9月24日(読んだ本、『ラウィーニア』 再読)

 @rinakko
 【ラウィーニア (河出文庫)/アーシュラ・K・ル=グウィン】
 
 再読。素晴らしい読み応え。あらためて巧みな構造にも感嘆した。自分で創造しておきながら、何故ウェルギリウスはラウィーニアが金髪だと思っていたのだろう。本当の彼女は黒髪だった…。
 詩人に人生を軽んじられたラウィーニアが、己の声で語りだす「アエネーイス」。当の詩人とラウィーニアが出会い、言葉を交わす場面が大好きだった。ウェルギリウスからトロイアの英雄の妻となる運命を知らされたラウィーニアは、自らその未来を受け入れ毅然と歩み続ける。王の娘であろうと女でしかない、でも無力じゃない。持ち前の聡明さで時には強かに。
 母娘の相克のあたりきつかったけれど、そこも含めてル=グウィンならではの作品を堪能した嬉しさよ。

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