風に吹かれて旅ごころ

はんなり旅を楽しむはずが、気づけばいつも珍道中。

巡礼、始めました。(南足柄)

2013-04-28 | 神奈川
○ prologue
○ 小田原遠し
○ 伊豆箱根鉄道・大雄山寺線
○ バスで最乗寺へ
○ 大雄山最乗寺 清瀧不動尊参拝
○ 奥の院で読経デビュー
○ 境内散策
○ 御朱印
○ 清左衛門地獄池
○ 極楽寺
○ 富士フイルム前駅
○ 小田原ランチ
○ ひと駅の箱根登山鉄道
○ 小田原用水
○ 松原神社
○ カフェクローズ
○ 北条五代祭りまぢか
○ 小田原城遠景
○ 北条早雲騎馬像
○ 初めてのロマンスカー
○ 巡礼1回目を終えて
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○ prologue

わたくし、巡礼を始めました。
いえ、別になにか思い病んでのことではありません。
日本で巡礼と行ったら、白装束の四国のお遍路さんのイメージしかなく、(縁遠いわ)と思っていたくらいです。

4月に入ってから、友人が突然天啓を受けたように、巡礼に目覚めました。
水が布にしみ込むように、みるみるうちに夢中になっていく様子に、ビックリ。
『ハチミツとクローバー』の「人が恋に落ちる瞬間を見てしまった」ならぬ、「人が納経書にはまる瞬間を見てしまった」でした!



その熱に導かれるように始めることにした、関東三十六不動巡礼。
割と広範囲に渡りますが、各地の不動尊は、前々から気になっていたので、興味があります。
お寺に番号は振られていますが、参拝の順序は問われないとのこと。
3月末に大山を登ったばかりのため、第一寺の大山不動尊はもう少し後にして、第二寺の清瀧不動尊から始めることにしました。

○ 小田原遠し

実は数年前、「旧小机観音霊場巡り」を体験したことがあります。
でもそれは、コンプリートを目的としない、ほんのさわりといった感じでした。
七福神巡りも、巡礼といえば巡礼ですが、やっぱり覚悟の決め方は違います。
念入りに前知識を入れていったつもりですが、初日だけに緊張しながら当日を迎えました。

当日、連れが乗った「小田原行き」湘南新宿ラインに横浜から乗り込むつもりが、発車ベルにせかされて、間違えて少し早い「逗子行き」湘南新宿ラインに飛び乗ってしまい、大慌て。
湘南新宿ラインには行先がいろいろあることを、初めて知りました。
GWの混雑を避けてグリーン車チケットを買ったのに、使い方が分からずにおろおろ。
ホームの券売機で買っても、発券されないところで、すでにパニック状態だったため、連れと落ち合うまでに、すっかりぐったり疲れてしまいました。
グリーン車チケットの購入法と利用法を、初めて知ったわ。

○ 伊豆箱根鉄道・大雄山寺線

バクバクと心臓の動機が収まらないままに、小田原に到着しました。
そこから、伊豆箱根鉄道・大雄山寺線に乗り換えます。
このお寺行きの電車があるなんて、すごいですね。昔から変わらず人々の信仰を受け続ける山なんだとわかります。
改札口上には、大きな天狗のお面が掛けられていました。天狗ワールドへようこそ、と言っているようです。



のんびりとした光景を見ながら、終点大雄山駅で下車。
下りたホームの感じが、阪急嵐山線の嵐山駅に似ています。
改札を抜け、外から駅舎を眺めて、以前南足柄のアサヒビール神奈川工場見学会の時に前を通った場所だと思い出しました。



関東の駅百選に選ばれている、三角屋根の山小屋風の駅。
駅前には、足柄山の金太郎像がいました。



○ バスで最乗寺へ

そこからバスに乗って、これまた終点の最乗寺へ。
今朝は、湘南新宿ライン-伊豆箱根鉄道大雄山寺線-バスと、全て終点まで乗っていっています。
さいはて感、たっぷり。

駅のそばには、大雄山橋がかかっています。赤い欄干の途中に見えるのは、天狗の羽団扇。
バスはこの橋を渡って、大雄山へと向かいます。なんだか違う世界に入っていく気分。



