弁理士『三色眼鏡』の業務日誌     ~大海原編~

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【知財記事】意匠/商標のコンボ 

2022年05月03日 10時30分36秒 | 知財記事コメント
おはようございます!
快晴の@湘南地方です。
ラジオからは「中央道44km渋滞…」とのアナウンスが聴こえてくる中、
いつもと変わらぬ場所でいつものペースでお仕事です。

計画的にやっていかないといけない感じの応接テーブルの上。
そう。一昨日とっちらかした各資料がそのままうずたかく鎮座している。
お待たせしている仕事も、期限ものも、営業計画も、マネジメント関係も、まあ色々やらなきゃいけないんだけど、
GW“中編”は、「知識のブラッシュアップと情報整理」をテーマにやっていく。

というわけで朝から、「後で読もう」と思って溜めていた知財関係の記事に目を通している。
そんな中でメモを兼ねてこんな記事のご紹介。

「意匠法による保護と商標法による保護の戦略的活用」という表題のこの論文
デザイン経営と近年の意匠法改正に言及したうえで、
意匠法による保護と商標法による保護の併用事例を多数収録してくれている。

意匠で保護して、期間が切れそうになったらその後(周知性を条件に)商標で保護する、という事例がメインかな、と思っていたら、
商標での保護をした上で、パッケージデザインを保護することで多面的に商品を守る、という事例も取り上げていた。

なるほど、確かに各法律の保護の側面も「類似」の概念も異なるから、意味のある併用例。
前者が期間的な拡張だとしたら後者は保護態様の拡張といえる。

良くお客様と、
「マネをされたくないところはどこですか?」
という話をすることが多い。
主観的にマネされたくない要素に保護を充てるのが第一義ではあるが、
その保護の手段の特徴を説明しつつ、客観的に見て適切な手段を執る、というのが、ときに難しいことがある。
まあこの情報の非対称性こそが我々の存在意義でもあるのだけれど。
本稿のように「知財(権)ミックス」を提案することも多々あるけれど、予算制約もあるなかで必ずしも採用されるわけでもない。

企業にとっての知財関連費用は、国家予算に例えるならば「防衛費」なわけで。
主力製品、あるいは今後主力にしていきたい新製品については、相応にコストをかけてきっちり守っていく方が結果的にお得だと、我々の目からは映る。
そうなのだけれど、即座にはそうは思えないお客様との認識ギャップをどうやって埋めるか、というのは常に業務上の課題でもある。
“色々出願させて儲けたいんでしょ?”と勘違いされてしまうのも悲しい。
正しく認識していただくためにも、我々も、こうした複数法域を用いた「多面的保護」の有効性を、わかりやすい言葉で説明していく必要があるなぁ、と感じた。
コメント
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