風に吹かれて旅ごころ

はんなり旅を楽しむはずが、気づけばいつも珍道中。

北海道・岬と神社と馬を見に(積丹~襟裳) 3

2013-09-15 | 北海道
◆ 3rd day [札幌→西広島→札幌→苫小牧]

◯ DONGURIパン
◯ BOOK Cafe 風味絶佳
◯ エーデルワイスファーム
◯ ニーウン・ペツガラス美術研究所
◯ 札幌中心地へ
◯ 恵ちゃんから梢さんへ
◯ ほっき炙り飯は・・・

2-2からの続きです。

◯ DONGURIパン

朝起きたら、あいにくの雨模様でした。
恵ちゃんに「朝食用のパンを買いに行くけれど、一緒に行く?」と聞かれて、一家と一緒にパン屋へ朝のドライブ。
どんぐりというパン屋さんには、できたてパンの香ばしい香りが立ち込めて、寝ぼけていた食欲が刺激されます。
お客さんは大勢いて、店内は混んでいました。

ここで、食べたいパンを見繕います。
ふと気がつくと、隣のスペースでは買いたてのパンを食べている人たちがいました。
そういえば、と思い出します。
北海道のパン屋さんには、イートインスペースがあって、コーヒーが無料だって聞いたことがありました。
わあ、ほんとなのね~。うらやましーい。



私達は家に持ち帰って、カフェオレと一緒にいただきました。
「買ったパンでごめんね。自分で焼くつもりだったんだけど、昨日大量のパスタを打ったから、疲れちゃって」と恵ちゃん。
いえいえ、そのおかげで、北海道のパン屋さんに行けたんですから。
おいしいパンでした。

◯ BOOK Cafe 風味絶佳

日曜日なのに、旦那さんも息子さんも、それぞれ職場と学校に用があり、ピシッと決めて出発しました。
私は恵ちゃんの車に乗って、北広島へと向かいます。
着いたのは、住宅街の中にさりげなくあるBOOK Cafe、風味絶佳
名前がいいなあ、と気に入って看板を眺めます。



(風味絶佳といったら、キャラメルの箱と山田詠美の本のタイトル)と思ったら、本好きのオーナーのアミさんは、やはりその辺りを汲んで店名にしたそうです。
店内は木のぬくもりがある、北欧スタイルのカフェ。
どことなく「かもめ食堂」の店内を思い出します。





お店の壁いっぱいに並べられた本に、歓声を上げる私。
「うわ、うわ~!」挨拶もそこそこに本揃えをチェックします。
いろいろな人のオススメコーナーが設けられているところで、コーナー別にその人の読書傾向がわかるのがおもしろいところ。
どの本もきれいで、カフェ同様に清潔感がありました。

恵ちゃんは、ここのカフェのパスタのプロデュースをしています。
すごいわ。M's Studioという料理教室を開いている彼女、実際にメニューに載っている料理を見て、改めてプロだなあと思います。
ブックカフェらしく、テーマ別のメニューを掲げており、恵ちゃんが監修したのは、「林真理子に食べさせたい生パスタ」。
へえ、おもしろーい!

もちろん、それをいただきました。
パスタの具材は、彩り鮮やかなラタトゥイユ。
スプーンに入って添えられてきたのは、ゆずこしょう。
考えたことがなかったので、なんだかとっても斬新。
加えることで、素材の味が際立ちました。

そして、彼女が昨日一日がかりで打っていた生パスタを味わいます。
もちもちの平麺が、おいし~い。
いや~、おいしゅうございました。(。-人-。)



林真理子、実は苦手意識があって、一冊も本を読んだことがありません。
恵ちゃんもアミさんも、最新刊をきちんと読んでいました。
デビュー時よりぶれない姿勢を貫いている、その潔さを買ってのメニュータイトルのようです。



壁には「胸がキューンとなる、心にたまったことばたち」というコーナーに、お客さんが好きな本や歌詞からの言葉を書き留めた紙が、貼られています。
しげしげと眺めていたら、「リカちゃんも書いたら?」と恵ちゃん。
「私も書いて貼っているの」と聞いて、がぜんやる気が出ました。

さあてと、どの本から言葉をもらおうかな~。
今回の企画で、恵ちゃんの林真理子パスタ(略しちゃった)のほかに、「朝井リョウをイメージしたコーヒー」もあったため、彼の『桐島、部活やめるってよ』からもらうことにしました。



思ったより長い引用になってしまいましたが、せっせと書き留めます。
この作品は、とてもお気に入り。(すごい新人が現れたものだなあ)と思ったものです。
あとで、私の選んだ文章は、アミさんも好きな箇所だったと知りました。友よ・・・!



