風に吹かれて旅ごころ

はんなり旅を楽しむはずが、気づけばいつも珍道中。

天空の郷、吊り橋三昧(本宮・湯の峰)1-3

2013-02-09 | 近畿(奈良・和歌山)
1-2からの続きです。

○ 熊野本宮
○ 神門の檜皮ぶき工事見学
○ 鳥石はどこ?
○ 大斎原(おおゆのはら)
○ 湯の峰温泉
○ あずまや荘

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○ 熊野本宮

ここから熊野本宮を参拝します。迫力のある狛犬が、入口を守っています。



透き通った手水舎の水。



参拝したことがある私はわかっていましたが、初めて訪れたpinoは、長い石段を見て「うわあ~」と根をあげています。
神倉神社がハードでしたからね。写真は上からの光景です。



励ましながら上りきった先には、神殿に至る神門が・・・。
ん?あれ?
幌に覆われています。
「出雲参りした時もこうだったよ。ついてなーい」と肩を落とすpino。
私は、ベルリンのブランデンブルク門が修理中だったときのがっかり感を思い出しました。



それでも、門のむこうの神殿は、通常のままだったため、つつがなくお参りできました。



今回は、すばらしい神社ばかり参拝できて、ビリビリしすぎてどうにかなってしまいそう。
pinoは、ここでこそとおみくじを引いていました。
気になるお告げは「恋愛と勉強以外はよかった・・・」う、うーん、グッドラック。

○ 神門の檜皮ぶき工事見学

参道で「神門の檜皮(ひわだ)ぶき工事見学」の受付をしていたため、参加してみることに。
檜皮葺が好きなので、興味シンシン。



ヘルメットをかぶって、屋根周りに設けた足場を上っていくと、4人の職人さんが一心不乱に作業をしていました。
和歌山県文化財センター担当の方が解説してくれます。
今回のふき替え工事は約半世紀ぶりとなり、すでに社殿は昨年完成済みだとか。
老朽化にともない、屋根を確認してみたところ、樹皮の間に台風や大水害によるおびただしい泥が埋まっていたそうです。



職人は、1、2センチずつずらして重ねたヒノキの樹皮を、竹のくぎで固定していきます。
4人のスピードが合わないと、作業がまとまって進まないため、全員の息の合わせ方が大事。
1人が1日に仕上げられるのは1.5畳分でしかない、緻密な作業を目の当たりにして、感動しました。
仕上がった箇所を見て、その精緻さにまた感動。
どんなに時代が進んでも、人の手でしか成し得ない伝統技術はあるのですね。
二人で「職人ってかっこいい!」「すてきー!」と、手に職をもつ人のいなせさにポーッとしていました。



私たちと同じタイミングで、巫女さんたちもヘルメットをかぶり、続々と門の上に上がって見学していたので、「おや?関係者は事前に見ているわけではないのかしら」と思ったら、どうやらこの一般公開は、9、10日の二日間だけ行われたよう。
私たち、逆にとてもラッキーだったのね!シーズンオフに来ると、こういう珍しいこともあります。
ブランデンブルク門も工事見学やってたら、上に登れたのになぁ。(木製じゃなく砂岩製だけど)



巨大お守りにびっくり。ど、どこにつければいいの?

○ 鳥石はどこ?

前に熊野三社巡りをした時、母親に「鳥石(からすいし)は見た?」と聞かれました。
「神武天皇の道案内をした八咫鳥(ヤタガラス)が、案内役を終えてうずくまったのが、石になっている」のだそうです。
その時は見ていなかったので、今回は探してみたいところ。

でも、巫女さんに聞いても神主さんに聞いても「わかりませんね。うちではないです」と言われました。
う~ん、気になるわ。これは母に確認するしかありません。
ケータイが繋がらなかったので、久しぶりに公衆電話から家に電話をかけて聞いてみたら、「本宮じゃなくて、大社だったはずよ」と言われました。
本宮と大社って、言葉のイメージがまぎらわしいんですよね。
「今回、那智大社には行かないの?」
ええ、行きません。時間に余裕がなかったので「玉置神社に行くか、那智大社に行くか?」と聞かれて、迷わず玉置神社を選びました。
那智の滝はとても好きで、すごく行きたいのですが、玉置に行けるチャンスはそうそうないと思ったので。
そんなわけで、鳥石は今回お預けです。