○ 大雄山最乗寺 清瀧不動尊参拝

終点で降り、お寺へと向かいました。
新緑が目に鮮やかで、気持ちいい風が杉林を通っていきます。
鬱蒼とした古木の立ち並ぶ林は、雰囲気満点。



石段の両側に、石碑がずらりと並んでいます。
どれも「講」参拝碑。古めかしく、歴史を感じます。

鐘楼に彫られた竜の彫刻が珍しく、そして見事で、目を奪われました。
深い彫りで、芸術的です。鐘が鳴らなくても、この鐘楼を見ていれば幸せになる感じ。



金剛水堂で、名水をいただきました。山から運ばれた自然の冷たさを味わいました。



そして、滝の上にある不動堂を参拝しました。



○ 奥の院で読経デビュー

巡礼者となった以上は、読経しようと決心していましたが、不動堂にはひっきりなしに参拝者が訪れるため、読経ビギナーの私は、とても恥ずかしくて声を出すことができません。
そこで、奥の院へと向かいました。

石段の両脇は、天狗が構えています。邪悪なものは通さないぞ、といった迫力です。



本当に山の上の奥の院といった風情。350段にもなるかなりの石段で、ゼイゼイと息が切れました。



ここで、お堂の中の十一面観音を前に、読経デビューしました。
読み間違えないかとか、舌を噛まないかとか、緊張しすぎて息切れしっぱなしで、ハアハア。
恥ずかしかったので、連れには外に出ていてもらいまいたが、お経を読む声は思いっきり外に筒抜けだったそうです。
恥ずかしー。通気性抜群の木造ですからね…
ああ、もっと上手に読めるようになりたいわ。これは回数を重ねて慣れていかないといけないんでしょうね。

○ 境内散策

境内は広く、見どころたっぷりです。
世界一の高下駄がありました。並んで見るとこれほどビッグ。



もちろん、天狗用です。
そのほかにも、無数の下駄が奉納されていました。



大黒天・毘沙門天・弁財天の合体像という三面大黒天は、堂内が暗くてよく見えませんでしたが、その前には幸せの「有難い狛犬」がいました。
仔犬を護っているポーズのようです。授乳中の母犬のよう。
悪魔を払ってくれるんだそうです。



そばにあった手水舎は、観音様がたおやかな風情で手向けて下さる形です。



大天狗小天狗も祀られていました。小天狗ってなんだかかわいいですね。
パンダコパンダみたいで。



ここからが結界内だという神奈川100選の橋を渡りました。両脇には、やはり天狗が構えを取っていました。



キツネに乗っている天狗の像に、目が留まりました。
(なんだろう?お稲荷さん?)と不思議に思ったら、これは御真殿の本尊、道了大薩埵(どうりょうさった)でした。
火焔を背負い、右手に拄杖・左手に綱を持ち、白狐の背に立っている姿です。
れっきとした人間ですが、この姿で寺の守護を誓って天狗となり、天に上ったと伝えられているそうです。



○ 御朱印

参拝を済ませて、納経場で御朱印をいただきました。



専用の御朱印帳があり、バインダー式になっていて、一枚ずついただいたものを紐綴じしていきます。
お坊さんが、私たちに話しかけながら、さらさらと日付を書き込んで下さいました。

○  清左衛門地獄池



帰り道、気持ちがよさそうな道なので歩いて下り、途中で駅への車道をそれます。



農道のような林道のような、地図になさそうな道を通って、行きたいとリクエストを出していた地獄池へ向かいました。
おどろおどろしい名前とは正反対に、この辺りの水はとても澄んでおり、平成の名水百選に選定されています。
飲んでみたいところでしたが、飲料用湧水はなさそうでした。あたりはのどかで、昔に戻ったかのよう。



池のほとりには、弁財天を祀っている厳島神社がありました。
それにしても、あんまりなネーミングですよね。別府地獄めぐりみたい。
地獄池というおそろしい名前からは想像もできない、清水のこんこんとわき出るのどかな場所でした。

○ 極楽寺

地獄の後は極楽に行かないとね、ということで、次は近くにある極楽寺に向かいました。
由緒書が子供に語るようなやさしさで、私にも理解できました。



静かで手入れの行き届いた、とてもいい臨済宗の古刹です。



ここの鐘楼も、深い彫刻が印象的。
この辺りの鐘楼は、こういったスタイルなのかしら。
鐘を鳴らしてみました。深く響き渡る音色に、心が落ち着きました。



○ 富士フイルム前駅

散策しながら、富士フイルム前駅に着きます。
社名がついた駅名は、トヨタ駅、エビス駅、鈴木町駅(味の素の社長鈴木氏より)くらいだと思っていましたが、富士フイルム前駅もあったんですね。
水がきれいなのでここに工場を建てたそうです。大きな社宅があり、この辺り一帯が富士フイルム敷地といった感じでした。
このきれいな水から、アスタリフト(コスメ名)が生まれているんですね。「肌がたべるジェリー」と言われるジェリーアクアリスタも。