胸キュンというよりも、熱い青春モノを書いたので、恋愛ものも残していこうと、もうひとつ、三浦しをんの『君はポラリス』から一文(今度は短く)書き出して、壁に貼りました。
私がこのカフェ、そして北海道を去っても、書き記した言葉が残っているって、すてきだわ。



3人で楽しくおしゃべりをしているところに、女性二人連れのお客様がやってきて、食事の後も静かに読書にふけっていました。
親子のようにも見えました。母子でブックカフェって、いいですね~。憧れます。



旅先では、ついあれこれと動きまわって、忙しく過ごしてしまいますが、この日は雨だったこともあり、ゆったりと本と一緒の時間を楽しむことが出来ました。
旅の途中で羽を休められるカフェを見つけたいなとかねがね思っていた私にとって、ここはまさにピッタリ。
本好きのオーナーさんとお友達になれたことだし、また訪れたいものです。

帰りに、泥のついたニンジンを、恵ちゃんともども分けてもらいました。
前の日にいただいたメロンとトマトの続きのようです。
これは夜に会う友人へのプレゼントになるわ、と考えて、ニコニコ。

◯ エーデルワイス

恵ちゃんはいつもくるくる動いている人。
来週のホルンフェスティバルに演奏家として参加するほか、参加者みんなにパンを作ってあげることになったそう。
「忙しいのに、嫌な顔ひとつしないなんて、偉いね」と言ったら、「好きでやっていることだからね」と。
見習わなくっちゃ。



その時の材料を揃えるということで、おいしい燻製屋さんに向かいました。
エーデルワイスファームです。
市街地を離れ、牧草地の中に入ったところに直売所がありました。
エーデルワイス、エーデルワイス~♪
さっきまで、北欧調のカフェにいましたが、今度は緑の中から、スイス風の白い洋館が現れます。
どちらも、北海道のイメージにぴったり。



さまざまなベーコンを、ありがたく試食もさせてもらいました。
うん、どれも美味!
温めても常温のままでも、きちんとおいしくて、感動しました。
ここの名前は覚えておこう、と思ったくらいに印象に残る味でした。

◯ ニーウン・ペツガラス美術研究所

それから、ニーウン・ペツガラス美術研究所に連れて行ってもらいました。
北海道のガラス工房なんて、イメージ合いすぎるー!
訪れた場所は、もとは小学校だったという木造の一軒家。
外観からして懐かしい雰囲気に包まれたお店でした。
ルル~♪、ルルルルル~♪(北の国から)
この日は「まさに北海道」っていうところばかりに連れて行ってもらっています。



すてきな手作りのガラス製品がところ狭しと飾られており、手にとって眺めました。
工房内はカフェも併設しており、そこでお茶をしている人たちもいました。
私は光を通すモービルに目を奪われ、恵ちゃんは、料理用の器を吟味していました。



ここのトイレがきれいと聞いて入ってみたら、シンプルな小部屋の天井に色とりどりのガラスがアバンギャルドに埋め込まれ、自然光が色を帯びて降り注いでいました。



わあ、このお店らしーい。
折しもこの日は雨降り。日光が差し込まなかったのが残念でしたが、晴天日だったら眩しくて、見上げていられなかったほどキラキラ輝くんじゃないかと思います。



◯ 札幌中心地へ

市街地から少し足を伸ばした郊外を堪能して、また札幌に戻りました。
札幌ドームの前を通ります。
野球好きの彼女、日本ハムの大谷翔平選手がかなり有望だということを、朝のうちから熱~く語ってくれましたが、野球に疎い私は、「へぇ~、ほぉ~」と聞いているだけ。
「大谷といったら、大谷吉継しか思い出せないわ」と、歴女発言をしてしまい、(あ、どうしよう)と思ったら、その時一緒に車に乗っていた息子さんが
「石田三成の仲間!」と言ってくれたので、「そうそう」とほっとしました。
母より息子と話が合っちゃった(笑)

