9月4日(読んだ本、『太陽の巫女』 再読)

 @rinakko
 神父、神父と逅へり樹蔭に血紅の蟻遊ぶ蟻地獄へだてて──塚本邦雄
 我に逢う我を陽炎消しにけり──永田耕衣
 #詩歌蠱術函








 @rinakko
 【太陽の巫女/笙野 頼子】
 
 再読。この作品から日本神話が題材として前面に出てきたのか‥と。竜神系一族巽家と蛇神系一族滝波家における、神話という解けない呪い。一代に一組ずつの婚姻、続いてきた混血、血族の容貌、各家の盛衰、「竜と蛇の差別」「貴種の物語」…。
 そんな中、「一代混血の竜女(選ばれた女)」を母に持つ滝波八雲は、「夢に嫁す」という単身婚を選ぶ。その夫は滝波の神(=被征服神)であり、「今まさに死のうとする冬至の太陽」だという。冒頭から、婚姻儀式中の会食場面が延々と続き、そのみっちりとした重い流れに引きこまれる
 

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9月2日

 @rinakko
 薔薇つむ手・銃ささへる手・抱擁く手・手・・・の時計がさす二十五時──塚本邦雄
 骸骨が舐め合う秋も名残かな──永田耕衣
 #詩歌蠱術函








 @rinakko
 【方形の円 (偽説・都市生成論) (海外文学セレクション)/ギョルゲ・ササルマン】を読んだ本に追加
 

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8月に読んだ本

8月の読書メーター
読んだ本の数:21
読んだページ数:5452

母の発達 (河出文庫―文芸コレクション)母の発達 (河出文庫―文芸コレクション)の感想
再読。読み返すのは少々きついかな…と危ぶんでいたが、なんのなんの滅法面白かった。とりわけ“五十音の母”は、様々な“おかあさん”たちをずらりと並べて時には論い、片っ端から思い切り笑い飛ばしていくので胸が空く。
読了日:08月31日 著者:笙野 頼子
硝子生命論硝子生命論の感想
再々読。透明を許されず透明を志向する…観念の硝子、その死体(…だけでもう美しい)。ヒヌマ・ユウヒという生き辛さを抱え込んだ人形作家の造形といい、そんな彼女が作る少年人形の設定(そも人形=非生命であるのにそれは必ず死体人形であらねばならない…と被せてくる)とその魅力(上半身は少年で下半身は恐竜とか…!)といいすこぶるにツボな作品である。ひさしぶしに読み返してみて、あらためて後半の展開が面白かった。一冊の書物に生まれ変わる語り手の日枝無性と、人形恋愛の同志たちによる“あらゆるタブーを破る事で生まれる国家殺し”
読了日:08月30日 著者:笙野 頼子
パラダイス・フラッツパラダイス・フラッツ
読了日:08月28日 著者:笙野 頼子
ヴィレット(下) (白水Uブックス)ヴィレット(下) (白水Uブックス)
読了日:08月27日 著者:シャーロット・ブロンテ
ヴィレット(上) (白水Uブックス)ヴィレット(上) (白水Uブックス)
読了日:08月26日 著者:シャーロット・ブロンテ
宝石の国(10)特装版 (プレミアムKC)宝石の国(10)特装版 (プレミアムKC)
読了日:08月25日 著者:市川 春子
群像 2019年 09 月号 [雑誌]群像 2019年 09 月号 [雑誌]の感想
お目当ての創作、間宮緑さんの「語り手たち」を読んだ。本物の語り手の代わりを務める語り手の老人が語る、“永遠に語られることのない物語”をめぐる物語‥(くらくら)。摑みどころのなさに馴染んでくるとそれがまた妙味でもあり、曖昧な夢の記憶をたどるような不思議な読み心地に引き込まれた。お話の終わりって、どこで終わらせても本当はいつも“まだ話の途中”だものね‥と深く頷く。
読了日:08月23日 著者:
掃除婦のための手引き書 ルシア・ベルリン作品集掃除婦のための手引き書 ルシア・ベルリン作品集
読了日:08月22日 著者:ルシア・ベルリン
増殖商店街 【復☆電書】増殖商店街 【復☆電書】の感想
再読。
読了日:08月21日 著者:笙野頼子
あとは切手を、一枚貼るだけ (単行本)あとは切手を、一枚貼るだけ (単行本)の感想
ふと寄り添い合うかにも見えて何処か遠い言葉たちが通う。手繰り寄せてはまた押し返す、似ている温度と違う湿度の思いを湛えて…。ふたりはこれほどに離れてしまったからこそ、互いを照らし照らされる唯一の灯台のような存在になり得たのだろうか…と、思いは尽きない。ドナルド・エヴァンズの切手の世界、ジョゼフ・コーネルの箱の記憶、封じこめることと閉じこもること、やさしさと残酷さ、暗闇で見えてくるものについて。私はかつて小川作品に導かれて『アンネの日記』に再会した読者なので、アンネ・フランクに触れる件は殊に沁みた。