○ 小田原ランチ

電車に乗った時にはもうおなかペコペコ。小田原に着いて、遅めのランチをとります。
海鮮丼にしました。連れはアジのたたき定食。でも画像を撮るのを忘れてしまいました。

○ ひと駅の箱根登山鉄道

ひと休みして、今度は箱根登山鉄道で箱根板橋駅へ向かいました。
秋葉権現について調べている連れのリクエストで、秋葉山量覚院を訪れたのです。
箱根登山鉄道に乗ったら、そのまま箱根までウキウキ行きたいところですが、乗ったのはたったひと駅でした。

境内は幼稚園と隣接しており、お寺というのに奥に神社があり、神仏習合風でした。
連れが庫裏で御朱印をお願いしたら、お寺の方が、書いた梵字の意味など、ていねいに内容を説明して、散華もくださいました。

○ 小田原用水

それから小田原用水ぞいに細道を通っていきます。
戦国時代、北条氏が城下町を潤す為に施設した、日本最古の上水道だそうです。
北条さん、すばらしいわ!
この辺りを流れる水は、本当に清水ばかり。
心が洗われるようです。

車道にぶつかったところには、去年の夏、箱根旅行帰りに車から写真を撮った消防署南分署がありました。
今回は、手ブレを気にすることなく、撮影できました。

○ 松原神社

どんどん東へと歩いて行くところで、大きな鳥居を見かけました。
小田原宿総鎮守の松原神社でした。御祭神は日本武尊。



ここは亀にゆかりのあるところで、石の「吉兆大亀」がおり、撫でると寿命が延びるということで、甲羅を撫でてきました。
絵馬にも亀が書かれていました。

○ カフェクローズ

両覚院からてくてく歩いて、目指すカフェ春慶へと辿り着きましたが、どうもシーンとしています。
この日は用事で閉店という張り紙を見つけて、がっくり。
ほかのカフェに入ろうとしても、シャッター街が続いていて、入れそうなお店はありませんでした。



そのまま海に出ました。高速がそばを走り、全く観光ビーチではないものの、美しい海景色が広がっています。



海岸で「スイーツ食べたーい」と連れと二人でやさぐれながら、小石投げをしました。
それから駅へと向かいました。休日だからか、とっても静か。



○ 北条五代祭りまぢか

駅の近くに行くと、賑やかになってきました。



どこを見ても「北条五代祭り」の上り旗があり、ポスターや通知が張られています。
このGW中のお祭りは、毎年気になってはいますが、横浜から小田原はちょっと距離があるため、まだ行けたことがありません。
「すべてはその日のために」と、町全体でXデーの5月3日に向かって取り組んでいる様子が伝わってきました。



○ 小田原城遠景

小田原に来たのなら、やっぱり小田原城に行きたいわ。
そう思っていましたが、その時間はなさそうで、そろそろ日が暮れてきました。
がっかりしていると、駅の東口のロータリーから、お城の天守閣が見えました。
見えたから、これでいっか。



○ 北条早雲騎馬像

駅の西口には、小田原北条氏の祖、北条早雲の騎馬像がありました。
仙台青葉城の伊達政宗像や、ウォータールーのナポレオン像に勝るとも劣らぬカッコヨサでした。



でも、なんだかワサワサした感じ。よく見ると、騎馬に乗った北条早雲の脚元には、鹿や牛が入り乱れています。
(どういうこと?)と思ったら、彼が角にたいまつを付けた牛を使って小田原城を攻め落としたときの様子だそうです。
牛、大活躍だったのね。

○ 初めてのロマンスカー

ようやくカフェに入ってケーキセットを食べて、そろそろ帰途につきます。
帰りはロマンスカーで。
横浜に住む私にとって、初めてのロマンスカー。



でも、これに乗る時には、ウキウキ箱根旅行に出かける時だわーと思っていただけに、(なぜ小田原からの帰り道で・・・)と、微妙にがっかりもしました。
これに乗ってバカンス気分に浸りたかったよー。
新型車両ということで、連れはウキウキしており、たしかに座席が左右とも少し窓際を向いているなど、斬新な作りになっていました。

○ 巡礼1回目を終えて

帰宅してから、いただいた御朱印を眺めます。
お不動さんと童子の御影札をいただきました。



2番目はせいたか童子。
ということは、1番目はこんがら童子ね。
わかってしまう自分が、ちょっとディープかな?と思ったりしますが、まあこのくらいは基本でしょう。

こんな感じで始まったお不動巡り。
巡礼なのに、やっぱり普段と変わらぬてんやわんやでした。
残りの35不動尊も、じっくり楽しんで周ろうと思います。


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