1月17日(読んだ本、『骨の山』 再読)

 @rinakko
 風の扉の未だ開かぬ裏庭に邪神がひとり草笛を吹く──沙羅みなみ
 靑沼に樹の影一本づつ凍る──西東三鬼






 @rinakko
 【骨の山 (フィクションの楽しみ)/アントワーヌ ヴォロディーヌ】
 
 再読。きつくて美しい“監禁学”小説。ここに描かれる世界には、似通った二つの全体主義体制しかない。どこまでも収容所がはびこる地上に、逃げ出すべき「世界の外」などない。そして二人の主人公は、それぞれの章の冒頭からすでに収容され監視され拷問を受けている。
 マリアとジャンによる合わせ鏡のような二つの『骨の山』(ナラとレシタの小集成)の中で、息苦しく救いのない袋小路の状況で、引き裂かれた人たちの“夢想世界の絆”は遠くかそけく響きあう。

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