たので、もちろん歩いていきます。

 

そばまで行くと、それは形のよい白い灯台でした。ひと気のない海を背景に、絵になっています。
夏の盛りの日なので、海も空も明るくきれい。昨日みた海はグレーだったので、青い海がみられてうれしくなります。

 

海岸で少しオホーツク海の波と戯れました。
灯台の先には、お地蔵さんの銅像が海を見つめて立っていました。
どんな由来なのか気になりますが、周りはすっかり草に覆われており、完全に近寄れません。
海で遭難した人の供養でしょうか。

 

北海道道950号野付風蓮公園線の標識が、風で斜めに傾いていました。
少しずつ海水侵食されつつある野付半島の道路。天候によっては、閉鎖されたりもするそうです。

 

その2に続きます。


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