紀伊から母親に、質問の電話をかける私を、pinoはおもしろそうに眺めていました。

○ 大斎原(おおゆのはら)

熊野本宮大社旧社地。初めて訪れます。
高さ34m、横42mの日本一高い大鳥居が建っていると聞いてはいましたが、実際に行ってみると本当に巨大で驚きました。



神が舞い降りたという大斎原は、熊野川・音無川・岩田川の合流点となっています。
ただその地形が災いして、明治22年の台風で流されてしまい、現在の本宮後に移転しました。



ここも澄んだパワーに満ちています。
そんな書き方をしていますが、私は霊感は全くなく、お化けや霊を見たことはありません。
特に宗教がかってもいません。ただ、気のエネルギーを感じるだけです。

大鳥居を抜けて、大斎原の中洲から、河原へと向かいました。
その昔、参拝者はは歩いて川を渡り、冷たい水で身を清めて、神域を訪れたそうです。
水に触れてみました。とても澄んでいますが、結構流れは速く、足を取られそうな気も。
普段ならしゃがみこんで河原を楽しむpinoですが、今回はiPhoneを落としたショックで、あまり水際には近寄りませんでした。



大斎原を前に浮かれる私(謎)。


○ 湯の峰温泉

それから、本日の宿、湯の峰温泉へと向かいます。
ここはぜひ来てみたかった場所。
1800年前に開湯された、日本最古の温泉です。
つまり2世紀、弥生時代ですよ!?
そんなに長い間、よく温泉が尽きないものです。



温泉街は小ぢんまりとしており、湯の谷川をはさんで立つ十数件の宿のみ。
それでも古めかしい情緒たっぷりでした。



通りを散策すると、辺りにはほのかに硫黄の香りが漂っています。
湯の谷川のあちこちから湯気があがっており、本当に温泉街なんだなあと実感。
「湯筒」では、ゴポゴポ湧出する豊かな熱湯で、地元の人や湯治客が卵や野菜を茹でていました。



岩風呂「つぼ湯」は世界遺産登録された世界初の温泉浴場。予約制で、入っている人がいました。
『小栗判官と照手姫伝説』の小栗判官が傷ついた身体を癒し、治癒させたというくすり湯です。





温泉街の中心にある東光寺にお参りしたかったのですが、もう夕方で閉まっていました。
ご本尊の薬師如来は、なんと湯の花の化石でできているそうなので、拝見したかったのですが。



○ 湯の峰民宿あずまや荘

民宿というよりも湯治場といった風情の宿。まずここのお風呂に入ります。
ここは本館である旅館あずまや荘のお風呂にも入られますが、宿の御主人は「うちの方がお湯は濃い」と言われていました。
「お湯からあがったらこれを」と、温泉水を渡されます。pinoは口に合うようで、ゴクゴク飲んでいましたが、私は硫黄の香りが気になって、あまり飲めませんでした。



夕食は、名だたる料亭で修行をしたという料理人の手による、おいしい御前でした。
温泉で炊いたという、温泉ご飯が出ます。初めて食べました。
鹿肉のタタキが出て、マタギ、いえジビエ気分になります。
さっき玉置山で見かけた鹿さんをちらっと思い出しました(…)。
ここの宿では、料理が一番心に残りました。



食後、今度は本館のお湯に入りに行きました。
浴衣でカラコロと木下駄の音を響かせながら、温泉街を歩くなんて、湯治風でなんとも風情がありますが、今は真冬。それどころではなく、とにかく寒い~~。



ガタガタ震えながら旅館に着き、温泉に入ってあたたまって、ほっと一息つきました。
旅館のお風呂は広くて落ち着きます。
くすり湯にもつかりました。



ほかほかに温まったので、帰りはもう寒くありません。
空には満点の星。うっとりと眺めながら、宿に戻りました。
初日から、実に盛りだくさんだった1日。1時前に就寝しました。


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