奥永さつき

日々のできごとをそこはかとなくつづります。

数値は正確に報道すべき

2020-04-22 14:01:20 | 社会
 新型コロナウイルスの感染者は21日午後11時半時点で新たに390人が確認され、クルーズ船の乗客らを除いた国内の感染者は計1万1543人になった。(中略)
京都府や愛知県、岐阜県などで新たに20人が亡くなり、死者は計283人となった。(朝日新聞デジタル)


死者はこんなに多くないはずだ。
WHO日報は各国からの報告を集計するので一日のタイムラグはあるが、日本の死者は186名であり、朝日新聞デジタルの報道値と100名近い差がある。
他社では、読売が朝日と同じ、毎日が277名。
厚労省によると
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000164708_00001.html#kokunaihassei
「都道府県から公表された死亡者数の合計は244名であるが、うち58名については個々の陽性者との突合作業中のため、計上するに至っていない。」


突合作業が終わって、それらが正確であるとしても、主要3紙の報道とは30以上の差がある。原因は何か? 海外で感染して帰国後死亡した方を含むのだろうか? そうだとしても、それは感染症解析上は日本以外とすべきものだ。少なくとも、報道には基準を明記すべきだ。

東洋経済オンラインは厚労省報告をもとに未確認件数58と峻別して書かれていて、どうやらメディアとしてはこちらが信用度が高い。

【4月21日 AFP】新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミック(世界的な大流行)による世界の累計死者数が現時点で16万人を超えた。しかし、COVID-19の連日の死者数については、データが不完全な場合が多い上に集計方法が国によって異なるため、慎重な解釈が必要となっている。
 死亡した場所、死因の特定、情報収集の時間的遅れなどのすべてが、集計に影響を及ぼす可能性がある。死者数の集計結果は実際よりも少ない可能性があるものの、パンデミックの進行状況の監視には必要不可欠となる。
 このようなかつてない健康危機の中での死者数の集計について仏国立人口研究所(INED)は、「統計的難題」だと表現している。
■病院と高齢者施設
 スペインや韓国では、COVID-19の検査で陽性と判定された患者の死者数を、病院で死亡しても他の場所で死亡してもすべて集計しているが、これとは違う方法を採用している国もある。例えばイランでは病院のみで集計が行われている。日本でも集計が行われているのは病院だ。
 フランスや英国は最近まで、公式統計に高齢者施設での死者数を含めていなかった。フランスでは高齢者施設での死者が相当数に上っており、国内死者数の3分の1以上を占めていることが明らかになっている。
 米国では集計方法が州によって異なり、ニューヨーク州では高齢者施設での死者を集計に加えるが、カリフォルニア州では加えていない。


日本では陽性確認者が死亡しても把握されているのでAFP報道には誤解があるが、このように突っ込んだ報道をすべきで、日本の各社も見習ってもらいたい。

■中国とイラン、虚偽に非難
 一部の国は、死者の統計を虚偽報告したとして非難されている。
 イランでは公式発表の死者数に対して、地方当局と国会議員らが異議を唱えている。これは特に流行が始まった時期に顕著に見られた。
 そして、2019年12月に新型コロナウイルス流行が始まった中国に関しては最近、同国の危機管理をめぐり圧力が高まっている。ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領は、流行発生地の武漢(Wuhan)の死者数が大幅に修正された後でも、中国政府が国内の死者数に関する情報を隠蔽(いんぺい)していると非難している。(AFP)


朝日・毎日はこういうことには触れたくないのだろう。

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1 コメント

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Unknown (奥永さつき)
2020-04-22 19:25:43
退院者数についても、4/20時点で、厚労省(東洋経済オンライン)のデータは59人、東京都新型コロナウイルス感染症対策サイトは625人と10倍異なります。東京都新型コロナウイルス感染症対策サイトには過去のデータが見当たりません。感染者毎に退院フラグは立てていますが、退院日が記されていないので使い物になりません。役人仕事だなあと痛感します。SIRDモデル解析に支障があり、「専門家」は問題にしないのでしょうか、とても不思議です。

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