読了日:08月20日 著者:小川 洋子,堀江 敏幸
レストレス・ドリーム (河出文庫―文芸コレクション)レストレス・ドリーム (河出文庫―文芸コレクション)の感想
再読。
読了日:08月19日 著者:笙野 頼子
笙野頼子三冠小説集 (河出文庫)笙野頼子三冠小説集 (河出文庫)の感想
再読。
読了日:08月18日 著者:笙野 頼子
ロマンス ダンセイニ卿 未収録短篇集ロマンス ダンセイニ卿 未収録短篇集
読了日:08月15日 著者:ダンセイニ卿
葉書でドナルド・エヴァンズに葉書でドナルド・エヴァンズにの感想
“それは完全な空想の世界というよりも、この世界の皮膜という皮膜、縁(へ)りという縁りに寄り添った世界であるようにみえます。つまり、世界の不完全性そのものが生み出した世界であるように。” “現実における悲しい欠落を、まったく別の世界の、愛らしい出現に変えること。”
読了日:08月13日 著者:平出 隆
小鳥たち小鳥たちの感想
2篇は再読。大好きな麗しい1冊です。いつまでも眺めていたい‥‥、とても華奢なのに逃げるのだけは得意そう(誰にも決して捕まえられないよ‥と)な小鳥たちの姿にうとりうとり。儚げでありつつ硬質な侍女たちの佇まいと、散りしくほどの小花の吹雪と。あとがきにもあるように、この子はどんな性格かな内気なのかな仕切ってる方かな‥と想像は尽きない。そして何より、老大公妃の存在は忘れがたい。
読了日:08月11日 著者:山尾悠子
フェリシア、私の愚行録 (ルリユール叢書)フェリシア、私の愚行録 (ルリユール叢書)の感想
面白かった。うおん。美しき遊女フェリシアの軽やかで賢く優雅なことよ。愛は惜しみなく分け与えることが出来るし、更に末永い友情へとゆるゆる変化させていけばよろしい…と。愛着は持っても執着はせず、激しい情熱には一歩退きつつ己の官能には素直(過ぎるほど)に従う。こんなに奔放に生きてきて、誰のことも不幸にしなかったと言い切れるところが見事なひとだ。びば浮気女。“私は浮気から浮気へと飛んで回るように生まれついた女だ。全部つまみ食いしてひとつところにはとどまらないようにできている。(略)
読了日:08月09日 著者:ネルシア
居場所もなかった (講談社文庫)居場所もなかった (講談社文庫)の感想
再読。
読了日:08月08日 著者:笙野 頼子
加藤郁乎詩集 (現代詩文庫 第)加藤郁乎詩集 (現代詩文庫 第)の感想
少しずつ読んでいた。「あゝ 亜麻色の初花のともぐひ」「血の耳てふ三聯の木立瑠璃草(ヘリオトロープ)」「サッフォーが鋤ける歯痛、二人静の反(そ)れ」「遺書にして艶文、王位継承その他無し」「夜を切らうメリンスの紐ほどの短篇もない」「華氏は摂氏をシェヘラザードの永遠だけ離す」「人間を留守にしている間に、時間の貞操にそばかすができたが、秋の林が断崖のふくらはぎを登ってきてスウィフトの昼食会でもあり、永遠に読まれざるため永遠の読書をつづけているらしいポープが友情のながたらしさに死んでみるのは、・・(舌下のエデン)」
読了日:08月07日 著者:加藤 郁乎
夢の死体 (笙野頼子・初期作品集)夢の死体 (笙野頼子・初期作品集)の感想
再読。“年月が経って薄白く色の褪めて了ったオパールがある。その中には昔から一匹の生物が封じ込められていた。何百年も前にはその水色の半透明な石の表面を破ろうとあがき、生物は石の内側で炎を飛びめぐらせ、プリズムを陽光ごと嚙み砕いて吐き散らしたりした。そうするような憎しみと力とを併せ持っていた。その生物の名前は“虹”と言って、それが苦しんで吐く光を人はオパールのきらめきとして愛でたのである。”
読了日:08月06日 著者:笙野 頼子
もっと、海をー想起のパサージュもっと、海をー想起のパサージュ
読了日:08月05日 著者:イルマ ラクーザ
Xと云う患者 龍之介幻想Xと云う患者 龍之介幻想
読了日:08月01日 著者:デイヴィッド ピース

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8月31日

 @rinakko
 われにつづくものの氣配のはたと絕えすさまじ寒の黑き雞頭──塚本邦雄
 王亡くてひたに孔雀は卦踊りを──九堂夜想
 #詩歌蠱術函

 





 @rinakko
 昼ビール部です。待ちわびていた新装開店ほやほや、石橋の「一福」にて。
 

 

 @rinakko
 昼ごめん。石橋「一福」の豚骨らーめん。多分4ヶ月以上も休業してたので、やっと感が沁みる。
 

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