私魚人(あいうおんちゅ)~定年親父の魚三昧:タナゴ仕掛けとガサで出会った魚たち~

50年続けた魚遊び。胴長ガサガサもしんどい。ならば釣りだ。タナゴから珍魚・駄魚釣りへ!さらに地元の生き物探しへ!

大衆セルフの店で晩飯を食うの巻  台湾釣(ガサ)行記②

2016-12-29 15:56:20 | 台湾の魚たち
 2016年12月22日 木曜日

台湾初日。
車を止める度に眼下にうつる枯れ川か、
行く手をはばむ灰色のきめ細かいシルトの堆積物の河原かのどちらかだ。
ようやくたどり着いた先に広がる同色に濁る水。
淡水魚にとって最悪ともいえる環境。
流れ幅50mはある川にのびる2本の1.8m竿。
闘いの結果はもはや誰の目にも明らかだった。
夕暮れがせまる。

かろうじて手にしたミナミテナガエビ4尾を心に刻み(写真を撮る時間なし)
私たちは口数少なく重い足をひきずりホテルへと向かったのであった。

「さ、飯でも食いに行こうや。旨くて安い店があるんじゃ。気に入ると思うでえ。」
友のさり気ない言葉が胸に染みる。
そういえば腹が気体で膨らんでいたことを思い出す。
台湾初釣りの期待が胸で少ししぼんでしまった今、腹を固体や液体で膨らませるしかないわな。

ホテルから数分の所に有名な屋台通りがある。
観光客でごったがえしているみたいだが、こういうのはどうにも苦手だ。
目指す食堂はそのほんの先にある。
(写真は明け方散歩中のもの、店員5人・客4人。すいとる時じゃないと失礼なので)


そこは24時間営業のこぎれいな大衆セルフ食堂だった。
「まだ、働いとる人が多いんかの? 今日は割とすいとるで。」
友の言葉に逆らうようだが、ひっきりなしに客がやってきとるぞ。

とりあえず友のマネをし、トレイと皿を手に・・・・・・
調理されたおかずが無茶苦茶並んどる。選べんがな。1掴み○○元と書いとるけど。


貧乏性の私はセルフも怖い。
あれもこれもと選ぶうちに予想を超える量と金額になるからである。
「メシ大。」「あっ私も。」しもうた。小にすりゃよかったわ。もう遅い。
とりあえずまとめて私が払う。
日本人と判断した店員さんがすかさず電卓で金額を示してくれる。
「165」という数字が見える。
えっ? ホンマ? 2人分で600円にもならない。


「スープ、タダなんじゃ。飲む? おっ、今日は野菜たくさんあるで。冷たい麦茶もタダで。」
こういうときの友は実に生き生きとしている。
「台風の時もこの店開けるんよ。この店の食事が生活の支えになっとる人もおるけえな。」
「どんなときも開けるちゅうんが信念らしいでえ。」友の熱い言葉が続く。
よく見るとシャレた若い人も会社員もたくさんいる中、
少しくたびれた服にちぎれそうなサンダルのお婆さんがご飯と1品のおかず、スープで食べておられる。
「ええ話やなあ。腹もいっぱいじゃが、胸もいっぱいになったわ。」
「日本も誰もが腹いっぱいになれる国になってほしいよなあ。」

と、そのとき私たちのテーブルに一人のおじいさんがすわる。おかずはやはり1品。
が、それは手のひらより大きいハタ類の煮付けであった。
「あんなおかずあったか?」
「いや、見とらん。あれば取っとる。」
「日本じゃったら高級魚じゃし最低数百円はするでえ。」
「いくらするか見てくる。」・・・・・・「どこにあるか分からんわ。」
「わしが行くわ。」「わっ! 40台湾元(150円くらい)じゃ!」
「取れば良かったわあ。腹いっぱいで食えんがあ。」

さっきの話はどこへやら・・・・・・私、ホンマさもしい日本人ですな。
コメント
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