この日は朝から晩まで、あいにくの一日降り。
「大通公園のオクトーバーフェストに行きたかったのに」と残念がる恵ちゃん。
昨日登ったテレビ塔は、日中に見てもやっぱりミニ版東京タワーのようでした。



「北海道神宮の分社がテレビ塔内にある」と聞いていた私。
「冬は雪で覆われて、参拝がままらないから」という理由に(なるほどね)と思っていました。
札幌に詳しい人が誰もそのことを知らなかったので、展望台エレベーターのお姉さんに聞いてみたら、「いえ、ここにはありませんよ」とのこと。
たしかに、展望台にあるのは、テレビ父さん神社でしたもんね(笑)。
都市伝説だったみたいです。もう。

◯ 恵ちゃんから梢さんへ

札幌駅前で、この日の夜からお世話になる苫小牧の友人梢さんとおちあう約束をしましたが、駅前は意外に一方通行の道が多くて、右往左往。
恵ちゃんのおかげで、ようやく再会できました。
恵ちゃん、どうもお世話になりました!
旅人ではなく、住民のようなのんびりした休日を過ごせて、とっても有意義でした。

走り去る彼女の車を見送り、梢さんの車に乗り換えて出発すると、交差点で奇しくも彼女の車の後ろになりました。
恵ちゃーん!うしろ、うしろ!
でも、ドライバーに気を散らせてはいけないので、そのまま静かに後をついていき、そしていつしか離れていきました。



梢さんは、2月の宗谷で一緒に猛吹雪を体験して、九死に一生を得た(大げさ!)仲。
会うのは半年ぶりです。
「あの時は凍え死ぬかと思ったけれど、今では暑くて死にそうだものね」
北海道の自然はハードです。

こっちの人は、本当に車が足代わりなんですね。
「札幌にはあまり行かないから、慣れなくて」といいながら、一路車は苫小牧に向かいます。

◯ ほっき炙り飯は・・・

苫小牧といえば、名産はほっき貝。
最近では、「ほっき炙り飯」が有名だそうで、「それを食べに行こう」ということになりました。
Cafe&Dining Angeraというおしゃれな洋風レストランで、(ここで和食を出してくれるの?)と不思議に思いながらも、入り口の黒板に書かれていたので、安心して店内に入ります。

二人でほっき炙り飯をオーダーしたら、ウェイトレスさんが
「すみません、今日はもう、全て出てしまいました」と言いました。
「えー、がっかり」と肩を落とす私達。
せっかくなので、ほっきのメニューにしようと、それぞれにほっきの料理を決めてまたオーダーしたら、
「すみません、今日はほっき自体が、もうないんです」とウェイトレスさん。
ええ~っ!?
それならしかたがないねと、3度目のオーダーをして、リゾットとアイスミルクをいただきました。

   


「ほっき炙り飯をご希望でしたら、事前に予約を入れていただけると確実です」と聞いて「ええっ、そんなにレアなものだったっけ?」と驚く梢さん。

食後、明日の朝食の買い出しにイオンに寄った時に、ほっき貝を探してみたら、ありました!
貝は、人のこぶしくらいの大きさなんですね。
「ちゃんと売ってるのに~。貝がなくなったら、買いにくればいいのに~」と、納得がいかない様子の梢さん。
貝を買って、家で食べることもできますが、ホッキ貝は貝柱がとても頑丈で、普通の包丁が刃こぼれしたりもすると聞き、びっくりしてやめておきました。
殻を取った抜き身の貝も売られていましたが、なぜか外国産。
ここは産地なのにー!
まあ、滞在中に食べる機会はあるでしょう。

お家におじゃまして、カフェで頂いたニンジンを進呈しました。
隣にいるのは、梢さんイチオシの、苫小牧市キャラクター、とまチョップ。
この日の北海道新聞の天気予報図が少し見えます。(ここ注目点ですよ)



今回の私の滞在時に、いろいろと行く場所をプランニングしてくれていた彼女。
慣れない札幌ドライブに少々お疲れ目ですが、明日は、私のリクエストによるえりも崎ドライブなので、長距離移動になります。
楽しみにしながら、眠りにつきました。

4日目に続きます。


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