弁理士『三色眼鏡』の業務日誌     ~大海原編~

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【知財記事コメント(著作権)】好きでもやっちゃいけないこと

2021年05月19日 08時30分53秒 | 実務関係(著作権・価値評価・周辺業務)
おはようございます!
曇り空、時々霧雨な今朝の@湘南地方です。
…ムスメの徒競走は、中止かなぁ。。
※コロナの関係で、運動会は縮小開催。かつ徒競走だけ運動会とは別日でやる、というなかなか涙ぐましい努力をしてくれています。

さてさて、今日はこんな記事

(FNNプライムオンラインより引用)
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「ザ・ベストテン」無許可でコピー販売 「大好きで共有したかった」

昭和時代の人気歌番組「ザ・ベストテン」を無許可でコピーしたDVDをネットで販売していた疑いで、男が逮捕された。
契約社員の沢本哲也容疑者(48)は2020年6月までに、茨城県の男性などに、歌番組「ザ・ベストテン」を無許可でコピーしたDVD17枚を販売した疑いが持たれている。

沢本容疑者は、4年間でおよそ80枚のDVDをネットで販売し、170万円ほど売り上げていたという。
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(引用終わり)

うーん。同世代の悲哀。。。あの頃は毎日のように歌番組があったもんなぁ。
月曜日はトップテン、水曜日は夜のヒットスタジオデラックス、そして木曜日にあったのが「ザ・ベストテン」

知財的な論点は正直何もないんだけど、報じる主体によってトーンや詳細度が異なるのが面白い。

著作権侵害の“被害者”でもあるTBSは、
“「ザ・ベストテン」複製DVD違法販売で逮捕 170万円荒稼ぎか”と、タイトルで違法行為で得た金額にフォーカス。
一方で他局は、取り上げたFNN(フジ)なんかは「大好きで共有したかった」と逮捕された男の心情にスポットライトを当てている。
日テレも“「子どもの頃からザ・ベストテンが大好きで、多くの人に共有したかった」”と動機に着目。

新聞はまた別の切り口から。
朝日新聞は、
“記録されていたのは1980~2000年に放送された映像で、西城秀樹さんや南野陽子さん、河合奈保子さんを特集していた。男が録画したり、愛好家の仲間から入手したりしたものだったという。”
と、DVDの中身について詳細に報じている。
読売新聞も、
“男は沼津市内で店名にベストテンが入ったダイニングバーも開いていたという。”と、男の背景事情まで伝えている。

こうやって見ると、同じ事件でもどこを切り取るか、どこを強調するかによって印象が違って伝わることが良くわかる。
あ、あと読売新聞だけが単に「著作権法違反」だけでなく「著作権法違反(頒布)」と、適用条文(頒布権=第26条)を明記してくれている。

ま、いくら好きでもやっちゃいけないことだし、結局他人のふんどしで利益を得ている、という点は変わらないのだけど。
動画をアップする行為との違法度合いの境界線ってどうなんでしょうね?

「ザ・ベストテン」といえば、1位獲得曲数、1位獲得週数ともに歴代1位(それぞれ17曲、69週)という記録を持つ中森明菜、
デビュー40周年ということで特別サイトを開設している。
その影響もあって、ここんとこamazonmusic で中森明菜を結構パワープレイしている。
シングル曲だけしか聴いてないけど、B面曲も聴いてみるかな。

最後やや脱線しちゃったけど、
好きでもやっちゃいけないことはあって、ちゃんと権利処理されたコンテンツを楽しみましょう、というお話。


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2 コメント

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Unknown (てつこ)
2023-05-06 03:21:33
記事、大変興味深く読みました。
現在では澤本氏(本名は「澤」の表記だそうです)は中古レコード店を経営されているようです。
店頭での『ザ・ベストテン』の映像を流しているようなので、どうも反省しているとは思えない感じでした。本当に好きならそこに敬意があるように思うので、愛情を感じられません。やってはいけないこと…納得です。
コメントありがとうございます (三色眼鏡)
2023-05-08 09:52:35
てつこさん、ありがとうございます。現在のことまで実にお詳しく…。
法的にグレーなご商売というのは世の中には少なからずありますし、制度の方にも見直しの余地があるような…とおもわれるケースも無いわけでもないです。

ただ言えるのは、
「愛ゆえに許されることとそうでないことの線引きは必要」ということかなと。
皆が同じことをしたら権利者が著しい不利益を被る、という想像力こそが、コンテンツに対する愛なのかなぁ、と思っています。

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